もう一人の操真晴人
もうひとりのそうまはると
「俺がやっていることこそがお前の本当の"のぞみ"なんだ」
本体である晴人と違って明るく無邪気で子供っぽい性格だが、時には他人を利用して罠に掛けるなどの腹黒い一面を覗かせる事もある。
厳密には晴人の素の部分が表立っているだけであり、よくありがちな偽者の主人公ではなく、操真晴人の心の闇が実体化したもう一人の晴人そのものなので本人には悪意は殆どない(悪意を向けるのは殆どが本体の晴人に対してである)。
その為、偽者と呼ばれる事に対しては(特に本体から)怒りすら覚える事がある。
笛木が引き起こしたファントム事件の後処理の為、警視庁国家安全局0科からの要請で笛木の残した魔道具類等の後始末を行っている真由達を手伝うために彼の秘密研究所を訪れた際、何かの要因で晴人が押し潰していた心の本音の部分を受け継いで誕生した晴人の影であり、誕生した直後は本体から引き剥がされた影響で魔力が不安定であった為、コヨミの協力の元、彼女から託されたホープウィザードリングを使ってウィザードへと変身。
次々に本体を含めた魔法使い達を襲撃して、その魔力を奪い完全に実体化する。
彼の目的は自分一人で何でも抱え込み、実際はただ強がっているだけで本当は恐怖をひた隠しにしているだけの本体の晴人を斃して自身が“本当の晴人”になること。
コヨミを失った悲しみと後悔しながらも封印していた手段であるタイムウィザードリングを使って過去へと遡り、時間改変を行い“コヨミを生き長らえさせること”を実行に移す事。
そして普通の人間ではない魔法使い故に奥底に封じていた“大門凛子と結ばれること”という思いを実現させる事。
やろうとしている事は無茶苦茶だが、実質的には晴人が今まで抑えてきた感情に忠実に従って行動しているだけであり、本人には全く悪意は無い。
また、本体の晴人が行える事なら全て行う事が出来る(ウィザード最強フォームの1つであるインフィニティースタイルになったりなど)。
彼が誕生した本当の理由。それは嘗て強大な力を持つ“暗黒魔術”を開発した為に、それを恐れた科学を芳信する者たちから恐れられ、暗殺された魔法使い“ワーロック”が現代に復活する為に晴人のアンダーワールドに眠る“賢者の石”を完全なものにするために必要な莫大な魔力を得る為に“暗黒魔術”の1つである“鏡の魔術”で晴人の魂と肉体を引き裂いた結果誕生した存在。
しかし、その邪悪な魔術の負荷に晴人の魂と体が耐え切れずに生死の間を彷徨う結果になった為、“賢者の石”に残されたコヨミの意思の手助けにより、この世に誕生した事が物語の終盤で発覚する。
最後はワーロック(怪物態)からの攻撃に攫われた凛子を庇い致命傷を負い、自分の心と向き合い、弱い自分の心を受け入れる事でコヨミを失った悲しみを乗り越え、過去の後悔や自身が魔法使いであることも希望を持って新たな一歩を踏み出し、凛子と共に歩く未来を選ぶことを誓う晴人(本体)の思いに応えて彼に全てを託し、ウィザードリングとなって力を授けると晴人の心の中へと戻っていった…。