概要
演:宮沢りえ(演劇2000年版)/けやき坂46(現在は日向坂46)松田好花(同2018年版)
『七色いんこ』に登場する警視庁の名物女刑事。捜査二課、詐欺・知能犯担当。年齢は24歳。
癖の強い金髪に整った顔立ちの美人婦警だが、極めて乱暴かつガサツな性格で、高校時代は関東最強のスケバンとして知られていた。常に軍人のような恰好をしており、警察官の制服を纏うことはめったにない。射撃の名人で、摘発した犯罪者は数知れず、プリンセス・ララ・マーガレット・フレンドリボン・プチフラワー王女(どんな名前だ)からはSPとして勧誘されたほどの腕前。
父(演者:下田警部)は警視庁の警部だが身内人事ではなく実力は本物。その父からは少しは女らしくするよう求めているが初っ端から躊躇なく空いた胸元を全開にして父に見せつけているなど全く功を為してない。
手塚プロ公認ギャグ漫画『こんなブラック・ジャックはイヤだ』では小学生からボイン呼ばわりされていた。
基本的に勉強は苦手なうえ、演劇に対する知識は薄い(軽佻浮薄と馬鹿にしていた)ので、いんこに対する質問役を担っている。作中で初めて劇で演じた役はピーターパン(演劇においては、ピーターパン役は女性が演じるのが定番)。
強烈な鳥アレルギー(鳥恐怖症)の持ち主で、対象の生死にかかわらず鳥を見ると全身にじんましんを発症、そのまま3頭身に縮む。これはギャグではなく本当に身長が縮んでおり、子供服がぴったりサイズになる。
主人公である七色いんことはまさしく銭形警部とルパン三世、もしくはトムとジェリー状態であり、悉く追い詰めては取り逃がしている。しかし、何度も窮地を助けられたのもあっていんこには好意を抱いている。
親が勝手に決めた婚約者である心理学者・男谷マモルの事は毛嫌いしているのだが、じつは男谷はいんこの偽名であり、いんことはしては複雑な気分でいる。
絵柄が安定してきた手塚作品末期のヒロインだけあって現代風のキャラデザであり、いんことのラブロマンスも相まってpixivの手塚ヒロインの中ではピノコやサファイアといったメジャーキャラに次ぐ投稿数を誇る。
関連イラスト
やっぱりみんな考えることは同じなようで、ある一部分を強調して描かれることが多い。
関連項目
以下、物語の根幹にかかわるネタバレを含む
彼女は千里警部の実の娘ではない。
万里子の本名は朝霞モモコであり、いんこ=男谷マモルこと、鍬形陽介の初恋の相手である。
モモコの父はもともと敏腕の新聞記者で、陽介の父である政財界のドン・鍬形隆介の悪事の証拠をつかんでいた。しかし隆介はいち早くそれに感づき、鷹匠の男に依頼して朝霞親子の乗った車をトビに襲わせた。ヒッ○コック映画の如く襲い来るトビの群れに朝霞はハンドルを切り損ね、一家三人の乗った車は崖の下に転落。夫妻は死亡し、モモコは頭を強く打って記憶喪失となった。
つまり鳥アレルギーは両親を失った事故のトラウマが引き起こしていたのである。
そして彼女は今の養父である千里警部に引き取られ、スケバン刑事となり、まさかまさかの七色いんこ=鍬形陽介のライバルとなる。
その事をいんこの手記で知ってしまった(最初のページから順番に読んでいたので、当初はモモコが自分のことだと気づくわけも無く「アイツ私の事が好きじゃなかったのかよ~!!」と悔しがっていた)万里子の元にいんこが現れ、種明かしとしてマモルの顔になり、そしてその扮装をも解いて「鍬形陽介」の姿となったことで、遂に万里子…いや、朝霞モモコは記憶を取り戻した。
いんこの纏う道化師の姿は、アメリカで師匠・トミーから受け継いだものだった。トミーは過去ベトナムで行った殺戮の過去を晒し、己を戦犯に仕立て上げて雲隠れした軍事複合体の罪を暴き演劇にすることで法の裁きを下したが、それと引き換えにベトナム人の凶弾に倒れる。そしていんこも、父の犯した罪を暴くため、一世一代の「舞台」を開こうとする。たとえ、自分がトミーと同じ末路を辿ろうとも。
___否、いんこは生き残る気であった。悪の怪盗稼業で得た金も、全てはこのたった一度の正義の舞台の為であった。
いんこが生涯ただ一人愛した女は、舞台へと向かう彼の後姿を見送る。
こうして怪盗の物語は幕を下ろし、最後の戦いが幕を開ける。
なお派生作品(パラレル)である『HeiSei七色いんこ』(著・石田敦子)にも旧作メンバーの中で唯一、同一人物として客演。同作では千里万里子の姿のままではあるが名前は本名の「朝霞モモ子」に戻している。また娘に朝霞サクラ子がおり、母娘揃って刑事となった旨が描かれた。
作内では、平成末期、新たに登場した七色いんこを「鍬形の呪縛」から解き放つ事を初代いんこ・陽介から頼まれて暗躍していた旨が見受けられる。
そしてサクラ子に「あの『いんこ』と、あなたは従姉妹だ」と教えている。