概要
CV:桑島法子
『吉永さん家のガーゴイル』に登場するアンティークショップ(骨董品店)「兎転舎」店長。
日本最高の錬金術師にして天才発明家で、ガーゴイルを福引の景品に出した張本人。
見た目は20代前半の爆乳美女で、眼鏡と黒髪ロングが特徴的な理知的なお姉さんだが、底抜けに能天気なマッドサイエンティストであり、更にドSで短気という手に負えない人物。キレると青竜刀をぶん回す(息子曰く「そんな女は世界でうちの母さんしかいない」)。
錬金術を駆使した様々な発明品を製造・保有している(彼女の独学で作っているものは少なく、多くは旧友の資料を基に作成しているらしい)。
怪盗百色には毎回のようにデモンストレーション代わりに下着(梨々曰く「とてつもなくでかい」サイズ)を金田一少年の如くスリ取られており、彼を「ゴキブリ」「クソマント」などと吐き捨て、毎度のように真剣や槍を振り回して実力行使に出ている(が、百色の方が一枚上手なので毎回逃げられる)。桜祭りの時など、鎧を着た上から盗まれている。
彼女の本名は1巻終盤まで明かされないため、地の文では2巻以降も「お姉さん」と書かれることが多い。
兎転舎
御色町南口商店街に居を構えるアンティークショップ。世界各地の骨董品に並び、ガーゴイルを始めとする錬金術アイテムが保管されている。
イヨの趣味で「○○フェア」なる見本市が開かれるため、店内の装いはしょっちゅう変化する。店長のマッドサイエンティストぶりも合わさって毎回中身はカオスであり、店内が冷凍庫になってイヨ本人が遭難しかけていたなどという笑えない事態も引き起こされている。
関連項目
ここから先は物語の核心に迫るネタバレを含みます
彼女が産声を上げたのは、1907年の東北の貧しい農村だった。
恐慌と飢饉により身売り同然に上京させられた彼女は、錬金術を学んでいた二人の青年に出会う。それこそが高原潤と東宮雅臣であった。
彼らから錬金術を学んだイヨは、メキメキと腕を上げ、遂に自動門番型石像を作り出すに至る。
雅臣が(親の決めた)結婚により家業の「東宮電機」を継ぐと、イヨは潤と恋仲になり結ばれ、一子喜一郎に恵まれることとなった。二人は輸入企業「高原商会」を立ち上げ、細々と生活を営みながらも錬金術の更なる発展に貢献していた。
だが、歴史は次第に戦争へとのめり込んで行き、潤は徴兵されてイヨは喜一郎と共に日本に遺される。イヨは潤がいつか必ず帰ってくると信じ、どんなに年老いたとしても決して潤から見失われないようにするため、賢者の石を体内に埋め込み不死身の肉体を手に入れた。イヨは中国の故事(いわゆる北原白秋も歌にした「まちぼうけ」の話。意図としては「どれだけ他人から愚かに見えても、夫と子の生存を信じて果てることない永劫の時を待ち続けます」というもの)に倣い「兎転舎」に社名を変更し、古道具屋の店主として潤の帰りを待つ傍ら錬金術の発展に没頭した。
やがて戦況はさらに逼迫し、イヨが38歳の冬に、まだ学生だった喜一郎までもが戦場に駆り出されることになった。思い悩んだイヨは喜一郎が無事に帰ってこれるよう、賢者の石のスペアをお守りとして持たせるのだった。それがどんな悲劇を招くか、思いもせずに。
喜一郎の出征後、イヨは日本軍に東宮電機が肩入れしていると知り、そのことが原因で東宮家とはすっかり疎遠になり、戦後60年を経過するまで彼らに協力することはなかった。
そして2004年の春、御年97歳の彼女は吉永双葉と出会い、物語は始まる。
全てが解決した2007年の春先、敵との戦いで破壊されたガーゴイルを修復し終えたイヨは、ガーゴイルを引き取りに来た双葉と再会する。