概要
流水系の斬魄刀で、霧と水流の乱反射により敵を撹乱させ同士討ちにさせる能力を持つ。
ドラマCD「騒乱前夜」ではこの流水系の能力が味方までも巻き添えを喰らう危険性があるという理由から、副隊長を集めて説明会を開いている。
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【鏡花水月】真の能力
以下、ネタバレ注意
「“敵”にこの世界のあらゆる事象を僕の意のままに誤認させる」
「それが僕の斬魄刀『鏡花水月』の真の能力」
「その力を指して──“完全催眠”と言う」
「砕けろ『鏡花水月』」
「一体いつから────鏡花水月を遣っていないと錯覚していた?」
解号は【砕けろ『鏡花水月』】。
能力解放に伴う形状の変化は無い(あると発動の前兆を気取られる為"無いほうが厄介"である)が、解放の瞬間を一度でも見た相手の五感・霊感等を支配し、以降解放の度に何度でも相手を支配していくことが出来る【完全催眠】という能力を持つ恐ろしい斬魄刀である。
前述のセリフが指し示す通り、一度解放を見せれば、それ以降解放の瞬間をあたかも『そもそも解放をしていない』ように錯覚させることももちろん可能。さらに隊長である藍染は卍解を習得しているために解号を唱えず始解ができるため、斬魄刀を見せるだけで催眠の発動条件を満たすことができる。
この能力により、護廷十三隊の隊長格を含むかなりの隊員を自らの催眠下に置くことができ、暗躍に大いに貢献した。上述の項目にある、「流水系の斬魄刀で、霧と水流の乱反射により敵を撹乱させ同士討ちにさせる能力を持つ」というのはもちろん嘘であり、上記の「説明会」も、副隊長達に催眠を懸けるための方便である。
この能力で自らの死を偽装し、特に雛森の精神を錯乱させた。
偽装に関して卯ノ花烈は検査のため藍染の偽装遺体に最も長く触れていたこともあって違和感を覚えることが出来たが、催眠を解くまで誰にも完全に解明する事はできなかった(鏡花水月はこの時、仮の遺体に見えるように暗示が掛けられていた)。
完全催眠から逃れる為には能力の発動前から刀に触れている必要があるが、この事実を見抜いていたのはギンだけである。
ただし、ギンの「(発動前に触れていれば催眠には掛からないという事実に対し)その一言を聞き出すのに何十年かかった事か」というセリフから、情報収集の結果見抜いたのではないため、藍染がギンを信頼していたため口を滑らせた、というよりはむしろ敢えてそれを教えておく事で裏切る前兆を察知する為の撒き餌と考えるのが正しい(事実、刺された直後藍染は「君の狙いは知った上で連れていた。どうやって私を殺そうとするか興味があったからだ」と述べている)。
一見すると初見殺しにも程があるチート能力だが、この斬魄刀にできることは「特定の対象を別の物体に見せかける」事であり、
平子に対してはわざわざ代役の部下を自分に見えるよう催眠をかけていたことから「何も無い所に幻を作り、本物と誤認させる」ことはおそらく出来ない(或いは代役となる人物にわざわざ自分の所作を真似る様に仕込んでいた事から、出来たとしても違和感が大きすぎて催眠がバレやすい)。
唯一例外と言えるのは狛村を黒棺で攻撃する際、東仙の隣に自分が立っているかのように見せかけた時だが、これもほんの僅かな時間のことである。
そもそも催眠と銘打たれているが、相手の意思や精神を直接操作することは出来ないため、能力の詳細がバレてしまえば例え催眠下にあっても(一対一、あるいは同士討ちを考慮しないと条件はつくが)無差別広範囲攻撃等の対応策はある為、鏡花水月があそこまでの脅威となったのは隊長格でさえ一撃で戦闘不能に追い込む藍染の圧倒的戦闘力と、最適なタイミングで絶妙な誤認を発生させる判断力と技量があってこそであり、(一定以上の霊圧差があればどんな能力をも無効化出来る設定を考慮しないとしても)弱者が手に入れて暴威を振るう類の斬魄刀ではない。
藍染はこの能力に自信を持っているが、
・(少なくとも進化前の自分より)強い山爺には鏡花水月に依らない専用対策を入念に準備。
・底力の未知数な更木剣八は崩玉と融合して不死になるまで戦わない。
・(後に判明したことだが)いろんな意味でヤバすぎる卯ノ花烈からは深追いもせず逃走(倒せた可能性は高いが、時間がかかることで、救援が来ると予想される。)
・零番隊にはもっと強くなるまで挑もうとしない。
・超常的な能力を持つ霊王を取り込んだユーハバッハの全知全能にもまともに効くかどうかは実際に確認するまで確信していない。
等々、己の扱う完全催眠に対して依存も過信もしていないため、仮に能力を打破出来ても必ずしも藍染を倒せるとは限らない点も極めて厄介なところ。
実際にとある人物が鏡花水月を模倣して使用した際には、常に完全催眠の維持に気を配り大部分の霊圧を集中させる必要があった。
そこから更に同時に攻撃するのは困難を極め、多数を相手取っていたとはいえ遠距離からチクチクと削る戦法を取るしかなかった。
現状を維持する弱者を惑わし、理想の有様を求める強者にしか扱えないという、まさしく藍染惣右介の心情を反映させた斬魄刀である。
なお、卍解の詳細は劇中未使用のため、その名称や能力は不明。
一応他の卍解の例と照らし合わせる形で幾つかの予想がされており
- 幻覚を真実にする(炎で焼かれる幻覚を見せると、焼かれた部位が火傷する)
- 鏡花水月では出来なかった「無い物を在る様に見せる」事ができるようになる
- 五感だけではなく物事の認識(敵味方や寒暖、軽重や天地等)も弄れるようになる
等、ファンの間では色々な憶測が存在する。
黒崎一護との戦いに敗れ、力が弱まった隙に、事前に浦原に仕込まれていた鬼道により、藍染は封印された。その際に斬魄刀も失ったと思われていたが....
真の関連タグ
「……そうか
黒崎一護に視えているか」
実は崩玉の力は失われておらず、それどころか、その力により鏡花水月と融合していたことが判明。(一応、封印される直前にそのようなことを言っていた)
千年血戦篇での見えざる帝国の進行の最中、ユーハバッハから自身の麾下に入るように勧誘された際に、鏡花水月を利用してユーハバッハの時間感覚を僅かに狂わせたりした。
すなわち藍染は、刀も解号も名前もなしに力を行使できるというとんでもないチートっぷりを見せつけた。これは即ち、自身の姿を見るだけで、完全催眠の術中下に置くことが出来るということである。但し、ユーハバッハの時間感覚を僅かにずらすことしかできていないことから、恐らく本来の力よりもかなり劣っていると思われる。
そして、二度目の侵攻の最中、霊王宮に上がったユーハバッハ達に対抗すべく、新たに総隊長となった京楽春水が無間から藍染を解放。その後、ユーハバッハが真世界城で一護を退け、尸魂界へ移動した後に藍染と対峙した際に改めて催眠を発動。ユーハバッハの未来視に完全催眠で干渉して錯乱させ、追ってきた一護が鏡花水月の始解を見ていないのを利用して彼に不意を突かせ、勝利に貢献した。
この際にいつユーハバッハに鏡花水月を見せたのかということが議論になったが、長らく、読者からは「全知全能」の未来視の力を行使した際にかかったのではないかと考察されていたが、作者のファンクラブのQ&Aと原画展で、前述の情報が解禁されたため、この説は否定されることとなった。
因みに、一護に始解を見せなかった理由は明かされていない。恐らく、これから零番隊と戦うことを考えて、自身の純粋な力試しの際にノイズになるからだと思われる。