概要
『火の鳥』に登場する不定形生命体。
シリウス12番星という火山だらけの地獄惑星に生息する宇宙人で、性格は大人しく、どんな環境にも適応できる。本来の姿はスライムや綿のような不定形であり、相手の意志をくみ取りいかなる姿にも変形できる。
ムーピーには性別があるが、異性であればどんな生物とも交配が出来る。『望郷編』では地球移民の子孫であるセブと結婚して娘が7人生まれたが、全員が生まれながらの全盲であり、額にはY字型の触角があった。
ただしムーピーは姿はまねることが出来ても消化器官だけはコピーできないため、固形物を咀嚼し嚥下することは出来ず、栄養はスープなどの流動物でしか摂取できない。『望郷編』に登場した際には火の鳥にお茶の代わりに硫黄汁を勧めていたため、そうした人間にとっては高温・猛毒のものであっても飲み込み吸収することはできるようだ。
寿命は500年。
ムーピー・ゲーム
『未来編』に登場したムーピーたちの能力。人間の脳に精神感応(テレパシー)を行うことで幻影を見せ、過去だろうがSF世界だろうが二次元だろうがどんな世界でも幻術で再現するというとんでもない能力。『宇宙編』に登場したバーチャルリアリティどころの騒ぎではない。
こんなゲームが出ようものなら全世界で品切れ続出、世界はたちまち無限月読状態になるのは目に見えており、『未来編』は堕落に次ぐ堕落で世界に都市は5つだけ、地上は環境破壊でズタボロという典型的なディストピアに陥っていたため、ヤマトを始めとするメガロポリスは中止を厳命。これによりムーピーは害獣と認定され、殺処分が下されることになってしまった。
ただ1体…いや、ただ1人、タマミと呼ばれたメスのムーピーを除いて。
ムーピーと人間の混血
前述した通り『望郷編』では人類とムーピーの混血児たちが登場する。セブの娘たちはセブの甥っ子(従兄弟)と結婚し、倍々ゲーム式にとんでもない速度で増えていった。
彼らは人間に近い姿をしており、咀嚼・嚥下も普通に行えるが、ムーピーゲームや変形といった能力はほとんど有していない。代わりに、感覚器官を兼ねる触角からはムーピーの持つ精神波を物理エネルギーに変えることが可能であり、コムは人間をしびれさせたり、岩をUFOのように操作したりできた。
最終的に宇宙商人ズダーバンの仕組んだ麻薬により一族は暴走を始め、犯罪に満ちた腐り切った惑星となった事に呆れた火の鳥が大地震を抑えるのをやめた事でズダーバン諸共あっけなく絶滅してしまった。