基礎データ
進化
ヤドン → ヤドラン(Lv.37)
概要
『ポケットモンスター 赤・緑』から登場している古株ポケモンの一種。ピンク色の体に短い四本足、先の白い尻尾、ボケーッとした表情が特徴的で、口は開きっぱなしの時が多い。
とんでもなくマイペース、かつ、のんびり屋な性格で、「まぬけポケモン」という分類通り、叩かれてから痛いと気付くまでに一定のラグが生ずるほどに鈍感。決して活発には動かず、一旦腰を落ち着かせると丸一日そこでボーッと過ごすことも珍しくない。
眠る時は体を広げて寝たり、立ったまま寝たりするなど様々なポーズで眠る事ができる。挙げ句の果てには、休日のオヤジのように器用な寝転がり方も出来る。
ヤドンのしっぽ
長い尻尾は、通常の状態では垂れることなく常に「つの字」に曲がっているが、寝る時などは垂れたりする。この「ヤドンのしっぽ」には栄養こそ全くないが、しゃぶるとサトウキビにも似た独特の甘みがにじみ出てくる為、一部では珍味として高値で取引されているらしい。曰く、噛んでいるとなんとなく幸福な気分になれるとの事。
故に密漁の被害に遭いやすく、ゲーム本編でも悪い連中に襲われている現場に出くわすことも。動物虐待的な描写ではないかと言われるが、鈍さゆえ痛みもなく、すぐに生えてくるため気にしない(というか気づかない)とされている。
図鑑説明にもある通り、この尻尾を使って行う釣りが得意で、その尻尾に誘われてやってきたシェルダーが噛みつく事で、ヤドランに進化する。ギャラドスやサメハダーなど凶悪なポケモンを易々と釣り上げた事例もあるらしい。
これについては元々NPCの会話や公式の特集で解説されてはいたが、『サン・ムーン』で、ついにポケモン図鑑でも言及されるようになった。
カロス地方ではミアレシティのレストランでフルコースの一品としてこの尻尾を食べることができる他、なんとアローラ地方では家庭料理の食材として使われており、自然にちぎれた尻尾がスーパーマーケットで売られているのだとか。そして、ガラル地方ではカレーの食材に「しっぽのくんせい」なるものが登場している。
このとおり、人には好評なヤドンのしっぽだが、逆にこの味を好むポケモンは多くないとされている。シェルダーが特殊な例のようだ。普段の釣りのターゲットはポケモンではなく通常の魚なのかもしれない。
その他
カントー地方のセキチクシティでは、サファリパークの園長がヤドン顔と表記されている。また、ジョウト地方のヒワダタウンでは、ヤドンがあくびをするたびに雨が降ると言い伝えられており、「ヤドンのいど」と呼ばれる場所がある等、町を挙げて彼らを祭っている。曰く、400年前の干ばつの際に彼らを救ってくれたかららしい。
アニメでも実際にあくびで「あまごい」をし、それを利用して仲間を助けるシーンがある他、シェルダーから高速ダッシュで逃げたり、尻尾をスクリューの様に回転させて水上を高速移動したりと、割と芸達者な一面が描かれている。
名前の由来は、おそらく「宿+鈍感」と思われる。鳴き声は主に初めてテキスト化された『やぁん?』と表記される事が多い。進化形からしても「ヤド」がヤドカリから採られているのは間違いないが、その割には獣っぽい外見。
タマゴグループは「かいじゅう」「すいちゅう1」に分類されており、一般トレーナーの「かいじゅうマニア」がヤドンを使用したり、ヤドンの格好をしている事もある。人気の古参ポケモンながらモチーフを特定できない絶妙な外見であり、まだまだ謎が多い。
モチーフの候補として、尻尾で釣りをすることから民話の1つである「しっぽの釣り」に登場するカワウソが挙げられる。現に小さな耳や口元、長い尻尾はカワウソに酷似している。
英語名"Slowpoke"はそのまま「のろま」を意味する単語。"Pokémon"とも掛けてあるのは推して知るべし。
ゲームにおける特徴
進化前としてはHPが高く、物理面に厚い。進化後より遅いので「トリックルーム」適性はあるものの、主力技の「しねんのずつき」は命中率に難があり、火力不足でもあるので、こだわりがなければ進化させた方がよい。
ちなみに、野生の個体は低確率で「こうこうのしっぽ」を持っていることがある。
リージョンフォーム
『ポケモン剣盾』から登場する、ガラル地方の環境に適応して姿を変化させた、ヤドンのガラルのすがた。
他作品でのヤドン
漫画
山下たかひろ版の4コマ漫画では、とーーーーーーーーーーーーーーってもトロいヤドンとして、友達のヌオーと一緒にレギュラー入りを果たしている。
はねろ!コイキング
コイキングの育成をサポートしてくれるポケモンの一匹として登場。「しめったいわ」を購入するとホーム画面に現れる。タップすると、他のポケモンのスキルをランダムで一匹だけ即座に回復してくれる。
スマブラSP
アドベンチャーモード灯火の星において、光の世界のファンシーなエリアで彼のスピリッツを解放すると『忘却流』の道場を開くようになる。と言っても、如何せん言葉を話さないポケモンな上に何を考えているかよくわからない存在なので、台詞部分は全てメッセージ表示が代弁しており、道場を利用しない限りは「ヤドンはこちらを見ている」と言う一貫したメッセージしか表示されない。
職務はきっちり全うしているようで、「ドわすれ」を伝授する事でこれまでに習得した流派を忘れさせる……いわば、「わすれジイさん」枠となっている。また、BGMは『トキワへの道ーマサラより/ニビシティ』となっている。
備考
その呆けた表情やスローペースな挙動が可愛いと、一部のファンに人気があり、『ピカチュウげんきでチュウ』に代表されるスピンオフ作品の殆どに登場していたり、度々グッズ化(もしくは人気ポケモンの集合イラストの中に混ざっている)と、公式で何かと優遇されているポケモンである。
2014年4月27日にはポケモンパペット劇場 パペモン12話「あまいゆうわく」で、声優の花澤香菜さんがシェルダーとヤドンの関係を描いた歌を歌っており、本人は昔ヤドンが好きだったとラジオ等で公言している。
ポケモンサンデーではロバート秋山が「ヤドン秋山」に扮し、お便りコーナーが設けられ、登場の機会が増えるなど子供達からは人気があった。秋山氏はこの他にもポケモンに扮する事が多かった。
2014年某日。ポケモンの公式サイトの「ポケモンだいすきクラブ」にて、「8月10日」が「ヤドンの日」であると発表され、7月25日に公式サイトにて「ヤドンパラダイス」という特設ページがオープンした。
タイトル通り、ヤドンが主役のコンテンツが満載である。さらには、そのサイトではヤドンのテーマソングまで乗った。歌はHIROが担当し、題名は「どないやねんヤドン」である。
その後、11月21日には3DSのホーム画面のテーマも配信された。有名なポケモンや人気の高いポケモン、メガシンカやゲンシカイキと、他にもポケモンは何匹かいるが、その中でヤドンが単独で配信されている辺り、美味しい役どころである。
関連イラスト
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香川県:2018年のエイプリルフールでうどん県ならぬヤドン県としてコラボ……と思ったら、期間限定で本当にコラボする事となった。