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概要
商業BLの殆どは、過激度の差はあれど「男同士でのセックス描写が必須」となっているため、原作通りCD化するとなると、当然ながら男性声優同士で演じる濡れ場もほぼ必須となる。
BLCDは現在この絡みシーンが最大の売りとなっており、人気声優(特に若手声優)は、ほぼ出演を避けて通れない登竜門的コンテンツである。
BLCD経由で腐女子人気に火がつきブレイクするパターンも多い
まだギャラが安く仕事を選ぶことができない新人~中堅以前あたりにBLCDの仕事をこなす声優が最も多いが、男同士でラブシーンばかりを演じることに抵抗を示し、人気があっても一切出演しない声優も多い。
出演していても上述のように「金のため」であると明言している声優もいる。
また、ベテランになるとBLCDの仕事は完全に「引退」する人が殆どである。
特に受けの演技で名を馳せた人たちは概ね引退する。
受けの芝居は濡れ場となると息を吐き続けなければならないため、酸欠になったりする。年を取ると、体力的にしんどい仕事だという理由が大きいのかもしれない。
歴史
1980年代
元祖となる作品は1988年にサン出版(マガジン・マガジン)が発売した「カセットJUNE」で、当時の腐女子のバイブル的存在だった雑誌「JUNE」に掲載された小説をドラマ化し人気を博した。
このカセットJUNEシリーズは「タクミくんシリーズ」「間の楔」といったヒット作を世に送り出している。
1990年代前半
「炎の蜃気楼」「絶愛」「富士見二丁目交響楽団」シリーズといった人気作が音源化され、カセットよりもCD形態が増えていった。
特に1994年以降に、BL作品のドラマ化が急増。
置鮎龍太郎、緑川光などが多く受け役を演じていたが、子安武人や井上和彦が受けを演じたほか、今では信じられないような大御所声優も大勢出演している。
1990年代後半
1995年以降になると森川智之×石田彰コンビによる出演作が人気を博し「帝王と女王」と称され、以後多数の作品がリリースされた。
受け役が特に上手い声優はその後も「女王」と呼ばれるようになったが、初代女王にあたるのが石田で「BLCDデビューは石田彰」という貴腐人は非常に多い。
2000年代前半
小杉十郎太×石田彰が「ゴールデンコンビ」と呼ばれ人気を博した(※石田がBLを引退したのちは、福山潤が石田の役を引き継いだ)ほか、帝王・森川智之の進撃はさらに勢いを増していく。
緑川光、三木眞一郎、関智一らは、受け攻め双方をこなし、緑川は「女帝」の称号を得た。
保志総一朗、松本保典、石川英郎、山口勝平などが受けを多くこなし、井上和彦、一条和矢、花田光などが攻めを多く演じた。
井上和彦×関智一コンビの「グラビテーション」、緑川光×保志総一朗の「好きなものは好きだからしょうがない!!」シリーズはアニメ化もされ大人気タイトルとなった。
2000年代後半
2000年代半ばにもなると、1年にリリースされるBLCDの数が軽く300枚を超えるようになる。
需要の急激な拡大に伴い、櫻井孝宏、神谷浩史、諏訪部順一、福山潤、鈴村健一、谷山紀章、杉田智和といった若手声優が、どんどんBLに出演することになり始め、これが現在に至る。
2000年代後半
毎月普通に20~30作品が発売され、年間リリース数が400枚を超えるなど、もはや誰が出演してもおかしくなくなり、人気声優なら殆ど何かの作品に出演するという状況となる。
同時に、ベテラン声優が「そろそろ若手に役を譲る」などの理由(または理由を明かさず)にBLを引退するケースも増え始める。
元祖女王の石田彰のほか、関智一なども2000年代に完全に引退した。
2010年代
毎月のリリース数は10~20作品と緩やかに減少傾向が始まる。
帝王・森川智之や三木眞一郎、緑川光らはまだ出演することもある。
子安武人、小西克幸、諏訪部順一らは「攻め」しか演じないという条件で稀に出演する。
世代交代が進み、現在は若手声優が活躍するコンテンツとなっている。
BLCDに出演しない声優
本人がBLを嫌っている、または事務所の方針など(子役出身、劇団ひまわり系など)から、BLCDの仕事を引き受けない声優もかなりいる。(有名どころでは小野坂昌也、宮野真守、入野自由、内山昂輝、小野賢章、浪川大輔など。)
ただし、同じひまわり出身でも木村良平は数は多くないが出演経験がある。
主なレーベル
- アニメイト系列レーベル
- マリン・エンタテインメント
- ムービック(movin'on)
- フロンティアワークス
- Cue Egg Label(リブレ出版)
- Charme Gatto(コミコミスタジオ)
- Atis collection
- ascolto
- Brilliant Prin
- CROWN WORKS
- Ginger Records
- KillscudCherry
- フィフスアベニュー
- 東京漫画社RECORDS
- 新書館
- FUSION PRODUCT CD
など