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概要

てんとう虫コミックス第26巻、藤子・F・不二雄大全集第9巻に収録「のび太のブラックホール」に登場。

炊飯器型の容器にしまわれており、ドラえもん曰く「ブラックホールの模型」とのこと。棒で欠片を取り出し、それを飲み込むと食欲が出て食べ物を普段以上に食べることが出来るようになる。

ただし、容器にしまわれたブラックホールを全て飲み込んでしまった場合は食欲がおさまらなくなり、最終的には口を開けるだけで周囲の人や物を吸い込むようになってしまう。ドラえもんによると「家を丸ごと飲み込むほどの力がある」らしい。

飲み込んだブラックホールは「ブラックホール分解液」を飲めば消滅させることが可能。しかし、その場合は今まで飲み込んだ物が一気に排出されてしまう。また、この液体を飲んだ際は粉々になったブラックホールをトイレで排出する必要がある。

派生作品

『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』では、ドラえもんがこの道具を飲み込んで昼寝をしていた際、家だけでなく地球さえ飲み込んでしまい、目が覚めた後で宇宙空間を漂いながらドラえもんが驚く様子が描かれている(ただし原作版では上記の通り「を飲み込むほどの力」と説明されているが)。

スピンオフ作品『ザ・ドラえもんズスペシャル』及び『ロボット養成学校編』では、容器に入った状態でも効果を発揮する様子が描かれている。前者は12巻収録「かぜひきドラメッド」で登場し、ドラメッドⅢ世がこの道具の容器を開いた状態で「四次元ランプ」にしまい込んだ際、四次元空間内でこの道具が効果を発揮してしまい、ランプが故障してしまっていた。

後者は2巻収録「自由研究大発表」で登場し、王ドラ達は自由研究としてをもう一つ作る計画を立て、「タイムマシン」に乗り込み月が誕生した瞬間へ向かう。そこで王ドラはこの道具を使用し、月が誕生した際に飛び散った隕石の欠片を回収して新たな月を作ろうとしたのだが、その際は容器に入った状態で効果を発揮している。

ストーリー

のび太があまりに食欲がない状態だったので、彼のは「ごはんを食べた柄なくて困っちゃう」「僕が子供の頃なんか、食べても食べてもお腹が空いたもんだが」「あれじゃ強い子になれないぞ」と心配になる。これにはドラえもんも心配をかけちゃダメとのび太に注意するが、本人が「食べたくないもの、しょうがない」と言ったため、「ミニ・ブラックホール」を取り出した。

ドラえもんに言われるがまま、これを食べたのび太は急激に空腹になり、ママにご飯をねだり出し結果ごはんを6杯もお替りした。その後のび太はこのことを皆に話し、しずかは驚いてくれたが、ジャイアンは自分だっていつも10杯は食べると豪語し、のび太もその気になれば20杯は食べられると張り合いになったため、食べ比べで勝敗を付けることになった。

のび太は急いでドラえもんにブラックホールをねだるが、当の本人が昼寝中だったため自分でブラックホールをごっそりと取り出し食べることに。更についでにフエルミラーで大福を100個に増やし空地でジャイアンとの食べ比べに挑むと、ジャイアンは26個食べた段階でダウンし、自身は残りの分も全て平らげるほどの差で楽々勝利することができた。

だがのび太の空腹はそれでも収まらなかったため、しずかが何か食べ物を持ってきてくれる間、自身は昼寝をして待つことにした。しかしのび太が口を大きく開けてて口呼吸しながら寝ていたため、部屋の周りの物が本棚以外全て口の中に吸い込まれてしまい、特製クッキーを持ってきてくれたしずかも吸い込まれそうになってしまう。

そこにドラえもんが駆け付けたことで何とか助かり、彼がのび太の顔に衝突したこで本人が目を覚ましたので、上記のことを説明し「ブラックホール分解液」を飲むように勧める。これでのび太が食べたブラックホールは粉々になってトイレに流れて行ったが、そこには同時に吸い込んだ大量の部屋の家具もあったため、ママはこのことに怒っていた。

アニメにおける原作との主な相違点

大山版が1981年5月11日に、水田版が2007年3月16日及び2020年6月13日にそれぞれ放送している。

1981年版

  • ブラックホールを食べたのび太が食事をする様子をドラえもんは実際に見に来ている。
  • のび太はブラックホール手でちぎって食べていて、この後フエルミラーで増やした大福の数は120個になっている。
  • しずかが吸い込まれそうになった際、パンツは見えていない
  • ラストは、ママの怒鳴り声でドラえもん、のび太、しずかが2階へと逃げる様子で締めくくられている
  • 本編終了後のショートアニメは、ドラえもんがどら焼きを持ってくると、それを横にいたのび太が全て吸い込んで食べてしまい、ドラえもんがふてくするというもの。

2007年版

  • サブタイトルには「食欲の春一番!」のフレーズが追加されている。
  • 冒頭での野比家の食事は夕食時のことで、メインのおかずはトンカツだった。またパパが「あれじゃ強い子になれないぞ」というシーンはママにお替りを頼むシーンに変更されている。ちなみにのび太の食が進まなかった理由はスネ夫の家でケーキを、しずかの家で特製クッキーをそれぞれご馳走になったからだった。
  • のび太がご飯を6杯もお替りしたことを自慢した際には、スネ夫はジャイアンのフォローに入っている。またこの後、ジャイ子が食べ比べの噂を聞きつけてジャイアンの元まで応援に来ていて、その頑張りを漫画に描くと宣言し、互いに友情を深め合っている。そしてこれを聞きつけ、商店街の宣伝にとお偉いさんたちが食べ物を提供してくれることとなった。
  • 実況には出木杉も加わっていて、他にも噂を聞きつけドラえもんも含め多くのギャラリーが集まる事態となった。また食べ比べはリング場の上で3回戦に渡って行わており、順に肉まん、せんべい、どら焼きになっている。ちなみにジャイアンが食べ残したどら焼きはドラえもんが頂き、勝負が終了した後にはスネ夫と出木杉から良い子の皆はお腹を壊すからマネしないでねとの一言が添えられている。

2020年版

  • この昨年、現実では実際にブラックホールを撮影することが成功していたため、そこに写っていたブラックホールの姿がドラえもんの説明にも使用された。
  • 食べ比べを提案したのはスネ夫で、この後のび太は「これは男としては負けられない戦いだ」と言っている。
  • 食べ比べの際、スネ夫はマイクを使用していて、この時使用した食べ物はどら焼きだった。ちなみにジャイアンはどら焼きを25個食べてダウンしている。
  • ドラえもんはのび太の中に吸い込まれてしまっていて、しずかが分解液を飲ませた際には、吸い込んだ物が漂う暗黒の空間の中に一筋の光が差し、そちらに向かって行っている。そしてトイレから出て来た際しずかにどうやって出て来たのか聞かれたが、恥ずかしそうに「それは聞かないで」と言っていて、のび太もママに怒鳴られた後、「もうブラックホールなんて絶対飲むもんか~!」と泣き叫んでいる。

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ミニ・ブラックホール
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