プロフィ-ル
国籍 | 秘密 |
---|---|
格闘スタイル | フリースタイルダンス |
誕生日 | 8月20日 |
声優 | 金元寿子 |
概要
『鉄拳7』から登場したキャラクター。キャラクターデザインはコザキユースケ。名前はデザインされた衣装の背中に描いていたものがキャラクターのコンセプトと合致していた為、そのまま採用したという経緯を持っている。
2014年12月7日に開催された“鉄拳20周年記念 ファン感謝祭”にて新トレーラーと共にお披露目された。アキバ系アイドルのようなデザインから発表時は各方面を騒がした。北米ユーザーの間では批判が凄かったらしく、原田勝弘プロデューサーが皮肉で「北米版では登場せず、ハゲでマッチョな別の新キャラクターが登場するかもしれない」と発言する一幕もあった。
そして、ゲーム中の設定に「動画サイトなどを通じて世界的有名人となる(ただし北米では嫌われている)」という風に反映されることとなった。まあ実際の所、お披露目時が話題のピークであり、そこまで嫌われている訳でもないが。
豊富な下段とトリッキーな動きで相手を翻弄するが、ジャスト入力などの高度なテクニックを要求される技が多くリズムとテンポを掴まないと勝てないテクニカルなキャラクターに仕上がっている。
ストーリー
鉄拳7
幼い頃両親に連れられて見に行ったエキスポで日本のアイドル文化に触れ自分もアイドルになる事を決意した少女は、そのルックスからは想像も出来ないような血の滲む努力の末に、ラッキークロエとして活動を開始。特徴的な可愛い衣装に身を包み、プロ顔負けのダンスを披露するその姿はインターネット動画サイトなどを通じて瞬く間に話題になり、彼女は一躍世界的有名人となった。(ただし上記の通り北米では嫌われている)
その後ラッキークロエはG社と独占契約を結んで、G社の広告塔として活動するまでになった。
『鉄拳7』の時期でも、G社は三島財閥と世界を二分する戦いを未だに繰り広げており、ラッキークロエの登場頻度も日に日に増していった。クロエはそれがG社にプロパガンダの一環として利用されている事を知りつつも、今日も世界に笑顔を振り撒くのだった。
ある日、突然G社にエディ・ゴルドが押しかけてきた。彼は群がる警備兵たちをまるでダンスのような動きで次々と倒していき、その姿にピンと来たクロエはエディを自分のバックダンサーとして働かせるため、一方的に勝負を挑み、ファイティングポーズを取るのだった。
「ラッキー~~~クロエだよ♪」
(ポーズが上手く決まらないエディにケツキック)
「おっさん、何グダグダやってんだよ!」
「アタシのバックダンサーにしてやるんだから、これくらいちゃんとやれよ!!」
「なんだよ文句あんのかてめぇ!」
「負けた分際でアタシの言うことが聞けねぇのかよ?」
「おら!もう一回!!」
「ラッキー クロエだよ♪」
(再度ポーズの決まらないエディに腹キック)
「こっちも好きでやってんじゃねぇんだよ!!てめぇアイドル舐めてんだろ!!」
「プロの世界は甘くねぇんだよ!」
「このうどん頭野郎!!」
「おら!もう一回!!」
「ラッキー クロエだよ♪」
「ダメだっつってんだろ!!手がこう!!腰もこう!!」
「あ、そうだ。本番では女装させっからな!」
(エディの絶叫)
そして、家庭用『鉄拳7』のラッキークロエのストーリーモードのエンディングでは彼女がエディに勝利後、衝撃的な本性を現すことになった。血のにじむような努力の末に世界的有名人に上り詰めたのは嘘ではないらしく、クロエはアイドルとしての振り付けには非常に厳しい鬼講師であり、上述のような罵倒混じりの台詞と共に敗北したエディをバックダンサーにする為のスパルタレッスンを開始した。
他社のライバルとの比較
金髪ツインテール美少女という大凡格ゲーのキャラクターとは思えない外見を持つ彼女だが意外にもマリー・ローズという先駆者が存在していた為、発表時にそこまで話題沸騰とはならなかった。しかもマリーの発表時期がクロエの1年前だったという事もあり、当時はかなり比較された。中には「二番煎じ」「パクリ」と揶揄する心無い声も…。
マリーがDOA内人気No.1の看板娘にまで一気に駆け上がった一方、クロエは北米ファンは置いておくとしても世界的にもそこまで人気は出ず、一作品のみの登場であっさりリストラされてしまった。
その理由は恐らく作品の方向性の違いが生み出すファン層の違いにある。鉄拳はロボットや獣等の人外を始めとする所謂「色物」キャラが初作からガンガン登場している。故に現実ではまずお目にかかれない奇想天外な格闘スタイルも多々存在する。女性キャラは外見こそ美女だらけだが性格がぶっ飛んでいるキャラが多く、服装も個性的な物が多い。
一方でDOAは美男美女が基本であり、そうでないキャラも外見と性格がマッチした所謂「王道」キャラが多い。故に格闘スタイルも現存する流派が主体である。そして女性キャラは服装や属性に関する「萌え」を特に重視されており、それに合わせた性格付けが成されている。
金髪・ツインテール・美少女という組み合わせは使い古された王道の組み合わせであり、過去の傾向からしてそれを受け入れる土壌という面では2作品の間ではかなり大きな差があったと言える。
尤も、「ストーリー」の項で解説した通りクロエも他キャラ同様に外見と性格にかなりギャップがあり、その点での鉄拳らしさは備えている。とは言えそういったギャップが必ずしも良い方向に作用するとは限らない。彼女のギャップもあまり好意的には受け取られず、手のひら返しをされるには至らなかった。
まぁ、古参キャラのエディをレッスンという名目であれだけいじめ倒している時点で、ねぇ…。
「個性派キャラが織り成す、時にシリアスで時にコミカルなストーリー」
「美男美女が繰り広げる激しくも美しい闘い」
という演出面に重点を置いてきた歴史がある(ぶっちゃけDOAファンでもストーリーを良く覚えていない人は多い)。
更に鉄拳のストーリーの根幹は「三島家が繰り広げる世界規模の親子喧嘩」であり、作品を追う毎にストーリーにおけるシリアスの度合いが強まってきている。その中で上述のように典型的な萌え属性を揃えて登場したクロエは「物語のシリアスな雰囲気に水を差す存在」と受け止められてしまった可能性が高い。
とは言え所謂シリアスブレイカー的側面を持つキャラクターはクロエ以外にも一定数存在する他、何なら三島家キャラの個別エンディングですら作品によってはかなりコミカルに描かれる事もあるのだが、やはり古参キャラと新キャラでは同じシリアスブレイクでも印象は異なるのかも知れない。