概要
神奈川県海老名市河原口にある小田急線とJR相模線が交わる駅である。
西隣の厚木市に本厚木駅がある所為で“偽厚木”とか言われる。ちなみに厚木市にはJRの駅自体がない。
このほか、貨物駅ながら相模鉄道の駅もある。
小田急管轄の施設に駅舎向かいに位置するマルシェ厚木があるが、診療所・住宅センター・銀行と珍しく商業施設が一つもない。
小田急電鉄(OH 33)
1927年4月1日開業。
相対式2面2線の高架駅で本厚木よりのホームから圏央道を見ることが可能。
自動改札は小田急が管轄し、PASMOなどを使用すると小田急経由で入るので相模線に入る際には乗り換え改札口を通る必要がある。
出口が一箇所しかなく、ホームとの距離も相模線より遠く端っこにあるため、相模川寄りの車両に乗っている人はホームの端から端まで歩く必要がある点は注意。
JR東日本
1926年7月15日開業。
単式1面1線の小規模な地上駅だが、Suicaを使う際には前述の乗り換え改札口を通る必要がある。
かつては本線東側に沿うホームを使用していたが、長らく使用していなかった側線を潰して同じ線路をむかって反対の西側にホームを設置し、構内踏切を解消している。
本線北側には貨物運転があったころの名残ともいえる交換可能な信号所がある。
相模鉄道
相鉄本線から延びている厚木線のみが通っている。
元々現在の相鉄本線に当たる路線は横浜方面から海老名駅ではなく当駅に至るルートで建設されており、厚木駅も開業当初は旅客営業を行っていた。しかし1941年には現在の本線となる海老名駅へのアプローチ線を建設した上で小田急に直通して本厚木駅(当時は相模厚木駅)に乗り入れることとなり(同時に旧本線は貨物支線となった。現在の厚木線である)、前述の小田急厚木駅(当時は河原口駅)に役目を譲る形で自前の厚木駅の旅客扱いを廃止することとなった(なお、小田急への直通運転は1964年に廃止)。
旅客扱いを廃止して久しい現在でも駅構内には留置線として使用される側線が残り、昼間時間帯に車両を留置したり新車入線時にJR線から車両を受け渡すための渡り線が存在する。
なお、常に廃車予定の保留車が長期留置されている。かつては構内で解体処分もやっていたが、現在は外部に陸送して処分するようになっている。
なお、この相鉄厚木線は今でこそ旅客扱いをしていないが、何を隠そうこの路線こそが地味に厚木駅に最初に乗り入れた路線にして、なおかつ当駅が厚木市にないのに「厚木駅」を名乗ることになったすべての元凶なのである(本当は相模川を越えて厚木に行きたかったのに、橋を架ける金がなかったから、仕方なく相模大橋のたもとまで路線を伸ばした結果、という説もあれば、当時海老名より厚木の方がネームバリューが高かったので名前だけ借りた、という説もある)。
というか上記JR東日本の厚木駅は戦時中まで相模鉄道の駅だった。これは元々相模鉄道が持っていた相模線を国が戦時買収した結果による。つまり何が言いたいかというと相模鉄道がこの駅を厚木と名付けた……と考えるのは早計である。なにしろその現在の厚木線を作ったのは相模鉄道に併合された「神中鉄道」という別の会社だったのだから。ややこしいったらありゃしない。
神奈川県は小田急側に駅名変更を長年要望しているが、費用などの観点から未だに実現されていない。
利用状況
近況
小田急電鉄
- 2019年(令和元年)度の1日平均乗降人員は20,287人である。
JR東日本
- 2018年(平成30年)度の1日平均乗車人員は6,864人である。
利用状況比較表
事業者名 | 小田急電鉄 | JR東日本 | |
---|---|---|---|
年度 | 乗降人員 | 乗車人員 | 乗降人員 |
2008年(平成20年)度 | 20,246人 | 6,527人 | 13,054人 |
2009年(平成21年)度 | 20,782人 | 6,424人 | 12,848人 |
2010年(平成22年)度 | 19,782人 | 6,319人 | 12,638人 |
2011年(平成23年)度 | 19,530人 | 6,106人 | 12,212人 |
2012年(平成24年)度 | 20,039人 | 6,525人 | 13,050人 |
2013年(平成25年)度 | 20,708人 | 6,844人 | 13,688人 |
2014年(平成26年)度 | 20,745人 | 6,805人 | 13,610人 |
2015年(平成27年)度 | 21,182人 | 7,029人 | 14,058人 |
2016年(平成28年)度 | 21,098人 | 7,232人 | 14,464人 |
2017年(平成29年)度 | 20,699人 | 7,026人 | 14,052人 |
2018年(平成30年)度 | 20,449人 | 6,864人 | 13,728人 |
2019年(令和元年)度 | 20,287人 |
隣の駅
小田急電鉄
●特急・快速急行・急行
通過
●準急・各駅停車*
相模線
社家駅 - 厚木駅 - 海老名駅
関連タグ
八丁畷駅:同じく神奈川県内にあるJR駅舎が無人駅で私鉄の管轄になっている駅。
品川駅、目黒駅・・・JR・私鉄共用駅における、当駅と似た事例。品川駅は東京都港区、目黒駅が品川区にある。品川区にはJRの駅が他に4駅ある(大井町駅、大崎駅、五反田駅、西大井駅)が、目黒区にはJRの駅はない(しかも目黒区にある駅は、京王井の頭線の駒場東大前駅を除いてすべて東急電鉄の駅)。