概要
炎星と名のつくカードの初登場は2012年9月号のVジャンプであるが、カテゴリーとして成立したのは第8期ブースターパック第3弾、「COSMO BLAZER(コスモ・ブレイザー)」からである。属するモンスターは全て炎属性・獣戦士族で統一されている。全員動物の形をとった炎を身にまとっている。獣戦士族であるが外見はほぼ人間の姿をしている。後述するがイケメン&ダンディが多い。
ほぼ全てのモンスターが後述する「炎舞」と名のつく永続魔法、永続罠カードに関連する効果を持っており、デッキから炎舞をセットしたり、フィールド上の炎舞をコストに効果を発動する。炎舞自体は獣戦士族を指定しており、長年サポートに乏しかった獣戦士族全体に一石を投じることになった。
構成モンスターは大きく分けてレベル3のものとレベル4のものがあり、どちらを主軸としたかで
デッキの動きが大きく変わってくる。
各モンスターは中国の四大奇書水滸伝の登場人物を元にしており、特に最初に登場した炎星候-ホウシン、炎星師-チョウテン、炎星皇-チョウライオを除くモンスターは108の魔星の生まれ変わりである豪傑達をモデルとしている。
カード名の前半が前世名、後半が姓名とモチーフとなった動物の名前を組み合わせたものとなっている。英語版ではカード名の「~炎星」に当たる部分が全て「Brotherhood of the Fire Fist」という表記になり、また名前の後半部分は動物の名前そのままとなっており、水滸伝要素がなくなっている。
また炎舞の名称は北斗七星の各星の中国語での名称である。
炎星モンスター
()内は名前の元ネタ。
レベル3
炎星師-チョウテン(張天師(虚清天師))
(イラスト右側の紫色の炎を纏った人型のモンスター)
三軸3枚積必須チューナーであり三軸の要。限定的なつり上げ効果を持つ。
英炎星-ホークエイ(花栄 + 鷹(ホーク))
相手によって破壊された場合、デッキから炎舞をセット。
場に炎舞があれば炎星の攻守を上げてくれる。
捷炎星-セイブン(張清 + レイブン)
場から墓地に送られた場合、デッキから炎舞をセットできる。
これはシンクロ召喚の際に送られても発動できるため、採用率が高い。
他にも、炎舞を守る効果も付いている。
立炎星-トウケイ(董平 + 鶏(ケイ))
炎星モンスターの効果によって特殊召喚に成功した時
デッキから炎星モンスターをサーチできる。
また、場の炎舞を墓地に送りデッキから別の炎舞を持ってこれる。
このカードを上手く扱えば、損失をらくらく解消できる。
制限になったこともある強力なカード。
傷炎星-ウルブショウ(武松 + 狼(ウルフ))
上手くいけば二度、炎舞をセットできる。守備力も高め。
(メイン画像右側の男性)
場の炎星モンスターをリリースすることで
デッキから炎舞をサーチ。もちろんこのカード使って
効果を使用できる。チョウテンとの相性はかなり良い。
魁炎星-シーブ(朱武 + 羊(シープ))
海外先行カード。詳細は不明。
レベル4
暗炎星-ユウシ(楊志 + 熊(ユウ))
四軸の柱。相手にダメージを与えたら炎舞をセット。
場の炎舞を使ってモンスターを破壊できるのは手軽かつ強力。他の獣戦士族の補佐としても有用。
勇炎星-エンショウ(関勝 + 猿(エン))
ユウシと同じく、炎舞をセットできる効果を持つが
発動条件が異なるため若干使いにくい。場の炎舞を使って魔法・罠を破壊できる効果は
炎星デッキでは貴重。
微炎星-リュウシシン(史進 + 竜)
このカードが場にいる時に、炎舞を発動した場合炎舞をセット。
また、場の炎舞2枚を使って墓地の炎星モンスターを特殊召喚できる。
下級炎星では攻撃力が高い。四軸の展開役。
場の炎舞が墓地へ送られた場合、デッキから炎舞をセット。
また、限定的だが場の炎舞2枚を使い1枚ドローできる。
正直、使わないカードだったり…
空炎星-サイチョウ(索超 + 犀(サイ))
自分の場の炎星モンスターが戦闘を行うダメージ計算時に1度だけ、
場の炎舞1枚と手札の炎星モンスター1体を墓地へ送ることで
墓地へ送ったモンスターの元々の攻撃力分アップするという、少々変わった効果。
殺炎星-ブルキ(李逵 + 雄牛(ブル))
このカードが墓地に存在する場合、手札または自分の場の炎星または炎舞と
名のついたカードを2枚墓地へ送ってこのカードを墓地から特殊召喚する効果。
上手く使えば展開に拍車がかかる。
孤炎星-ロシシン(魯智深 + 猪(シシ))
星4/炎属性/獣戦士族/攻1100/守1400
四軸炎星で使われるチューナーで、炎星用のリクルーター。
このカードが場に存在する場合に炎星と名のついたモンスターが
自分のエクストラデッキから特殊召喚された時、デッキから炎舞をセットできる。
猛炎星-テンレイ(秦明 + 馴鹿(レインディア))
カードの効果によって破壊されたターンのエンドフェイズ時
デッキから☆4の炎星モンスターを特殊召喚できる。
炎星と名のついたシンクロモンスターのシンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、
デッキから炎舞セット。ロシシンの相方。
俊炎星-ゾウセイ(宋清 + 像))
海外先行カード。
レベル5
場に炎舞があり、自分の場にモンスターが存在しない場合、
手札から特殊召喚できる。特殊召喚は魅力的だが、☆5がどうにも使いづらい。
炎星デッキではほとんど採用されない…
威炎星-ヒエンシャク(呼延灼 + 燕(エン))
場の炎舞3枚を使って特殊召喚できる。召喚・特殊召喚に成功した時
デッキから炎舞をセット。このカードが場に表側表示で存在する限り
自分の場の獣戦士族は相手のカードの効果の対象にならない。
ゴヨウテ同様、まず使われない。
寿炎星-リシュンマオ
儀式モンスター
巧炎星-エランセイ
融合モンスター
富炎星-ハクテンオウ
シンクロモンスター
炎星候-ホウシン(洪信 + 馬(ホース))
シンクロ召喚成功時にデッキから炎属性・レベル3モンスター1体を特殊召喚できる効果。
トウケイとの相性が良く、三軸にはなくてはならないチョウテン同様必須カード。
罡炎星-リシュンキ(盧俊義 + 麒麟)
シンクロ召喚に成功した時、炎舞をセット。
相手モンスターの攻撃力の攻撃力に干渉する効果をもつがものすごく控えめ。
守備は高いが戦闘向きでないためパッとしない…。
エクシーズモンスター
炎星皇-チョウライオ(晁蓋 + ライオン)
デメリットこそあるが、効果で墓地の炎属性モンスター1体を選択して手札に加えられる。
狙い目はチョウテン。
魁炎星王-ソウコ(宋江 + 虎(コ))
エクシーズ召喚時、デッキから炎舞をセット。
エクシーズ素材を1つ取り除く事で獣戦士族以外のフィールド上の全ての
効果モンスターの効果を相手ターン終了時まで無効。
墓地に送られたとき条件をクリアすればレベル4以下の獣戦士族モンスター2体を特殊召喚。
セット、効果無効、特殊召喚と、さすが炎星の総大将。
間炎星-コウカンショウ(公孫勝 + 紅冠鳥(コウカンチョウ))
エクシーズ素材を2つを使い、
自分の場・墓地の炎星または炎舞と名のついたカード2枚と
相手の墓地または相手の場のカード合計2枚を選択して持ち主のデッキに戻す非常に強力な効果。
☆4の炎星モンスターでなければ召喚できないが、見返りは十分。
リンクモンスター
炎星仙-ワシンジン
炎星・炎舞の発動コストを踏み倒す効果を持つ。
さらに、自分のフィールドまたは墓地の炎舞を手札に戻して炎星を墓地へ送る事もできる。
慧炎星-コサンジャク
総評
マスタールール3以前
即効性が高く、展開を重ねて手札も増えるといった動きが魅力の炎星だが
それは炎舞とのコンビネーションが合ってこそであり、炎舞を片っ端から消されてしまうと
動きが極端に鈍くなる。加えて、根本的な攻撃力の低さが戦において響くことが多々ある。
一時は大会で結果を多く残したが、インフレ化が進むにつれ徐々に使用率は低迷。
第一線から退くこととなった。
今現在、トウケイの制限解除に伴い炎星は本来の力を取り戻し、大会で結果を残すことは依然難しいが中堅以上の強さを誇っている。
新マスタールール
炎星に限った話ではないが、新ルールによって「EXモンスターゾーン」が増設されたため
EXデッキから出てくるカードはとにかく場所が足りない事態に。
故に、いままでの基本的戦術が使えなくなってしまったため、今の炎星を使うには
リンクモンスターを使った構築を強く勧める。
マスタールール(改訂版)以降
2020年4月1日からのマスタールールではEXデッキから出てくる融合・シンクロ・エクシーズモンスターは直接メインモンスターゾーンに特殊召喚できるようになるため、今までの戦術が復活。さらに、リンクモンスターも含めた幅広い構築が可能になる。
余談
- 漢のデッキ
とにかくイイ男が揃っている。イラストを見れば一目瞭然。
トウケイ、ホークエイ、ユウシのイケメン顔に、北大路欣也に似ているソウコ、チョウライオといったダンディな顔。炎星=イイ男の集まりと言ってもいい。
男性だけでなく、女性の方も一度その顔を見てみることをオススメする。
- 炎星とモチーフを同じにするカード群
アニメ遊戯王ARC-Vに登場する「梁山泊塾」の塾生が用いるモンスターが百八星を由来としている。
《モンスター一覧》
地雷星トドロキ、天雷星センコウ、覇雷星ライジン
地風星ツムジ、天風星アラシ、覇嵐星フウジン
地翔星ハヤテ、天昇星テンマ、覇勝星イダテン、天融星カイキ、覇道星シュラ
関連タグ
戦華:明代の奇書「三国志演義」をモチーフとするテーマ。こちらも獣戦士族で構成されている上、永続魔法・永続罠を活用する構成となっているので「炎舞」とのシナジーが強い。炎舞を巡る戦いが始まる...。