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マティアス・トーレス

まてぃあすとーれす

『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』のDLC第4~6弾「SP MISSIONS」に登場するキャラクター(メイン画像右側の男性)。エルジア海軍潜水航空巡洋艦「アリコーン」艦長で、同エピソードでは彼の暗躍、そして決着へのストーリーが展開される。
目次 [非表示]

≪鎮魂だ≫


≪準備ができ次第 出航せよ!≫


日本語CV:安元洋貴


概要編集

DLC第4~6弾「SP MISSIONS」ストーリーにおいて暗躍するエルジア王国海軍所属の潜水航空巡洋艦「アリコーン艦長。階級は大佐

多くの勲章を授与されるなど極めて優秀な軍人・砲術士である一方、「虐殺を用いた救済」を信条としており、その危険思想ゆえに謹慎、退役・予備役入りも経験している。

口癖は「分からんか」もしくは「100万人」。

DLCストーリーの根幹に大きく関わる人物であり、DLC配信前イベントでは『史上最大の悪艦長』と呼ばれていた。


プロフィール編集

出演作品エースコンバット7
性別男性
誕生日1968年4月9日
出身地エルジア連邦共和国(後のエルジア王国)
所属エルジア海軍即応予備艦隊特殊戦闘艦部隊
口癖「分からんか」「100万人」

本編開始以前の経歴編集

1968年4月9日生まれ。

学士号を取得したのち、1991年にエルジア連邦共和国海軍大学校(Federal Republic of Erusea Naval War College)に入学。1994年に海軍に入隊し、以後、巡洋艦フェンリス、駆逐艦ハーン、巡洋艦テティス、巡洋艦エニュオ、戦艦タナガー、そして潜水航空巡洋艦アリコーンといった数々の艦に乗艦した。

1997年ユージア大陸紛争では、エイギル艦隊所属駆逐艦ハーンの砲術士として参戦。嵐の中30km離れた敵艦に命中弾を与えた(本人曰く「ひどい波でな、それでも2発に1発は当たった」)ことから勲章を授与された他、2003年5月には巡洋艦エニュオで艦長を務めていた際に、事故で沈没した駆逐艦から多数の乗員を救助したことで勲章を授与されている。


6月からは「無敵艦隊」の異名で知られた主力艦隊エイギル艦隊旗艦・タナガーの艦長に就任。エイギル艦隊は大陸戦争においてISAFの最終拠点ノースポイントへ進撃するためにコンベース港で停泊中だったが、メビウス1含むISAF空軍の戦闘機部隊に襲撃され壊滅の憂き目にあった。旗艦タナガーも撃沈されるが、艦長である彼の的確な指示によって被害をほとんど出すことなく多くのクルーが退艦することに成功。これにより勲章を授与され「コンベースの英雄」と呼ばれるようになった。

エイギル艦隊壊滅後はまもなく海軍司令部に配属され、大陸戦争終戦後には海軍大学校に配属され教鞭をとることとなる。しかし2010年4月、先述した危険思想を海軍大学校で教えていたことが発覚し、1ヶ月の自宅謹慎が言い渡され、謹慎ののち海軍を退役・予備役入りした。


しかし2015年1月に海軍に復帰し6月に大佐に任命されると、12月に当時艤装工事中だったアリコーンの責任者に就任する。そして2016年10月2日に試験航行のためアリコーンを出港させるが、同年11月10日のアリコーン沈没事件によって698日間をエルジア王国トゥインクル諸島沖合の南南東1300キロのスプリング海海底で過ごすことになる。

2018年10月9日、偶然にもアリコーンが発見され、クルー356名中、彼を含む330名が救助された。698日を15度傾斜して海底に着底したアリコーンの中で過ごしながらクルーの9割以上を生還させたことから彼の評価はさらに高まり、「彼についていけば生き残れる」と口にする将兵が出るほど、クルーからの信頼を一身に集めるようになる。11月3日、サルベージされ修復中のアリコーンの責任者に再度就任し、2019年4月11日、正式にアリコーン艦長に就任した。


とはいえ、アリコーンはその異質な運用方法から、当時既に無人機主体の戦闘教義に移行していたエルジア軍にとってそぐわない兵器となっており、二戦級の艦艇を集めた即応予備艦隊(ラーン艦隊)に新設された特殊戦闘艦部隊に単艦で所属することとなった。

その後、2019年に灯台戦争が勃発した後も、彼が指揮するアリコーンはエルジアが優勢だったことからしばらく就役が見送られていた。しかし、8月10日に主力機動部隊のニヨルド艦隊がスナイダーズトップの洋上プラットフォーム共々壊滅したことで海軍戦略の見直しがなされ、ついに翌11日、アリコーンは就役した。

その後も国際軌道エレベーター防御の要であった2機のアーセナルバードのうち1機がストーンヘンジによって撃墜され、シエラプラタのIRBM発射基地も破壊されるなど劣勢になりつつあるエルジア軍はアリコーンの実戦投入を決定。ユージア大陸中南部の港町・アルティーリョ港にアリコーンを移動させ、補給と整備を行っていた。

一方、オーシア軍はアリコーンに大量破壊兵器が搭載されている情報を掴み、終戦後の和平交渉を有利に進めるべくアルティーリョ港に艦隊を送り込みアリコーンを鹵獲する作戦を実行に移した。


それが、マティアス・トーレスと彼が指揮するアリコーンの初陣であった。














これ以降は『ACE COMBAT 7 SKIES UNKNOWN』のDLCストーリーに関わる重要なネタバレを取り扱っており、到達前の閲覧は初見の楽しみを大きく削ぐ可能性があります。

出来れば到達前であればブラウザバックを推奨します。











劇中において編集

SP MISSION1編集

DLC第4弾のSP MISSION1「Unexpected Visitor:解放された者」においてオーシア軍のアリコーン鹵獲作戦のためアルティーリョ港上空で繰り広げられる大空戦の最中、密かに彼は鹵獲艦隊旗艦、揚陸艦パフィンへの砲撃準備を進め、砲術への持論を述べる。

≪副長代理≫

≪接近中の揚陸艦を敵対的な艦艇とみなし 目標とする≫

CDO≪了解 第1目標 敵揚陸艦パフィン≫

≪目標はパフィン艦長 ロビン・エイリー≫

CDO≪艦長?≫

≪分からんか 艦ではなく人を撃つ それが砲術だ≫

戦闘が進む中停泊中のアリコーンで「荷物」を搭載した艦載機の発艦準備を進める中不穏な言葉を口にする。

CDO≪艦長≫

CDO≪発艦準備完了 彼らは命をかけて荷物を運ぶ覚悟だと≫

≪美しい!≫

CDO≪艦長?≫

≪分からんか これから無慈悲に奪われる100万の命≫

≪その鎮魂に何人の生贄が必要だと思う?≫

オーシア軍は多くの制空戦闘機、対艦攻撃機を撃退し、既にアリコーンの目前に迫る。しかし彼は司令部からの自沈命令を拒否、シンパのクルー達と共にエルジア軍を離脱することを宣言する。そして直後に揚陸艦隊を攻撃して全艦撃沈した上、大量破壊兵器弾頭巡航ミサイルを1機に搭載した艦載機部隊「SACS」を4機発艦させアルティーリョ港より離脱。

100万人の人々の殺戮で大量破壊兵器の威力を見せ付け世界各国へ戦争放棄を促し、今後戦争で失われるであろう1000万人の人々の命を救済する『1000万人救済計画』の演説を始める。


≪傾聴せよ≫


≪我が艦はこの醜怪な戦争をエレガントかつ最終的に終わらせる能力を持っている≫


≪我々が行うのは戦闘ではない 均衡の回復であり 裁きである≫


≪それは徹底して合理的に行われる≫


≪この先 我々が奪う命の数に世界は驚愕するだろう≫


≪そして自ら武器を置くだろう≫


≪1000万人を殺すはずだった武器を≫


ストライダー隊隊長トリガーによってSACS隊は壊滅、出鼻を挫かれる形となったがその直後


≪汚しやがって≫


≪奴は土足で上がりやがった!!真っ白なシーツで完っ璧に整えた俺のベッドの上に!!≫


≪………………≫


≪……やつに次の計画を手伝わせよう≫


≪100万人を殺す計画の余興としてはおもしろい≫


≪いや 1000万人を救済する計画だったな 副長代理≫


かつてのハミルトンスレイマニを上回らんが如き勢いで狂気をぶちまけるも、トリガーに自らの次の計画を手伝わせることを口にし、SPミッション1は終了となる。この時見せた彼の狂気はまだまだ一端でしかないということを後に知る事となる。


SP MISSION2編集

DLC第5弾のSP MISSION2「Anchorhead Raid:アンカーヘッド急襲」では、アンカーヘッド港で繰り広げられているエルジア軍とストライダー隊との戦いに誘導砲弾発射訓練と称してかつてのシンファクシ級の代名詞、散弾ミサイルに似た広域制圧兵器を撃ち込む。


≪副長代理 訓練を実戦に変えるのはなんだ?≫


≪分からんか それはイメージ!!≫


≪想像せよ サブマリナー諸君! 1発で1000万人が救済される!≫


広域制圧弾頭を撃ち込む最中またしても彼は狂気を吐き出す。


≪イメージだ!≫

≪救済だ!≫

≪必要なのだ100万の死が!!≫


≪救え!≫

≪100万人死んだぞ!!≫

≪イメージだ!≫

ストライダー隊とアンカーヘッドのエルジア軍部隊との戦闘も終わりに差し掛かるころ、アリコーンを下船し彼の為の諜報員になっていたクォークマンより戦術核砲弾2発を用意した事(トーレス艦長はこれを聞き≪100万人が 2回分か≫と呟いた)と『空に3本線は凶事なり』とエルジア軍で噂になっている事を伝える。それを聞いた彼は狂気交じりでトリガーへの持論を語る。


≪3本線……あいつには「欲」が足りない≫


≪殺される者の気持ちになってみろ「なぜ自分が殺されるのか?」≫


≪奪いたかった 虐げたかった 焼きたかった 刻みたかった≫


≪罰だった 因果だった 復讐だった! 何かあるべきだ!≫


≪3本線にはそれがない 俺にはある≫


≪分かるか? 副長代理 やはり分からんか≫


ストライダー隊とミミック隊との戦いが終了した後アンカーヘッド港へ入港、戦術核砲弾2発を受け取りオーシア首都オーレッドへ核を撃ち込むべく移動を開始した。

SPミッション1で彼の言った≪奴に次の計画を手伝わせよう≫とはアリコーンの反乱を知らないオーシア軍に対してアリコーンがアンカーヘッド港のエルジア艦隊と合流するという偽の情報を諜報員経由でロングレンジ部隊指揮官クレメンス准将へ流し、エルジア軍からお尋ね者になっている自分たちにとって核砲弾受け取りに邪魔であるアンカーヘッド駐留エルジア軍部隊をオーシア軍、トリガーによって壊滅させる事で追手のエルジア軍の排除と核砲弾受け取りを同時に行う事であった。SPミッション1が終わった時点でこの作戦を思いついたのだとすると彼の並外れた司令官としての才能が窺える。


SP MISSION3編集

DLC第6弾のSP MISSION3「Ten Million Relief Plan:1000万人救済計画」

9月19日、大陸戦争の終戦記念日に反戦、戦勝デモで100万人が賑わうオーレッドへ核砲弾を撃ち込むべく、レールキャノンの有効射程であるオーレッドより3000㎞地点へ向かうが、途中のスプリング海ピアニー海溝直前のPX80443海域にてストライダー、サイクロプス両隊及びオーシア艦隊の追跡と哨戒機スペクター隊に探知されてしまう。

事前に敷設したジャミングブイ及びブイの水中爆発による聴音妨害と艦載機のSACS部隊とSLUAVで応戦するも、艦の位置を特定されアスロック攻撃を受けて浮上を余儀なくされる。しかしアリコーンをオーシア艦隊の背後に浮上させオーシア艦隊を反撃で一蹴し、ストライダー、サイクロプス両隊との戦いへと突入する。

1000万人救済計画

≪退路はない! 生き残るには相手の命を奪うしかないぞ!≫

≪命を求めるなら命を捨てよ!≫

激戦の末艦のバラストタンクが破壊され潜航が不可能となる。さらにオーシア軍ノース分析官により各砲弾の終末誘導のからくりを暴かれ、空中管制機によって誘導を妨害されてしまう。彼は降伏の意思を表明し、武装解除の準備を進めているとロングレンジ部隊へ伝える、が…


≪……教えてやろう 俺が砲術長時代の話だ≫


≪時化の中 30キロ先の敵艦を狙って撃ったことがある≫


≪ひどい高波でな それでも2発に1発は当たった≫


North≪問題です あなたの計画はエレガントだった?≫


North≪答えは……イエス≫


North≪でもそれを3本線が踏みにじった!≫


≪貴様に美しさの何が分かる!≫


降伏は真っ赤な嘘であり、軍人であるがゆえに国際法によって降伏対象を攻撃できない事をいいことに自らの砲術のみを頼りにレールキャノンによる5000㎞離れたオーレッドへの直接砲撃を敢行するという、軍人の誇りすらも捨て去った蛮行に打って出る。

尤も、降伏を宣言した時点で、先の作戦でトーレスの人物像の一端を垣間見ていたロングレンジ部隊の面々は不信感を顕にしており、特にカウントからは自身も経験があるためか≪詐欺師の声だぜ≫と評されていた。

Ten Million Relief Plan

≪目標 オーシア首都オーレッドォ!≫


≪自らの手で! 5000キロ離れた! 100万人を! 殺す!!≫


≪撃ちーかたはじめー!≫


しかしレールキャノン発射直前、トリガーの攻撃を受けて砲身が下にずれ、1発目は外れる。


≪空に3本線は……凶事なり!!≫

CDO≪艦長!?≫

≪両舷前進微速! 後部トリムタンク注水!≫

CDO≪艦が尻から沈降します!≫

≪それで砲の仰角をかせぐ!≫


FCSにエラーが起きレールキャノンの仰角が上げられなくなったが、艦後部トリムタンクに注水し艦尾を沈め、砲の仰角を稼いでまで2発目の核砲弾を放たんとし、ノース分析官と舌戦を繰り広げ、

The Last Resort

≪分からんか! 3本線! 100万の犠牲で1000万を救うのだ!≫

North≪嘘だ! 殺したいだけだ! させないぞ!≫


≪強大な艦! よく飛ぶ砲! 威力ある弾! 大勢の人間! 正確な狙い!≫

≪あとはそこに死があれば! 完成する!!≫

North≪お前はただの大量殺人者だ!≫


トリガーへ狂気の全てをぶちまける。

≪ならば答えろ! お前と俺 何が違う!?≫

≪お前はこの艦の乗員300名を殺して100万人を救うという! 何が違う!?≫

North≪トリガー 回答を叩きつけよう! あいつを沈めることで!≫

≪分からんか!≫

≪分からんか!≫

≪難しい目標を 照準しぶち抜く!≫

≪だからエレガントなんだ! これが美だ!≫

≪分からんか3本線! 分からんだろうお前には!≫

≪撃ちーかたはじめー!≫


死闘の果て、とうとうレールキャノン根元のコアを破壊されアリコーンは沈黙、大爆発。

SPM3:Ten Million Relief Plan


≪分からんか!分からんか100万人だぞ!≫


艦内のリチウムイオン電池に引火し、真紅の火花を吹き上げる艦の中で狂笑を上げながら、狂気の計画と虐殺への妄執と共に堕ちたコンベースの英雄は爆発し真っ二つに艦体が破断したアリコーンと運命を共にしスプリング海PX80443海域へと沈んでいった。

名言編集

ほぼ全部としか言いようがないが、劇中さまざまな適切な指揮の中に狂気の入り混じった名言が飛び出す。

艦載機部隊SACS隊も彼の狂気に感染しており、SPミッション1で自ら巡航ミサイル搭載機の盾になって敵弾を受けるなど、狂信的かつ死を厭わない言動と行動を見せる。

マティアス・トーレス編集


Crew≪撃墜された航空機の残骸が多数着水≫


≪死体の雨……いや デブリの雨が止んだら伝えろ≫


≪俺たちが海底で戦った2年間! それ以外を忍耐と呼ぶことは俺が許さん!≫


≪恐れるな! 恐怖は海底に置いてきたはずだ!≫


≪サブマリナー諸君! 君らの命は濃い! ほかの命を奪う資格がある!≫


≪倫理という檻の中で獄死する魂を我々が救うのだ!≫


≪いいぞ! もっと撃て!鉄のかけらで命を砕け!≫


≪いいぞ 命が失われていく!完成していく!≫


≪魂がピースとなってパズルが組みあがっていく!≫


≪やることはシンプルだ!命令を受け 命を消す!≫


≪ルイス・バルビエーリ中尉 貴官は遺書を書いていないと聞いたが?≫


SACS≪家族はみな戦争で死にました≫


≪いいぞ~貴官も救済の一部だ! 死んで来い! 発艦を許可する!≫


≪少尉 さっきのは惜しかった! 次はちゃんと殺せ!≫


SACS隊編集


≪3本線は殺しを楽しむぞ そのスキを突け!≫


≪行け!倒錯者から翼を奪え!≫


≪上官の命令に服従する事をここに誓う≫


≪私は勇敢で誇り高く油断なき兵士である事をここに誓う≫


≪我が母国と軍の栄誉を保つ事をここに誓う≫


≪あの3本線とヘッドオンで刺し違える!≫


≪3本の傷跡の機体! 兄弟が何機もあの悪魔の手にかかった!≫


≪俺たちは幽霊なんだ!いまさら死を恐れん!≫


≪どうせ拾った命だ!≫


≪艦長は「死ぬ前に50人殺せ」と言った! やってやる!≫


≪歯車の意地を見せてやる!≫


≪敵機は漁礁にしてやる! パイロットは魚のえさだ!≫


余談編集

・核砲弾発射が成功してミッションが失敗になった場合、オーレッドへ向かう核砲弾の迎撃は不可能であり、弾着がずれてもオーレッドは放射性降下物で覆われてしまう。その場合彼はひとしきり哄笑した後に≪美しい!≫と口にする。

また彼の最期の言葉は『救済する数』でなく『虐殺する数』を口にしているため、救済云々は口実に過ぎず、ただ100万人を虐殺することが目的だったとも考えられる。


なお、このミッション失敗時の砲撃は前述の通り終末誘導を潰されているので、計算による弾道予測と己の砲術士としての勘だけで5000km離れたオーレッドに核を撃ち込んだことになる。単純計算で射角が横に1度ずれるだけでも着弾位置は80km以上(=5000km×sin(1度))ずれる。逆に、例えば着弾位置±20kmの精度で正確に砲撃するのであれば、許容できる横方向の射角ズレはおよそ0.00007度(=arcsin(20km/5000km))。これを成功させるのだから、つくづく恐ろしい男である。


・彼の砲術能力だが、前述の通り「嵐の中30km離れた敵艦」に命中弾を与えている。当時彼が乗艦していた駆逐艦ハーンのモデルはフランス海軍のカサール級駆逐艦であり、その主砲はMle.68という55口径100mm単装速射砲である。なお、本砲の最大射程は17000mであり、彼は最大射程の倍の距離にいる敵艦に命中弾を与えたことになる。


・彼及びアリコーンの辿った経緯を見てみると、


はじめには英雄として現れ、一度沈む(死ぬ)。

→そして復活(生き延び)し、大地に死(核砲弾)を降らせる漆黒の(アリコーンの色)悪魔となる


…と、あのラーズグリーズの悪魔の伝説と丁度真逆になることが分かる。

ラーズグリーズ隊の面々と比べてみても


最終的に東(ベルカ)へ大勢の有志と共に飛んだラーズグリーズ隊と、西(オーシア)へ単艦で海底を進んだトーレス及びアリコーン。


仲間と肩を並べて戦ったラーズグリーズ隊と、部下を自分の目的のための駒として扱ったトーレス。


核を使わせない為奮闘し、大勢の命を救ったラーズグリーズ隊と、核で大勢を殺そうとしたトーレス。


沈みながらもラーズグリーズ隊を打ち上げて勝ったケストレルと、戦いの最中でも艦載機を打ち上げながらも負けて沈んだアリコーン


………等等、様々な点で逆位置にあると言える。


また、ウォードッグ隊以前にラーズグリーズに擬えられていたリムファクシは、曲がりなりにも国の為に戦って散ったのに対し、こちらの戦う目的は徹頭徹尾利己的かつ邪悪なものだった点でも対照的である。


そして、ヴァルキリーとしてのラーズグリーズには、「計画を壊す者」という意味がある。

彼は先述の通りトリガーによって 「計画を壊された者」となった。


・SP MISSTION3のブリーフィングではオーシア軍の要求を受けてエルジア軍がアリコーンの情報をオーシア軍に提供している。


いくら軍を離反し、野放しにはできないとはいえ直前に反抗作戦の要となる即応予備艦隊を潰されてるエルジア軍がオーシア軍の協力要請に応じるのは意外、というか異例かもしれないが無人兵器によって犠牲者を可能な限り抑える「クリーンな戦争」を掲げるエルジアにとって、100万人の民間人を核によって虐殺するという行為が実行されてしまったらエルジアの面目は丸潰れである。そうなってしまえば当然国際社会からの信用も失うし、大陸戦争の遺恨もクリーンな戦争を演出することとオーシアへの反抗心によってなんとか抑えて支持を取り付けたユージア大陸諸国も、相手国の首都を無差別核攻撃しようものならその支持を急速に失うのは想像に難くない

加えて相互確証破壊に則るなら、首都に核攻撃を受けたオーシアは当然核兵器を撃ち返してくるだろうし、そうなってしまえば灯台を巡る戦争は下手をすると一エースじゃどうにもならない全面核戦争に発展する恐れがある。トーレスの行為はエルジアの面目を潰すだけでなく、戦争の目的を逸脱し、1000万人を救済するどころか人類の絶滅戦争に発展しかねない恐ろしい行為だったのである

エルジアはアリコーンとは無関係である声明を出してるが、全員が全員事情を知っているわけではないし、核攻撃される側からすればたまったことじゃない。逆に言えば「エルジアはそんなヤバいやつを野放しにしてたのか?」「そちらの監督不行き届きだろうが」と非難が殺到するだろうしどちらにしろ国際社会からの信用を失うのは避けられないだろう。


自分のことを自分で処理せずに匙を投げてオーシアに全てを押し付けるのは責任転嫁もあったのだろうが、先も話した通りエルジアはオーシアによって主要な海軍戦力を潰されたのでそんな余力はなかったのかもしれない。何にせよオーシア側からしてもいい話ではないのでこれを沈める必要が出てきたのだ(それに元はと言えば、オーシアの作戦に便乗する形でトーレスは行動してた上にオーシア側はまんまとそれに嵌められたのだからオーシア側に責任がないとも言い切れない)。



関連タグ編集

エースコンバット

エースコンバット7


オーネスト・ブルートゥ:後年、別のACで安元洋貴氏が演じたキャラクター。

なんの因果か、こちらも「様子のおかしい人」と形容されるレベルで話の通じない狂人である。

おまけに「レールキャノンを持ち逃げして敵対する」「独特すぎる印象的なセリフ回しがネットミーム化」など、共通点も多い。素敵だ!

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