本来の意味
本来の意味での演習は、当該項目を参照。
概要
この項目における演習とは、軍事演習といった意味合いとは異なり、本作における唯一の対人交流かつ対人戦コンテンツの事である。艦娘同士の模擬戦と言えばわかりやすいだろう。
出撃選択画面から「演習」を選ぶと対戦相手となる5人分の提督の艦隊のリストに切り替わり、それぞれ艦隊司令部レベルと階級、「戦績表示」画面で入力したコメント、そして期間限定イベントで獲得した甲種勲章の数が表示され、リストの上から順に艦隊司令部レベルが高い順となっている。
対戦相手の選出方法はランキング1000位からランダムに1人、プレイヤーのランキング直上の3人、10位下の1人の計5名となる(プレイヤーが1000位以内の時は上位1000位の中からランダムで抽出)。
1度演習を挑んだ相手に再挑戦はできないが、対戦相手は午前3時と午後15時の1日2回更新される。
ちなみにリアルタイムでの対戦ではないので、引き分けという判定は存在せず、「両者共に勝利(もしくは敗北)」となる場合もある。また、相手の提督とのコミュニケーションもせいぜい「戦績表示」で入力したコメントくらいである。
ちなみに演習で得られる経験値は相手側の旗艦とその二番目の随伴艦のLVが高いほど多く獲得できるのだが、この2艦のLVが極端に低いと獲得できる経験値が大幅に少なくなり、最悪の場合1ケタ分しかもらえないような事もある為、心ない提督が嫌がらせとして1ケタ台のLVの旗艦と二番目の随伴艦を据えた艦隊を編成してくるようなケースもある。
2017年1月25日のアップデートでは演習のマッチング方式が一新され、旧式(全体)・新式(演習艦隊【第二群】)、新式演習艦隊【第一群】の3種類の抽出方式をあらかじめ選択しておく事で、次回以降は前述のマッチング方式に条件の近い対戦相手が抽出されるようになった。
これにより前述の嫌がらせ目的の編成が抽出される可能性が低くなると思われる。
旧式(全体) | 従来と同じマッチング方式 |
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新式(演習艦隊【第二群】) | より演習に適した演習艦隊母集団の中から対戦相手を抽出 |
新式(演習艦隊【第一群】) | 第二群(新式)よりも更に手強い対戦相手を抽出 |
実戦との違い
1.相手が艦娘
当然の事ながら、戦う相手は他の提督達が手塩にかけて育ててきた艦娘である。この為、練度(レベル)の優位性はなく、装備や編成もその提督が今何をしているかによって異なっている。
彼女らは深海棲艦と同じく敵という扱いであるため、轟沈ストッパーは発動せず、耐久値以上のダメージを与えた時点で撃沈判定となる。なお、ステータスの扱いや上限は此方の艦娘と全く同じである。
なお、補強増設スロットの装備が有効であるかは検証が進んでおらず、不明である。
轟沈ストッパーがない(無傷からの轟沈がある)以上、ケッコン済みの大和型戦艦でも、それ以上に強力な戦艦棲姫や空母棲姫との戦いを潜り抜けてきた提督達には、艦娘達がステータス以上に脆く感じてしまう事もままあるだろう。深海棲艦に比べて耐久値や装甲に劣る艦娘達が、「大破しなければ轟沈しない」という強みを失った時にどうなるかを知るいい機会でもあろう。
また、ソナーを装備している対潜が100(海防艦は60、大鷹は65)を超えている艦娘及び五十鈴改二は先制対潜攻撃を行う(深海棲艦側で先制対潜攻撃を行うのは2017年6月時点では期間限定イベント海域でのみ出現する駆逐ハ級・駆逐ニ級後期型elite、軽母ヌ級の改のみで、普段遭遇する軽巡ツ級等は行ってこない)。
この為、対空値が異様に高い秋月型や摩耶改二を含んだ艦隊や専用対空カットインを持つ鬼怒改二・皐月改二・霞改二乙と戦う場合は爆撃機・攻撃機・水上爆撃機の搭載を極力控える、対潜値が高い朝潮改二丁や香取・鹿島・五十鈴改二がいる場合には潜水艦の運用は辞める…といったように、実戦とはやや異なった艦娘のステータスに合わせた戦術を要するケースがある。
また、双方の艦娘には艦載機熟練度が適用されている。この為、神威や秋津洲の水戦に航空優勢を取られ、弾着観測射撃の雨あられを浴びるという事もあり、初心者提督の練度の低い航空隊がベテランの熟練航空隊によってマリアナの七面鳥撃ちに遭うという悲劇も稀に起こる。
また、プレイヤー側が演習を挑んだ・挑まれたに関わらず、演習で中破・大破した場合のイラストは図鑑には登録されず、此方にいない艦娘が相手になった場合でも、図鑑にはその艦娘の情報は登録されない。
2.轟沈・撃沈しても撃沈状態とはならない
演習において艦娘の耐久値が0になった場合、撃沈とはならず、耐久値が1の状態で大破のまま行動不能状態となる。これは、艦娘の撃沈(耐久値0)は単なる戦闘不能ではなく、キャラクターのロストを意味する為、「撃沈」とすると色々具合が悪い為である。
「相手の耐久値が1なのにまだ行動している」場合は、バグやゾンビなどではなく、実際に耐久値が1残っているケースである(時折、HP1にすれば撃沈であると勘違いしているケースが見受けられる)。
なお、過剰な負荷や不具合が原因で本当に轟沈・撃沈となってしまうケースがあるが、あくまで表記上のみであり、実際に艦娘をロストするような事はない。
同じ理由で、艦娘は耐久値-1のダメージ(最大はケッコン武蔵改のHP106-1の105ダメージ)までしか表記されない(上記の耐久値が1残った艦娘を撃沈しても、表記は「miss」である)。
未改造で洋上補給を搭載した装甲0の速吸には、熟練艦攻隊や触接補正などで、理論上1-1の駆逐イ級単艦に対する最大ダメージを超えるダメージを与える事が可能だが、実際には42ダメージまでしか表記されない。
ただし、MVPの計算の際にはオーバーキル分の計算は切り捨てられず、実際に与えたダメージが優先される。例えば、大和改に96ダメージを与えた艦娘と未改造のまるゆに97ダメージを与えた艦娘は区別できない(後者は撃沈しても最大5ダメージまでしか表示されない)が、戦果報告では後者がMVPとなる。
3.ロストしない
あくまで模擬戦という体なので、大破の状態で演習に挑み、攻撃を受けて轟沈してもロストする事はない。勿論、演習相手の艦娘を撃沈しても、相手の鎮守府から艦娘がロストするような事もない。
ただし、内部では普通に轟沈したものとして処理されている為、此方の艦娘が轟沈した場合、戦果報告ではロストと見做されて判定では不利になる(MVPなしのE敗北もあり得る)し、轟沈した艦娘には経験値が入らないというペナルティがある。
なお、轟沈時の演出自体が流れないので、轟沈時のボイスも再生されず、轟沈してもそのまま戦闘が続行される。
なお、長らくの間演習で轟沈しても勝敗判定が不利になる、その演習での経験値が貰えない以外のデメリットはないと考えられてきたが、実際には轟沈した艦娘の獲得経験値が僅かに減ってしまう(デスペナルティかバグかは不明である)事が判明している(無論、ロストするよりは遥かにマシだが)。
4.ダメコンが使えない
前述の理由から、厳密には轟沈とはならない為、あらかじめダメコンを搭載していても演習中の復活はできない(消費もしない)。乱暴な言い方をすれば「死んだら戦闘が終了するまで生き返ることができず、死にっぱなし」という事である。
5.経験値は相手の旗艦及び2番艦に依存
演習での獲得経験値は、相手の艦隊の旗艦及び2番艦に比例する。3番目以降のレベルは例えカンストだろうと1だろうと同じである。
この為、フル編成VSケッコン艦2隻といった、演習とは名ばかりのワンサイドゲームになれば、勝ちやすさと資材消費の割に経験値が非常にお得であり、レベリングにもってこいである(本来の意味からすれば『大勢が決している状態から始まる、得る物があるかすらわからないただのフルボッコ』であり、八百長試合もいいところだが…)。
また、練習巡洋艦娘を旗艦にする事で、演習終了時の獲得経験値を上昇させる事ができる(勝敗は問わない)。編成と練習巡洋艦の練度によっては、S勝利すればMVPを含まず獲得経験値が1000を超える物凄いぼろ儲けになる(参考までに、主要レベリングスポットとして知られる3-2でのS勝利の随伴獲得経験値が384である)。
一方、レベルの低い艦娘を上から1・2番目に編成し、残りをレベルの高い艦娘にして「勝利の手間の割に経験値は1ケタ」という所謂「嫌がらせ艦隊」や、それによる晒し行為も問題となっている。
6.損害を負っても、自動的に演習前の状態まで修復される
演習中に損害を負っても、演習が終われば耐久値は元通りになる。この際、資材は消費しないが、あくまで演習前の状態まで戻るだけであり、耐久値が全回復するというわけではない。
この仕様から、修理の資材が尋常でなく多い大和型や、脆さの割に修理に要する資材が多い速吸のレベリングにはもってこいである。
ちなみに公式4コマでは、「演習後にすぐさまバケツが使用されているから」という解釈が取られている。
ただし、燃料と弾薬はしっかり消費するので、演習が終了した後は補給が必要となる。特にボーキサイトは、実戦に比べて制空値も対空能力も比べ物にならない為、消耗は激しくなる。
また、艦載機は実戦と同様に被撃墜によって熟練度の低下・リセットが起きる(これも『熟練度の向上・維持』を目的とした本来の意味での演習との大きな違いである)。なお、すぐには反映されず、出撃などがトリガーとなって反映されるようだ。
疲労度に関しては殆ど溜まるような事はなく、敗北した時や夜戦突入した時に若干溜まる程度。
7.出撃系の任務は達成できない
演習での模擬戦と出撃での戦闘は明確に区別されており、相手の艦娘を撃沈しても「特定の敵艦を一定数撃沈する」系の任務は達成できない。
例え空母を撃沈しても「敵空母を撃沈せよ!」「い号作戦」任務は達成できないし、補給艦娘である速吸や神威を撃沈しても「敵補給艦を3隻撃沈せよ!」等のデイリー・ウィークリーを達成する事はできない。
勝敗判定
勝敗判定そのものは実戦と全く同じであり、相手の艦種やレベルは一切考慮されない(レベルが影響するのは前述したように獲得経験値だけ)。
例えレベルがカンストした戦艦や空母を3隻沈めても、旗艦が健在で此方の損害が一定以上であれば、まずC敗北確定である。
その一方で相手の旗艦がレベル1の駆逐艦や潜水母艦、それにまるゆだろうと、沈めてしまえば例え此方の艦隊が全艦大破で、相手の随伴が全くノーダメージだったとしても、此方に轟沈判定が出ない限り、ルールによってB勝利が確定する。
練度も提督レベルも全てが上の格上の艦隊に頑張って立ち向かっても、結局は「何を沈めたか」、「どれだけ撃沈したか」という結果でしか判定されないのだ。
演習相手が格下か格上か、目標の戦略的価値などは一切考慮されない為「ルール上は戦術的勝利だが、損害状況から考えて明らかに戦術的・戦略的に敗北している」というケースも多々ある。
なお、夜戦へ突入せずにS勝利を収めた時、疲労が全く蓄積されていない艦は全員戦意高揚状態(所謂キラキラ状態)になる。
公式メディアミックスにおける演習
吹雪、がんばります!においてはそれほど殺伐とした描かれ方はされていない。
一方、水雷戦隊クロニクルでは、天龍率いる第六駆逐隊ら水雷戦隊と、金剛型や夕立改二との、艦娘同士の海戦と見まがうほどの血みどろの死闘が繰り広げられた。
余談
演習相手の艦隊は「ENEMY FLEET」。つまり深海棲艦と同様に敵艦隊として扱われている。どうやらゲーム中においては、他の鎮守府とその艦娘達は「FRIEND」でも「PLAYER」でもないようだ…。ちなみに「自分に対する対戦相手という意味での『敵』」を表す英語はENEMYよりもOPPONENTの方が適切である(前者は戦争の敵国、後者はスポーツ試合の対戦相手と考えるとわかりやすいだろう)。実戦と同じUIを流用しているからだと考えるのが自然であるが。
仕様上、相手側の艦娘は一切喋らない。もっとも、喋ったら喋ったで此方の艦娘とボイスが被ってコラボイベントの『迎撃!霧の艦隊』さながらの惨状となるだろうし、何よりも相手を撃沈する度に艦娘の断末魔や辞世の句を聞くハメになるので、精神衛生上よろしくはないだろうが…
また、演習専用の特殊ボイス等は存在しない為、
- 相手の艦娘を「キモい」「ウザい」「惨め」「つまらない」等と容赦なく罵倒する(かつての上司・僚艦・護衛対象ですら、あくまで敵という設定である為、敬意を表す事などない)
- 提督レベルも艦隊練度も明らかに格上の演習相手に対して失望する。スゴイ=シツレイ。
- (演習であるにも拘らず)「沈め」「死ねばいいのに」「全力で潰す」等と吐き捨て、相手の艦娘に対して殺意をむき出しにする(これは、本来の敵=深海棲艦に向けての台詞として設定されたものである)
- 相手の提督に「無能」と言い放つ(公式には深海棲艦側に深海提督が存在するのかは不明だが、演習相手には操作しているプレイヤー=提督が存在する)
- 自らが撃沈(判定に)した艦娘に煽りの如くメッセージを送る、その艦娘を潰しながらその名前を言い放つ(この手の台詞はその艦娘が僚艦という前提になっているのだろう)
等々といったリアルファイト不可避の色々とマズイ事態が起きる。
具体例を挙げるなら
舞風をワンパンしMVPをもぎ取った野分が「そうよ、そう!舞風、見てたよね!」
レベル155の艦隊が揃う演習相手に対して 時雨「君たちには失望したよ…」
なんだこの悲惨な状況は。
(これは仕様上の不備であり、艦娘の人格や性格について疑う材料ではない事に留意されたし)
こんな事を毎回言われては、艦娘同士の関係にヒビが入っても不思議ではない。頼む、仲良くしてくれ。
艦これ改での演習はシステムが異なるため、同記事を参照の事。
また、艦これアーケードには現在の所演習やそれに準ずる対人戦は実装されていない。