概要
『ウルトラマンA』第23話「逆転!ゾフィ只今参上」にて異次元空間に乗り込んできたウルトラマンエースと直接対決の果てに敗れ去った異次元人ヤプールこと巨大ヤプール。
彼がその散り際に言い放ったのがこのセリフ。この言葉から分かる通り、モデルは板垣退助の「板垣死すとも自由は死せず」である。
「地球の奴ら覚えていろ!ヤプール死すとも超獣死なず、怨念となって必ず復讐せん!」
そのセリフを吐き捨てた末に巨大ヤプールは粉々となった。
その言葉通りにヤプールの死後も散っていったヤプールの破片から新たなる超獣が発生したり、更にはヤプールの残党まで現れてはTACとエースに牙を向いた。
そして後年になってもヤプールはウルトラ戦士への怨念で復活しエース以後のウルトラ戦士にも魔の手を伸ばし、超獣や怪獣を差し向けたり、卑劣な手口も使ったりして地球やウルトラ戦士、防衛チームに恐怖と絶望をもたらしながら苦しめていく事となる(また超獣が合体怪獣の一部としてウルトラ戦士を叩きのめした事件もある)。
更にはギャラクシークライシスが原因か、別次元の地球にまでヤプールの超獣が現れて他のウルトラ戦士や人々にも牙を向いていき、とある世界では侵略宇宙人に手を貸す形でヤプールが直接ウルトラ戦士と防衛チームに手を出した事例もあった。
そして令和・・・
時は巡り令和の時代。『ウルトラマンZ』にてこのセリフが再び発せられた。
第19話『最後の勇者』にてヤプールの怨念から具現化した殺し屋超獣バラバがウルトラマンゼットとエースのタッグによって敗れ去る散り際に「ヤプール死すとも超獣死なずぅぅぅぅ!!」と叫びながら爆死した。
同番組ではその後ヤプールや彼直属の超獣が再登場することはなかったのだが、地球人がバラバの遺したパーツの扱いを間違えた結果、似たような存在を生み出してしまったことで世界は未曽有の危機に陥ることになった。
そのため、皮肉にもゼットにおいては予言が的中してしまったことになる。
また『ウルトラマンデッカー』の第18話『異次元からのいざない』ではヤプール本人が出現し、奇しくも第19話である『月面の戦士たち』にてスフィアソルジャーに取り込まれつつあったヤプールが「ぐおぉ…!!ヤプール死すとも…」と途中まで言いかけたのだがその間にスフィアに記憶も人格も奪われてしまって最後まで言い切れなかった。
現実において
現在の円谷プロには「使える怪獣リスト」というものがあり、その中から登場する怪獣を選択する方式を取っていたが、超獣関連のキャラクターはエースキラーを除けば長らく『ウルトラマンメビウス』で新造されたベロクロン、バキシム、ドラゴリー、ルナチクスが使われていた。
しかしこの4体は『メビウス』以降『ウルトラファイトビクトリー』や『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』で度々使用されて撮影に使える状態ではなくなったため(ベロクロンとバキシムとドラゴリーはアトラクション用に使用される事となった。ルナチクスの着ぐるみはモットクレロンに改造されて『オーブ』に登場する予定だったが、途中で企画が中断になって廃棄されたという裏話がある。)、ここ数年間撮影に使用出来る超獣の着ぐるみは『ファイトビクトリー』で新造されたアリブンタのみという状況になってしまった。そのためまだ再登場していない超獣の着ぐるみも作られて欲しいという声も多くあったが、『Z』第19話にてバラバが新規の着ぐるみで再登場を果たし、ようやくアリブンタのみという状況から脱却した。さらに『ウルトラマンデッカー』では通常のヤプール人のスーツも作られた。もしかしたらこれからも新規スーツの超獣が登場してくるかもしれない。
まさに現実においても「ヤプール死すとも超獣死なず」なのである。