「命じるわ――貴女は私の奴隷(サーヴァント)になりなさい」
概要
正式タイトルは『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』。作者はひろやまひろし。
角川書店の漫画雑誌『コンプエース』にて連載。一旦終了した後、続編となる第2部『ツヴァイ!』が展開。さらに第3部『ドライ!!』へと続いている。
単行本は1部が全2巻(アニメ化に伴って出された新装版も全2巻)、『ツヴァイ!』が全5巻、『ドライ!!』は既刊11巻。
略称は「プリヤ」。とある型月公認漫画の影響で、最近では「プリズマ先輩」と呼ばれることも。
『Fate/staynight』本編とよく似通っている並行世界を舞台に、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンを主人公にした魔法少女漫画。並行世界であるため『stay night』の世界では本来死亡していた人物がこちらの世界では生きていたり、本来なら登場しないオリジナルキャラクターが登場していたりする。
魔法少女モノでありながらバトルシーンの熱さ(+百合描写)に定評がある。
Fateシリーズの名を借りた魔法少女モノ・・・に見せかけて、やっぱりFate。
なおTVアニメにおいて、魔法少女モノ最大の見せ場である変身シーンは大抵余計な実況やガヤが入る。
ちなみにTYPE-MOONの世界観では「魔術」と「魔法」は明確に区別されているが、本作は「第二魔法を用いた魔術礼装での転身および魔力の行使」であるため、正しい意味での「魔法少女」だったりする。
あらすじ
冬木市に住む、ちょっと夢見がちな普通の小学生イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。彼女は、手伝い兼姉貴分のセラ・リズや義兄の士郎と共に平穏に暮らしていた。
だが、ある日やたらハイテンションな魔法の杖「カレイドステッキ」と出会ったことで、無理やり魔法少女になる契約をさせられてしまう。そして、その持ち主であった凛に命じられ、英霊と呼ばれる者の力が宿った7枚のカード「クラスカード」回収の役目を引き継ぎ、カードの化身である「黒化英霊」達と戦う事になったのでした・・・。
登場人物
主要人物
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(CV:門脇舞以) |
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主人公。ルビーに見初められ、詐欺同然の強引な手段で魔法少女となる。 |
美遊・エーデルフェルト(CV:名塚佳織) |
サファイアと契約したもう一人の魔法少女。高スペックな完璧超人だが、感情表現に乏しくリアリスト。 |
クロエ・フォン・アインツベルン(CV:斎藤千和) |
第2部のキーパーソン。通称「クロ」。イリヤから突然分離し誕生した、もうひとりのイリヤ。 |
カレイドステッキ
マジカルルビー(CV:高野直子) | マジカルサファイア(CV:松来未祐→かかずゆみ※) |
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愉快型魔術礼装、ステッキに宿る人工天然精霊でとてもうさんくさい。 | ルビーの妹の人工天然精霊で姉とは真逆でとても真面目でクール。 |
※『ドライ!!』から変更。
冬木の一般人
衛宮家
衛宮士郎(CV:杉山紀彰) | アイリスフィール(CV:大原さやか) | 衛宮切嗣(CV:小山力也) |
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イリヤの義兄。一般人。 | イリヤの実母。普段はいないが… | イリヤの実父。なぜか顔が映らない |
セラ(CV:七緒はるひ) | リーゼリット(CV:宮川美保) | |
メイド①。家事担当 | メイド②。普段はだらけてる |
穂村原学園
嶽間沢龍子(CV:加藤英美里) | 森山那奈亀(CV:伊瀬茉莉也) | 栗原雀花(CV:伊藤かな恵) |
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イリヤ達の級友、おバカキャラ | イリヤ達の級友。天才肌 | イリヤ達の級友。腐女子。 |
桂美々(CV:佐藤聡美) | 藤村大河(CV:伊藤美紀) | 栗原火雀(CV:日笠陽子) |
イリヤ達の級友。常識人だった | イリヤ達のクラスの担任。 | 雀花の姉。妹よりレベルが上の貴腐人。 |
森山奈菜巳(CV:高橋美佳子) | 柳洞一成(CV:真殿光昭) | 間桐桜(CV:下屋則子) |
那奈亀の姉。士郎に想いを寄せている。 | 士郎の友人。生徒会長。 | 士郎の弓道部後輩。地道にアプローチをしかける。 |
聖杯戦争関係者
魔術協会
エルメロイⅡ世(CV:浪川大輔) | キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ |
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時計塔の名物講師 | ステッキの作成者である魔法使い |
平行世界の住人
エインズワース家
美遊のいた世界の魔術師の一族。
冬木市にできた一キロ四方のクレーターの真ん中に工房を構えている。1000年の歴史を持ちながら、基礎の置換魔術しか修めていないため、贋作屋(カウンターフェイター)と呼ばれ蔑まれているが、工房の中では空間を置き換えるなど魔術師としての常識すら覆す規模を誇る。
聖杯を欲しており、世界中の礼装や魔具などを集めては聖杯や宝具への置換と失敗を繰り返してきた。本物の聖杯である「美遊」を手に入れたのち、クラスカードを作って聖杯戦争を起こした。
ドールズといわれる兵隊を使役している。
ベアトリス(CV:釘宮理恵) | アンジェリカ(CV:白石涼子) |
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『雷神トール』のカードを使う。 | 『ギルガメッシュ』のカードを使う。 |
エリカ・エインズワース(CV:諸星すみれ) | ダリウス・エインズワース(CV:小西克幸) |
ダリウスを父と呼ぶ少女 | 平行世界で美遊を攫い監禁している男 |
ジュリアン・エインズワース(CV:花江夏樹) | ???(CV:???) |
エインズワース家の嫡男。美遊の兄とは高校の級友であったが…。 | 鎧姿の女性。正気を失っている。 |
関係者
過去編の登場人物
衛宮士郎(CV:杉山紀彰) | 朔月美遊(cv:名塚佳織) | 衛宮切嗣(CV:小山力也) |
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「正義の味方」を志す少年。 | 「神稚児」の少女。 | 恒久的世界平和を目指す男性。 |
一義樹里庵 | 間桐桜(CV:下屋則子) | 間桐慎二(CV:神谷浩史) |
士郎の親友の生徒会長。 | 士郎のたった一人の後輩。 | 桜の兄。様子がおかしい。 |
用語
クラスカード
英霊と呼ばれる者の力が宿ったカード。サーヴァント同様7つのクラスに分かれ、1枚につき1人の英霊に対応している。見た目は普通のカードだが、高度な魔術理論で構成されており、魔術協会でも詳細な分析は出来なかった。その正体は、エインズワース家が置換魔術の秘奥で作り出した「人に英霊の力を置き換えさせる」魔術礼装である。
黒化英霊
「クラスカード」が元の英霊に近い姿を取ったもの。能力はサーヴァントとして召喚された本編より劣化しているものの、相対的には十分な脅威を持っている。イリヤ達が暮らしている世界の影にある世界「鏡面世界」に潜んでおり、クラスカード回収に来た者たちを迎撃する。
その姿・能力は第五次聖杯戦争に登場したサーヴァント達がベースになっているが、諸事情によりアサシンのみ第四次のものがベース。Fate本編にて黒化姿が登場した英霊は原作通りのデザインだが、その他の黒化英霊はアーチャー(黒化)やランサー(黒化)のように、プリズマ☆イリヤオリジナルのデザインで描かれる。
限定展開(インクルード)
クラスカードを使い、対応した英霊の武具を召喚する。例えば、ランサーならば「ゲイボルク」、セイバーならば「約束された勝利の剣」を呼び出せる。
夢幻召喚(インストール)
クラスカードの力をその身に宿し、英霊化する技。詳しくは当該項目を参照。
備考
『Fate/Zero』において、もし切嗣が聖杯戦争から妻と子供をつれて逃げ出していたらこのルートに派生する……と、説明されることもあるが、これの元ネタはTMエースのインタビューでZeroの原作者虚淵玄の発言であり、プリズマ☆イリヤの原作者(ひろやまひろし)によるものではない。
そのため、実際のところは
- イリヤが正真正銘の10歳
- アインツベルンが他家との関わりを絶っており、一般の魔術師にはほとんど名前が知られていない
- 凛・ルヴィアが冬木の聖杯戦争のことを知らない
といった相違点があるので、少なくともZeroの時代よりずっと前の段階で分岐した平行世界と考えたほうがいい。
また、「本作での設定は本編に還元されない」と作者も明言しているので、シリーズ他作品と設定を混同して言い争いにならないよう注意してほしい。
メディアミックス
TVアニメ
2012年3月にコンプエース誌上においてアニメ化企画が進行中であると発表された。
製作は『バカとテストと召喚獣』シリーズを担当したSILVERLINK.。
……というかそのバカテスの原作者である井上堅二がシリーズ構成として参加している。
なお、原作では『ツヴァイ!』に移行した際に魔法少女の衣装がリニューアルされたが、アニメ版では始めからリニューアル後のデザインで統一されている。
Blu-ray&DVDには毎巻約5分のショートアニメが収録されているのだが……だいたい公式が病気な内容となっている。
1期
2013年7~9月に放送。全10話+OVA1話。
OVAは『ドライ!!』4巻の限定版特典のBDとして付き、2016年発売のBlu-ray BOXにも付いている。内容は基本的に1期の部分だが、一部『ツヴァイ!』から先取りされたシーンもある。
原作と比べると、シリアスとギャグをキッチリと分けている傾向がある。
また、一部のBGMは原作ゲーム『stay night』のアレンジバージョンを使用するなど、過去作を意識した部分も多い。
ツヴァイ!
1期最終話の最後にアニメ化決定が報じられたアニメ第2期。
2014年7~9月に放送。全10話+OVA1話(OVAは『ドライ!!』6巻の限定版特典のBD)。原作『ツヴァイ!』3巻(バゼット戦)までの部分を描いている。
基本的な作風は1期から継続しているが、クロのキスシーンを始め百合描写にかなり力が入っていて、原作には無いオリジナルの追加シーンまである。
ツヴァイ ヘルツ!
『ツヴァイ!』最終話の最後にて製作決定が報じられたアニメ第3期。
2015年7月~9月に放送。全10話。内容は原作『ツヴァイ!』4~5巻+αを描いていて、前半はギャグ中心の日常パートだが、後半はシリアスなバトルへと変化し、それに合わせてエンディングも変わる。また、夏休みに入るのに合わせて始まり、コミケ前にそれっぽいイベントが描かれ、夏休みが終わる頃にシリアス編へと移行するといったように現実と合わせた放送日程になっている。
マジカルサファイアを演じた松来未祐さんは第8話まで収録に参加したが、体調悪化に伴い第9話以降は脚本を変更し、ライブラリー参加に変更されたとのことである。
なお、原作では直後に『ドライ!!』へと移行する展開だったが、アニメでは一旦大団円で終わらせている。
ドライ!!
『ツヴァイ ヘルツ!』最終話の最後で製作決定が報じられたアニメ第4期。
2016年7月6日~9月に放送。全12話で、『ドライ!!』第6巻までの内容を描いている。アクションが非常に多い作品なので、今までの雰囲気を残しつつも、制作陣を新しく変更するとのこと。
前期『ツヴァイ ヘルツ!』の続きから始まるため、序盤は若干展開が異なる。
劇場版
『ドライ!!』最終話の最後で製作決定が報じられた。2017年8月26日より公開。
正式タイトルは『劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い』。
詳細は当該記事雪下の誓いを参照。
プリズマ☆ファンタズム
2019年6月14日より公開。
『ドライ!!』から続いていたシリアス路線を外れ、新規のギャグエピソードが展開される。
2020年5月21日に公式サイトにて報じられ、12月18日にタイトルが『劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ Licht 名前の無い少女』に決定した。2021年夏公開予定。
『雪下の誓い』から続く、『ドライ!!』後半の物語が描かれると思われる。
関連イラスト
関連動画
外部リンク
関連項目
『Fate/GrandOrder』で行われた本作とのコラボイベント。
ある意味で先輩作品。公式でコラボしたこともある。
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