Don't Deal with the Devil
※本作のキャッチコピー
概要
データ
種類 | オリジナル版1 | オリジナル版2 | 移植版 |
---|---|---|---|
機種 | Xbox One・Windows・GOG | Mac OS X | Switch |
ジャンル | アクション | 同左 | 同左 |
発売日 | 2017年9月29日 | 2018年10月20日 | 2019年4月18日 |
販売元 | StudioMDHR | 同左 | 同左 |
レーティング | CERO-A | 同左 | 同左 |
2017年9月29日から配信されたインディーゲーム。正式名称は『Cuphead "Don't deal with the Devil "』。
元々は2013年にリリース予定だったが、幾度も延期の末に2017年から配信。また、本作はマイクロソフトから資金援助を受けており、更にPC(Windows・Mac)とXboxのみの独占配信であると明言されていた為当初は他機種への移植は絶望的だと思われていた。
しかし、マイクロソフト側からの提案によりSwitch版も配信され、同日に行われたアップデートで日本語などの多言語版が導入された。
発売から僅か2週間で100万本の大台を突破し、3か月で200万本、11か月で300万本、2019年10月直前には500万本を達成した。更に、2017年に行われた最も優れた作品を決める『The Game Awards 2017』では『Best Art Direction』や『Best Score/Music』、『Best Action Game』、『Best Independent Game』、『Best Debut Indie Game, presented by Schick Hydro』の5部門にノミネートされた。
部門によってライバル作品は異なるが、同年に発売された『スーパーマリオ オデッセイ』や『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』、『NieR:Automata』、『ペルソナ5』、『仁王』と有名作品と肩を並べた事も本作の評価を物語っている。そして、最終的に『Best Art Direction』と『Best Independent Game』、『Best Debut Indie Game, presented by Schick Hydro』の3部門を受賞した。
追加DLC
2018年に公開されたE3では、追加DLCとして『Cuphead in "The delicious last course"』の配信決定が発表された。こちらは『インクウェル島』とは別の島が舞台らしく、新しいチャームやショット、手強いボス達が登場する。
また、プレイアブルではゲーム中でスペシャルアイテムを授けてくれる伝説の聖霊・チャリスを新たに操作出来るようになった。更に、新キャラでは謎に包まれた塩入れのシェフ・シェフ・ソルトベイカー(Chef Saltbaker)も登場する事が明かされている。
元々は2019年に配信予定だったが、更なるクオリティアップやスタッフの健康の配慮の為に2020年に延期が行われている。また、数々のディズニー作品の制作に参加したアニメーターのトム・バンクロフトも開発に参加している。
システム
ジャンルとしては『ロックマン』や『メタルスラッグ』、『魂斗羅』を彷彿とさせるアクションゲームで、雑魚を倒しながら進むステージよりその後のボス戦がメインとなる流れになっている。
ただし、その内容は雑魚敵が無尽蔵に現れる通常ステージだったり、目紛しく予測不能な攻撃や形態が変わるボスなど、見た目とは裏腹に非常に難易度が高く殆どのステージで確実に初見殺しに遭いやすい。その為、倒すにはかなりの慣れと有効なショットの見極めが重要になる。
また、攻撃手段や形態の変化のモーションなど動作表現においては1930年代のカートゥーン風に描かれた手書きのセルアニメーションで描かれており、セル画を最大限に生かした見応えのある物となっている。実際に使用されたセル画は45000枚以上に上り、後にギネスで『ゲーム制作に使われた最も多い手描きセル画の枚数』として記録された。
あらすじ
むかしむかし、インクウェル島とよばれる魔法の島に、カップヘッドとマグマンという兄弟が住んでいました。
ふたりは物知りケトルじいさんのもとでのんびり暮らしていました。
ある日のこと。
じいさんから何度も忠告されていたにもかかわらず、ふたりは家から遠く離れたガラの悪い地区にある「デビルのカジノ」に入ってしまったのです。
カジノに入ると、カップヘッドとマグマンはあっという間にサイコロのテーブルで勝ちを重ねました。
「こりゃすごい!
キミたちは負け知らずだな!」
カジノのいかがわしげな支配人、キングダイスは言いました。
「やるな、坊主ども」
兄弟はハッと息をのみました。
なぜなら、この声の主のオーナー、デビルだったからです!
「そろそろ掛け金を上げてみるか?」
デビルは姿を見せ、ニヤリと笑っていました。
「もう一度お前たちが勝てば、このカジノの金を全てくれてやろう!」
デビルが大きな声で言い放つと、あたりは沸き立ちました。
「ただし、負ければそのタマシイを頂く。
さあ、取り引きするか?」
簡単に金持ちになれるチャンスに目がくらんだカップヘッドは頷き、サイコロをつかみました。
「あっ、カップヘッド!いけない!」
危険を察したマグマンは叫びました。
しかし、時すでに遅し!
「ピンゾロだ!」
デビルが床を叩きながら、大笑いしました。
「貴様らの負けだ!」
デビルが兄弟にせまり、ふたりは恐怖で震えあがりました。
「さて、貴様らのタマシイだが・・・」
兄弟は命乞いをしました。
「き、きっと別の方法でお返ししますから」
マグマンは言葉につまりながらも訴えました。
「そ、そうです、お願いします!」
カップヘッドも言いました。
「ふーむ、一考の余地はあるな」
デビルはニタニタと笑いながら1枚の羊皮紙を取り出しました。
「逃げ出した債権者どものリストがここにある。
俺様の代わりにこいつらのタマシイを集めてこい。
そうすれば貴様らのことは見逃してやろう。」
「わかったらさっさと行け!」
デビルはうなり、ふたりをケリ飛ばして乱暴にカジノから追い出しました。
「こいつら全員のタマシイを明日の真夜中までに集めてこい!
さもなくば、俺様が貴様らのタマシイを回収しにいく!」
カップヘッドとマグマンはすっかり怯えて全速力で逃げ出しました。
「はやく、マグ!」
カップヘッドは言いました。
「ケトルじいさんのところにいこう!
きっとどうすればいいか教えてくれるから!」
※本作のプロローグ(日本語版)から引用
登場キャラクター
メインキャラクター
- カップヘッド (Cuphead)
本作の主人公で、マグマンの兄。賭け事には強いが、大きな報酬を見ると後先考えずに挑戦を引き受けてしまう一面もある。
明確な性格描写のシーンは少ないが、作中の様子から弟より向こう見ずな性格だと思われる。
なお、2015年に公開されたE3トレイラー版では頭に密造酒を注ぐという色々な意味で危険な事をやらかしていた。
- マグマン (Mugman)
本作のもう一人の主人公でで、カップヘッドの弟。彼と比べると目が離れて鼻が大きく、ストローが真っ直ぐなのが特徴。
金に目が眩んだ兄に巻き込まれ、一緒にタマシイの取り立てに行く羽目になる。こちらも性格描写のシーンは少ないが、彼よりは慎重で理性的な性格だと思われる。
リリース当初は2P専用となっていたが、Switch版の発売と同日に行われたアップデートで1Pとしても選べるようになり、プレイごとに自由に切り替えも出来るようになった。
なお、DLCアナウンストレーラーではとんでもない表情、Mac版トレーラーでは焦点の合わない目を披露しており、顔芸キャラの可能性が出て来ている。更に、アップデートで追加されたバトル開始時のアニメーションにも同様の表情が追加された。
この事から、最近ではどうやらそのようなキャラへ路線変更もしているようだ。
名前は"Megaman"(海外版ロックマンの名称)のオマージュで、カップヘッドよりも先にデザインされた。因みに、マグカップは和製英語で海外では"Mug"だけで英語として通じる。
サブキャラクター
- ケトルじいさん (Elder Kettle)
カップヘッドとマグマンを見守っているケトルの老人。デビルに重荷を背負わされた彼らに魔法の水を授け、自身はデビルに対抗する術を探すべく協力する。
- 伝説の聖霊チャリス (Legendry Chalice)
名前の通り、聖杯の姿をした霊体。『インクウェル島』に伝わる魔法を探し回っているが、各エリアの霊廟ステージにて恐ろしいお化け達に捕まっている。
お化けを追い払うと、お礼にボス攻略に役立つ必殺技を授けてくれる。追加DLCでは、プレイヤーとして操作出来るようになり、カップヘッドとマグマンと違って2段ジャンプが出来る。
敵キャラクター
- 債務者達 (Debtors)
『デビルのカジノ』から逃亡した者達。各エリアのボスを務め、タマシイを取られまいとあの手この手でカップヘッド達を倒そうと仕掛けてくる。
兄弟にとっての敵であるが、彼らもまたキングダイス達にタマシイを狙われている2体と同じ境遇を辿っている。その為、エンディングではキングダイスとデビルを倒した兄弟を総出で称賛してくれた。
なお、難易度は『シンプル』と『レギュラー』があるが、『タマシイの契約書』をゲットするには後者をクリアしないと受け取る事が出来ない。また、本編をクリアすると更に高難易度の『エキスパート』も追加される。
- キングダイス (King Dice)
デビルの側近であるサイコロのディーラー。各エリアの出入り口で兄弟が全てのタマシイを回収したかを確認する門番を務める。
全ての債務者の『タマシイの契約書』を集め、『インクウェルヘル』でスゴロクの要領でマスを進み、マスごとに居るボスと戦いながらゴールへと進むと、遂に直接対決する事になる。
因みに、サイコロは出目の3と4の位置で雄と雌に分けられるが、彼はきちんと雄サイコロの出目になっている(雄サイコロは123の目が時計回り、雌サイコロは123の目が逆時計回り)。また、キャラクターの中では唯一BGMに歌詞がついている。
ボーカルはAlana Bridgewaterという女性で、加工前の歌声もかなり低い。
- デビル (The Devil)
『デビルのカジノ』のオーナーを務める黒い悪魔で、本作のラスボス。一『インクウェル島』の全域を支配していると言っても過言ではない程強い影響力を持つ。
自身の仕掛けた賭けに負けたカップヘッドとマグマンに、一時的に見逃す代わりに明日の夜中までに債務者のタマシイを集めてくるよう命令する。
スタッフ
プロデューサー | マリヤ・モルデンハウアー、ライアン・モルデンハウアー |
---|---|
ディレクター | チャド・モルデンハウアー、ジャレド・モルデンハウアー |
デザイナー | ジャレド・モルデンハウアー |
シナリオ | エヴァン・スコルニク |
プログラマー | エリック・ビリングスリー、ケジア・アダモ、トニー・コクラッジ、トマス・プリード |
音楽 | クリストファー・マディガン |
美術 | チャド・モルデンハウアー |
なんでもありの大乱闘へ!
2020年1月16日に公開された『ベレト/ベレスのつかいかた』で、『スマブラSP』にカップヘッドがMiiファイター(射撃タイプ)のコスチュームで登場する事が発表された。インディーズゲームからの登場はアシストフィギュアのショベルナイト、同じくコスチュームで追加されたサンズに続き3体目となった。
ただでさえ完成度が高く好評だったサンズ以上に完成度再現度が高い出来となっており、しかももともと手からビームを出すので射撃タイプと相性抜群、というか違和感は全くない。頭身も同じなのでおそらくスマブラ史上最高の再現度を誇るミーコスチュームの登場である。
(そして余談だがカップヘッドの下半身だけ使って某有名鼠参戦!とかやる人は絶っっ対に出てくる)
今回も楽曲付きでの配信となっており、キャグニー・カーネーション戦の『烈花の如く』が採用された(『関連動画』を参照)。
PVでは様々な原作再現が見られる↓
元ネタ | 再現シーン |
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蝶を追いかけている | 蝶(マグマンで再現)がむらびとから追われている |
『インクウェル島』のカップヘッドの家 | コトブキランド |
ケトルじいさん | ゲコ |
キャグニーカーネーションの雑魚敵 | 『いしにえっぽい王国』の黒のパックンフラワー |
プルプ・ル・グラン | 青のカービィ |
グリム・マッチスティック | 緑のリザードンを射撃で撃墜 |
オオトリ・ワシノスケ | ファルコをボムで撃墜 |
森の迷宮or樹上迷惑 | プププランド |
デビルカジノ | ニューポークシティ |
踊る廃品工場(?) | すれちがい伝説 |
マグマン | ロックマンX(?) |
カール博士との対決 | Dr.ワイリー |
余談
- 登場するキャラクターやステージには、他のゲームやアニメ作品のオマージュやモチーフが数多く隠されている。
関連イラスト
関連動画
- 『Cuphead Launch Trailer』
Xbox One・Windows10・Steam・GOG版のトレーラー映像。
- 『Cuphead Macintosh Launch Trailer』
Mac版のトレーラー映像。
- 『Cuphead Nintendo Switch Announcement Trailer』
Switch版のトレーラー映像。
- 『Cuphead DLC Announcement Trailer』
追加DLCのトレーラー映像。
- 『Floral Fury』 (烈花の如く)
キャグニー・カーネーション戦のBGM。本作で人気が高い楽曲の1つとなっている。
『スマブラSP』では、カップヘッドのMiiコスチュームを購入時にこの楽曲も同時収録されるようになっている。
関連タグ
メインタグ
参考作品
『bendy_and_the_ink_machine』(2017年)
同じく1930年代のカートゥーンを意識した世界観のゲームで、同年に発売された点も共通している。
外部リンク
公式
- Cuphead: Don't Deal With The Devil(英語版の公式サイト)
- Studio MDHR(@StudioMDHR) Twitter (公式Twitter)
- Cuphead:Steam
- Cuphead DLC For Xbox One | Xbox
- Cuphead を購入 - Microsoft Store ja-JP
- Steam:Cuphead
- Cuphead on GOG.com
- Nintendo Switch|ダウンロード購入|Cuphead