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2015-12-30 20:56:36 バージョン

GMK

ごじらもすらきんぐぎどら

『金子修介』監督作の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』は2001年に公開された東宝製作の怪獣映画にして、『ゴジラシリーズ』第25作。そして、新世紀シリーズ最大の大ヒット作である。

概要

前後の作品と話のつながりはなく、独立した世界観を持つ。

第1作『ゴジラ』の初代ゴジラのみが存在し、それからずっと別の怪獣は現れていないという設定。約半世紀ぶりにゴジラが上陸し、日本を恐怖のどん底に突き落とす。


今作のゴジラは悪役としての面が強調され、白目をむいた異形のデザインに加え、約220cmの大きな着ぐるみで迫力を出している。

ゴジラに敵対する護国三聖獣はモスラキングギドラバラゴンというメンバーで、それぞれの出典作品とは独立した設定を持つ。特に歴代のシリーズで悪役側を演じてきたキングギドラが正義側に回っているのが異彩を放っている。


監督は『平成ガメラ』三部作の金子修介が務め、これによりゴジラとガメラを両方撮った唯一の映画監督となった。その為作風も平成ガメラ三部作に近く、人が死ぬ瞬間のシーンが多く描かれている。モブキャラで平成ガメラに登場した俳優も大勢参加している(こういうのって制作会社的に良いのか?)他、VSシリーズの川北監督等もモブキャラでゲスト出演している。


本作は、観客動員数240万人、興行収入約27億1000万円と、新世紀シリーズでは1番の大ヒットを記録した作品である。そのため、前作までの観客の減少により検討されていた休止宣言は撤回された。


あらすじ

原子力潜水艦がグアム島沖で消息を絶つ。救助に向かった防衛隊が見たものは、ゴジラを思わせる青白い背びれだった。

時を同じくして、バラゴンモスラがそれぞれ目覚める。BSデジタルQの取材班は、その現象が『護国聖獣伝記』と一致することを突き止めた。伝記を著した伊佐山教授は語る。ゴジラは太平洋戦争で死んだ怨念の集合体である事、ゴジラを止めるため三体の護国聖獣が目覚めている事を――。



登場怪獣

ゴジラ(呉爾羅)

ゴジラ(2001) 【ニコニコ動画用イラスト】

全高 - 60メートル

体重 - 3万トン

武器 - 放射能熱線 / 引力放射能熱線

伊佐山教授いわく「太平洋戦争の怨念の集合体」。

憎悪に狂ったように暴れ周り、人間も怪獣も容赦なく殺戮する。その目的地は……。

結末も含め、歴代シリーズのゴジラでも特に異質な存在。


護国聖獣

すべて古代朝廷によって討伐・封印され(祀り上げられ)、「くに」を守る守護神として地蔵などに力や魂を封印されていた。後の世では霊獣のモデルになった。これら護国聖獣はあくまで土地としての"くに"を守る存在であるため、"くに"に仇なす存在ならば悪人の死はいとわない。ただし、善良な動物や人間などは手の届く範囲内なら救おうとする(e.g.不良の犠牲になりかけた犬を救ったり、溺死しかけた人間や、人間の作戦の為に?ゴジラを海中に押し沈める、ゴジラの体内から人間を生還させる?)。なお、肉体を得てはいるものの、実態的には憑代に降りた霊魂に近い存在であるために(この点では平成ガメラに近いものがある)、血は流すが、強力な攻撃を受けるなどして肉体が限界に達した際には、死体は残らずに粒子化する。また、粒子の状態でも行動が可能で、仲間のサポートや合体攻撃など、スタンド化が可能である。

バラゴン(婆羅護吽)

婆羅護吽 【ニコニコ動画用イラスト】

身長 - 30メートル

全幅 - 24.5メートル

体重 - 1万トン

護国聖獣の一体で、の神。大陸からの敵に対する防衛として、新潟県の妙高山に眠っていた。

ギドラが覚醒する前にゴジラに挑むが、地熱に通じ耐熱能力が高いという設定が何にも活かされないままかませ犬になって死亡(成仏?)。ただし、その死が他の聖獣たちを呼び覚ます引き金になったとも推測されることもある。登場が決定していたメンバーでは一番早く当番されていたものの、タイトルからも除外された



モスラ(最珠羅)

モスラ

成虫翼長 - 75メートル

成虫胴幅 - 5メートル

幼虫全長 - 30メートル

幼虫全幅 - 5メートル

幼虫全高 - 6メートル

幼虫体重 - 1万トン

繭全長 - 33メートル

護国聖獣の一体で、の神。鹿児島県の池田湖に眠っていた。イッシーではない。

幼虫からになり、成虫へと変身。ギドラとともにゴジラに挑む。繭を生成する際に固形物に頼らない唯一の個体でもあり、水上にて孵化する。繭の大きさも判明している。鱗粉を武器とせず、変わりに毒針をショットガンのごとく発射する。羽ばたける速度からして、胸筋は歴代最強とおおわれる。

  • 歴代でも最も攻撃的で狂暴然な見た目であり(意図的に人を殺すことはあるが、最も狂暴ではない)、体毛も最も少なく、蝶や蛾の類よりもスズメバチを思わせる。毒針もその名残である。なお、絵コンテの段階では口から毒酸を吐いた。後に受け継がれることとなる、毛のなくグロテスクな脚も今回が発祥であり、スピード感のある飛行シーンを見せたこともイメージを一新させ、後の作品群にも引き継がれていく。幼虫の姿が全身が見えていない、というか全身が作られていなく、半身のみの使い回しという意味でも唯一。
  • 鳳凰のモデルになったとされているし、古文書の姿でも鳳凰然とした成虫の姿が描かれているが、なぜ「海」の神になったのかは不明。古代朝廷は、幼虫の姿で復活させるようにプログラミングしたのだろうか・・・。
  • 今作ではインファント島とは関係がなく、小美人も出ない(小美人をイメージした姉妹(平成ガメラからのゲスト)は登場する)。従来のシリーズではゴジラに負けなしのモスラだったが、今回はゴジラが強すぎた。(このモスラ敗北に関して金子監督は、「息子が『モスラ憎たらしいから殺して。』とお願いしてた。」と語っている。)

ギドラ(魏怒羅)

身長 - 50メートル

体重 - 2万5千トン

護国聖獣の一体で、の神。富士山樹海に眠っていた。

他の二体より復活が遅く、ゴジラと戦った時点でも完全には目覚めていない。

ゴジラよりも大きなイメージが強いギドラが、ゴジラよりサイズが小さいのはシリーズで唯一。


キングギドラ(千年竜王)

身長 - 50メートル

翼長 - 93メートル

体重 - 2万5千トン

武器 - 引力光線

モスラからエネルギーをもらい、完全に覚醒したギドラの姿。

陸・海・空のすべてを制覇する最強の存在。

大きさは変わらないが、従来のキングギドラ同様、黄金に輝く大きなを持ち、口から引力光線を放つ。だが、最期はその光線による攻撃をゴジラに吸収され、直後にゴジラが放った放射火炎によって死亡。結局ゴジラに勝つ事は出来なかった。



キャスト

立花由里 - 新山千春


武田光秋 - 小林正寛


門倉春樹 - 佐野史郎

江森久美 - 南果歩

三雲中将 - 大和田伸也

日野垣真人 - 村井国夫

広瀬裕 - 渡辺裕之

丸尾淳 - 仁科貴

小早川時彦 - 葛山信吾

防衛軍大佐・崎田 - 中原丈雄


伊佐山嘉利 - 天本英世


立花泰三 - 宇崎竜童



スタッフ

監督 - 金子修介

特殊技術 - 神谷誠

製作 - 富山省吾

プロデューサー - 本間英行

脚本 - 長谷川圭一 / 横谷昌宏 / 金子修介

VFXスーパーバイザー - 松本肇

音楽 - 大谷幸

ゴジラテーマ曲 - 伊福部昭


備考

  • 当初、監督の金子は対戦相手としてカマキラスを考えていたが、同級生に話したところ「カマキラス? 何それ?」と言われてしまい考え直したという。
  • その後、最初に護国三聖獣の構想が固まった際には、アンギラスバラン、そしてバラゴンの3体で企画が進んでいたが、東宝の偉い人に「そんな地味な面子じゃ客が集まらない」と言われ、知名度を重視して本編の三体になった。企画のまま実現していたら下のイラストのようになったと思われる。

大怪獣総攻撃真説・護国聖獣伝

どうしてこうならなかった・・・。)

  • 年々低下する興行成績の対策として、平成では初めて他の映画との同時上映がなされたのだが、その作品が劇場用アニメ『とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険』で腰が砕けた者は多い。巨匠・出崎統が監督を務めており決して出来は悪くないのだが、『ハム太郎』を目当てにやってきたちびっ子たちは、白目をむいて暴れまくるゴジラの姿に泣きじゃくり、彼らのトラウマになったことは想像に難くない。
  • 劇中、「アメリカにもゴジラと酷似した巨大生物が出現し、『ゴジラ』と名付けられたが、日本の学者は同類とは認めていない」という台詞が出てくる。これは98年版『GODZILLA』を指していると思われ、このことから98年版『GODZILLA』と世界観を共有しているのではないかとする説がある。

関連タグ

映画 邦画

東宝 東宝特撮 東宝怪獣 ゴジラ ゴジラシリーズ

ゴジラ×メガギラス← →ゴジラ×メカゴジラ


とっとこハム太郎 - この年から始まった、同時上映作品


外部リンク

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃 - Wikipedia

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃とは - ニコニコ大百科

映画 ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃 - allcinema

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