「あなたにちょっとだけ悪い知らせと、めちゃくちゃ良い知らせがあるの」
演:紺野彩夏
概要
新たな王の擁立の為に各時代でアナザーライダーを生み出すが、同じタイムジャッカーのウールとは違い遊びは一切なく、冷徹に仕事をこなすクールビューティー。アナザーライダー探しの手段も非常にえげつない。
オーマジオウの事を「ジジイ」呼ばわりしているなど口が悪い他、契約者をアナザーライダーにする際に彼らの身にこれから降りかかるであろう不幸な未来を「ちょっと悪い知らせ」と形容するなど、言動の端々から彼女の狡猾な本性が伺える。また、アナザーライダーとなった王の候補者が自分に逆らった上に顔に傷をつけたことで殺意を抱く等、プライドも非常に高い。
タイムジャッカーの同僚とはあまり仲は良くないらしく、仕事に失敗した件をウールにからかわれる事もあり、彼女自身もスウォルツの上から指示を出す姿勢に「私達の立場は対等の筈」と反論を飛ばしている。
また白ウォズによって時間停止能力を解除された時にかなり焦るなど、彼女もウールと同じく特殊能力以外の戦闘力はないと思われていたが、EP24にてバリアを張る能力を発揮。これによってジオウⅡの攻撃を生身で受けずに済んだ。続くEP35では手から空間の歪みを発生させ、衝撃波として叩きつける荒業を見せた。
EP06では彼女が生み出したアナザーファイズがスウォルツによって上書きされ、アナザーフォーゼになってしまった(スウォルツが未来で行うことをゲイツの言葉から察知した過去の彼女は憤っていた)。
この一件により、アナザーライダーは同時に複数契約可能であることが判明した。
EP10ではキャッスルドランの姿をしたタイムマジーンに乗り込み、ジオウが操縦するタイムマジーンと対決。激しい空中戦の末にタジャドルコンボモードとなったタイムマジーンに敗れ退けられた。
その後、クジゴジ堂を出て行くゲイツの姿を見て不敵な笑みを浮かべているが……?
EP13ではタイムジャッカーと組んだウォズによって呼び寄せられた門矢士 / 仮面ライダーディケイドと接触。出会った当初は彼の事を感じ悪いと思っていたが、ジオウやゲイツを圧倒する彼の強さや彼の尊大な態度を見て気に入ったらしく、「あんたが王になるつもりなら手伝うけど」と呼び掛けている。(士からは「興味ないな」と断られたが)
ただその後の士が行った気まぐれな行動には呆れたり、イラついたりとかなり振り回されていた。
EP24では、アナザーキカイに変貌させられたウールを心配する素振りを見せたが、それはソウゴたちを騙すための演技であり、作戦中ゲイツを出し抜いて入手したアナザーキカイウォッチをウールに躊躇なく埋め込み、傀儡の王にしようとしていた。
後述の通り、何らかの事情があるようにも見える彼女だが、少なくとも仲間を踏み台にすることに躊躇いを覚えるような良心は既に捨て去ってしまっているようだ。
EP35では刑務所に収監されていた北島祐子にアナザーキバの力を与えるも、傲慢な性格となった彼女から下僕呼ばわりされた挙句、投げつけられたマンホールの蓋で頬に傷をつけられる羽目になり、怒りを露わにして攻撃を仕掛けている。
そんなオーラもEP36では、ギンガの力を手に入れようと企むスウォルツによって祐子の前で頭を下げさせられることになってしまう。祐子の方はと言うと、タイムジャッカー3人とライダー陣営4人に頭を下げさせておきながら協力の約束は無視するという外道な行動をとるが、逆にこれがオーラの逆鱗に触れ、ウォズギンガファイナリーに倒された祐子を追い討ちして殺害するという行動に出てしまう。
東映公式サイトにまで「本当に、オーラの残忍さが出ている、いい顔をしています。キカイ編で、ウールをダシにした時といい、オーラは、可愛い顔をして、もう真っ黒なのかもしれません。」と書かれてしまうオーラの明日はどっちだ。
生み出したアナザーライダー
「精神的にギリギリのところまで追い込まれた善人」を契約対象に選ぶことが多く、またそうした相手に対して「そこから脱する手段は契約しかない」と吹きこむのが常套手段。
いわば善良な人間の闇堕ちを積極的に起こしているわけであり、特にアナザーエグゼイドの件では契約者の息子は飛彩に1年以内に見せれば助かったのに、アナザーライダー化の結果、その機会を失ってしまっている。
とは言え彼女にそうした闇堕ちを楽しむような素振りはなく、悪質な行為に手を染めてまで王を生み出さなければならないと考える何らかの事情があるようにも見える。
名称 | 元となった人物 | 登場話 | 時代 | 契約内容 | 特記事項(仮) |
---|---|---|---|---|---|
アナザーエグゼイド | 飯田 | EP03 | 2016年 | 死の淵を彷徨っている息子を救う | アナザーライダーにならなくても息子は助かったが飯田に他の選択をする余裕はなかった |
アナザーファイズ | 2003年の佐久間龍一 | EP06 | 2003年 | 友人である山吹カリンを生き返らせる | 後にスウォルツの手で別のアナザーに上書きされた |
アナザークイズ | 2019年の堂安保 | EP19 | 2040年 | 他者の知識を奪い輝かしい未来を手に入れる | 本来のライダーと同時に存在している |
アナザーキカイ※ | ウール | EP24 | 2121年 | ウールを傀儡の王にする(ウールの意志は無視) | スウォルツに便乗して今まで以上に卑劣な契約を行った |
アナザーキバ | 北島祐子 | EP35 | 2019年 | 自分に冤罪を着せた司法への復讐(実態は逆恨み) | オリジナルと全く同じ武器を使用する。テレビ本編で変身者が判明しているアナザーライダー初の死亡退場者 |
アナザー電王(2019) | 遠藤タクヤ | EP39 | 2019年 | 姉の死をなかったことにする | 過去に同じアナザーライダーが出現している |
※元々ウールはスウォルツの手で無理やりアナザーキカイの本体と融合させられており、オーラはアナザーキカイウォッチ生成と共に一旦ウールを元に戻した後、改めてウールにウォッチを埋め込んで再びアナザーキカイに変身させた形になる。しかし、ジオウⅡが時間を巻き戻した為、彼女がウールにアナザーキカイウォッチを埋め込む出来事は最終的になかった事にされている。
余談
名前の由来はスペイン語で「時間」を意味する「オラ」と思われる。
演じる紺野彩夏氏は3歳で子役デビューしたため芸歴は10年以上というキャリアを持っているが、連続ドラマのレギュラーは本作が初となる。
上記の通り冷徹で悪質な作戦を繰り返す彼女だが、演じる紺野氏のキャラクターもあってか一部の(特に大人の)視聴者には人気が高かった。
過去の平成二期の女性敵幹部達は、父親の計画によって悪への道を歩み最終的には命を落とした姉妹や、忠誠を誓う主人に用済みと見なされ消された元人間、愛する人の為に悪事も平気に行ったが、最後は敵だった人間に看取られる機械生命体など、これまで犯して来た罪に対する因果応報で悲惨な最期を遂げている事が多い。(オーラ自身の末路に関しては後述を参照)
(念のため付記しておくと、序盤で連敗の責任を取らされ処刑されたかに見えたが実際はとある人物に救われ生きていた女性幹部もおり、全員が全員非業の死を遂げている訳ではない)
EP42以降の展開
ウールと同じくスウォルツの行動に不信感を抱いていたが、EP42で仮面ライダーディエンドこと海東大樹がスウォルツから時を止める力を与えられたと知る。
EP43で自分の野望を知ったウールを攻撃したスウォルツに直接問い詰める。
スウォルツが近づいた瞬間、いきなりオーラの頭を掴み、自分が与えた力をすべてオーラから奪い取った。
完全に無力化されたオーラは力を奪われていないウールによって救出されるが、スウォルツは二人を用済みと判断し海東に始末するよう指示。
だが人に指示されるのを嫌う海東は、何故かオーラにグランドジオウライドウォッチを渡す。
そして、自分たちを利用したスウォルツを倒させる為に、敵である常磐ソウゴへグランドジオウライドウォッチを返した。
その後のEP44では一時的にクジゴジ堂にウールと共に匿って貰う事になった。
しかし、力を失った上にスウォルツに狙われているという現状に徐々に追い詰められていき、自身に擬態したパラドックス・ロイミュード/アナザードライブの騒ぎの最中、「二人とも生き延びるのは無理」と称して光の刃のようなものを纏った手刀で心臓を抉りウールを抹殺。彼の羽飾りを奪った後、そのまま何処かに立ち去り姿を眩ました。
EP46でスウォルツと合流しタイムジャッカーに復帰。
その後、スウォルツとソウゴ・湊ミハルとの戦いに参戦し、スウォルツから返してもらった時を止める力を使用。
その中でスウォルツがソウゴが集めた平成ライダーの力を奪う為に計画を練っていた事を語りだし、自分とウールがその計画の為に利用されていた事を改めて知る。
「ウールに出来なかった事を私がやる…その為に私は!!」
そして、スウォルツの動きも止め、ウールの時と同じく光を放つ手刀で彼を刺したのだが…。
スウォルツ「俺がお前の行動を読んでいないと思うか」
スウォルツは自力でオーラの時を止める力を解除。
刺された体からオーロラを発生させオーラの動きを封じ込め、アナザーディケイドに変身。オーラの顔面に回し蹴りをして、下記の言葉を添えた。
スウォルツ「ウールと仲良く暮らすといい」
悔しさを滲ませながらオーラは息絶えた。
放送後の実況等で様々な意見が出ているが、己の計画の為にアナザーライダーの資格者に対し断れないよう仕向けたり、ジオウサイドの人間を何度も裏切ってきた事から、ウールに対しての情より他人に利用されていたという事が自分のプライドとして許せなかったのが上記の行動の理由と考えられる。
そのウールに対しても上記の台詞から全く情がなかったとも言い切れないが、スウォルツの信頼を得る為とはいえ殺す必要はあったのか、仮死状態にする等他に方法はなかったのかという意見も多い。
オーラがタイムジャッカーになった背景や何故このような悪女と化したのかは語られる事はなかったが、大事な人も殺され、劇中で何度も裏切られた常磐ソウゴは彼女の死に対しても怒りを感じ、スウォルツとの戦いに戻った。
新たなる世界で
息絶えた彼女であったが、ソウゴが破壊し再編した後の世界では、ウールと共に光ヶ森高校の生徒になっていた。
ソウゴを「王様先輩」と呼ぶウールと互いにタメ口であることから、おそらくは彼と同学年(つまり、ソウゴより年下ということになる)。クールでどこかぶっきらぼうなところは相変わらずだが、改変の影響で性格の方はかなり丸くなっている印象。ウールとの関係もそこまで悪くはないようだ。
悪女であった彼女が、時間軸さえ越えてこの世界に配置されたのは、ソウゴの「許されないことはしたが、それでも生きていてほしかった」という願いが反映されたからなのかもしれない。
また、ラストの学校へ駆け出すシーンではツクヨミと恋人つなぎをしていたことがちょっとした話題になった。
『RIDER_TIME_ジオウVSディケイド』では再編後のオーラが登場。ゲイツに片思いし、ラブレターを渡すも秒でビリッビリに破られる。
「恋愛マスター」と謳われたらしく、スウォルツと共に恋愛部を立ち上げた。「男は色仕掛けで簡単に落ちる」という持論を持つ。
『RIDER_TIME_ディケイドVSジオウ』では(本編のオーラとは別の人物と思われる)オーラが登場。職業はタレントであるようで、ドラマの撮影中に館に連れてこられたらしい。
関連タグ
メディック:4年前作品での女性敵幹部。彼女も悪質な作戦で仮面ライダー達を苦しめた一人。再登場時に性格が丸くなっているのも一致している。
ミサ:自分の作戦に関わった仮面ライダーウィザードの女性敵幹部。彼女も人の心を利用して怪人を生み出してきた。余談だがミサの演者である中山絵梨奈氏は同作の別役で女子高生を演じていた。