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機動警察パトレイバーの編集履歴

2021-05-04 04:44:43 バージョン

機動警察パトレイバー

きどうけいさつぱとれいばー

『機動警察パトレイバー』とはヘッドギア原作の、1980年代における近未来(1998年ごろを起点とした数年間)の東京を舞台にしたロボット漫画・ロボットアニメ。漫画版の作者はゆうきまさみ。

「レイバー」、それは、産業用に開発されたロボットの総称である。建設・土木の分野に広く普及したが、レイバーによる犯罪も急増。警視庁は特形車両二課、パトロールレイバー中隊を新設してこれに対抗した。通称「パトレイバー」の誕生である。

――テレビアニメ版オープニングより


注意

「機動警察パトレイバー」は作中での描写、設定資料全集、ムック、雑誌によって設定の相違点が非常に多い事にご注意下さい。


機動警察パトレイバー(メディアミックス企画)

大元はゆうきまさみ出渕裕による「ヘッドギア」の「企画ごっこ」から始まったメディアミックスプロジェクト。ヘッドギアには後に高田明美伊藤和典押井守が合流し、押井の「起死回生」のきっかけともなった。


分類としてはリアルロボット作品であるが、従来のリアルロボット作品とは一線を画した設定が多い。これは初期OVAのスポンサーが富士フイルムだったので玩具化を考えなくてよく、デザインやストーリーにかかる制約から外れる事ができたため。近未来の地球や現代とは別世界の世界観で語られることの多かったロボットアニメにおいて、現代日本に巨大ロボットが闊歩している世界を描き出したエポックメイキングな作品である。


メディアミックスを大々的に展開した先駆的作品であるが、先述の通り各作品での設定のブレが大きい。主役の特車二課のメンバーも一部異なったりしている。


作品世界について

舞台は1998年を起点とする数年間の東京に設定されている(派生作品ではその限りではない)。コメディ的な展開(劇場版等を除く)ながらも、


  • (時にはレイバーそっちのけで進む)人間ドラマに重点を置いたストーリー
  • モノトーンなカラーリングや建設機械的なデザインのレイバーが、現実の東京に近い街並みの中に登場する
  • ソフトとハードの面から見たロボット、現場やメーカー同士の軋轢、整備班の存在等、レイバーの産業機械としての設定

などがリアリティを持って受け止められた。


作品世界におけるインターネットコンピューターの進化は現実における2000年前後とほぼ同様であるが、ロボットの進化と普及は現実世界よりも著しい。また、携帯電話の浸透が遅れているという設定があり、作品世界では2002年頃になってからようやく普及しはじめている。


社会的には日本はバブル期の延長線上にあるという設定なので非常に好況感があり、西ドイツソ連が存続し、冷戦が継続しているという設定になっている。また、現実では1990年代に多くが崩壊したコングロマリット(複合企業)が盛行している、現実では普及しなかったクリスマス休暇を実施する企業が多いなどの違いがある。


初期OVAや劇場版等を手掛けた押井守は、当初「ヒーローとして活躍するロボットやパイロット」では無くその裏方で四苦八苦する整備員を主役とした作品を作ろうとしていたらしい。流石に周囲に反対されて断念したそうだが、本作に登場する非常に個性的な整備員キャラにその名残が受け継がれている。


シリーズ


ロボットに乗るお巡りさん達が繰り広げるバラエティ豊かなエピソードが揃う一方、劇場版はいずれも他作品かと見紛うほどのシリアス路線。警察機構によるロボットの運用に際して起こり得る様々な事柄を題材としており、リアルロボットものとして必ずその名が挙がる作品。

初心者には、主人公が特車二課にやってくるところから始まる初期OVA・漫画・TVアニメシリーズがオススメである。


踊る大捜査線』に強く影響を与えており、同作の監督である本広克行は「パトレイバーは『踊る』の教科書です!」と語っている。

実際に類似点が随所に見られ、特にお台場閉鎖と橋の封鎖が重要な要素となった『THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』は、劇場版第2作の影響が強い。さらに『交渉人 真下正義』に至っては、犯人像が劇場版第1作のコピー&ペーストと言ってよく、システムハッキングにより東京全域を混乱させたばかりか、既に死人である上にシンボルがカラスと、何から何まで帆場英一とそっくりである。


原作について

本作の原作はテレビ版を中心に多くの作品で創作集団『ヘッドギアとクレジットされている。


旧OVA版ではゆうきまさみのみクレジットされている。これは、当時まだモノになるかもわからないローコスト・ハーフクールOVAという試みで、しかも次点の企画だった。このことから、企画を通すために“週刊少年サンデー”の人気作品の漫画家が原作であるという建前が必要であったためと思われる。

本企画はOVAでありながらスポンサーをつけて制作費の負担軽減を行う事になっており、そのためこのような建前が必要になったものと思われる。


この為、原作はコミック版だが、実質的にアニメ製作はこの段階でスタートしていた。この影響がモロに出ているのが主役機98式AVのデザインである。アニメ作品では旧OVA版が明らかに異質であるが、これが出渕が本来デザインしたもの。それに対し、コミック版はゆうきが手直ししたものになった。劇場版第1作及びテレビ版では、ゆうきの“原作”ありきの企画になったため、ゆうきデザインがほぼ取り入れられている。ちなみに、「イングラム」の命名もゆうきであり、旧OVA版にはこの呼称は使用されていない。


このような紆余曲折を経ているため、2000年代に入ってからは版権上の力関係が複雑になり、作品展開に少なからぬ混乱と停滞が生じた。


ちなみに

当時アニメはまだシネフィルム撮影の時代だったが、旧OVA版はローコスト・OVAとしてコストカットのため、日本のアニメ業界でデファクトスタンダードになっている富士フイルム製ではなく、コダック製フィルムを使用している。旧OVA版のいまいち彩度に欠ける発色はこのためである。なお劇場版およびテレビ版以降は富士フイルム製を使用している。

なお、BD版及び同時に発売された現DVD版はHDリマスターを行っているため、TV版以降同様に発色は良くなっている。


……にもかかわらず、皮肉にもついたスポンサーは富士フイルムだった。旧OVA版(VHS及びレーザーディスク)には当時の富士フイルム製カセットテープ『AXIA』のコマーシャルが入っていた。これはパトレイバーのアニメ作品でもあるのだが、残念ながらDVD版以降では削除されている。


なお、制作時期はまだソニーのVHS参入前だったが、既にコスト対効果の見込めないベータ版は計画されず、最後まで出なかった。


前述した通り同時期のバンダイビジュアルのOVA作品はパトレイバーが補完的候補で、実は本命がもう1作品あった。担当する監督も気鋭の庵野秀明。だが、サンデーでのコミック版連載の公表を受けて、本作が晴れ舞台へと出ることになった。

「他のロボットアニメには見られない緻密な背景描写やリアリティ、生活感」と行った点で共通しながら、輝かしい未来ありきの本作に対し、あの作品が暗く陰鬱な描写が多いのは、ここにあると見るのは穿ち過ぎだろうか?


キャラクター

警視庁警備部特科車両二課

泉野明第二小隊員。一号機フォワード(操縦担当)。
篠原遊馬第二小隊員。一号機バックアップ(指揮担当)。
後藤喜一第二小隊隊長。通称「後藤隊長」。
太田功第二小隊員。二号機フォワード(操縦担当)。
進士幹泰第二小隊員。二号機バックアップ(指揮担当)。後に後方支援(輸送車)に回る。
山崎ひろみ第二小隊員。後方支援担当。
香貫花・クランシー第二小隊員。進士に代わって二号機バックアップ(指揮担当)となる。
熊耳武緒第二小隊員。香貫花(漫画版では進士)の後任として、二号機バックアップ(指揮担当)となる。
南雲しのぶ第一小隊隊長。
榊清太郎整備班長。通称「おやっさん」。
シバシゲオ整備班員。通称「シゲさん」。

指揮担当者は現場において指揮車両を用いて警察用レイバーとペアで行動し、レイバー操縦担当者への周辺状況の情報提供(特に死角となる後部)や相手レイバーに対する行動の指示を行う。


シャフトエンタープライズ

内海「シャフト・エンタープライズ・ジャパン」企画7課課長。
黒崎内海の懐刀。
バドリナート・ハルチャンド愛称は「バド」。

その他

実山剛篠原重工八王子工場の工場長。
松井孝弘後藤隊長の知り合いの刑事。(CV:西村知道)
桜山桃子TVレポーター。(CV:林原めぐみ)

基本設定

人間が操縦する多足歩行型作業用ロボットの俗称。

一体で熟練労働者数十倍のマンパワーを得られる画期的な労働力であり、日本を始め世界各国で生産されている。ただし、そのサイズ、出力の強さに目を付けられ、作業現場から盗まれたレイバーが犯罪やテロ行為に使われること(※1)も多々あり、これに対応するために開発された警察用のレイバーが「パトレイバー」である。

作中で登場するレイバーは主に土木建築機械の延長線上として扱われ、法的には「特種車両」とされており、機体そのものも「各車」などと車両に準じて呼称される。原則的にレイバーには自動車のナンバープレートが取り付けられており、その操縦には操縦免許が必要となる。

現実の道交法と同様に無免許操縦や飲酒操縦に対しては行政処分や刑事罰が執行され、免許拒否や免許取り消しの対象となる。(これらもレイバー犯罪に含まれる)


(※1)現実世界においても盗難された工事用重機がATM破壊窃盗等の犯罪に使用される事件が多発したことがある。


  • バビロンプロジェクト

作中世界において1995年に発生した東京湾中部大地震の被害で大量に発生した瓦礫の処理と、過密化が進む首都圏の人口処理、近い将来高い確率で起こりうる地球温暖化による海面上昇によって東京都が水没する可能性に備えるという目的で、東京湾全体を干拓と埋め立てによって用地と巨大防波堤に変えるという一石三鳥を狙った国家的な巨大土木事業計画。

これによってレイバーが爆発的に普及したが、首都圏に国内の大半のレイバーが集中したことでレイバー犯罪が増加して社会問題と化す事態にまで発展。また、水産業へのダメージや環境破壊への懸念(※2)からプロジェクトに反発する声も多く、中にはプロジェクト阻止のためにテロ行為を行う「海の家」や「地球防衛軍」といった過激派エコテロリストも出現している。

総じて、本作の物語展開の根底にある設定である。


(※2)レイバーの出現こそないが、諫早湾干拓事業の預言的な創作品となってしまった。


レイバー犯罪に対応するために警視庁警備部内に設置された専門部署。正式名称は「特科(特殊)車両二課中隊」。

物語の中核となる組織であり、主人公達が勤務している部署でもある。


関連タグ

ゆうきまさみ 出渕裕 高田明美 伊藤和典      押井守

巨大ロボット パトレイバー レイバー イングラム アルフォンス グリフォン リボルバーカノン

特車二課 第一小隊 第二小隊 帆場暎一 HOS


オマケ

ハイパーテクノロジーの急速な発展とともに、あるゆる分野に進出した汎用人間型産業機械「レイバー」。しかしそれは、レイバー犯罪と呼ばれる新たな社会的脅威をも生み出す結果になった。続発するレイバー犯罪に、警視庁は本庁警備部内に特殊車両2課を新設、これに対抗した。通称、特車二課、パトロールレイバー中隊、パトレイバーの誕生である。


これが旧OVA版イントロダクション。The Next Generation -パトレイバー-では、これに続けて2013年の現状が付け加えられる。

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