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ビーストウォーズの編集履歴

2021-09-25 00:36:38 バージョン

ビーストウォーズ

びーすとうぉーず

『ビーストウォーズ』とは、『トランスフォーマー』シリーズの1作。

概要

カナダのメインフレーム社が制作したCGアニメ。

日本における正式名称は『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』である。


これまで乗り物(ビークル)に変形していたかつての『トランスフォーマー』シリーズとは違い、今回は動物へ姿を変えることが最大の特徴。そのため体格も歴代の戦士(兵士)たちに比べて小柄な者が多い。また、掛け声も「トランスフォーム!」ではなく「変身!」となっている(原語版では陣営によって掛け声が異なる:後述)。


それ以外の特徴として、

  • それまでのシリーズと比べ登場キャラクターが非常に少ない(メンバーの入れ替わりはあるものの、両軍の総人数が10人を越えたことはない)。
  • 人間のキャラクターが登場しない(人間の先祖となる猿人は終盤に少しだけ登場している)。

などがある。結果として各々のキャラクターがより深く掘り下げられ、キャラ人気の面においても根強い作品となった。これらの傾向は和製作品である『ビーストウォーズⅡ』『ビーストウォーズネオ』にも受け継がれている。


原語版は『BEAST WARS: TRANSFORMERS』というタイトルで、G1シリーズやアメコミ版の設定を取り入れた複雑な裏設定を持ち、おふざけ気味な日本版とは異なり難解かつシリアスなストーリーをとなっている。また、本作は後にG1と地続きの世界であることが判明する。


声優について

会話が少なく、独り言すら発することなく進むカットが多かった。これに対して日本では初代のトランスフォーマーでも行われていたが、台詞の大幅な追加が行われていた。

特に『ビーストウォーズ』の翻訳版では音響監督岩浪美和により、独特の語尾や方言、ちびっこにはわからない細かいネタを挿入するなどの手法で原作での無声カットでも矢継早にセリフを挟むという大幅な脚色が加えられた。

さらに声優たちによるアドリブの嵐が吹き荒れる凄まじいコメディ作品となった。これは後に声優無法地帯として語り継がれるようになるが、同時に岩波が脚色した部分まで全て声優のアドリブと勘違いされるという、監督泣かせな現象が起きている。

岩波曰く、「あれは全てアドリブなんですか?」と聞かれたことがあるそうだが、「そんなわけねーだろ!」と返せるくらいには岩波自身のテイストもかなり入っていることを忘れてはいけない


そもそも実際の現場は無法地帯などではなく、非常にレベルの高いものを求められた。特に「テストで受けなかったからといって本番で台本から変えた台詞を引っ込めて元の台本に戻ってはいけない」という暗黙のルールはそれなりに知られている。

これはスタッフから「台本の台詞の多くは翻訳家のアンゼたかしさんが考えて作ったもので、それを変えてウケなかったからと戻したら翻訳家さんに失礼となる」という、冷静に考えれば当然のことな話であった。よってビーストウォーズの現場は続編の収録が決まった際は「嬉しいけどまたビーストが帰ってくるのか…」と期待と緊張感が入り混じっていたという。

高木渉はこの現場における経験から多くを学び、アドリブへの意識の高さが身に沁みたとしばしば語っており、「あくまでアドリブは雰囲気作りや間をもたせるためのものであり、できればアドリブなどやらないほうが良い」「周りに迷惑をかけるアドリブはいかがなものか」と語っている。


こういった脚色は先の初代も同じく、「日本人は無言のシーンを無駄と捉えて嫌う」という国特有の傾向があるためである。海外の映像作品では逆に独特の間を多く挿入しているが、それを減らすためナレーションの挿入やキャラクターの台詞をより増やす措置を行ってきた。

しかも本作の場合、原語版はそれらも含めて暗いシーンが多いことから、あえて翻訳を無視した台詞を挟むことで雰囲気を暗くしすぎないことも多かった。


とはいえ初代『ビーストウォーズ』はこれでもアドリブはかなり控えめで、岩波の脚色やアドリブの許容も一部のキャラクターに留めていた。大きく脚色され始めたのは後半からで、序盤はあまりふざけなかったキャラクターにもおふざけシーンを増量するようになった。


先の通り全てがアドリブと勘違いされがちだが、多くの台詞はアンザたかしによる翻訳台本に、岩波が脚色を付けたものである。加えてシリアスなシーンでのおふざけは殆どなく、このギャグとシリアスの配分もまた成功要因になっていると言える。

あの千葉繁ですら、何かと話のオチこそ付けるものの、シリアスシーンの山場等ではシリーズを通して原則ふざけていない(本人も明言している)。特に緊迫したシーンのビーストメガトロンの場面等では、その背筋の凍るような冷酷さを演じきっている。


何げに参加声優は当時の目線としてはゴールドメンバー、現在目線で言えばスターチームとも言える程、凄まじく豪華な声優陣を取り揃えている。一方で、声優業界に馴染みの薄いメンバーを起用する大胆なキャスティングが行われている。特に初代はそれが顕著で、


  • 当時はまだセクシーアイドルとして売り出していた柚木涼香をバイト感覚で起用(当時は別名義)
  • 芸能界では確固たる地位と築くも、吹き替えでの知名度は薄かった加藤賢崇
  • 俳優として活動を始めたばかりである新進気鋭の遠藤雅

の三名が番組において好演。特に柚木は先の通りバイトのような気持ちで参加したが、その後声優業界に転身することを余儀なくされる程のインパクトを残していった(本人曰く「アイドルとしての道を絶たれた」)。


そして岩波がキャスティングの肝として用意したのが、チームの中でも芸歴の長い千葉繁だった。千葉は岩波から「シロアリになってください=本家の雰囲気を少しずつ食い荒らして欲しい」と指示を受けたとされている。


原語版のイメージを一変させたこの手法にG1シリーズや原語版のファンから批判も多かったが、この変更のおかげか玩具は飛ぶように売れ、一躍人気作品となった。これはタカラにとって良くも悪くも大きな成功体験となっている。これは言うまでもなく脚色を担当した岩浪美和の功績が大きかったがこれと言って特別な報酬はなく、思わず岩浪は「1億くれ」と酒の席で口を滑らせた。なお、当のタカラからは冗談と思われて笑って流されてしまったという。その後、岩波は「昔からのファンの方々には本当に申し訳ない」としつつも「それでもビーストのおかげでTFシリーズを続けることができた」と弁解している。


人気について

この成功の勢いは凄まじく、当時はまだ大人のアニメ視聴=オタク趣味という認識が根強い中で、アニメファンでない視聴者が非常に多く、本来コアなマニア受けとされたトランスフォーマーの地位そのものを向上させた。


有名な俳優の萩原聖人もこの作品を見ていたとされており、高木渉曰く冬のソナタの吹き替え版収録時、スケジュールの都合で萩原と高木の収録は別撮りになった。これを知った萩原は「高木渉さんってビーストに出ている人でしょ?会いたかった~」と漏らしていたと、他の声優に教えられたという。

また、当時の声優界では今以上に特別な目で見られていた田中敦子も、本作のファンだと語っていた。それを耳にした岩波が「これは出てもらわなくては」と最終作でオファーが行くことになった。

これ以外にも仕事に疲れたOLがこの番組を見て元気を貰っていた、などという話もあり、その人気はトランスフォーマーやアニメオタクという枠組みに収まらないものになっていた。


この成功を受けて、後の作品において岩浪美和がTFを担当した際には、同役でビースト時代の声優を起用したり、当時のネタを再現する機会が増えた。特に3Dアニメの『トランスフォーマープライム』でも、本作に出演していた声優が似たような役柄に転じて起用という形で参加しており、かつて演じていたキャラの口癖などをリスペクト。

メイン登場人物達にもこの波は訪れており、チータス役の高木渉は、劇中で豊臣秀吉のモノマネをした結果、後に大河ドラマで『豊臣秀吉配下の武将』として参戦した事で、ビーストウォーズ系参加イベントでは大河ネタが好評。ブラックウィドー役の柚木涼香は前述の通り、声優業界に(ほぼ強制)転身。

シリーズ三十年記念としてコンボイの変形フィギュアがグレードアップバージョンが作成されるなど、未だに伝説を作り続けている。


そして日本では令和となった2022年。新型コロナウイルスで全世界が大混乱となっている時期に、ビーストウォーズは新たな伝説を作る。


実写化である



続編・シリーズ

海外ではシーズン2・3まで製作・放映され、更に『Beast Machines(ビーストマシーンズ)』という続編まで作られた。これらは日本において『メタルス』と『リターンズ』と題され放映されている。また、日本独自の和製シリーズとして『ビーストウォーズⅡ』や『ビーストウォーズネオ』も制作された。


海外では前日談として『Dawn of Future's Past』とその直前の『Theft of the Golden Disk』が描かれ、日本では『リターンズ』の後日談として『ビーストウォーズリボーン』が、海外では『トランスフォーマーユニバース』が展開された。


あらすじ

サイバトロンとデストロン、そしてユニクロンの三つ巴の戦争が終結して数百年後の未来、セイバートロン星では両者が共存し平和と繁栄の時代を築いていた。

しかし、サイバトロンが極秘に保管していたエネルゴンの源泉が記録されているゴールデンディスクを、初代メガトロンの後継者を自称するメガトロン(ビーストメガトロン)率いる一軍が強奪。エネルゴンを狙い外宇宙へと逃亡してしまう。


唯一彼らに追いつくことができたサイバトロンの探査船「アクサロン」艦長コンボイ(ビーストコンボイ)は彼らの戦艦を追跡し、ついには両艦ともに「惑星エネルゴア」に不時着。エネルゴンの影響で変身を余儀なくされた両陣営は、惑星の生物の遺伝子情報をスキャンし、動物へ変身する「ビースト戦士」となる。


登場キャラクター

サイバトロン

正義のトランスフォーマーの軍団。名前こそ同じだが、実際はG1のサイバトロン(オートボット)とは別組織で、哺乳類鳥類に変身する者が多い。原語版ではマクシマルズ(Maximals)という名称で、変身コードは「マキシマイズ!」。


ビーストコンボイ(CV:子安武人

ゴリラに変身するサイバトロンの指揮官。本編の主人公。イボンコ


ライノックス(CV:中村大樹

サイに変身する戦士。心優しい副指揮官。口癖は「~ダナ」。


ラットル(CV:山口勝平

ネズミに変身する戦士。チームのムードメーカー。一言多いお喋りキャラ。


チータス(CV:高木渉

チーターに変身する戦士。口癖は「~じゃん」。校長先生


ダイノボット(CV:藤原啓治

ヴェロキラプトル恐竜)に変身する戦士。元・デストロン。ダーダー恐竜。


タイガトロン(CV:遠近孝一

ホワイトタイガーに変身する戦士。サムライっぽい口調で話す。


エアラザー(CV:岩永哲哉

に変身する戦士。日本語版では男性だが、原語版および漫画版では女性。


デストロン

悪のトランスフォーマーの軍団。こちらも初代TFのデストロン(ディセプティコン)とは別組織で、主に虫や恐竜に変身する者が多い。原語版ではプレダコンズ(Predacons)という名称で、変身コードは「テラライズ!」。


ビーストメガトロン(CV:千葉繁

ティラノサウルス(恐竜)に変身する本作の破壊大帝。コミカルなアドリブの量が圧倒的だが、策略家っぷりと冷徹さも圧倒的。通称・千葉トロン


スコルポス(CV:遠藤雅)

サソリに変身する戦士。初代副官。おつむが弱いヤンキー気質。


テラザウラー(CV:飛田展男

プテラノドン(恐竜)に変身する戦士。ニューリーダー病。カァーと鳴く。


タランス(CV:長島雄一

クモに変身する戦士。マッドサイエンティストな変態キャラ。ウヒャヒャと笑う。


ワスピーター(CV:加藤賢崇

ハチに変身する戦士。マイペースな癒し系。口癖は「ぶ~ん」。


ブラックウィドー(CV:永椎あゆみ

クモに変身する女性戦士。本作では終始悪役。口癖は「シャー!」


インフェルノ(CV:三木眞一郎

アリに変身する戦士。メガトロンに絶大な忠誠心を持つ。口癖は「ごっつんこ」。


その他

スタースクリーム(CV:矢尾一樹

…旧デストロン航空参謀。スパークのみの存在となり、長い時を経てエネルゴアに漂着。

 ワスピーターに乗り移り、あいかわらずのニューリーダー病を発症させる。


ナビ子ちゃん(CV:柚木涼香

…日本版のオリジナルキャラクター。デストロン陣営のサポートプログラムである。音声だけの出演なので実体はない。やたらとハイテンションで気まぐれな女の子であり、デストロンの癒し担当として全員から愛されている。


漫画版

コミックボンボン』にて連載されたのは「セカンド」「ネオ」「メタルス」の3作品。作者は『プラモウォーズ』を描いた今木商事。「無印」は連載ではなく特集ページ内のみだったが、こちらは緒方信。


ストーリーの根幹はアニメに沿っているが、キャラクターの設定や話の展開はオリジナル。また、月刊誌連載故に登場しないキャラやゲスト扱いされているキャラも多い。


サイバトロンのメンバーは誰かしらビーストモードをデフォルメ化されている(『セカンド』はタスマニアキッドとビッグホーン、『ネオ』はスタンピー、『メタルス』はラットル)。特にタスマニアキッドはかわいいと女性読者の人気を掴んでいた。


関連イラスト

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関連タグ

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