アレクシス「ほぉーう、情動的で素晴らしい姿だねぇ。では動かそう」
概要
第1回「覚・醒」に登場。別名:気炎万丈怪獣。
身体に対して直角に伸びた長い首が特徴で、その先にある頭は竜のような形になっている。
また、フィギュアの骨組みに使用されていた針金が背中の大きな角部分で露出しており、手足の部分も針金がそのまま爪になっている。
武器は口から放つ火球。 この火球はボールのように山なりの軌道で放たれ、基本的には着弾した瞬間に炸裂して一気に広範囲を破壊する。
弱点は首であり、不完全なのか常に少しづつ綻んでいる。首が綻んでいる理由は放課後から大急ぎで作り上げたことと、直角に伸びた首が頭部を支えきれない不安定な構造であったためであると思われる。また、目的はあくまでターゲットの抹殺であり、別の誰かが妨害に入って戦闘に突入すること等想定していなかったことも、作りの甘さがそのまま放置された一因なのだろう。
活躍
「どうしても許せないことがあった」(後述)せいでストレスを抱えたアカネが原型フィギュアを制作し、それをアレクシス・ケリヴが怪獣化させたことで誕生した。
出現後は響裕太達が住むツツジ台の街を蹂躙し、街に甚大な被害を齎した(裕太たちの通っていたツツジ台高校の体育館も火球を受けて炎上した)が、その途中で裕太と一体化を果たしたグリッドマンと激突。裕太が戦いに慣れておらず、グリッドマンもこの時点では最適化されていなかったために満足に実力を発揮できなかったこともあり、優勢に戦いを進めたが、内海将に首の構造が脆いという弱点を見抜かれ、ジャンクを介して宝多六花がそれをグリッドマンに伝えた為に首をチョップで叩き斬られ、残った体は超電導キックとグリッドビームで破壊された。
翌朝、破壊された街は何もなかったかのように元通りになっていたが、破壊された体育館で部活動を行っていた女子バレーボール部員たちは教室から姿を消し、高校進学前に死んだことになっていた……
なお、怪獣を生み出したのが新条アカネであることが判明したのは第2回になってからであるが、フィギュアが製作されるシーンの直前に「教室内でボール遊びをしていた女子バレー部員・問川さきるのせいで、アカネが裕太に渡そうとしていたスペシャルドッグがボールに潰されてしまう」という一幕があったこと、上記のとおり殆どの火球が着弾時に炸裂するのに対して体育館に直撃した火球だけがボールの如く地面をバウンドしており、火球がまるで問川を狙ったように体育館に直撃したこと等から、怪獣を生み出した人物の正体が裕太のクラスメイトである可能性が高いこと自体はこの時点で示唆されていた。
メカグールギラス
第8回「対・立」に登場。別名:捲土重来怪獣。
学園祭をめちゃくちゃにし、あわよくばグリッドマンも抹殺しようと、第1回で倒されたグールギラスを基に新たにアカネが作り出した怪獣。
作りの甘かった所も多く見られたグールギラスより時間をかけて制作された模様で、アカネが「めっちゃ強化した」と悠々と語るほどの自信作。同話のあらすじでは「最強の怪獣」と紹介されていた。
全体的なフォルムはグールギラスと似ているが、体のパーツがすべてメカになっており、さらに、肩にライフルのようなものが備わっているのが特徴。口からは火球に代わって強力な破壊光線を発射することが可能で、その威力は(スケールダウンしてたとは言え)バスターボラーとバトルトラクトマックスですらたじろいだ程。
設定ではグリッドマンのいかなる攻撃も防ぐバリアで身体を守っているとされ、それもまたアカネの自信の根拠になっていたと思われる。
また、首から頭部にかけてを装甲で覆うことでドリルを形成し相手を攻撃することもできる。尚、背中の造形は某ロボットの頭部に近いデザインをしている。
デザインはどちらかと言えばカッコイイ系だが、アカネと仲が良い亜子と蘭萌にはずんぐりむっくり体型とつぶらな瞳をした顔のように見える背中のデザインからゆるキャラに見えたからだろうか「カワイイ」と評価されている。
余談だが頭部をドリル形態にしては短い腕を大きく振りながらドタドタ走りで突進していくシーンは妙にコミカルで可愛く見える。
アカネは、手始めに原形の人形を学校に持っていってグリッドマン同盟の面々に見せ、「学園祭当日にこの怪獣を暴れさせるから止めてみろ」と彼らを挑発。
当然、同盟の面々からはそんなことはやめるように説得されたが、アカネが聞く耳を持つはずがなく、遂に学園祭当日を迎えてしまう。
しかし、先んじてグリッドマンが出現し(学園から追い立てるような形で)学校の関係者や来場者を避難させたために学園祭をぶち壊しにするという計画は頓挫、憤慨したアカネはアレクシスに頼みメカグールギラスを実体化させる。
序盤は重装甲と高火力に物を言わせグリッドマン陣営を圧倒しアカネも勝利を確信するが、直後にグリッドマンは全アシストウェポンと合体しフルパワーグリッドマンになってしまう。
怪力や豊富な重火器で応戦するも、堅牢な装甲を誇るフルパワーグリッドマン相手では全く効果を上げられず、奥の手として頭部をドリルに変形させて攻撃するが、逆に受け止められて(グールギラスと同様)頭部を首の根本からへし折られてしまう。
最後は、動きが鈍ったところを高空から地面へと叩き落され、グリッドフルパワーフィニッシュを受けて一刀両断の下に切り捨てられ爆散した。
学園祭をぶち壊しにする計画を邪魔されただけでなく、精魂を込めて作り上げたメカグールギラスを倒された事でアカネは自信を喪失する。だが、一方のアレクシスは何か良からぬ事を企んでいるようで…?
登場の意図としては、原典において2クール目以降に登場した強化型メカ怪獣のオマージュと思われる。
作中、学園祭にて裕太たちのクラスである1年E組の出し物「男女逆転喫茶」を考えたのは本来問川さきるたちであったと明かされているため、結果的にはメカになる前のターゲットだった人物たちの遺産をも破壊しようとしていたとも言える。
「捲土重来」は「一度敗れた人が再び勢いを盛り返し、巻き返す」という意味。
ウルトラ怪獣擬人化計画
「電撃G'sマガジン11月号」にてグールギラスの擬人化が発表された(参考リンク)。
デザインは赤城あさひと氏。
『SSSS.GRIDMAN』およびアニメ作品からは初の擬人化となっており、さらに作品放映前の怪獣が擬人化されるのも初めて。
原典と同様、各所から針金が飛び出たような意匠があるほか、麻呂眉とちらりと出した舌ペロ、左目尻のタトゥーが特徴的。どうやら火球を球技のように操るような能力を持っているらしく、前腕から手のひらにかけてテーピングのようなものを撒いている。
球技少女と言う特徴、そして短めの眉や髪型の一部は問川に似ているようにも見えるのだが……?
余談
デザインはゴジラシリーズにも多数参加している西川伸司氏によるもの。
規制等のため近年のウルトラシリーズではほとんど無かった首の切断描写が久しぶりにされた怪獣である。なお、切断面は原典同様、基盤のようなサイバー風になっていた。これは原典のグリッドマンも同様である。
アニメキャラだが、その質感や動きは特撮における着ぐるみのそれを忠実に再現しており(目の焦点が終始合っていない程の拘りぶり)、多くの視聴者を驚かせた。
別名の気炎万丈とは、燃え上がる炎のように他を圧倒する意気込みを意味する四字熟語である。
メカグールギラスの登場した第8回では、おそらく造形の参考資料としてアカネの自室のガラスケースにキングジョーブラック、ファイティングベムメカバルタン、ゴブニュ(オグマ)、バイオス、インペライザー、クレージーゴン、カオスクレバーゴン、デアボリック、ギャラクトロンなどのロボット系やサイボーグなどの機械と生物が融合したタイプの怪獣フィギュアが確認できる。
さらに、将と裕太が訪れたコンビニでは第4回に続いて今作ではなみこ役で、『怪獣娘』でキングジョーことクララ・ソーンを演じた三森すずこ氏の『夢飛行』が流れていた。
別名の捲土重来(けんどちょうらい)とは、『一度敗れた者がふたたび力を盛り返し、反撃に転じること。転じて、物事に一度失敗した者が再起を期して準備を整え、再挑戦してくること。』を意味する四字熟語で、かつて敗れたグールギラスをモデルにしては時間を掛け、精魂を込めて作り上げてリベンジ(実際は逆恨みだが)するこの怪獣には合う言葉と言える。
また、学園祭ではおそらく天文部の部員が自分達の出し物用の看板に『ウルトラマンキッズ』のピグコとミドリを描いている。
関連タグ
スペースビースト:背中の突起物の形状がどことなくこの怪獣群と似ている。
ギラルス:特撮版第1話の怪獣。ちなみにこの怪獣も機械化された強化形態が登場し、強化怪獣の第一号になる。
ジェネレドン:サンダーグリッドマンの初陣の相手。体型が似ており、こちらも結果的に自身に与えられた役割を達成している。こちらも後に強化形態が登場する。