概要
駅伝の大学男子日本一を決める大会である。正式名称は「全日本大学駅伝対校選手権大会」。10月の「出雲駅伝」、翌年1月の「箱根駅伝」と並ぶ大学三大駅伝の1つに数えられる。
ちなみにメイン画像のランナー及び伴走者は中学生（しかも女子）なので出場資格はありません。全国中学校駅伝か、3年待って全日本実業団対抗女子駅伝（クイーンズ駅伝）または全日本実業団対抗女子駅伝予選会（プリンセス駅伝）、4年待って全日本大学女子駅伝（現在の開催地の仙台市にちなみ通称「杜の都駅伝」）へ行きましょう。
ちなみに、全国中学校駅伝に関しては、山口県で開催されていた頃には山口朝日放送をホスト局とした上でテレビ朝日系列局の一部でも放送されたことがあるほか、全日本大学女子駅伝が大阪で開催されていた頃には朝日放送をホスト局にテレビ朝日系列局（ただし一部系列局除く）にて放送されていた。
（実はこの絵を使ったのは理由があるのだが…「pixiv的概要」を参照）
一般的な概要
高校で言うところの都大路（全国高等学校駅伝競走大会）、社会人で言うところのニューイヤー駅伝に相当する大会。
主催は日本学生陸上競技連合、朝日新聞社、テレビ朝日（テレ朝）、名古屋テレビ（メ〜テレ）。
1970年開始。1988年より毎年11月の第1日曜日に開催され、同時にテレ朝系列（一部系列局除く）でのテレビ実況中継が開始。
テレビはテレ朝とメ〜テレの共同制作により、テレ朝系列フルネット局で生中継が行われる。1号車とバイクにはテレ朝アナウンサー、2号車と3号車にはメ〜テレアナウンサーが乗っており、中継所や各区間のチェックポイントには2局のアナウンサーに加え朝日放送と九州朝日放送のアナウンサーが配置されている。
コースは年によって変化することもあるが、愛知県名古屋市の熱田神宮西門をスタートし、三重県伊勢市の伊勢神宮内宮（皇大神宮）宇治橋までの全8区間、襷を繋ぎ駆け抜ける「最速の熱田伊勢詣り」である。
…なのだが…。
誕生の経緯と問題点
1960年代まで大学駅伝の全国大会は無く、最古ではあるが地方大会に過ぎない箱根駅伝（※1）が高い知名度を有していた（※2）。箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟（関東学連）は、箱根駅伝の全国大会化を検討していたが、日本学生陸上競技連合（日本学連）に主催を移譲することで主導権が薄れることを恐れた関東学連有力校OBの反対で頓挫してしまった。
このような「東京（関東学連）ジャイアニズム」に対する反抗から、中京大学を中心とする東海学生陸上競技連盟（東海学連）などが「『箱根』はあくまで関東ローカル大会だ!真の大学日本一を決める大会を望む!!」と日本学連に直談判し、本大会が始まった、
そのため、開催初期は、開催に反対した関東学連に属する大学は事実上ロックアウトされていた。
…それにもかかわらず、歴代優勝校及びベストテンは箱根駅伝を有する関東勢の優勢が目立ち、21世紀に入ると関東勢とその他の地方勢との格差が広まってきた（※3）。1987年から日本テレビによる箱根駅伝の全国ネットでの完全生中継が始まった事と相まって、各地方の有力高校選手も関東学連加盟大学に進学するケースが増え、「全日本」の権威は揺らいでいる。
※1
正月2日と3日に全国ネットで中継され、全国津々浦々の高校で実績を挙げてきた名選手が関東の名門大学に入って活躍することが多いため錯覚しやすいが、関東1都6県＋山梨県の大学以外は箱根駅伝の参加資格はない。
※2
ローカルまたはオープン参加大会が全国大会と同等もしくはそれ以上のステータスを持つというケースは大学駅伝だけではなく、大学野球（東京六大学野球）、高校柔道（金鷲旗）、高校剣道（玉龍旗）などにも存在する。
※3
2014年の第46回大会終了時点で、関東勢以外での優勝校は福岡大学（通算3回）と京都産業大学（通算1回）のみである。ベストテンも2009年の第一工業大学を最後に途絶えている。本大会実現にもっとも貢献した中京大学は1972年、1980-1981年の2位が最高。2024年などは関東の大学以外全校が繰り上げスタートを強いられている。
コース
全8区間合計106.8km。第50回大会からコースが大幅に変更され、1区9.5km、2区11.1km、3区11.9km、4区11.8km、5区12.4km、6区12.8km、7区17.6km、8区19.7kmと、前半は距離が短く、後半になるにつれて徐々に距離が長くなるのが特徴。特に近年では長距離区間である7区、8区に各大学のエース級の選手を配置し、逆転優勝するパターンがよく起こっている。
区間記録・大会記録
区間記録
1区 26:58 ピーター・ワンジル (大東文化大・54回)
2区 31:01 佐藤圭太 (駒澤大・55回)
3区 32:46 イェゴン・ヴィンセント (東京国際大・53回)
4区 33:03 黒田朝日 (青山学院大・56回)
5区 35:18 吉田響 (創価大・55回)
6区 36:47 山本歩夢 (國學院大・56回)
7区 49:38 田澤廉 (駒澤大・54回)
8区 55:32 メクボ・ジョブ・モグス(山梨学院大・39回)
大会記録
5:06:47 駒澤大学(54回)
第56回結果
総合
1 國學院大學 ※初優勝・二冠達成
2 駒澤大学
3 青山学院
4 創価大学
5 城西大学
6 早稲田大学
7 立教大学 ※初出場・初シード
8 帝京大学
以上シード権
9 東京国際大学
10 日本体育大学
11 中央大学
12 大東文化大学
13 東洋大学
OP 日本学連選抜
14 神奈川大学
15 東海大学
16 京都産業大学
17 皇學館大学
OP 東海学連選抜
18 大阪経済大学
19 関西大学
20 札幌学院大学
21 鹿児島大学
22 立命館大学
23 岡山大学 ※初出場
24 新潟大学
25 東北大学
26 新潟大学
区間賞
| 区間 | 氏名 | 大学 | 記録 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1区 | 平島龍斗 | 日本体育大学 | 28:18 | |
| 2区 | 鶴川正也 | 青山学院大学 | 31:04 | |
| 3区 | ヴィクター・キムタイ | 城西大学 | 33:22 | |
| 4区 | 黒田朝日 | 青山学院大学 | 33:03 | 区間新 |
| 5区 | 野中恒亨 | 國學院大學 | 35:35 | |
| 6区 | 山本歩夢 | 國學院大學 | 36:47 | 区間新 |
| 7区 | 篠原倖太朗 | 駒澤大学 | 49:57 | |
| 8区 | 山川拓馬 | 駒澤大学 | 57:09 |
意外な奇遇
日本シリーズは、ここ数年は駅伝大会に被る日が多く決着がつくことが多かった。
双方とも、おめでとうございます。
PIXIV的概要
テレビ朝日系列がスタートと同時に生中継を開始するというタイムスケジュールから、全米オープンゴルフ、高校野球（関西地区及び日曜の第一試合に対戦カードを組まれた県）と並んでニチアサキッズタイム潰しの憎き存在としてもっぱら扱われており、各番組のキャラにマラソンをさせているイラストのほか、怨瑳や皮肉を込めたイラストを投稿されるのが晩秋の風物詩となっているが、出番がなかった仮面ライダーやプリキュアをさわやかなランナーとして(特に後者は、大概が秋の劇場版の公開翌日に放送のため)描いているイラストも多数投稿されている。
2013年の第45回大会からは中継開始が7時からと大幅に早まったため、スーパー戦隊とバトルスピリッツも巻き込まれ、さらなるニチアサ視聴者の悲鳴が上がったという…
一説には、この開始時間繰り上げがバトスピのニチアサ撤退理由になったと言われる（大学駅伝もニチアサ7時-7時半枠もメイン制作局はメーテレ）が、真相は定かではない。
別名・表記ゆれ
駅伝 - pixivではもっぱらこのタグが用いられている。本来は駅伝競技全体を示すため、「全日本大学駅伝」タグを用いることが望ましい。
関連タグ
共犯者
全米オープンゴルフ(2020年まで) ここがゴルフの世界か…(同左)
製作局が遅れ放送という怪奇現象(関西限定) ここが甲子園の世界か…(同左)
歴代協賛各社
日本ゴム(アサヒシューズ) オリエントコーポレーション 積水ハウス JAバンク 長谷工グループ
