バロッサ星人(三代目)
ばろっさせいじんさんだいめ
CV:橋本達也
バロッサ星人を参照。
『ウルトラマンZ』第22話「それぞれの明日」に登場。
三度目に現れた個体のためか「三代目」と明記されているが、血縁上は先に倒された初代の弟にして二代目の兄に当たる(誰も「兄弟順で復讐する」とは言ってないとはいえ、ややこしいことこの上ない)。
今回は兄弟の敵討ちが完全な目的だったためか、D4や特空機4号ウルトロイドゼロといった強奪対象になりえる兵器があったにもかかわらず、意外にも先代らと違って劇中で海賊らしい強奪行為はしていない(…タピオカは何処かから掻っ払ってきたのだろうか)。
その一方で、痛がる振りをして敵を油断させて騙し討ちをするなど、先代らと同様に卑怯な戦法も辞さない性格であり、あっさりかわされてしまったもののハルキの変身途中で襲いかかるという特撮の掟破りともいえる変身妨害まで敢行している。
二代目と同様、この個体も普通に地球語を喋りまくるが、何故か語尾に鳴き声を付けて話す。
とある建物内で休憩していたハルキ達を急襲。(この時、派手に行くとどこかで聞いたセリフを喋った。ヨウコとハルキの二人掛かりを相手取り、易々と制するが、偶然その場にいたバコさんの蹴りを喰らい戦意喪失。何処かの物置に逃げ込むが、そこで一人追いかけてきたハルキを不意打ちで強襲し、ハルキと入れ替わる形で等身大ゼットと激突する。戦闘の末ゼットに追い詰められるが、そこに件のトゲトゲ星人が乱入し、ゼットを妨害。
バロッサ星人はその隙に怪獣関連の物体ではなく、なんと地球のタピオカを飲んで巨大化(曰く、「地球のデンプンがバルバル細胞を活性化させるバル」とのこと)。
…やってることは最早別の特撮作品の暴走族異星人そのものであり、ご丁寧に暴走族異星人の食う羊羹や彼の飲んだタピオカの原料も「芋」である。ちなみに、飲み物を飲んで巨大化する宇宙海賊もいる。
しかも巨大化時には「モンガー!!」と雄叫びを上げる始末である。
もっとも、初代の2代目の似た声を言った正義の宇宙海賊の敵対組織の巨大化法や二代目の植物の種のように元々巨大化手段は多才ではある。
巨大化後は目から光線を打ち無差別破壊を敢行するが、早速巨大化したゼットアルファエッジに格闘戦で遅れを取っていた上にベータスマッシュにタイプチェンジされてからはほぼ防戦一方で、イベントのため動けるよう整備されていたセブンガーが現着後は2人のコンビネーションに圧倒され、更にやってきたキングジョーSC(かつてのストレイジメンバーは全員休職扱いとなっており、上部組織の地球防衛軍から出向したと思われる一般隊員が搭乗している)も加わったことで、多勢に無勢の八方塞がりの状況となる。
そこにジャグラーが変身したトライキングが現れ、ゼットに攻撃を開始。その混乱に乗じ騙し討ちでキングジョーSCを退け、ヨウコの乗るセブンガーと戦闘にもつれ込む(この後、キングジョーSCはゼスティウム光線を防ごうとしたトライキングに肉壁にされてしまい擱座)。ちなみにキングジョーSCのミサイルを食らった際には熱さのあまり「アツモリ」と言っている。
激闘の末セブンガーの足のバランサーを挫くことに成功するも、偶然落ちていたベリアロクと、分離状態で転がっていたキングジョーSCのレッグキャリアーを使い放たれた大技「セブンガー波乗りスペシャルスラッシュ」を食らい、「この恨み…我が一族が必ず…!!」という更なる復讐を匂わせる捨て台詞を残して爆死し、三度目の正直とはならなかった。
トライキングの加勢が入るまでゼットや特空機との3VS1の闘いになったとはいえ、一応サータンの透明マントでの奇襲を仕掛けた初代や武器を巧みに使い分けた二代目と比較してもぶっちゃけ実力自体は3兄弟の中でも過去最弱レベルであり、地味にオリジナル形態のゼットにすら「50秒もいらない」、ジャグラーには「使えねぇ奴だな」と小馬鹿にされていたほどで、本物のゴロサンダーと異なりゴロン棒から電撃を放つことも無かった。
そもそも武器がゴロン棒のみだったり、劇中D4や特空機4号に興味を示さない上に、初代が持っていたキングジョーの生まれ変わりであるキングジョーSCや、二代目が狙っていたベリアロクに対しても特にリアクションをしていない辺り、武器や兵器に対する興味が薄い個体だったのかもしれない。
ある意味純粋に同胞の仇を打とうとした殊勝な個体だったとも言えるが…。
登場した第22話は前回から強烈なインパクトを残したD4を始め、存在が明らかとなったウルトロイドゼロや久々の登場で大活躍を見せたセブンガー、解散となったストレイジの面々の動向や不審な行動を取るヘビクラなど、ストーリーの本筋に関わるキャラクターや描写など視聴者の注目を集める要素がてんこ盛りだったため、今回の三代目は必要以上に悪目立ちしない純粋な引き立て役でなければなく、『Z』で既にお馴染みとなったバロッサ星人はその役割を見事に果たしたと言えるだろう。