概要
藤子・F・不二夫の漫画『T・Pぼん』の主人公。日テレアニメ版の設定年齢は14歳。リームが15歳(中三)でユミ子が13歳なので「リーム>ぼん>ユミ子」の関係になる。
ちなみに同じタイムパトロール隊員のオタスケマン1号は15歳で2号は13歳。なお日テレアニメ版でのぼんのCVはオタスケマンではなくゼンダマンである。なお、Netflix版のCVもタイムボカンシリーズの主演経験者である。
1979年の東京・武蔵野で暮らす中学生で、共働き家庭の一人っ子。その名の通り並で平凡極まりない少年だったが、口論から取っ組み合いになった友人を団地のベランダから転落死させてしまい、それを助けに来たリーム・ストリームの活動を目にしてしまったことから運命が狂い始める。
タイムパトロールの存在を知ってしまったため、彼らから存在を抹消(過去に飛び両親の結婚を阻止して生まれなくしてしまう)されそうになるも、歴史上絶対に消してはいけない活躍をするということで存在抹消を免れ、リームの助手として働くことになった。
なおその活躍とは「石ころを蹴る」だけである。その後、
- 蹴った石ころがおじさんに当たって追いかけられるが逃げ切る。
- ぼんを追いかけていたおじさんが偶然古井戸に落ちて死にかけていた子供を発見する。
- 助けられた子供が医学の道に進み癌の根治法を発見する。
- その治療により救われた政治家が第三次世界大戦勃発を防いだ。
と言う回りくどい流れで、結果的に歴史に関わる重要人物となる。
その後正隊員に昇格するも、助けた安川ユミ子の前でフォゲッター(記憶消去装置)を入れ忘れていることに気が付き、その彼女に「しゃべるかもしれないなあ。あたしも隊員になれば別だけど」などと言われてしまったために助手として迎えることになってしまう。
性格は鷹揚でドジでお調子者。準隊員に昇格してタイムボートが支給されたその日にタイムボートを任務外でおおっぴらに乗り回して本部の信用をガタ落ちさせている。運動神経は良くない。特技は射的で、のび太に匹敵するほどの腕前を持つ。作文にユーモアを交えたり、漫画を描いた所「絵は下手だがギャグのセンスを感じる」と評されるなどクリエイターには向いている人物。野球チームに属しているが「ヒットになるかどうかのボールを打ってキャッチャーフライにする」「何もしないで突っ立ってた方がチャンスがある」程度の打撃力である。背番号は98。
ヒロインとの絡みについては、リームは一見ぼんを尻に敷いているように見えるが、実際はリームもぼんに負けず劣らずのドジっぷりで、似たもの同士で結構波長が合うのかもしれない。一方で、しっかり者のユミ子はぼんより年下ながらしっかりと手綱を握っており、ほぼぼんを尻に敷いている状態。どちらがぼんにお似合いかは意見の分かれるところである。他にサブキャラながら美人で面倒見が良くてつむじを曲げられると面倒なことになるマドンナ的同級生の白木陽子いる。なおそれぞれへの呼称は、年下のユミ子が「ユミ子くん」、同い年の陽子が「陽子さん」なのに対して、リームは年上なのに「リーム」と呼び捨てなので、リームが一歩抜きん出ているかもしれない。でもリームやユミ子を放っぽりだして陽子に会いに行く描写があるので本命は陽子なのかもしれない。土台この三人が相手ではぼんに選択権はないのかもしれない。
日テレアニメ版は、リームがぼんに酸素のお裾分けをかましたかと思えば、ユミ子と陽子がキャラ合体してぼんを尻に敷きまくったりと、何が何だかわからない構図になってしまっている。さらに本アニメでのぼんとユミ子は中の人がまんま上杉達也と浅倉南であり、何かしらの意図を感じずにいられない組み合わせとなっている。
ちなみにリームは初回で海に落ちてカナヅチで泳げなくてフタバスズキリュウに襲われそうになったのを助けられ、ユミ子は初回で連続通り魔から助けられ、実は二人とも初対面にしてぼんが命の恩人である。
リームとユミ子の容姿は身長とヘアースタイルくらいしか違いがなく、ユミ子のくせ毛をストレートにするとリームとほぼ見分けが付かなくなる。
学校の友人からは「並平」「並平さん」と呼ばれているが、これを「波平さん」と誤記すると違うキャラになってしまうので注意が必要である。ちなみに白木陽子は本人のいないところでぼんを「ぼんちゃん」と呼んでいたりするらしい。
同じF作品で「並平家の一日」というSF短編があるが本作の並平家とは一切関係ない。ただ作品が初出されたのはT・Pぼんの第1話と同時期である。
ぼん自体はいたって並であるが、ぼんの家は共稼ぎであり、おやつがメロンだったり、応接間に大型テレビが置いてあったり、自分の部屋に据え置きラジオがあったり、お使いに万札を渡されたりと、実は結構な金持ちのボンボンだったりするのではないだろうか?
他作品(ドラえもん)への客演
2016年に公開された「ドラえもん 新・のび太の日本誕生」の終盤、タイムパトロールが登場する場面において、TPの一人として出演。これだけだとただの他人の空似に終わってしまいかねなかったが、公開翌年の同作テレビ放送における字幕放送にも、(凡)と表示されて彼がぼんその人だと示されていた。
余談
中華圏で出版されている中文版も存在する。T・Pぼんは「時光巡邏隊」、リーム・ストリームは「利姆・絲特利姆」、ブヨヨンは「布約約」、安川ユミ子は「安川優子」だが、並平凡は「並平凡」のままだった。