概要
逆作画崩壊とは、アニメ作品において作画レベルが低下する作画崩壊の逆の現象。本来は普段ディフォルメされている頭身の低い作風のキャラクター(ニ頭身以下~五頭身ぐらい)が突如として、八頭身ぐらいの劇画、リアル寄り、頭身の高い乙女ゲーム風や少女漫画風等になる作画に変化することを指す。
古くは、リアル風タッチや劇画風タッチが存在し、赤塚不二夫やたがみよしひさがこの突如作風が変化する技法を自身の作品内に用いていた。
作画崩壊(意図せず絵が荒れることが多いが意図的な時もある)←→逆作画崩壊(故意に崩した(デフォルメ))絵柄を八頭身やリアル調にする となり単純な対義語ではないことが分かる。
「パンティ & ストッキング with ガーターベルト」
- 変身シーンで突然キャラクターの頭身が上がり、リアル寄りの絵柄に変貌。本作においてはキャラデザ&キーアニメーターが暴走(全開)し、様々なデフォルメを一つの作品にぶち込み、逆作画崩壊という言葉を一気にメジャーにした。
効果
- 原作のメディア化で行うと新鮮な感じ十分、批判も十分と賛否両論。
逆作画崩壊作品一覧
漫画
- おそ松くんシリーズ - 「新おそ松くん」以降のアニメを含んだ作品殆どである。ただし「最新版おそ松くん」では登場せず、逆に意図的な作画崩壊が登場した。「新おそ松くん」~アニメ「おそ松くん(88年版)」はキャラクターがリアルな劇画タッチになることがあり、2015年放映のおそ松さんでは乙女ゲーム風のタッチF6と某世紀末風の劇画タッチのキャラクターが登場した。日常回ではほとんどカラ松の瞳だけ逆作画崩壊がある。(時にはチビ太も)
- 天才バカボンシリーズ - キャラクターが「おそ松くん」同様、劇画タッチに始まり、最新連載作「少年バカボン」では「おそ松さん」のF6に対抗してかどうかは定かでは無いが、バカボンを含んだキャラクター達が八頭身の少女漫画風のタッチになった。さらに2015年公開映画の天才バカヴォンの宣伝ポスターが逆作画崩壊し、バカボンのパパ達従来のキャラクターは油絵風の立体的なタッチで描かれ、敵役のフランダースの犬に登場する、ネロとパトラッシュは写実的に描かれた。
- たがみよしひさの漫画 - 二~三頭身のキャラクターが突如八頭身になったりする。しかし二~三頭身のキャラクターのみしか出てこない漫画、逆に八頭身のキャラクターのみしか出てこない漫画も存在する。
アニメ
- りんたろう版「幻魔大戦」 - 説明不要。大友克洋による一からの創造。
- 劇場版機動警察パトレイバー - 黄瀬和哉によるリアル表現、ミニパトでのSDを通り越したデフォルメ。
- 押井守版「攻殻機動隊」 - 沖浦啓之による再構築。
- 新世紀エヴァンゲリオン - 黄瀬和哉参加パート。
- 彼氏彼女の事情 - 今石洋之参加パート。彼はここで認知された。
- メダロット - ガイナックス陣営参加パート。
- 星のデデデ・星のフームたん(星のカービィ内の劇中劇) - ストーリーのアナーキーっぷりも相まって一気に伝説に。
- クレヨンしんちゃん - 特にヘンダーランド・ヤキニク・金矛辺りの野原ひろし。
- ONEPIECE(オマツリ男爵と秘密の島) - 簡略化されたデザイン・高密度かつ閉塞感溢れる背景・キャラ表でわかるどことないグレンラガンな雰囲気。
- こちら葛飾区亀有公園前派出所 - フィクションの意識が存在する回に限ってそうなる事がある。
- 銀魂 - 最初の時点で線撮りで放送された回が存在する。
- ドラえもん(のび太の恐竜2006) - 敵側のデザインが今敏作品に出てきそう。
- さよなら絶望先生 - 劇団イヌカレー参加パート。毎回のエンドカード。さらにあの作品ではあの名アニメーターによってあれが書かれてちょっとした話題に。
- 妖怪ウォッチ - アニメの中で主に顔だけ、少女漫画風美形になったり、劇画風になったり、ウィスパーが身体だけ八頭身になったり様々で、後には八頭身で劇画タッチの妖怪まで登場した。
- 劇場版おまえうまそうだな - ポケモンの如く丸くなっている。その反面、非常にカッコいいアクションシーン(これは、原作には全く存在しない。)が追加されている。
- 学園ハンサム - いきなりキャラがまともなイケメンになる。
- 東京ミュウミュウ - 石野聡参加パート。彼が作画監督を務めた回は「神作画」と称されたが、元のキャラクターデザインとは大きくかけ離れた絵柄だった。 そのような回がある反面、本来の意味で作画崩壊している回も多かった。
- 009 RE:CYBORG - 男性陣のスタイリッシュっぷり。
- 繰繰れ!コックリさん - 市松こひなが美化される
- ロック・リーの青春フルパワー忍伝 - SDから原作の頭身に。
- 忍たま乱太郎-あの乱きりしんをふくめちょくちょくキャラクターがリアルに… すべての始まり→「ハンサムな・・・の段」
- サウスパーク-世界的に有名な電波ソング→素晴らしいチンチンもの
- 怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜-基本的にキャラクターは二頭身にデフォルメされた姿で描写されるが、なぜか主人公のかぷせるがーるずは変身シーンでのみ通常の頭身で描写される(そして、変身完了時の決めポーズの直前で体が縮んで元の二頭身に戻る)。
ゲーム
- ファイナルファンタジー - 天野喜孝のイメージに対する野村哲也・渋谷員子による別解釈。特にDFFでは野村の、FF5では渋谷のセンスが良い意味でも悪い意味でも発揮されている。
- ロマンシングサガ(ミンストレルソング) - 元のキャラクターデザイナー自ら180° 変えた。発売前こそ批判を受けるも、その後は概ね受け入れられた。
- ポポロクロイス物語 - 「もはや原作より有名なんじゃないか?」その⑥
- PS2版どろろ - 水彩画、リアルタッチ。
二次絵
- ポプテピピック - 圧倒的多数のパロ作品では他作品のキャラが2~3頭身に縮められる反動か、原作のポプ子・ピピ美自体がpixivに投稿される場合、なぜか通常の頭身になることが多い。