概要
生態は通常のアユと異なるが、別種でも亜種でも無く、あくまでも陸封型のアユである。
小さな頃は氷魚(ヒウオ)と呼ばれる。
通常30cm程に成長する普通のアユと違い、8~15cm程にしか成長しない。
縄張り意識は普通のアユより強いが、湖内では群れで行動する姿がよく見られる。矛盾してんじゃん…
一生を淡水域で過ごし、普段は湖内を回遊してプランクトン(カブトミジンコやヤマトヒゲナガケンミジンコなど)を捕食して過ごしている。
湖内にいる間は本来のアユの主食である付着藻類をあまり食べない。というか湖内の深場には付着藻類が無いので食べられない。
このせいであまり成長できないらしいが、沿岸や流入河川で生活する個体は深場にいる個体より付着藻類を多く摂取できる為、湖内にずっと居る個体より大きくなれる。
これらの大型個体はオオアユと呼ばれる。(約20cm)
産卵は8~9月頃に琵琶湖に流れ込む河川に遡上して行われるが、湖岸で行う場合もある。
漁協によって全国の河川に放流されており、放流された場所に元から生息するアユとの交雑による遺伝的攪乱(遺伝子汚染)や、混入して流された琵琶湖の淡水魚達が国内外来種として、各地の生態系を破壊している事が問題となっている。
通常の河川に放流されると、形態や生態が通常のアユと限りなく同一に変化する。
移入先では環境に適応しきれずに消える場合も多いが、陸封型個体群とはいえ本来持っていた海水への耐性は弱くはなっているが有しており、本来の生態のアユとして再生産する場合もあるかもしれない。
富士五湖の一つの本栖湖や大阪府の滝畑ダムなどでは、陸封型のコアユのまま国内外来種として定着している。
鹿児島県の池田湖にも陸封型のアユが生息し、こちらも同じくコアユと呼ばれる場合もある。
琵琶湖では大量に漁獲され食用に販売されるが、近年は様々な要因により漁獲量が減少している。
ビワコオオナマズ、イワトコナマズ、ギギ、ハスなどの琵琶湖に生息する肉食魚の重要な餌資源となっている。
ニゴイや在来コイにも捕食される。
近年はブラックバスやアメリカナマズなどの外来種にも捕食されてしまっている。