CV:田中敦子
人物
346プロダクション常務取締役。フルネームおよび年齢は不明(本来、人物の紹介で「役職」を付けるのは好ましくないが、フルネームが不明なため便宜的に「常務」とする)。
346プロ会長の娘であり、海外から帰国後、同社アイドル部門統括重役を務める。
高垣楓(171cm)を上回る長身で黒い髪と鋭い瞳、エメラルド(翡翠色)のイヤリングに灰色のスーツを着ており、爪にも灰色のマニキュアを塗っている。
スタイルもかなり良く、大きめのお尻と腰のラインが艶かしい。
1st seasonではラスト以外に姿を見せず、本格的な出番は2nd seasonが始まってからになる。
14話以降において物語全体を左右する重要な人物。
今西部長は肩書上部下に当たるが、付き合いが長いようでプライベートの会話では常務が部長に対して敬語を使っている。
武内Pのことは優秀と認める一方、ネクタイが曲がっているなど、細かい身だしなみを指摘している。
優秀な人材を評価する一方で厳格さを感じさせる人物。仕事に対しては効率と成果を重んじ、なおかつ短期に結果を出すよう求めるタイプで、以前の「一人一人のアイドルの個性を伸ばしていく」というアイドル部門の方針については「非効率的で成果が出るのが遅い」と断じている。
一方で「個性を伸ばす、大いに結構だ。しかし時計の針は待ってくれない。」とも発言しており、方針そのものに対して頭から否定しているわけではない。あくまでやり方が非効率的だと言っているだけである。
そのため、アイドル部門就任時の最初の仕事は、現在進行中のアイドルプロジェクトをすべて白紙に戻すというもの。シンデレラプロジェクトどころか、シンデレラガールズそのものを揺るがし、346アイドル部門そのものに衝撃を与えることとなった(但し、後の事態から察するに、自らの計画に必用な人材を、有無を言わさず集める為の策謀にも見えてしまう)。
その影響は大きく、シンデレラプロジェクトが集まっていた大きな部屋も畳まれてしまう。それは同時に、1st season(1~13話)で築き上げてきた彼女たちのお城を失ってしまうことも意味していた。
そんな彼女の企画は「かつての芸能界のようなスター性、別世界のような物語性の確立」。バラエティ路線を減らしアーティスト面を強化するという、「アイドル」を前面に押し出す方針をとっている。
346プロの将来像を見据えており、常務という経営者的な立場でありながら自ら企画を立て、アイドルをプロデュースしようとするなど、非常にバイタリティあふれる姿勢を見せている。
あくまで「346プロアイドル部門統括重役」であるため、アイドル部門を統括はするが、アイドルたちのことを直接管理しているわけではない。
そのため実際に仕事をするアイドルたちとは目指すものが違い、「仕事の規模、その仕事の成果に見合うアイドルを回す」という、得られる成果はアイドルごとに適正だが、アイドル本人たちの思いを蔑ろにした仕事の回し方を採っている。実際に、第15話にてトップアイドルとして見込んだ高垣楓にトップアイドルにふさわしい音楽番組での特番の仕事を与え、それに見合わないミニライブイベントを他のアイドルに回そうとしたり、第19話にてアイドルの意見を無視してユニットに曲をあてがおうとした。
企業である以上資金や経験値が限られているため、均等にレベルを上げていくのではなく、才能のある人だけを重点的に鍛え上げて強いアイドルを育てることが彼女の目標と思われる。
その手法は強引そのものだが、武内Pなど自らに楯突く者に対しても道筋と覚悟を示せばそれ以上強制しない。
また、本来の意味でのリストラ(再構築)は行っても、日本で言われるような意味でのリストラ(安易な人員削減)を行っている描写はなく、白紙化前に施設を見回ったり多彩なジャンルでアイドルのプロデュースを試みたりするなど、346プロダクションのスペックを彼女なりにフル活用しようとしていることが窺える。
25話ラストでは前年度末までの成果が認められたのか「専務」に昇格したようである。以降は「元美城常務」「美城専務」等の紹介をアイマスのメディア媒体で受ける事が多い。
プレイヤーがプロダクション代表を務めるアイドルマスターシンデレラガールズというゲームのプロデューサーの、そして書き手の個性が出やすい女性Pの極北といえるかもしれない。
アニメ放送当時、父会長の路線を否定し、社内改革を進めていた大塚家具の女社長とは、大塚家具本社がコミケ会場の直ぐ側にあり、P達は目にする事も多かった為、比較して語られる事例があった。
劇中での活動
- 第14話
アメリカから帰国したその足で346プロへ出向き、現場の様子を見て回る途中でシンデレラプロジェクトのメンバーや武内Pと顔を合わせる。前記の通り、彼の仕事ぶりは評価している模様。
同話の最後に行われた会議にて、「現在進行中の全アイドルプロジェクトを解体、白紙に戻す」ことを宣言した。
父親である会長への帰国の報はメールで済ませており、それを聞いた今西部長は浮かない顔をしていた。社内視察を優先した仕事熱心さとも、親子関係の破綻とも取れたがその後特に描写はなし。
- 第15話
プロジェクト解体の狙いは「自らの厳選した規格に適合したアイドルを選抜し一つのプロジェクトにまとめ、大きな成果を得ること」「対外的な346のブランドイメージを確立すること」と述べ、それに反対した武内Pに対し、代替案を提出するように要求した。
自身の計画の一歩目として、346プロでもトップクラスとされる高垣楓に、社の力を使って大きな活躍の舞台を提供するが、思い出の場所を大事にしたい彼女には断られ、追って武内Pから代替案を突き付けられた。
尚、楓のミニライブではうちわの配布を巡って、列整理のトラブルが発生しており、人気アイドルとなった楓にとって思い出の箱がもはやキャパオーバーになっているという、常務の分析の正しさを裏付けるような描写もなされている。
- 第16話
武内Pの提出した企画「シンデレラの舞踏会(仮)Power of Smile」に関しては「自らの方向性と真逆」「まるでお伽噺」としながらも不干渉不支援、今期末までに成果を出すことを条件に了承する。一方、その後の社内会議で、自らの目指す346プロのアイドル部門の方向性を「かつてのアイドルに見られたスター性を取り戻す」ことと発表。そのために、その方向性に合致しないバラエティ番組の仕事を徐々に減らす方向へと動いていく。
今西部長からもやり方が強引過ぎると言われたが、それでも彼女なりの案を持って動いていることを窺わせている。また武内Pの企画を了承したことに関しては、「失敗すれば見せしめにして湧き出た反乱分子を一気に封じ込めることができる、成功すればそれもまたよし」と言ってのけ、一筋縄ではいかないところを見せた。
- 第17話
所属アイドル城ヶ崎美嘉に化粧品とのタイアップの仕事を割り当てる。その上で、美嘉に対して(スタッフを通じてという形で直接会ってはいないが)“高級感ある大人路線”への方針転換を迫る。それまでギャル系ファッションで同年代から強い支持を集めてきた美嘉はこれに困惑するが、スタッフたちから「これ以上反抗するとうちの部署自体が危ない」「結果が出せない部署は本格的整理が始まるかもしれない」と言われ、渋々その仕事を引き受けることになる。
今西部長の台詞によれば、この城ヶ崎美嘉の化粧品タイアップは一応の成果を上げたとのこと。視聴者にとっては、常務の采配が功を成した初めての例となった。
そして、自らが強引に改革を推し進める理由として「346プロダクションは、歴史ある総合芸能企業346グループの一員として、それにふさわしいアイドル像を打ち立てねばならない」と述べた。
- 第18話
この回は登場せず。しかし、OP直後に速水奏を映すPVや奏・塩見周子・宮本フレデリカのインタビュー記事があったりと、常務の企画、あるいは常務に通した企画も並行して進んでいることを窺わせる。この他、以前からバラエティ路線で活躍していたKBYDがロケをしているシーンが描写されている。KBYDは今までと大差ない雰囲気で仕事をしていたが彼女達は武内Pの庇護下に置かれておらず、視聴者の間では、「常務が問答無用でバラエティ畑のアイドルを潰しているわけではないことの表れ」という見方や、「この仕事内容は一種の紀行番組のようなもので、今までの仕事とは違う点も多いため、事実上方針転換させられたのでは」という見方など、様々な考察がなされた。
- 第19話
冒頭、木村夏樹を中心としたロックバンドのメンバー候補である松永涼と星輝子のオーディションを行うためにニュージェネレーションズと城ヶ崎美嘉、北条加蓮、神谷奈緒が使っていたレッスン室を貸すよう要求するが、その際、できたてEvo!Revo!Generation!を歌う凛・加蓮・奈緒を見て、はっとしたような表情を一瞬だが見せていた。
肝心の夏樹のロックバンド企画は、彼女らの意向を無視するようなものであったために、夏樹から企画の脱退を言い渡されてしまう。この時、夏樹に対して「次があるとは思うな」と釘をさすが、夏樹は「チャンスは自分で掴むもの」と言い返されている。
夏樹を逃がしてしまった常務だが、もちろんロックバンド以外のユニットも考えており、彼女のPC画面には奈緒・凛・加蓮の3人の写真が映し出されていた。
一方、ラジオ番組マジックアワーにおいて、夏樹は常務のことを「歯向かったのに決して自分が干されていないことをふまえると、器の小さな人間ではないらしい(要約)」と評価している。本編内の登場人物からネガティブに見られることがほとんどだった常務だが、ここでは珍しく好意的に評価された。
- 第20話
これまで少しずつ公開されていた、彼女主導のプロジェクトである「プロジェクトクローネ」を正式に発足させ、そのメンバーとしてシンデレラプロジェクトから渋谷凛とアナスタシアを呼び出す。そして凛には前話で見かけた北条加蓮、神谷奈緒とのユニットであるトライアドプリムスを、アナスタシアにはソロユニットでの活動を提案する。
また自らのプロジェクトの発足に伴い、秋のライブを各部署の成果発表の場に定め、特定の部署に関しては成果が評価に値しない場合にその存続を見直す、というシビアな通達を出した。
プロジェクトに参加している大槻唯と鷺沢文香の二人の活動に対する姿勢、最終的にアナスタシアを送り出す決意をした武内Pの判断を見るに、プロジェクトの内容はそれぞれのステップアップの場となり、新しい可能性の開拓のために適した場であるという評価がなされている。
- 第21話
冒頭にてプロジェクトクローネのイメージPVの放映、駅広告の掲載等大規模なイメージ戦略が進行しているのが確認できる。またクローネに関する何らかの会議を行っていた。しかし、セリフが無かった。
開催を迎えた秋のライブは、今西部長と共に関係者席から監査している。
- 第22話
ライブ前半に登場したプロジェクトクローネのメンバーである速水奏、アナスタシアのステージを「美城の名に相応しい」と相応の評価を下している。
またシンデレラプロジェクトのステージも「素材として一定の強度はある」と評価。だが「それならなおさら"美城の伝統"に相応しくプロデュースをするべき」と考えを改めることは無かった。
しかし、ライブ後半のトップである橘ありすと鷺沢文香のユニットが文香の体調不良から登場が遅れる。クローネの責任者である彼女が現場に不在であった為に(評価の節も参照)判断が遅れ、舞台裏は混乱に陥りかけるが、武内Pの現場判断によりトライアドプリムスが予定を繰り上げて登場することに。
そのための調整に必要な時間はシンデレラプロジェクトが登壇して稼ぎ、結果的に自らのプロジェクトをシンデレラプロジェクトに救われる形となった。
その現場判断を鑑み、シンデレラプロジェクトの冬の舞踏会までの存続を認めた。
凛とアナスタシアについては武内Pと話し合いを行い、プロジェクトクローネとしての活動を平行しつつ続行することになった。
その後、秋のライブ時の失敗、あるいは舞台裏での今西部長の言葉から多少は考えが変わったのか、宣材撮影を行う奏の元に自ら足を運んでいる。
2nd season全体の大きな焦点となっていた、美城常務とシンデレラプロジェクトの存亡をかけた争いは、今回で事実上の決着を迎えたとも言える。
最終章では、今まで以上に感情が表現され、武内Pとは激しい舌戦(通称:ポエムバトル)を繰り広げるようになる。
- 第23話
全体的な出番にはやや欠けるものの、トライアドプリムスの練習に付き添っており、どこか集中力に欠ける凛を見る。統括重役としてアイドルの活動内容を把握しているようで、武内Pに対し、卯月の存在がトライアドプリムスだけではなく、CPにまで悪影響が出ているとして「切り捨てろ」と話した。とはいえ、アイドルの処遇はあくまでプロデューサーに委ねる姿勢は崩しておらず、自身が直接切り捨てることはしていない。
アイドルを星に例え、「星の光は永遠でないと知るべき」「星も雲に掛かり続けては無」と述べるが、武内Pからは「晴れない雲はない」と反論された。
- 第24話
久々に出社した卯月を見て「君の輝きはどこにある」「君はまだ灰かぶりだ。輝けない者に城の階段を上がる資格はない」と牽制に近い言葉を投げかける。その際の反応を見た結果として武内Pに改めて卯月を切り捨てるよう勧告し、出来ないのであれば自ら動くとまで忠告。しかし部長からは「彼の理想が成果を上げ始めている」「感情に囚われて光を見失ってはいけない」「必ず(ミニライブを)観に行きなさい。見てからでも遅くはない」と窘められる。ミニライブは部長と共にCPメンバーとはまた別の場所で観覧。「自分だけの笑顔」を涙ながらに取り戻した卯月を見て、何かに気付かされたのか曲が終わると同時に足早に去っていった。
- 第25話
「シンデレラの舞踏会」に否定的であるスタンスを崩していなかったが、部長の薦めもあり現場とモニター越しに視察。責任者として指示を出していた武内Pに「君の理想はお伽噺以下」だと断言していく。しかし、ユニットの垣根を越えてパフォーマンスを披露していくアイドル達を見た武内Pからは「自分の部署に囚われて、見えていなかったものが見えた」と感謝されつつ、双方の方針を「無限にある可能性の一つに過ぎないのではないか」と返される。それを聞いた常務は改めて自分たちは「平行線のまま」と結論づける。しかし、ふと「彼女たち(アイドル)は我々の平行線すらも超えていくのか」と問いかけ、武内Pからはっきりとした肯定の返事を聞くと、それまでの常務には見られなかった流し目で困惑したような表情を見せた。シンデレラプロジェクトの「M@GIC☆」を客席から観覧して部長に「たまには城を出て、星を眺めるのも悪くない」とシンデレラプロジェクト、引いては自分に反抗し続けた武内Pを改めて認めるような発言をした。時が過ぎて、年度が変わった春には「専務」へと昇格し、その机には新たなライブの企画書とポジティブパッションが出演している秘密の花園のチラシが置かれていた。
また、ラストシーン手前の春の定期フェスではシンデレラガールズとなったかつてのCP14人を笑顔で送り出している。
常務のやり方についての評価
彼女の346プロアイドル部門のブランドイメージを確立するという考え方自体は決して間違ってはいない。あくまで「統括重役としてアイドル部門そのもののことを考えている」ために、仕事の成果を判断の中心に据えているが、これは見方を変えれば「リスクを避け、そのアイドルが確実に成果を得られる仕事を割り当てていく」と解釈することもでき、「アイドルを育てる」ということから大きく乖離しているとは必ずしも言えない。また、可能性を見出した者、自らのプロジェクトに参加する者には万全のバックアップを揃えて活動を支援するなど、「成功は私が保障する」という言葉は決して根拠がないものではない。実際に、武内Pや今西部長もアイドル自身が新たなステップを踏み出すためには良い環境である、とアイドルたちを彼女の元へ送り出したりもしている。
20話のNO MAKEによると部門の統括重役の他に常務取締役として、会社全体の改革に乗り出し経営の面でも成果を挙げているようで、今西部長からも「手腕は本物」と評価している。
が、問題なのは、武内Pに代表される「ファンを大切にしてそれぞれの個性を伸ばす」というこれまでの方針と真っ向から対立すること、「ブランドイメージ」のコンセプトが成果本位であり現場の人間への配慮を欠いていること、そして方針転換について部下や実際に仕事をするアイドルたちを納得させられていないことにある。特に本作のアイドル達は「ただ売れれば良い」というわけでなく、譲れないこだわりを持っている者が多いため、そういった部分が強調されることになっている。
社内、特に一般社員からの評判は良いとはいえず、16話ではバラエティ方向で活躍しているアイドルたちに路線変更を促した社員たちが「辛い報告ばかりだ」と漏らすなど、急激かつ冷酷な変化や改革に、少なからず不満の声も上がっていた。
しかし、そういった反応に対しても織り込み済みなのか、終始淡々としている。それは武内Pに対しても同様だが、正反対と評した企画を別に進めさせたり(裏には先述した思惑が隠れているが)、少人数の会議に武内Pを出席させ自らの考えを直に伝えるといったこともしているため、例え意見が対立していても、武内Pを「有能な人材」と評すに違わぬように特別視している節が見られる。
またNo Make!ではそれまでやる気の無かった社員が常務の言葉を受けて発奮するといった場面もあり、管理職としての実力の高さが見受けられる。
立場上、上記の戦略はプロデューサーや社員に対して伝えている為か方針を把握していないアイドルも多く、また自らが選んだアイドルに反旗を翻らされた際には、一様に理解出来ないと漏らしており、成果を急ぐあまりに、自らの計画に想定外の遅れが生じる原因にもなっている。
22話の秋ライブの際は監査員として現場から離れたところに座っており、現場に足を運ぶことは無かった。プロデューサーとは立場が異なるため致し方ないことかもしれないが、プロジェクトクローネのメンバーにはそれぞれ担当のプロデューサーがついているはずであり、不測の事態が起こった時には自分でなく担当プロデューサーに対応を任せるなど予防策も張っていなかった(唯がPでなく常務を探していた)こともあり、実際発生したトラブルで現場に混乱が起こった際、担当Pではなく武内Pに説明を求める等、報連相に致命的な欠陥が有り、個人としては有能だが「上の立場に立つ人間」として見ると欠点も露わになっている。
しかしながら、記中局所で述べられているように最終的にやるかどうかは本人に委ねているようで、彼女の意向と異なる態度を示した高垣楓、武内P、木村夏樹(劇中での描写順)に対しても、解雇など直ちに強硬な措置を執ることは控えている。
このことについては15話冒頭で方針に口出しした武内Pを一喝して黙らせず意見を聞く姿勢を見せたり、楓や夏樹に断られた際も訝しげな表情を浮かべるだけで怒りをあらわにしないあたり、彼女がニューヨークに出向していたことも無関係でないと思われる。アメリカでは平社員が経営陣に意見をぶつけることは日常茶飯事。逆に日本の組織のように空気を読む事には不慣れで、配下のPやアイドルに不満が有る事は把握出来ていても、各々の理由迄は理解出来ていない可能性が有る。
また、アイドルに新たなチャンスを与えているのも確かであり、それに関連して「冷徹な合理主義者」という印象を与える割には、自らに楯突く者を左遷する描写がなく、言葉の端々にシンデレラを意識したかのような比喩を混ぜ込んでくるようなところに、彼女の本心を考察する余地はありそう。
プロジェクトクローネについても渋谷凛やアナスタシアをシンデレラプロジェクトから引き抜いたことから「売れ筋ばかり選抜している」と思われがちだが、今まで注目されていなかったアイドル達を発掘、育成したという一面もある。
立場上、仕事の強制や粛清といった強硬措置を断行することもできたが、そういったことは一切行わなかった。
むしろ、アイドルやプロデューサーに対しては「自らの方針」と「その為の標」しか提示しておらず、自ら主導するプロジェクトクローネ以外の活動の主体はあくまで彼女らに委ねていた。
ここに「個性を伸ばす、大いに結構だ」という考えが顕れていると捉えることもできる。
第22話の後はこれまで「不干渉」と謳ってきたシンデレラプロジェクトについて、見方やその対処を変えようとし、また、自分の傘下にあるアイドルの仕事現場にも足を運ぶなど少しずつ変化を見せるようになる。
防衛チームの上官的な立場ながらも自身の失敗や他者の意見を受け入れ、「学んで成長する」という描写が取り入れられていた。
最終話である第25話。ついに開催される「シンデレラの舞踏会」。アイドルたちが「自分たちのやりたいこと」を笑顔と共に存分に振る舞い、悪く言えば個性的を通り越して雑多なお祭り騒ぎとも言えるその内容を観た常務はプロデューサーに対し、経営者として成果を挙げたことに対しては評価をするも、個人的な感情から「君の理想はお伽話以下である」と断じ、「346プロという『由緒ある城(老舗の大企業)』に相応しいアイドル像を確立させる」という主義を最後まで曲げることはなく、プロデューサーに対しても平行線であるとしている。
しかし、ここでプロデューサーは常務のやり方もまた、アイドル達の新たな可能性の開拓に貢献してくれたと感謝し、重ねて彼女に「私にしか見えない星もあれば、貴女にしか見えない星もある」と返した。
結局、彼女が何故自らの主義にこだわるかの理由は明かされることは無かったが、最終話における二人のやりとりはそのまま、「プレイヤーの数だけアイドルのプロデュース方針(愛し方・魅せ方)があり、彼女達が笑顔であるかぎり、それを肯定する」という本家ゲーム版アイドルマスターシンデレラガールズのゲームコンセプトを反映したメタ的なメッセージであったとも言える。
メディアミックスでの描写
アニメBlu-ray・DVD第9巻の限定版特典として『スターライトステージ』のルームアイテム「事務所ドア」が手に入るシリアルナンバーが封入された。
この「事務所ドア」をマイルームに置くことでぷち仕様の美城専務が出現する。
アニメオリジナルの人物をゲーム内に登場させられる特典としては第3弾でありトリを務めることとなった。
しかしドアの前から一歩も動かず立ち尽くしている姿は、前弾のデスクワークをしているPやソファーでくつろいでいる部長と比べるといささかシュールな印象を与えるかもしれない。
役職名の通りアニメ最終話より後の時系列を意識しており、完全新録のセリフの中には自らを「専務の美城だ」と名乗るものもある。
また、アニメとは完全パラレル設定であるスターライトステージのイベント『LIVE Groove Visual burst』のコミュ内では、明言こそされないが宮本フレデリカが専務のモノマネと思しき口調で話す場面が見られる。
このことから、ゲーム内の346プロにも専務が存在しているのではという憶測があった。
2016年3月20日のアップデートにより実装された「期間限定ミッション」の依頼人として、遂に本格登場を果たした。
10周年記念ライブ
10周年記念ライブ『M@GICAL WONDERLAND TOUR!!!』ファイナル公演2日目のコンテンツ回顧回の346アニメコーナーにプロジェクトクローネを率いて登場した。
使用された立ち絵が微妙に歪んでいたり、クローネの集まりが微妙に悪かったり(10名中6名)、「美城プロダクションの美城だ」と名乗ったり(一切登場しないが美城プロダクションには彼女の父親である会長がおり、『美城プロダクションの美城』は父会長を指すと考えるのが妥当である。下の名前がなく、作中の役職も変化しているという事情が反映されているのだろう)、「あなた達、準備はできているか」「(武内Pを指して)プロデューサー」(二人称がおかしい。作中での二人称は『君(達)』)などツッコミどころが多数の登場で、登場時にはプロデューサーたちから笑いが巻き起こったが、作中で拒絶された高垣楓をクローネコーナーで歌唱させて「私のアイドル」と強弁することには成功している。
なお、専務と呼ぶのは武内Pだけで他の全員が常務と呼んでいる。そもそも本人が専務と名乗っていないのだが。
その他考察
彼女が正統派アイドルに拘ったのはアイマス世界でアイドルブームの火付け役となった日高舞の影響が大きいのでは?という考察も存在する。
Pixivでの扱い
クールビューティーを地で行く美熟女めいた雰囲気とCVからあふれるラスボス臭から、ありとあらゆる女幹部キャラの名前が出ている。
特に、中の人が同じ草薙素子(中の人の代表作)、リサリサ(今西部長がポルナレフとCVが同じため。美「城常」務で『ジョジョ』と言われることも)、キャスター(武内Pが葛木宗一郎と似ているため)、ベヨネッタ(容姿が似ているため)がよく挙がる。
また、武内Pのネクタイを締め直した描写から、カップリングイラストも描かれている。→武城
この他、そのスタイルの良さから自身がアイドル活動を行うネタや、武内Pや一部有力アイドルに離反されていることからポンコツネタも存在する。
スターライトステージでは、ミッションでの挨拶が当初「専務の美城だ」しかなかったことや、毎日スタージュエル25個とキャンディをくれるミッションが必ずあることから、飴おばさんなどと呼ばれネタキャラ化が加速している。
下記関連タグの樫本理子が作中で描写される度にポンコツ化している事を考えると、描写が増えるとポンコツ化してしまうのかも知れず、描写が限られたのは彼女のセルフイメージにとっては幸いだったのかもしれない。
関連イラスト
関連タグ
カップリングタグ
樫本理子:Cygames繋がり。常務(専務)と理事長代理という違いが有れど、彼女もまた強引かつ徹底的な管理体制を敷こうとして反発を招いている。また彼女自身も優れた指導者であり、やり過ぎな部分もあるが、決して悪役とは言い切れない点も一致している。ポンコツ扱いされるところも共通か。