概要
『ガルマ三部作』の最終章。
オデッサの戦いを勝利し、ビグザムの量産化というジオン公国最大の危機を辛くも脱したガルマとその友人達。
ときに宇宙世紀0079、12月が半ばを過ぎた頃であった。
諜報部に悪巧みを持ちかけ、ビグザム開発をビグ・ラングの開発に無理やり転換することに成功したシャア・アズナブルは、月の要衝グラナダにてオリヴァー・マイと合流。
ララァと共に統合整備計画の経過観察に乗り出すのであった……。
登場人物
ジオン軍
主人公。制宙権が盤石になったことでジャブロー攻略に専念するために地球で奮闘中。
ガルマの目がない事でシャアがだらけ切っている事をキシリアにチクられて釘を刺したりもする。
今作においては「既にガルマの手が入って生産された」MSが出てくるため新しく口出しする事はほぼなく、「こういう意見を出した」という形で回想される。
終盤、満を辞してついにジャブロー攻略戦に挑むが……。
第二の主人公。
相変わらずガルマが近くにいないとだらけ切っているが、ビグ・ラングの件でキシリアに正体をバラしたせいで、チクチクと嫌味を言われる。
ララァを伴い、彼女をパイロットとしてニュータイプ専用MAブラウ・ブロの試験運用の視察を行う。
そして今作では自身の乗機としてケンプファーの試乗を行った。
ジャブロー攻略に際して、ケンプファーを駆って地球に降りるが…
シャアの連れ
ブラウ・ブロ評価試験のためグラナダに来ていたが、評価終了後すぐのドックに行かずフラフラとシーマ艦隊のリリー・マルレーンに迷い込みシーマの待遇が改善されるキッカケを作る。
状況が状況なのでグラナダでお留守番だが、スレタイ通りザクレロを欲しがっている模様(シャアは「専用機見繕ってあげるから他のにしなさい」と説得していた)
『機動戦士ガンダム_MS_IGLOO』の主人公にして第三の主人公。
今回はガルマが手を加えたMSの紹介及び、ガルマが出した意見について教えてくれる。
ジャブロー攻略戦においてはガルマのガウの操縦士をすることになるが…。
「シーマ艦隊」と通称される麾下艦隊を率いるジオン海兵隊首領。部下は皆彼女にゾッコンであり、深く慕われている模様。
本SSでは、上官のに半ば騙される形で「コロニー落とし」へ加担した事にトラウマと罪悪感を感じている点がクローズアップされている。
グラナダにて、ブラウ・ブロの試験を終えて乗艦「リリー・マルレーン」にフラフラと乗り込んできたララァ・スンと遭遇。
脅しつけて追い返そうとするものの、ララァを捜索していたシャア、オリヴァーとも鉢合わせして一触即発の状況に。
しかしその最中、「おかしいわ、大佐。だって彼女は知らなかったのよ」と、「コロニー落とし」での毒ガス作戦の真実についてララァに看破され動揺した。
その後、シャアとオリヴァーの協力によって、当時の記録の残滓からある程度汚名を晴らせるだけの証拠を手に入れた。
しかし彼女は「汚名も着慣れると手放せなくなる」とあえて公開を拒否。むしろこれをアサクラやキシリアへの交渉のカードとし、「ケツの毛までむしり取ってやる」と豪語した。
さらにシャアから事情を聞いたガルマとも対談し、戦後処理において可能な限り助力する事を約束された。
ジャブロー攻略戦にも参加し、ザンジバル級と陸戦型ゲルググを投入。部下ともども戦いに臨むが……。
青い巨星。第一作終盤でガルマが駆ったギャン(三部作仕様)を受領していた。
ジャブロー攻略戦の後詰めの為に調査に赴いたところ、複数のガンダムタイプに囲まれ部下MS隊ともども戦死してしまう。
しかしその生命を盾に仲間を逃し、殿を務めきった大往生であった。
ガルマの姉。
シャアの正体を知りつつギレンの鼻をあかせたのでご機嫌だが、当のシャアがだらけまくっている様子に「樽を赤く塗って宇宙漂流刑にしてやろうか」と漏らす。
ガルマの兄でジオン公国軍総帥。
公国内で高まりつつあるガルマ気運を相当に恐れているようで、ビグザム却下の一環でガルマに反旗を翻されたことでついに怒りが心頭に達した模様。
最終盤のジャブロー攻略戦の最中、とうとうその本性を表しガルマをも手にかけようと最悪の一手を打ってしまう…。
その他
ジャブロー攻略戦で招集された、名だたるエース・パイロットたち。
地球連邦軍
ご存知原作主人公。
カイやハヤト達を喪った事で塞ぎ込んでいたが、ガンダム部隊の隊長として、彼等の無念を晴らす為に、未だ生きている父親や母親を守るために戦う事を決意する。
乗機はなんとガンダムNT-1。それも後述のスーパーテム・レイが直々に調整を加えたうえで純粋なパワーアップシステムに改善されたEXAMシステムまで搭載した特盛り仕様に乗っており、最早手がつけられなくなっている。
ジャブロー攻略戦でガンダム部隊を率いて出撃し、自身は斬り込み役を担当。
彼の突撃で敵部隊を撹乱したところへ他ガンダム達の援護射撃をお見舞いする連携攻撃は、ジオンの猛者たちをも手こずらせた。
アムロとガンダムの父。
原作通り酸素欠乏症を患い躁鬱が激しくなっているが、結果脳のリミッターが外れたらしく天才が鬼才になってしまった。EXAMから暴走機能を取払い純然たるパワーアップシステムとして作り変えたり、数多くのガンダム試作機を前倒しで完成させるなど、八面六臂の大活躍を見せる。
しかしアムロに言わせてみれば、アレでも昔よりはキレが無くなったらしい。
ガンダム部隊
etc...
評価されたMS・MA
ジオンサイド
ジオンサイドのMSは基本的に今までガルマがツッコんできたモノがカタチになっただけで、原典と違うところと言えば全てのMSが統合整備計画系の武装を使用可能というだけなので目新しいものは無い。
ここではガルマのコメントがあるもののみ抜粋する
基本構造はそのままだが、ザクⅡ改に関してはバーニアの追加で推力を大幅に向上、リックドムⅡは最大の問題点だった稼働時間をプロペラントタンクにより補填している。
ズゴッグEは全体的なパーツの見直しによりコストを大幅に削減、性能向上と長所を伸ばし短所を無くす改善を行なっているが、大体原典と同じなので割愛。
特に急造機体のリックドムと、推力を大幅に向上させたザクⅡ改の二機は稼働時間に大きな問題を抱えていた。
その実態はリックドムがドムに比べ稼働時間が四分の一、ザクⅡ改はザクⅡF型と比べ二分の一という有り様で、ガルマを『四分の一とか急造にも程があんだろうが、パイロットに永遠の宇宙の旅をプレゼントするつもりか』とブチギレさせ、近くにいたシャアが10キロの書類の束でぶん殴られつつ統合整備計画に放り込まれた経緯がある。
「直すところが多すぎて直したら全然違う機体になりました(テヘペロ」の塊。
しかし原型機たるゴッグが決して欠陥機だったわけではない。ここ重要。
ズゴックEとの規格共有も進められ、生産性、整備性も向上した。
ガルマの指揮下に入るに当たって渡されたジョニー・ライデンのゲルググ。
本来はJを渡すはずだったが、そちらは宇宙戦闘用の機体であるため、今回のジャブロー攻略戦にはミスマッチであった。
ガルマにも「宇宙空間用のゲルググJを無理矢理防塵加工して何か利点があるのか?ン?」と笑顔(目だけ笑っていない)で指摘された事で、仕方なく陸戦型ゲルググを改修して作成した。
- シン・マツナガ専用ギャンK
ガルマの指揮下に入るに当たって渡されたシン・マツナガのギャンK
「ギャンが欲しいなぁ」の方で提案されていた通りの性能になっているので全体性能については割愛
統合整備計画において作成されたグレネードガンを装備しているが、他の装備は想定されていない。
これは「不可能」という意味ではなく、「出来はするが大体はグレネードガンで対処できるし、出来ない距離は至近距離ならなまじ別の武器を使うくらいならビームランスで突撃すればどうにでもなるし、遠距離はギャンが相手にするのが間違っているし、最悪速度で振り回しながら突っ込めばいい」ので「使う必要がない」という意味
連邦サイド
テム・レイの覚醒によりガンダムが量産され、様々な改修が施されている。
- ガンダム全機
原典における陸戦型ガンダムのパーツを使ってMS部隊を編成できる程度に量産が為された模様。
整備性が悪いという理由で、全機体からコアブロックシステムが撤廃されている。
無事アムロに届けられた。
テム・レイによりアムロ専用の調整がされており、挙げ句の果てにはEXAMシステムまで搭載。
テム・レイ曰く「素晴らしいシステムには思想なんか盛り込んではいけない」「システムとは人間に使われるもの、システムが人間を使うなどあっていいはずがない」「システムのONOFFは自由であるべき、システムの調節は柔軟性があるべき」「ニュータイプを探す機能も意図的な暴走も殺意による暴走もシステムの同士討ちも要らない」、結果としてEXAMは純粋なパワーアップシステムとして昇華されることとなる。
ただ少々過剰であるとアムロに苦言を呈されており、初めこそ「いずれガンダム(アレックス+EXAM)でもお前に追いつけなくなる」と言っていたが、「あ、でもガンダムに不具合あったらアレだから少し倍率落とすか」とテンションが乱高下していた。