あらすじ
《世界一下品な人間》の名をほしいままにしているディヴァインは、バブス・ジョンソンという偽名を使って家族とともにボルチモアのトレーラーハウスで暮らしていた。
生卵ばかり食べている母エディ、不良息子のクラッカー、見た目は美女だが覗き趣味のあるコットンら、周りの人物も曲者ぞろい。
ある日、地元のタブロイド紙に「世界で最も下品な人間」(The filthiest person in the world)と書かれたディヴァイン。そこへ「自分たちこそが世界一の下品な人間だ!」と挑戦状(うんこ)を叩きつける猛者が現れた。拉致した女性を監禁し、孕ませて赤ん坊を売る犯罪者集団マーブル一家である。
かくして世界一のお下劣を決める変態抗争が勃発した。
概要
ジョン・ウォーターズ監督によるコメディ。主演はアメリカのドラァグクイーン、ディヴァインで、「史上(至上)最悪の変態映画」の評価で知られる衝撃の作品である。
もともとは仲間内で制作した低予算の自主制作映画であったが、深夜興行で話題となり、(気の触れた)観客たちが映画館に行列を作るほどの盛況ぶりであった。
そして、ウォーターズのマニアックでポップな作風とディヴァインら俳優陣の怪演が一部評論家にも支持され、大ロングランとなった。
現在ではカルト映画の代表的な作品として扱われている。
ストーリーはあってないようなもので、人類が考えうるあらゆる変態行為を実践したような内容である。(後述)
タイトルのピンク・フラミンゴは、ディヴァインの家の庭にあるポップなオブジェを指す。
監督のジョン・ウォーターズは「変態という名の紳士」を地で行くような人物である。
ボルチモア出身で、いわゆるいいとこの坊ちゃんであったが、同性愛者であったこともあり保守的な地元になじめず、ニューヨーク大学に入学するもマリファナの所持で放校処分となる。
その後、高校時代に知り合った同じくゲイのディヴァインや、さまざまな場所で知り合った変態仲間「ドリームランダーズ」と映画作りを始めた。
ウォーターズの作品では一貫して常識破りで背徳的なキャラクターたちのパワフルな活躍がテーマとなっており、本作は一つの到達点として、また、その後の作品の源流としてファンに支持されているといえる。
ウォーターズとディヴァインのコンビは『ヘアスプレー』が公開される1988年まで続いた。(ディヴァインは『ヘアスプレー』公開から1ヶ月を待たずに亡くなっている)
なお、マーブル家の妻役を務めたミンク・ストール、ディヴァインの母、エディ役を務めたエディス・マッセイもウォーターズ作品の常連であり、いわゆるアングラ映画界ではよく知られる人物である。
劇中の主な奇行※ショッキングな内容につき注意!
- 男・女・鶏で3P
- 公開オナニーで精子を出した後、注射で種付け
- アナルをひくひくさせるふしぎなおどり
- 殺人、カニバリズム
- 他人の家に上がりこんで家具という家具を嘗め回す
- 近親相姦
- 股間からソーセージをぶら下げて露出
- ひりたてホヤホヤの犬の糞を食べる
…など。
鶏、性器、嘔吐、ラストの犬糞は本物で、口に入れたディヴァインが即座に顔をしかめている。
鶏は無茶な3Pのために死亡したが、撮影後にスタッフがおいしくいただいた。劇中で料理しようとするシーンも撮影されていたが未公開となった。なお、鶏の取り扱いについて動物愛護団体から苦情が来たが、ウォーターズは「食用に供する鶏さえ自然死ではないのだ」とコメントして、団体の矛盾を指摘している。
人肉はさすがに偽物とのこと。近親も役柄上のものに過ぎないが、フェラチオなど相姦は実際にしている。
スタッフ
監督・脚本・製作・撮影・編集・ナレーション - ジョン・ウォーターズ
主演 - ディヴァイン
配給 - ニュー・ライン・シネマ(アメリカ) / 東映/ケイブルホーグ/日本ヘラルド映画(日本)
データ
上映時間 - 93分
製作国 - アメリカ合衆国
関連タグ
映画 / 洋画 / アメリカ映画 / カルト映画 / 映画の一覧