おことわり
- 現時点では「便宜上の仮称」であるため、「正式な路線愛称」が決まった場合は本記事を転送記事へ変更して(新規作成された)別記事へ本文の内容を移転する可能性があります。ご了承ください。
概要
JR東日本が2030年代の開業を目指して整備中の鉄道路線。開業時期は2029年度末を予定している。
その名の通り東京国際空港(羽田空港)へのアクセスを目的としたもので、「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークプロジェクト」として、インバウンド需要増加を見込んだ新路線として計画。羽田空港新駅(仮称)〜東京貨物ターミナル駅間の新線を建設。また1998年に路線休止となった東京貨物ターミナル駅〜浜松町駅間の東海道本線の貨物支線(通称「大汐線」)を、列車が走行できる環境の旅客路線へ再整備し、都心部方面へのルートに充てる予定にしている。
運転系統
計画段階では「東山手ルート」、「西山手ルート」、「臨海部ルート」の3ルートが予定されている。
東山手ルート
東京貨物ターミナル駅から前述の大汐線を改修した路線を経由し、そこから新設した「大汐短絡線」を介して田町駅付近でJR東海道本線(東海道線(旅客線))に合流するルート。
田町駅から先はJR山手線の東側を経由して東京都の都心部(東京駅方面)へ向かい、さらに上野東京ラインを介して東北本線(宇都宮線)・高崎線・常磐線方面への直通運転を想定している。
所要時間:羽田空港〜東京駅間の所要時間は、現行の東京モノレール羽田空港線経由(28分)や京浜急行電鉄(京急)空港線経由(33分)よりも短い約18分を想定している。
2023年4月4日付のJR東日本のプレスリリースによると、同ルートにおける鉄道施設変更認可を2023年1月31日付、「アクセス新線」における工事施行認可を2023年3月24日付でそれぞれ国土交通省より受けており、両ルートは2031年度の開業を目指している。
西山手ルート
東京貨物ターミナル駅から「東品川短絡線」を建設し、品川シーサイド駅〜大井町駅間でTWRりんかい線に合流するルート。JR山手線の西側を経由して東京都の副都心(大崎・渋谷・新宿・池袋)方面への直通を想定しており、大崎駅からはJR山手貨物線(埼京線・湘南新宿ライン)の線路に乗り入れるが、既にりんかい線と相互直通運転を行っている埼京線との直通運転を想定する。また、新宿駅からJR中央本線(中央東線)に直通させる構想もある。
羽田空港〜新宿駅間の所要時間は、現行の東京モノレール羽田空港線経由(46分)や京急空港線経由(41分)よりも短い約23分を想定している。
臨海部ルート
東京貨物ターミナル駅から隣接するTWR東臨運輸区(八潮車両基地)への回送線を複線化し、品川埠頭分岐点(東京テレポート駅構内)でTWRりんかい線に合流するルート。臨海副都心方面へと向かう他、新木場駅でTWRりんかい線と線路が接続しているJR京葉線方面への直通運転を想定しており、東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)の最寄駅となる舞浜駅へのアクセス向上も見込まれる。
羽田空港〜新木場駅間の所要時間は、現行の東京モノレール羽田空港線経由(41分)よりも短い約20分を想定している。
2024年7月24日、JR東日本が臨海部ルートについて2031年度に東山手ルートとの同時開業を目指す方向で調整していることが日本経済新聞や共同通信等によって報じられた。
競合路線について
浜松町駅から羽田空港方面を結ぶ「東京モノレール羽田空港線」を運営している「東京モノレール」は、2002年にJR東日本が株式の70%を取得し現在はJR東日本グループの一員となっている。親会社・子会社で空港アクセス輸送が重複する事になるが、
- 東京モノレール羽田空港線沿線には大井競馬場や東京流通センター、そして羽田空港関係者の施設があり、途中駅での利用・乗降需要が今後も存在する
- JR羽田空港アクセス線の走行ルートは「羽田空港第3ターミナル駅をスルー」している
…という観点から、同じ空港アクセス輸送ながら両路線併存と利用者の棲み分けがなされる見通しである。
また京急を使って直通列車一本で行ける品川駅へも、JR羽田空港アクセス線は(直通で)通ることはない。また横浜方面への直通においても引き続き京急が独壇場になると思われる。