概要
東方ロストワードのメインストーリー第4章「永遠戦線」にて登場した、地下廃区画の四季映姫・ヤマザナドゥ。霊魂の流れを管理する『霊河鉄道』のターミナル駅長を務める。
劇中では部下である小町や久侘歌が、彼女の指示を受けて(区画に入ってきた)主人公や異界渡りの霊夢や早苗を弾幕を封じる特殊な器具で捕縛するシーンがあり、「弾幕ごっこ」のルールに則らない戦いの上では部下はそれなりの実力があることが窺えるが、映姫の方はまだ描写が無い(能力を封じられているのか、それとも未知数の力を持っているのかも不明)。
メインストーリーの第4章3編では主人公が"ゆかりんボール"から召喚した射命丸文と河城にとりと戦うことになる。古いタイプの妖怪が使う「弾幕」が帝都への叛逆の決め手になると考えているようだが……?
駅長のような制服の上には赤い服をマントのように羽織っているが、服の下には大量の鍵(立ち絵で確認できる限りでは最大31個)を備えている。
『固有時計』
映姫が大切にしている時計で、自分の部屋に大量にある。無数の霊魂の『固有』の『時間』を見るために使う、霊魂時計といわれる一品物のマジックアイテム。閻魔にとっての浄玻璃の鏡(じょうはりのかがみ)と同一のもの。
東方Projectの世界においては、浄玻璃の鏡は「閻魔ごとに形状が違う」とされていて、本来の映姫のものは手鏡の形状のはずである。
『導鞭』
映姫が持つ、霊魂を制御し正しい道へ導くための道具。一大都市に匹敵する程度の量の霊魂が行き来するターミナル駅では、政治機関そのものに相当する重要なアイテム。霊魂にこの鞭を打つと一瞬だけ罪を意識させ、霊魂に特定の動きをさせる。悔悟の棒(かいごのぼう)をルーツとする。
霊河鉄道
ほとんどの世界における、彼岸、黄泉、冥界、死後の世界、是非曲直庁、そして輪廻転生を統合化したような巨大なシステム、つまり六界の中間的位置にある全ての仕組みをまとめたものだが、正確には是非曲直庁や一部の関所自体は地獄にある。
この世界にとっては、社会における『交通機関』に相当するらしい。
「他の世界団では見られない」とされていることから、この映姫が住む世界の『根本的な差異』とされる要素の一つとも言える。
記憶遺跡のストーリー「Disillusion」では、小町の運転する列車が「雨水」から「啓蟄」、「立夏」から「小満」と、二十四節気の名称が駅名となっていたのだが、実際は単純な環状線ではなく、映姫でさえ全て把握できない程に広く複雑に入り組んだ網状の路線で構成されていて、ターミナルを中心とした彼岸花のような形状の路線網になっているらしい。
『概念の近代化や機械化』を導入した結果、『霊魂の産業革命』が起こり、この『鉄道』が生まれたと考えられる。しかしここまでに至るには一つの世界だけでは決して出来ないはずなのだが、何らかの介入があったのだろうか……?
メインストーリーでは『廃区画』であるにもかかわらず帝都の物流機関として機能することを強いられている。
職員
プレイアブル化
実装形態 | 超フェス限定 |
---|---|
式 | 妨害式 |
気質 | 貿易風 |
拡散 | クロックワーク |
集中 | マスターウィップ |
スペカ1 | 罪符『彷徨える大罪』 |
スペカ2 | 審判『十王裁判』 |
ラスワ | 『浄土地獄の大分岐』 |
テーマ曲
地下廃区画の四季映姫のテーマ曲は、Amateras Recordsの「Dead or Alive」。原曲は「六十年目の東方裁判 ~ Fate of Sixty Years」。
余談
気質は『貿易風』。北緯15度から南緯15度あたりの対流圏下層に吹く偏東風のこと。
赤い服の色は東方花映塚の2Pカラーをモチーフとしている。
二つ名の『デポ』とは、倉庫や物置き場のことを指す。小型の物流拠点のことを言う場合もあり、デパートなどが配達する品物を一時的に置いておく中継所としても扱われる。
列車と物流、この2つは貨物列車を思わせる組み合わせでもある。日本の貨物列車は現在減少傾向にあるため、「デポマスター」として設定したと考えられるのだが、この映姫の世界はL1の時系列から遥か先の未来にあたるため、貨物列車はもう存在を忘れられて幻想入りしたと思われる。
スキル名は「アカクモユリ路線網」「オーバークロッカー」「二重結果の原理」となっている。
- 「アカクモユリ路線網」・・・「路線網」は路線が3つ以上重なって迂回路を形成し、網の目のような状態になっていることだが、テキストでは映姫の霊河鉄道の「ターミナルを中心とした巨大路線網」が「その形状はまるで彼岸花(アカクモユリ)のよう」としている。
- 「オーバークロッカー」・・・オーバークロッカーはオーバークロックを好んで行う人のことだが、時計(clock)と関係付けた洒落としてスキル名にチョイスしたかは不明である。オーバークロックはCPUなどの性能を限界まで引き出すことを指し、定格以上のクロック周波数で動作させることでPCのスペックを向上させることを目的とする。この映姫の持つ時計も、その性質上常にハイスペックを求められ続けているに違いないだろう。
- 「二重結果の原理」・・・2つの結果のうち「1つは良い結果でもう1つは悪い結果」と帰結するような行為を合法的に遂行することができるのはどのような時であるかを決定するため、道徳神学やキリスト教哲学においてしばしば使用される行為の規則。これに関連する有名な問いとして『トロッコ問題』がある。テキストでは「義務論か、目的論か。」と記述されているが、義務論は規則主義・規範主義、目的論は功利主義を含む帰結主義として対置されることが多い。これからの自分の行動に善か悪か白黒はっきりすることについては、簡単な時もあれば難しい時もある。
スペルカードはそれぞれ東方花映塚のチャージアタックと東方文花帖のLEVEL10-4からの採用。
罪符「彷徨える大罪」
※映像右側
審判「十王裁判」
審判「十王裁判」は、文花帖の自機である射命丸文が撮影する度に弾幕のパターンが変化する。LEVEL10-4では10枚撮影しなければならないためパターンの変更は10段階にも及ぶが、ロストワードではそれらの弾幕全てを使用している(そのため演出は非常に長い)。
このスペルカードの元ネタは十王で、バレット名は十王裁判の後に「初七日の裁判」「七七日の裁判」「百か日の裁判」「一周忌の裁判」「三回忌の裁判」と続くが、これは十王の審理の順番から来ている(ちなみに十王の名前をそのまま使うパターンはL1世界の映姫のラストワード『黙示の時代』ですでに使っている)。
- 「死後の三年間を早回しで体験させて戴きました。正直、どれが閻魔様なのか判りませんが、興味深い記事が書けそうです。」(審判「十王裁判」 射命丸文コメント)
『浄土地獄の大分岐』は文字通り浄土と地獄の分岐を意味する名前だが、映姫のモチーフの閻魔王は死者の魂が次に六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)のどこに行くかを決める役割があり、創作などでは「死んだ後、天国か地獄に行くかを決める奴」というイメージが強い。シンプルかつわかりやすい、閻魔王の仕事にちなんだ名前として相応しいものとも言える。