概要
岩手県・盛岡市・奥州市の3自治体で構成される岩手県競馬組合(一部事務組合)が、奥州市の水沢競馬場と共に施設を運営しレースを開催。
後述の初代施設の近くに「黄金清水」という湧水地があった事から「黄金競馬場」という別名で呼ばれるようになり、現在の3代目施設の開場時にスペイン語での「黄金」を取り入れた「OROパーク」(オーロパーク)という愛称が付けられている。
1903年に当時の上田地域に初代の競馬場が開場し、1933年頃に現在の高松公園内に移転。
そして1996年、現在の新庄地域に移転した。
現在の施設は盛岡市街地よりかなり離れている山林に囲まれた地域にあるが、岩手競馬開催日に無料のシャトルバスが運行され、約3,000台分の無料駐車場が整備されている。
現施設の最大の特徴として、日本国内の地方競馬専用の競馬場として最初かつ唯一の芝コースを擁する。
また場内の「J-PLACE盛岡」という名称のエリアで、日本中央競馬会(JRA)のレースの場外馬券発売も行われている。
コース
芝とダートの両本コースを持つ。
日本中央競馬会(JRA)の施設とは異なり、外側がダートコース、内側が芝コースとなっており、いずれも左回りである事からアメリカ合衆国の一般的な競馬場のような構造となっている。
両コース全体の高低差は約4mと地方競馬場としては規模が大きく、高低差がほぼ0mで右回り構造の水沢競馬場とも性質が異なっている。
ダートコースは一周1,600mで、JRAの競馬場と比較しても遜色のない規模である。
第2コーナーからの引き込み線が約400mあり、1,600mコースでは第3・第4コーナーのみ通過するワンターンコースの設定が可能。
またダート戦のワンターンのマイルコースがあるのは国内で他に東京競馬場のみ。
さらに東京競馬場ではスタート地点から約200mは芝コースを走る必要があるため、完全なダート仕様に限れば盛岡競馬場が唯一となる。
芝コースは一周1,400m。
洋芝を使用している。
設定距離
ダート
1,000m、1,200m、1,400m、1,600m、
1,800m、2,000m、2,500m、2,600m
芝
1,000m、1,600m、1,700m、2,400m
施設
コース南西側の敷地内に所属競走馬の厩舎地区が所在。
有料の指定席には、ペアシートや仕切り型のグループシート、パーティールーム型などが用意されている。
屋外スタンドから第4コーナー方面にかけて芝生の観戦エリアが伸びる。
内馬場に来場客のエリアは整備されていないが、こちらの周辺に散策用の庭園や幼児向けの遊具などが設けられている。
またスタンドの裏側に屋内のキッズルーム・休憩所がある。
主な開催重賞競走
マイルチャンピオンシップ南部杯は、首都圏(大井競馬場、川崎競馬場)、船橋競馬場、浦和競馬場)以外で唯一開催されるJpnⅠ競走である。
2002年、2014年、2022年にはJBC競走が行われた。
芝コースを使用するレース
- 若鮎賞(M3)
- ジュニアグランプリ(M1)
- オパールカップ(M2)
- サファイア賞(M3)
- せきれい賞(M2)
- いしがきマイラーズ(M3)
- 岩手県知事杯OROカップ(M1)
- OROターフスプリント(M2)
その他
場内のあちらこちらに岩手競馬のマスコットキャラクターである、ウマの「ハヤテ君」(手塚治虫がデザイン)の顔が描かれている。
水沢競馬場と同じく「ジャンボ焼き鳥」が名物グルメである。
天候が良ければ、場内より岩手県や盛岡市の風景のシンボルでもある岩手山(標高2,038m・同県と奥羽山脈の最高峰)をよく眺められる。
交通アクセス
- 無料シャトルバス(岩手競馬開催日のみ)で30分。
- タクシーで20分。