概要
菫子が『東方憑依華』に登場した際のもの。
菫子は『憑依華』ではプレイアブルのものとしては作中でも特殊なストーリーを辿っており、特に菫子の初登場した『東方深秘録』から引き続いていた菫子ならではの都市伝説異変とついに対峙することとなる。
英語表記では上記の通り「 A mystic and troublesome High School Girl 」。
現と夢と幻想郷
『深秘録』以後夢を通して幻想郷を訪れるようになった菫子は幻想郷で人の縁も広げ幻想郷の様々な不思議にも出会い、『憑依華』でのその日も眠り(「 居眠り 」)を通して幻想郷を訪れようとしていた。
しかし夢で訪れた場所はいつもの幻想郷とは様子が異なっていた。
不思議に思っているところに博麗霊夢が現れ、馴染みの友人の姿に菫子は信頼できる相手と会えたことに安堵するもその霊夢もまた様子がおかしい。
菫子はこの霊夢ではない霊夢に弾幕戦を仕掛けられ、これに菫子は勝利を収めるもここから脱することはできず、謎の霊夢からは脱出したければ「 もう一人の菫子 」を探せとの奇妙な言葉を投げかけられる。
「 なんか変なレイムね 」(菫子、様子のおかしい霊夢に対して)
次に菫子は霧雨魔理沙に出会った。やはり魔理沙も様子がおかしい。
同じように弾幕戦となり勝利するも菫子は訳も分からぬままそこを飛び出すこととなる。
「 違う! 貴方はマリサじゃない!」(菫子、奇妙な魔理沙に対して)
菫子は「 不気味 」な世界を彷徨い、「 見知らぬ友人 」に疲弊する。
そんなあてもなく世界を彷徨う菫子の前に夢の支配者を名乗るドレミー・スイートが現れ、ここが先の奇妙な魔理沙が残した言葉の通り「夢の世界」であることと「菫子にとっての夢の世界である幻想郷」とは異なることが告げられる。
さらに自らが迷い込んだ存在であることや先の霊夢が告げたような「夢の世界の菫子」の存在があってそちらの菫子が現側で暴れていること、そしてドレミーがいままさに菫子に「憑依」していることなどが示される。
菫子はこれに抵抗し現側への復帰を望むがドレミーはそれはかなわないとし、これまでの菫子の行いを振り返ればそれもやむを得ないことなのだと諭す。
しかしその時唐突に菫子が夢の世界から姿を消す。
突然の事態にドレミーは驚くも、自らの分身を引き続き菫子に憑依させて後を追う。
菫子は見知った幻想郷の博麗神社にあった。
菫子自身にも理由は判らなかったがそこにとある人物が現れ、ここからさらに『憑依華』での菫子の物語は大きな変化を知ることとなるのである。
一方の夢の世界側の菫子の活動としては大きくストーリーに関わる場面の他には例えば河城にとり&秦こころのストーリーにも登場しており、この際には自らを「 ドリーム菫子 」と名乗っている。
後に現側の菫子は夢と現の自分、あるいはそれ以外の何かと直接相対する様を振り返って「 本人でも混乱するの 」としており、このセリフも聞いていた比那名居天子もまた、さらにこの後にはそんな複数の自分との対峙をするなどという状況で正気が保てるものだろうかと、その異様さを感じている。
この他の場面では一連の菫子本人のストーリーの後には、『深秘録』では「 変態 」呼ばわりされて避けられることとなった少名針妙丸とも「 念願 」だったコンビ結成を実現しており、後述のスペルカードでも互いの力を合わせているなど菫子の人間関係の広がりがみられている。菫子もまたご機嫌であった。
「 このコンビで一世風靡しちゃいましょー 」(菫子、針妙丸とのコンビについて、『憑依華』)
アクション面や物語周辺では
本作の菫子は「 動かずどこからでも捉える超能力を駆使して戦う要塞タイプ 」と評されており、超能力(特にサイコキネシス)で廃材などを操り相手を「 瓦礫の山 」(弾幕)に埋めていく戦法を得意とする(黄昏フロンティア、『東方憑依華』公式ホームページ)。
『深秘録』からPS4版『深秘録』(EXTRA)の間にオカルトボールが消失したこともあって本作ではオカルトボールを用いることはないがその他の超能力弾幕は健在であり、パンダカーによる突撃も楽しんでいる。
必殺技としてのオカルトボールに代わっては、もう一人の薄いシルエットがかかった菫子を呼び出し、この菫子が道路標識をたたきつける超能力を行使するといったアクションが新たに登場している。
菫子が関わったオカルト・都市伝説は不明であるが本作では『深秘録』の一部(例えば茨木華扇の自由対戦モードでの勝利セリフ)や『東方茨歌仙』で語られていた菫子の都市伝説である「ドッペルゲンガー」と関わるシーンがある。
先の新規アクションに登場する影のかかった菫子が何者であるかは不明ながら、何らかの超能力の発現の可能性以外にこのドッペルゲンガーをついにその力としているとする可能性もまたある。
ZUNは『憑依華』での菫子のストーリーについて特に菫子のプレイアブルのストーリーのラストなどはゲーム中では自由対戦モードでも設定することが出来ないシチュエーションでもあることもあって、菫子ならではの「 やりたい放題 」について「 書いてて面白かった 」としている。
『憑依華』ストーリー中では現の存在と夢の存在が出会うのは菫子(マスター)と針妙丸(スレイブ)だけであり、さらに菫子は針妙丸のケースとはまた違った夢と現の二者に限らない出会いも果たしているなどその特異性が見られている。
レイムっちとマリサっち
菫子は夢の世界に迷い込んだ時に出会った菫子にとっては本人たちである霊夢と魔理沙についてそれぞれ「 レイムっち 」や「 レイム 」、「 マリサっち 」や「 マリサ 」と呼びかけている。
『憑依華』以前では霊夢については「 霊夢さん 」(例えば『茨歌仙』)、魔理沙については「 魔理沙さん 」(『東方香霖堂』)と呼びかけているため、『深秘録』以後の交流で二人との距離が縮まった可能性を見て取ることが出来る。
『深秘録』時点の菫子は他者関係を拒否していたこともあり、菫子は『深秘録』での経緯で心境の大きな変化を得る訳であるがこういった呼称に見る他者との縁の結びつきの様は菫子の成長や具体的な心の変化の現れという点で極めて象徴的で意義深いものでもある。
なお霊夢と魔理沙に先立って菫子が特に懐いた相手として華扇があるが、華扇について菫子は「 カセンちゃん 」と呼びかけており(『香霖堂』)、この呼称は『憑依華』作中でもみられる(菫子、自由対戦モード対華扇勝利セリフ)。仙人という人間の味方にして強大な力を持つ存在をこの様にフランクに呼べてしまう菫子について森近霖之助は驚愕し、「 最強の種族 」だという「 女子高生 」(先述の二つ名の英訳版にもにみられる「High School Girl」にも通じる)の恐ろしさを体感している。
この他菫子は二ッ岩マミゾウともフランクな関係を結んでおり、菫子はマミゾウについて「 マミさん 」とも呼びかけている(『東方文果真報』)
なお『憑依華』での英語表記では「レイムっち」や「マリサっち」はそれぞれ単に「 Reimu 」や「 Marisa 」。
ドレミー・スイートによれば
『憑依華』で菫子が出会ったドレミーはこれ以前から菫子が夢を通して幻想郷を訪れていることを把握しており、その動向にも注意を払っていた。
『憑依華』で現の存在が夢の世界に紛れ込むことは同時に夢の世界の存在が現側に押し出されることでもある。「夢の世界の住人は感情豊か」という一般的な性質は夢の世界の菫子にも当てはまるようで、アグレッシブな菫子が複数の機会に登場している。
これとは逆に現側の存在が夢の世界に紛れ込むとその精神に悪影響がでることがあることから、迷い込んだ現側の菫子の動向もまたドレミーによって監視しつつフォローもされていた。
「 それは普段から 夢の世界の貴方を追い出して
現の貴方が乗っ取っていたのです 」(ドレミー、菫子に対して、『憑依華』)
『憑依華』前夜
菫子は『憑依華』以前に同作中で見られたような完全憑依、あるいはPS4版『深秘録』で語られた完全憑依の端緒ではない形での完全憑依を体験しており、このときの菫子は依神女苑に憑依されていた(『香霖堂』)。女苑からの呼び方は「 外来人さん 」。
女苑は菫子らに憑依して豪華な宴会を催させ、菫子には言葉を残して満足して去っていった。
菫子は『憑依華』では主に二つの大きな物語の視点があり、一つは女苑らと出会うこととなる「完全憑依異変との対決」の文脈で、もう一つは「完全憑依異変の夢の世界への影響」の文脈である。
菫子の物語は後者のもので、ここに菫子ならではの都市伝説異変との対峙が重なることとなる。
もう一つの『憑依華』の物語では女苑とその姉の依神紫苑が本格的に完全憑依異変を引き起こして大々的に人々から金品を吸い上げるのであるが、こちらの物語には関わらなかった菫子もまた、その前日譚では女苑による完全憑依の被害者の一人ともなっていたのである。
なお後述の自由対戦モードでは『憑依華』での菫子と女苑を対峙させることも出来、このとき菫子は女苑の服やバッグが「 偽ブランド 」であることを指摘している。
「 ええ? 私の服もカバンも偽ブランド!? そんな馬鹿な 」
(女苑、自由対戦モード対菫子勝利セリフ、『憑依華』)
服装その他
『憑依華』での菫子の服装は『深秘録』登場時の制服姿と同じもので、髪型も同様。
また『憑依華』ではとある場面で『茨歌仙』でも一部描かれたような菫子の私生活も描かれており、外の世界の菫子の自室のベッドや本棚、充電中のスマートフォンなども登場している。眼鏡をはずした寝起き直後(幻想郷等訪問からの帰還直後)の菫子やパジャマ姿の菫子も登場する。
スペルカード
本作で菫子が使用するスペルカード・ラストワードは次の通り。
そのシチュエーションも含め菫子に特徴的なものにはNPC時の「W超能力」がある。
PC時
名称 | cost | 備考 |
---|---|---|
銃符「3Dプリンターガン」 | 1400 | |
念力「サイコキネシスアプリ」 | 1000 | |
念力「テレキネシス 電波塔」 | 1200 | |
*幻視せよ! 異世界の狂気を* | ラストワード |
※なお、消費コストの1400、1000、1200という単位構成は女苑&紫苑の消費コストの単位構成と同じ。
NPC時
名称 | 完全憑依コンビの相手 | 備考 |
---|---|---|
W超能力「サイコキネシステレポーテーション」 | 菫子 | |
W超能力「絶体絶命メトロポリタン」 | 菫子 | |
「世紀のダブルエスパー 宇佐見菫子 | 菫子 | |
超能力「サイコキネシスエンドレス」 | ドレミー(スレイブ) | |
夢礫符「羊毛色のサイコキネシス」 | ドレミー(マスター) | |
槌礫符「大判小判ザックザクサイコキネシス」 | 針妙丸(マスター) |
二つ名の組み合わせ
ストーリー中はストーリーごとに特定の二人(三人)による完全憑依コンビで物語が進むが、自由対戦モードでは自由にコンビを設定することが出来る。同時に自由対戦モードでは設定したコンビごとに個別の二つ名も設定されるというシステムがあり、このコンビの二つ名は『憑依華』作中でのキャラクターごとの二つ名を参照したものが用いられる。
マスターとスレイブをどのように配置するかで用いられる元の二つ名の節が異なっており、マスターの場合は二つ名の前段の節、スレイブの場合は二つ名の後段の節が用いられる。
菫子が関わる完全憑依コンビの二つ名は次の通り。
菫子がマスター側の場合での完全憑依コンビの二つ名
スレイブ側キャラクター | 日本語表記 | 英語表記 |
---|---|---|
博麗霊夢 | 神秘主義で無計画な二人 | A mystic & unplanned duo |
霧雨魔理沙 | 神秘主義で星好きな二人 | A mystic & ster-loving duo |
雲居一輪&雲山 | 神秘主義で巨体怪力な三人 | A mystic & super-strong trio |
物部布都 | 神秘主義でお皿を割る二人 | A mystic & dish throwing duo |
河城にとり | 神秘主義で守銭奴の二人 | A mystic & miser duo |
聖白蓮 | 神秘主義で悟りを開く二人 | A mystic & enlightened duo |
豊聡耳神子 | 神秘主義で人の為に動く二人 | A mystic & serving duo |
秦こころ | 神秘主義で感情的な二人 | A mystic & emotional duo |
古明地こいし | 神秘主義で心を閉ざした二人 | A mystic & guarded duo |
茨木華扇 | 神秘主義で動物好きな二人 | A mystic & animal-loving duo |
藤原妹紅 | 神秘主義で不死身の二人 | A mystic & immortal duo |
少名針妙丸 | 神秘主義でお椀に乗る二人 | A mystic & bowl riding duo |
二ッ岩マミゾウ | 神秘主義で喰えない二人 | A mystic & cunning duo |
鈴仙・優曇華院・イナバ | 神秘主義で波長の合わない二人 | A mystic & incompatible duo |
ドレミー・スイート | 夢を見せる二人 | A dream revealing duo |
比那名居天子 | 神秘主義で浮世離れした二人 | A mystic & unwordly duo |
八雲紫 | 神秘主義で裏表のある二人 | A mystic & two-faced duo |
依神女苑&紫苑 | 神秘主義で不幸をもたらす三人 | A mystic & misfortunate trio |
菫子がスレイブ側の場合での完全憑依コンビの二つ名
マスター側のキャラクター | 日本語表記 | 英語表記 |
---|---|---|
博麗霊夢 | 自由奔放で扱いに困る二人 | A carefree & troublesome duo |
霧雨魔理沙 | 高火力で扱いに困る二人 | A fire yieding & troublesome duo |
雲居一輪&雲山 | 頑固で扱いに困る三人 | A stubborn& troublesome trio |
物部布都 | 風水で扱いに困る二人 | A feng shui & troublesome duo |
河城にとり | 商売上手で扱いに困る二人 | A business minded & troublesome duo |
聖白蓮 | 超人的で扱いに困る二人 | A superhuman & troublesome duo |
豊聡耳神子 | 全能で扱いに困る二人 | An almighty & troublesome duo |
秦こころ | 能面で扱いに困る二人 | An expressionless & troublesome duo |
古明地こいし | 意図せず扱いに困る二人 | An aimless & troublesome duo |
茨木華扇 | 神仙思想で扱いに困る二人 | A Taoist & troublesome duo |
藤原妹紅 | 自暴自棄で扱いに困る二人 | A desperate & troublesome duo |
少名針妙丸 | お伽噺的で扱いに困る二人 | A mythical & troublesome duo |
二ッ岩マミゾウ | 変幻自在で扱いに困る二人 | A surreal & troublesome duo |
鈴仙・優曇華院・イナバ | 月面思考で扱いに困る二人 | A lunatic & troublesome duo |
ドレミー・スイート | 夢を見せる二人 | A dream revealing duo |
比那名居天子 | 緋想的で扱いに困る二人 | A scarlet & troublesome duo |
八雲紫 | 神出鬼没で扱いに困る二人 | An elusive & troublesome duo |
依神女苑&紫苑 | 最凶最悪で扱いに困る三人 | A cursed and evil & troublesome trio |
関連タグ
超能力を操る程度の能力 オカルトボール(『憑依華』以前に消失)