「こんな価値のないものなど...」
CV:千葉繁
概要
エターナルが集めた財宝を保管する博物館の館長(最高責任者)。本名は不明。
普段は仮面に長いローブを羽織った初老の男性で、基本的にモニター付きの浮遊移動式椅子に鎮座している。
かつてキュアローズガーデンにいたが、その歪んだ価値観から自分の思想をフローラに拒絶され、キュアローズガーデンの扉を閉ざされた経緯を持つ。
それ以来、キュアローズガーデンとフローラに異常なまでの執着心を見せており、キュアローズガーデンへの扉となる「ローズパクト」をコレクションに加え、遂にはキュアローズガーデンそのものを手に入れ、衰弱したフローラを最後のコレクションとして永遠に保管することまで考えるようになる。
自らが無価値と断定したものに対しては非常に冷酷で、存在そのものを許さず、この世界には「価値のあるもの」と「価値のないもの」があると豪語し、プリキュアたちを「価値のないもの」として否定する。さらに、フローラからの込められた思いや意図に気付くことはなかった。
また、用済みと見なした部下に対しても冷酷に扱い、殉職した構成員など眼中になく、優秀なムカーディアや、自分に絶対の忠誠心を見せるアナコンディまでも表情一つ変えずに消滅させた。
能力
人間態ですら非常に強力な能力を宿し、価値のないと判断したものを一瞬で消し去ったり、椅子に座ったままでもプリキュア5やミルキィローズを圧倒できる戦闘能力を持つ。また、気配で人物や物事を察知したり、プリキュアの「プリキュア・レインボー・ローズ・エクスプロージョン」に対抗できる強力なホシイナーを召喚できる。
変身するとそれぞれ灰色と紫色の2対の翼を背中に生やした怪人形態になり、人間態の館長を圧倒したスーパープリキュア5ですら上回る攻撃力と防御力を見せる他、指先から強力な光線を放って広範囲を焼け野原にし、巨大なホシイナーを発生させることもできる。
決戦
「私は... 私は間違ってはおらんッ!!」
フローラの気持ちを理解しようとしない態度をシロップに批判されても戯れ言とみなしてまともに相手にせず、ナッツとココに「種は育てることで美しい花も咲かせるし、その実は人々の命を支える」「奪うばかりでは何も生み出せない」と訴えられても「花が咲いたら奪えば良い。実がついたらまた奪うまでだ」「生み出す必要はない。奪ったものを永遠に留めることさえできればそれで良い」と吐き捨てている。
最終決戦で遂に仮面を外して超獣化、スーパープリキュア5さえも圧倒し、遂にキュアローズガーデンを手中に収めることに成功する。しかし、思いが込められた無数の手紙の力を受けて復活したプリキュア5の反撃に遭う。
逆上して価値のないものをすべて消し去ろうとするが、赤と青のバラの力を得たプリキュア5とミルキィローズの合体技「プリキュア・ミルキィローズ・フローラル・エクスプロージョン」の前に敗北、遂に滅び去り、最期を迎えた。
アナコンディ「館長。」
「…アナコンディ?!あああああああ…ゔうあああああああああああああ!!!!」
フローラを大切にしている素振りを見せ、終盤ではプリキュアに価値を見出だそうとしていたが、蓋を開けてみればフローラに執着していたのは単に「最も価値のあるモノ」だからであり、プリキュアに対しても最終的には無価値と断じ、最後まで自分の考えを一切改めようとしないなど、前作のカワリーノ同様徹底して和解が通用しない存在として描写された。
これは部下の犠牲を案じ、最後は被害者たちに謝罪の意思を示し、プリキュアとの和解を果たした前作のラスボス・デスパライアとは対照的な結末である。
館長の死によってエターナルに奪われた全てのものが解放され、それによってエターナルの本拠地も滅び、全てを永遠に奪い続けようという彼の野望は、皮肉にも文字通り全てを失うという末路をもって、潰えたのである。
また、部下たちを即座に切り捨ててきた行為がブンビー改心の最大のきっかけとなり、その結果としてプリキュア5が復活して自分自身が敗北したため、完全なる因果応報、自業自得と言える最期であった。
オールスターズでの復活
2016年3月公開のオールスターズ映画『プリキュアオールスターズみんなで歌う♪奇跡の魔法!』において歴代のラスボスと共に登場しているが、こちらは魔女ソルシエールがプリキュアの記憶を元に再現した複製体で本物ではなく、キュアミラクルのアシストを受けたピンクカルテットの合体技によりプロトジコチューの複製体ともども倒されている。
余談
演者である千葉繁氏は本作がプリキュアシリーズ初出演。
千葉氏といえばブンビー役で共演した高木渉氏同様アドリブが多いことで有名な声優だが、エターナル館長のシリアスなキャラクターは崩せなかったかさすがにアドリブは入れられなかったようだ。