概要
爆破解体(リフォーム)の『匠』
ゲーム『Minecraft』に登場するMob(モンスター)。
プレイヤーを発見すると、一定距離まで近づいてきて自爆するのが最大の特徴。その際に導火線に火がついたような「シューッ」という独特の音を響かせる。
実際に聞けばわかるが、ものすごく「心臓に悪い音」である。
ちなみに真正面から見ると、上記の音とともに点滅し、少し膨らむ姿が分かる。
他のモンスターと違って呻き声を発せず、足音がかすかに聞こえる程度しか判明出来ないため、死角から近づかれるとほとんど気づくことができず、着火音を聞いたと思ったらだいたい手遅れで爆発に巻き込まれてしまうというケースが非常に多い。その様はまさに「忍び寄る者」にふさわしい。
見た目
外見は主に緑色で、迷彩かまだら模様とも思えるようなデザインをしている。一応平原や森林では保護色になる。
Creeperとは「這うもの」や、「つる植物」という意味を持っているため、恐らくそれらの特徴を含有しているものと思われる。
また、Minecraftの生みの親であるNotch氏は、クリーパーを「カサカサした植物のような質感」であると明言している。
顔は目、口にあたる場所がぽっかりと孔が空いたように描かれており、腕や手はなく、小さい脚が前後に一対ずつ生えている。
これはクリーパーが豚のモデリングの失敗作を流用して誕生したためで、クリーパーは蹄のある4本足を持っている。
その生態・危険性
基本的に音もなくプレイヤーに忍び寄り、自爆するのが主な習性である。そう、彼らの攻撃手段は「自爆する」ことのみであり、それ以外は何もない。
しかしその威力は強烈で、難易度ノーマル以上では密着状態で自爆されるとハート10個分以上のダメージを受ける。つまり即死する上、更に周囲のブロックを破壊する効果を持つ。
爆発の威力自体はTNTのそれよりは若干低いものの、現在はクリーパーの爆発ダメージも非常に強くなっており、防具なしの密着状態で爆発に巻き込まれると、難易度イージーですら即死する。
防具に付けれるエンチャント「爆発耐性」で生き延びたとしても、爆風により強く吹き飛ばされるため、吹き飛んだ先は崖で落下死、またはマグマにダイブした、といったことも起こりえる。
始めのうちはコイツを見かけたら近づかれる前にとにかく逃げることを優先しておこう。ある程度離れてしまえばプレイヤーの見える範囲外でデスポーン(自然消滅)してくれる。
あるいは、盾を装備し爆発をガードすれば、爆発ダメージを完全にカットできるうえに吹き飛ばし(ノックバック)も大幅に緩和できるため、クリーパーに限らず敵対Mobとの戦闘を意識するなら盾は常備しておこう。
また、プレイヤーが火打ち石などを用いて直接着火しても爆発する。こちらから爆発させるのが役に立つ機会は限られているが、爆発は周囲の他のMobを巻き込むため、敵Mobに大ダメージを与えて一掃させることが出来る利点はある。
ゾンビやスケルトン、クモといったオーバーワールドでよく見かける他のモンスターたちは、基本的に日中になると日光で炎上して死亡するか、凶暴性を失い無力化する。
しかし、クリーパーはゾンビやスケルトンと違いアンデッドではないため日光で燃えることは無いし、かといってクモのように中立になることもなく平然と活動しプレイヤーを虎視眈々と狙い続けるため、夜が明けたからといっても油断はできない。
Minecraftは世界がブロックによって構成され、そのブロックの組み合わせであらゆるものが作り上げられているため、それを爆発破壊するという性質上、単に殺されてしまうという以上の意味で恐れられている。
家が壊れる、苦労して入手した希少なブロックやアイテムが消失する、レッドストーンを使った自動装置が破壊される、などその被害には暇が無い。
ただ、クリーパーの爆発で大きな被害を受けやすいのは、木や土みたいな爆発耐性の低いブロックが周囲にある場所で爆発した場合であり、石やそれに準ずるブロックの上で爆発した場合は被害がかなり軽くなる。これは石系のブロックは基本的に爆発耐性が高めに設定されているからである。そのため、こだわらなければ家は木造よりも石造にするといい。
ただし砂岩系ブロックやクォーツ系ブロックなど、石系でありながら爆発耐性が低めに設定されているブロックもあるため、建築ブロックの種類を選ぶ際は注意。
確実に家を壊されたくないなら黒曜石のような爆発耐性が非常に高いものが必要になるが、黒曜石は石よりもはるかに入手しづらい上に、石切台を使って加工することもできず建築ブロックとしては不向きであるため、ある程度は割り切るしかない。
コイツに家などを破壊されたくなければ、松明などを使って「湧き潰し」を徹底することが堅実である。
湧き潰しはMinecraftにおいて基本中の基本の行動ではあるが、初心者の内は湧き潰しの概念自体を知らないということも多い。そしてMinecraftにはゲーム内のチュートリアルが乏しいということもあり、クリーパーの存在はいわゆる初見殺し的な要素も強い。
彼らは、そういったプレイヤー達に湧き潰しの重要性を身を以て教えてくれる存在とも言えるだろう。
湧き潰しを怠ったプレイヤーにダイナミックな「リフォーム」を施してくれるその所業から、一部のプレイヤーからは某番組とかけて「匠」とも呼ばれている。
なんということをしてくれたのでしょう。
更に遮蔽物ごしにプレイヤーを見つける能力を持っているため、家から出たらor入ったらクリーパーがいて、壁に大穴を開けられるなどの被害もあるため、非常に恐ろしい存在である。本当に。
このような仕様により、プレイヤーが家や建造物に窓や塀などを設けることは単なる飾り以上のゲーム上の戦略的価値を持つことになり、実質的にゲーム性に貢献しているという面もある。
弱点
そんな匠にも意外な弱点がある。
Ver1.2以降、クリーパーは新しく追加された動物、「ネコ」(ヤマネコ)から逃げてしまう。猫過敏症だったのか匠……。この特性から、手懐けて座らせた猫を利用した、火薬製造装置を作ることもできる(猫から逃げたクリーパーがマグマや落下ダメージを受けるようにする)。
とはいえ、逃げてる際中であっても不用意に近づくと爆発するため、注意は必要である。
また、近寄って自爆という攻撃手段しか持たない(=クリーパー自身はゾンビのような直接攻撃や、スケルトンみたいな遠距離攻撃を行わない)ため、弓などを使った遠距離攻撃を行えば意外と簡単に倒せる。統合版では弓でクリーパーを倒せば実績を1つ獲得できるため、可能な限りは安全な倒し方を身に付けておこう。この場合は村人から矢を買えるようにすればスケルトンに頼る必要がぐっと減るのでオススメ。
近接での戦闘なら、剣に「ノックバック」のエンチャントを付ければ、攻撃するたびに無理矢理離せることで爆発の時間を簡単にリセットできるため安全に倒せる。どうしても慣れなければこれが一番確実だが、ノックバックのエンチャントは悪手になる相手もいるので、上手く使い分けるべきである。
また、一部のMODを導入することで、クリーパーを自爆不能にして無害化することもできる。
他のMobとの相性
オオカミやアイアンゴーレムなどのプレイヤーに敵対的なMobを攻撃してくれるMobも、危険を感じているのかクリーパーには攻撃しないという特性を持つため、他の生物に攻撃させて他所で自爆させるという戦法を取ることはできない。ただし、スノーゴーレムはクリーパーにも敵対するため、野放しにしているといつの間にか小規模のクレーターと共に雪玉が落ちていることも。
アイアンゴーレムが他の敵対Mobへの攻撃の際に巻き込んで攻撃を当てることはあったが、バージョンアップによってゴーレムが直接攻撃するようになった。
オウムは他のMobの呻き声を真似するという特徴があるが、クリーパーの場合は概要欄の通り呻き声がないため、代わりに爆発寸前の「シューッ」という音を真似する。
クリーパーは他の敵Mobと比べ、一度プレイヤーを視認すると複雑であっても最適な経路を通り、溶岩を避けて接近してくるAIを持っている。落下ダメージに対しては一撃死以外は躊躇しない傾向にあるらしく、峡谷や山岳、森林などの高低差のあるバイオームでは降ってきながら爆発することもある。
統合版では自身が落下ダメージを受ける場合は流石にそれ以上近づかなくなったが、迂回して通れる場合は相変わらず近づいてくるので注意。
ちなみにプレイヤーに近づく際は左から回り込む習性がある。
ゾンビやスケルトンなどのモンスターとは異なり、クリーパーのモンスタースポナーは自然には存在しなかった(MODやマップエディターを使用した場合は別である)が、バージョンアップによって他のスポナー及びコマンド入力で手に入れたモンスタースポナーにスポーンエッグを使えば、バニラ(MODの入っていない素の機能しかないMinecraft)でもクリーパーのスポナーを作ることが可能になった。
ドロップ品
火薬
クリーパーを倒すと「火薬」をドロップすることがある。そのため彼らの体内には火薬が大量に詰め込まれており、何らかの反応によってそれが点火して爆発しているのだと思われる。
ちなみに、『Minecraft Legends』の主人公の家の二階には、クリーパーの内部骨格らしき模型があるのだが、それによると背骨の真ん中あたりにTNT火薬があることが確認できる。どんな進化をしたらこうなるんだ……。気になった人は是非見に行ってほしい。
ドロップした火薬は、「TNT」や「ロケット花火」、それに用いて使用する「花火の星」といったアイテムへクラフトして利用することが可能。
特にロケット花火は、強力な移動手段の一つである「エリトラ」の機能を十全に発揮させるために必須となるアイテムである。またTNTもネザーにおける採掘手段や一部の自動化装置など、色々なことに使用できるアイテムである。
しかしMinecraftにおける火薬の入手手段はかなり限られており、クリーパー以外ではウィッチやガストを倒すことくらいしかまともな入手手段が無いため、安全を優先しつつ倒せるなら積極的にクリーパーを狩っておくといいだろう。ウィッチはともかく、ガストはスポーンする環境のせいでクリーパー以上に危険な存在であるため、安全な世界で素材を確保するのに越したことはない。
上記の火薬からクラフトできるアイテムが強力なため、ある程度ゲームに慣れれば慣れるほど火薬の需要が大きくなることが多い。
そんな火薬を大量に入手すべく、上級者プレイヤーの場合は、クリーパーを効率的に湧かせて倒すことができる「クリーパートラップ」を製作することも多い。上記のように多くの初心者を葬ってきたクリーパーだが、上級者プレイヤーからは逆に大量に狩られる立場へとなるのである。
「トラップ」が作られるのはクリーパーに限った話ではないが、クリーパーは通常の場合火薬しか落とさないため、火薬を入手するだけならクリーパートラップが好まれやすい。
レコード
火薬のほかのドロップ品として、スケルトンまたはストレイの弓矢攻撃を受けて倒れたときのみ、レアアイテムの「レコード」を落とすことがある。
人間はプレイヤーと村人(といっても彼らはレコードを聴いたりはしないが)以外に居ない未開の大地でなぜクリーパーがレコードを落とすのか、彼らは何者なのかは謎である。
入手したレコードはジュークボックスに入れることでゲーム内で様々な音楽(不定期的に流れるBGMとはすべて別のもの)を聴くことができるほか、ジュークボックスはVer1.19から追加されたアレイを誘導および複製するのにも使える。
ただし、一部のレコードは上記のような形でスケルトンなどがクリーパーを倒したときのドロップでしか入手できないため、コンプリートするには相応の運が絡む。逆に言えば一部のレコードはクリーパーとスケルトンに頼らずとも特定のお宝チェストから手に入る可能性がある。
総括
「サバイバル要素」の追加において、ごく初期からMinecraftに存在するモンスターであり、名実ともにMinecraftの「顔」的な存在である。その非常に描きやすい顔の意匠からゲーム内外の様々な場所でデザインとして使用されている。
例として、ゲーム内ではタイトルロゴの「A」の文字、模様入り砂岩の側面の模様、聖職者の上着の背中の模様などで、ゲーム外ではグッズ展開、後述する二次創作でなど。
帯電クリーパー
バージョンBeta1.5から天候が追加され、雷に打たれることにより、青白い光をまとって強化されたクリーパーがまれに出現するようになった。
この状態は「帯電クリーパー」と呼ばれる。通称「巨匠」。
威力は勿論のこと爆発範囲も広がり、プレイヤーにとって雨天時のトラウマとなった。自爆されると当然エグイことになるので注意。
見た目には「かっこいい!」という感じなのだが、雷がクリーパーに直撃することはそうそう無いため、お目にかかれるのは非常にレアなケースである。そのため、プレイヤーによっては雷雨になると外に出てこのクリーパーを探すこともある。
なお、『TacticalFrame』や『MystCraft』などの一部MODには、落雷を能動的に起こせる武器があったり落雷の頻度を引き上げることができる機能があり、そのような機能を使えば比較的簡単に作り出すことが可能となっていた。
しかし、アップデートにより追加されたドラウンドが落とす「トライデント」には、雷雨時に上空がさえぎられていない場合に投擲で命中した相手に雷を落とす「召雷」のエンチャントを付けられるようになり、バニラやMODの導入が基本的に制限されている統合版のワールドでも帯電クリーパーを比較的簡単に作り出すことが可能となった。
実験したいなら爆発でのブロックの被害をほとんど受けない海の方に誘導するといい。「氷渡り」のエンチャントで一時的に氷の道を作ってそこへ誘導すれば被害は最小限で済む。
Ver1.8以降、帯電クリーパーの爆発に巻き込まれて倒れた一部のMobは「Mobの頭」をドロップするようになった。
ただし、Mobは爆発のカウントダウンが始まったクリーパーから逃げる本能も追加されたため、ノックバックなどを用いない限り爆発に巻き込むことは難しくなった。
また、複数のMobを巻き込んでも頭は1つしか落とさないが、統合版ではMobを巻き込んで倒れた分だけ頭を落とすように改善されている。
なお、プレイヤーは爆発に巻き込まれて倒されても頭を落とさず普通に死亡する。クリエイティブモード限定で確認できるスティーブの頭は、サバイバルでは残念ながら手に入らない。
狂気のMOD『匠craft』
圧倒的な人気を司る匠ことクリーパー。
そんなクリーパーにはある意味狂気とも言えるMODが存在する。
また、クリーパーの爆発を強化したり、他のモンスターまでクリーパー化(自爆攻撃をしてくる)させるMODもあり、挙げ句はドアなどの家具をクリーパー状にするものまで存在する。
当然大規模な地形破壊要素を含むので、導入には注意と覚悟が必要である。
二次創作におけるクリーパー
ニコニコ動画で人気となっているMinecraftの動画シリーズのネタを頻繁に含むものとなっている。
恐怖の体現として描かれながらも、時としてマスコット的な愛らしさや哀愁を持ったキャラクターとしても描かれ、親しまれている。
後述の「クリーパーカー」をキャラクターに着せたイラストも多く見られる。
グッズ化されたクリーパー
そのわかりやすい顔の意匠から、早々からファンによってTシャツのプリントデザインに
採用されたり、公式販売されるグッズにもマークとして印刷されている。
レゴの『Minecraft Micro World』ではスティーブと共に立体化される。
その他、各地のゲームセンターのクレーンゲームでは、Minecraftの他のキャラと共に景品としてぬいぐるみなどが登場している。
また、キャラクターパーカー化された「クリーパーカー」のヒットにより、後にMinecraft内で使用できるキャラクタースキンに採用されたり、XboxLiveアバター用の衣装として販売されたりしている。
Minecraft15周年の際は「15周年記念マント」として、公式によるクリーパーの柄のマントがゲットできる時期があった。
Minecraftに登場するMobの中でグッズ化された数はぶっちぎりのトップであり、非常に人気が高いことがうかがえる。そしてそのグッズは非常に多岐に渡っている。
一例として、アメリカのマテル社からはクリーパーの爆発する性質を再現したリモコンフィギュアが発売されている(参考記事)。
外部出演
2020年10月1日に発表された『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』にて、追加DLCとしてスティーブやアレックス及び、ゾンビとエンダーマンの参戦が決定した。そんなスティーブらの最後の切りふだ内にてクリーパーがゲスト出演する。
巨大ピストンで弾き飛ばされ、建物に隔離されたファイターに近づいて爆発するという匠っぷり(?)を披露した。
上記スティーブらの参戦ムービーにも出演し、動画内ではたまたま洞窟に吹っ飛ばされたマリオに近づいてはやはり爆発した。
余談だが、参戦が発表された2020年10月1日は、ちょうど『スーパーマリオブラザーズ 35』の配信開始日である。
またMiiファイターのコスチュームとしても参戦。手足のある姿のため、CE(コンソールエディション)で配布された公式スキンのような姿となっている。
紹介ムービーでは、自分をまきこむように爆弾を使う、掴んだ相手と共に落ちるといった、クリーパーの自殺をいとわない行動を再現している。
関連イラスト
関連タグ
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Borderlands2:ゲスト出演している。
クリーパー(曖昧さ回避)
\シューッ/
(バァン!)
Steveはクリーパーに爆破された
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