概要
愛乃めぐみ(キュアラブリー)と相楽誠司は、同じマンションの隣同士に住んでいる幼馴染同士。本作は1年をかけて二人の恋の進展を描く物語という側面があり、1話、3話、36話、44話、47話、49話と誠めぐの重要な設定及び展開はシリーズ構成の成田良美が担当している。更に誠司が空手を始めたきっかけの話である17話「努力と根性!!めぐみと誠司の絆!!」の脚本を担当した小山真に成田が誠司の言動にたくさん注文していたのが『ハピネスチャージプリキュア オフィシャルコンプリートブック』 で明かされている。
つまり誠めぐはプリキュアシリーズでは珍しい「メイン主人公の恋愛が公式にウェイトを占めているカップリング」である。
二人の関係性
朝日放送の紹介ページによれば、母親同士が仲良しだったため小さな頃から交流があり、二人はお互いに長所も短所も分かり合っている最大の理解者である。序盤の頃はひめがめぐみに「実は誠司とつきあってるんじゃないの?」と探りを入れることがよくあったが、そのたびにめぐみは「私と誠司はきょうだいみたいな関係であって、恋人なんかじゃない」とはっきりと否定していた。ゆえに3話では愛乃家で誠めぐが仲良く皿洗いするなど、プリキュア男女カプでは珍しい生活感が漂うCPである。
めぐみと誠司の関係は、表面的には「誠司がドジなめぐみの世話を焼いている」という形で描かれている。プリキュアであることを隠そうとしていためぐみの様子がおかしい事にすぐ気づき、プリキュアだとわかってからは誠司がサポート役に回ろうとするなど、誠司は自分がめぐみの面倒をみなくちゃいけないということにある種の責任感を持っている。めぐみ自身も誠司を頼りになる存在だと公言しており、誠司はめぐみが正義感で突っ走りすぎる面を長所だと認めながらも注意するなど、良い関係性が垣間見られる。
しかし、誠司が空手をするきっかけになったのは、めぐみの人助けのために一生懸命頑張る姿を見て自分も頑張ろうと励みになったからである。誠司はめぐみが傍にいてくれるだけで助けられていると感じている。つまり実際は互いが互いを支えあっている対等な関係なのである。
更に「誰かのために動く主人公と主人公を支える幼馴染」という観点でいうと、めぐみと誠司の関係は、夢原のぞみと夏木りん、相田マナと菱川六花の関係に似ている。
他者とのコミュニケーション能力が高く、人付き合いの手を抜くことはないめぐみだが、誠司に対してだけはかなりユルく適当な対応をとることがある。更にめぐみは人の長所ばかり指摘する事が多いが、3話で愛乃家での夕御飯でガツガツ食べる誠司を見て「食い意地が張っているだけだよ」と誠司に対してのみツッコミを入れる。逆説的ではあるが、相手を「意識しなくてすむ」こと自体が、めぐみにとって誠司が特別な存在であることを示している。また他人に気配りが出来る誠司ではあるが、44話で誠めぐがスケート場に出かけた時に上手く滑れないめぐみを横に誠司が「おっ先~」と彼女の手を貸さずにスイスイ滑るなど誠司もめぐみに雑に接する所があり、誠司が唯一遠慮なく接する事が出来る相手はめぐみだけである。
13話では特に誠めぐの絡みはないが、フォーチュンの「キュアラブリー、いくわよ!」の共闘の合図に対し、ラブリーが「オッス!」と答えるなど自然とめぐみが誠司に影響されているのが垣間見れた。更に35話では誠司は登場してないが、ゆうこが皆で作りたてのハニーキャンディに愛を込めるよう勧めた時にめぐみが「オッス!」と返事して張り切るなどその話でもごぐ普通にその言葉を使っていた。
めぐみから見た誠司
- 「きょうだいみたいなもの」
めぐみが誠司を異性として見てないということではあるが、これは誠司を軽視しているわけでは決してない。めぐみにとって誠司がそばにいることは当たり前のことであり、逆に言えば誠司がそばにいる環境こそめぐみが生活できる場所である。いわば、めぐみにとって誠司は自分の半身のような存在なのだ。めぐみにとって恋人というのは「とても大切に思える他人」である。だが、めぐみは誠司を自分と同一視しているのであり、ゆえに誠司を恋愛対象と考えられなかったわけだ。めぐみの母は病弱であるがゆえにそれを支えないといけないという使命感がめぐみにはあり、父は人助けそのものを職業にした立派な人物だがそれゆえに家に不在がちである。めぐみにとって家族とは敬愛すべき存在であるが自分と同列の位置にはない。そんな中で、めぐみは誠司だけは本当の意味で自分と同じ目線の人物として信頼している。
一方、誠司は明確にめぐみに恋心を抱いているがそれをめぐみに隠し続けている。この二人の認識の差がシリーズの後半になるとさまざまなきしみを生むことになってしまった(後述)。
- 「誠司への思い」
27話では、誠司のめぐみへの秘めた恋心をナマケルダが利用し、誠司がサイアークにされる。誠司を元に戻すようにと要求するラブリーに、「あなたこそがこの少年の恋のお相手でしたか」とナマケルダは返す。それに対しラブリーは「恋とか…愛とか…分からないけど、私は誠司のことが大切なの!」と毅然とした態度で誠司への想いを告げ、サイアークに突進した。戦いの後、元に戻った誠司にめぐみが真っ先に駆け寄って心配するなどめぐみにとって誠司は大きな存在であるのが垣間見れた。
ゆうこが誠司の身を案じるめぐみの姿を見てこれからもふたりは家族のように仲良しと評していたが、その表現通り「お帰り」「オッス…」とハイタッチしながら誠司を迎えためぐみの様子から、誠司の帰る場所はめぐみであることがよく現れていた。
この話の終盤では誠めぐは仲良く笑い合うなど、ほのぼのとした暖かい雰囲気で包まれていた。誠司とめぐみは、自然と微笑み合う事が出来るぐらい心が安らぎお互いを支え合える素敵な関係であることが27話で明確に描かれていた。なお、この話では誠司もめぐみもお互いを大切と明言している。
めぐみは誠司にだけは誰にも見せない弱音を見せることもある。29話で夜にめぐみは誠司にキュアラインをかけ、「みんなが幸せになるって難しいね。私、ブルーにもいおなちゃんにも幸せになってほしい。どうすればいいか全然分からないよ」っと悩みを打ち明けた。めぐみの相談に対し、誠司は「いつもみたいにその気持ちをそのまま伝えればいい」とアドバイスし悩みをいつでも受け入れる優しさを見せた。
- 「めぐみの思考」
めぐみは基本的にポジティブ思考だが(『アニメージュハピネスチャージプリキュア増刊号』のインタビューで長峯達也シリーズディレクターは「ラブリーはどこかメサイアコンプレックスなところがあって「何かをしてあげないと自分を好きになってもらえない」みたいな部分があったんでしょうね」と自身のめぐみ像の見解を出している。
おそらくめぐみはネガティブな気持ちを出さずにいつもポジティブでいないと人に好かれないという恐怖心があり、不安な時でも自身の感情を見つめないようにしていると思われる。44話でめぐみと付き合いが長いゆうこが「めぐみちゃんはいつも笑顔で平気な振りをするのが上手だから」と指摘し、めぐみが人前で無理をしてしまう所があるのを見抜いている。めぐみ役の中島愛も「めぐみは自分のつらさとか苦しさとか、ネガティブな感情を怖がっている」「めぐみはとにかく、ずっといい子であろう、いい子でありたいと思ってきた子でもあるでしょう」と『ハピネスチャージプリキュア オフィシャルコンプリートブック』 のインタビューでコメントしている。)、誠司の前では弱音を吐くぐらい心許しているのが描写された。
更に33話でもめぐみが深大寺まみのロケットの実験の手伝いが上手くいかずに自宅のベランダで落ち込んでいるとタイミング良く誠司が彼の自宅のベランダに出て来てめぐみがそこで「わたしが思っていたより、人助けってずっと難しいんだね。少しでも役に立ちたいのに、わたしはな~んにもできなくってさ」と悩みを打ち明けると誠司が「応援してくれる人がいるだけでも意外と力になるもんだろ?」と励まし、その彼の言葉がきっかけでめぐみは気持ちを切り替えまみに自分が作ったクッキーを差し入れするという自分なりの方法で助けようと前向きな行動を移す事が出来た。
おそらくめぐみが過去に誠司を応援してくれたのが嬉しかったから、誠司の口からこの言葉が出たのだと思われる(17話ではめぐみがひめに「それにね、誠司って今まで本当に空手を頑張ってきたんだよ。ひめもきっとあの姿を見たら応援したくなると思うな」と言うなど、ずっと頑張って来た誠司をめぐみが応援していたのを物語る発言をしている。)改めて誠めぐはお互いを助け合う事が出来るいい関係であるのが描かれた。 またアニメージュ1月号の山本匠馬と井上和彦の対談で、両氏は33話のベランダ越しで誠司がめぐみを励ますシーンは少女マンガみたいであるとコメントした。
- 「言葉」
31話でファントムと彼を看病しているゆうこの話を聞いている時に、ゆうこの「あの子」発言にめぐみと誠司が「あの子」が誰なのか感づきゆうこの心情について気にしていたが、このシーンから誠めぐは共通の思い出があるぐらい幼馴染として長い付き合いであるのが改めて描かれた。
36話では、めぐみにとって最も身近な「助けを必要としている人」の代表だった母が、自分を全く不幸だとは考えていなかったことがわかり、「自分が別に頑張らなくても、みんなは勝手に幸せを見つけて前へ進んでいける」という真実を悟ることになる。人助けへの自信を失いかけためぐみに、誠司は「お前はちゃんと大勢の人を助けてきた、落ち込むなんてお前らしくない」「それにプリキュアとして今でもサイアークにされた大勢の人を助けられているじゃないか。悩む必要なんてない」と今までのようにただ誰かを助けるために突っ走ればいいといつものように激励した。
めぐみはその言葉に元気を取り戻し、母のことはともかく、今でもブルースカイ王国を取り戻すというひめの願いを叶えてあげなくてはいけないし「自分が助けるべき、困っている人」はいくらでもいると再認識し、再び立ち上がった。
しかし、本当にめぐみを元気づけさせたのは悩み苦しむことを肯定したブルーの言葉であった(ブルめぐの36話記述を参照)。誠司はめぐみが自分で信じている「自分らしさ」を励まし支えることはできるが、何よりもめぐみが落ち込む姿を見ることは耐えられないということが改めて強調された。
誠司から見ためぐみ
- 「恋愛感情」
誠司はめぐみとのやりとりがあるかめぐみの傍にいるかめぐみ絡みのネタ(ひめに空手を始めたきっかけはめぐみであると伝える、無人駅でひめにめぐみの事でからかわれる)でないと本編に登場しない事が多い。いおながハピプリオールスターズに加入前の19話では話の流れから誠司がめぐみひめゆうこいおな4人にサッカー大会の代役を頼んだのは明らかだか、誠司がキュアラインでめぐみに頼む映像のみ放送された。
誠司もまた、めぐみのことを「きょうだいみたいなもので、恋愛感情はない」と周囲に語っているが、これは実は方便である。誠司はめぐみのことを異性として見ており、明確に恋愛感情を抱いている。しかし、それをめぐみにはバレないようにひたすら隠し続けている。本心を秘密にしていることは視聴者に対しても同じで、東映アニメーションの紹介ページで「今は恋愛に興味はない」とわざわざ触れられていた。
とはいえ、放送前から公式で「本作では淡い恋愛模様も描いていく」とPRされているため、幾人かのキャラクター同士の恋愛要素が持ち込まれることは確定しており、OPではブルーに頬を染めるめぐみの隣でブルーを怪訝そうに見るなど色々フラグのようなものが感じられる為、本作の恋愛模様に絡んでいくキャラクターの有力候補とされていたことも確かである。
そしていざ放送が始まってみると二人の仲の良さや強い絆は作中で色濃く描き続けられたものの、物語前半の頃は上述のような「きょうだい」のような身近な関係としての演出が徹底されており、恋愛感情を想起させるシーンはほぼ見られなかった。ただ、18話でウェディングドレスの話をしている時に誠司がめぐみを注視しているなど、誠司の方はめぐみに異性として意識しているのが窺えた。
誠司がめぐみに恋愛感情を抱いていることが発覚したのは24話から26話にかけて描かれた海合宿のことである。熱で倒れためぐみをブルーがお姫様抱っこして部屋まで送っていく所を目撃した誠司は複雑そうな表情を浮かべ、続く25話では風邪で寝込んでいるめぐみの心配ばかりしていたため、氷川いおなにからかわれている。
その25話で誠司は石神りんからの告白を断り、そのりんから「誰か好きな人がいるの?」と問われた時、誠司はそれを否定しなかった。その一部始終をこっそり覗いていたひめはゆうこに「誠司の好きな人って誰?」と尋ねた所、ゆうこから帰ってきた返事は「そんなのめぐみちゃんに決まってるじゃない」。前々から二人の関係を疑っていたひめはゆうこの言葉を聞いて「やっぱり~!?」と仰天しつつも納得。いおなもその事には既に勘付いていたようで、気付いていないのはめぐみだけである。また、めぐみと誠司の幼馴染であるゆうこは二人を一歩引いた所から見守りつつ誠司の恋を応援していくスタンスをとっている。後にひめといおなも誠めぐの仲を見守るようになる。
その後に公開された『映画 ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ』の劇場版公式サイトの誠司の紹介文では「実はめぐみに好意を寄せている。」とはっきり明記されている。以後、プリキュア新聞や人形の国のバレリーナのパンフレット内の「増子美代 プリキュアウィークリーとくべつ編」やアニメージュでも必ず誠司はめぐみの事が好きと紹介されるようになる。
- 「芽生え」
めぐみもこの海合宿をきっかけに、恋心が少しずつ芽生えてきた。ただし、その相手は誠司ではなくブルーである。(ブルめぐも参照)。しかし、そのブルーはクイーンミラージュのことを本心では今でも思っており、29話でブルーが自分とミラージュの過去を明かした時にめぐみは複雑そうな表情を浮かべて俯いていた。そして、誠司はそんなめぐみを見て同様に俯いていた。
一方、その誠司も25話で石神りんに告白されたり、26話でひめが誠司に恋心を抱いてしまうというドタバタ劇も巻き起こり(ただし、これはひめの勘違いという結論に落ち着いた)、誠司も「今は恋愛に興味はない」などといったポーズをいつまでも続けていられる状況ではなくなりつつある。ちなみに現時点ではりんとひめが誠司に好意を寄せていた事にめぐみのみ気付いていない。
24話~26話の海合宿回の流れで、本作の恋愛要素とはシンプルなカップリング描写ではなく、3人以上の多角関係を持ち込んだものであることが発覚し、恋愛描写さえ避けがちなプリキュアシリーズでは前代未聞だと少なからずの視聴者に衝撃を与えた。
また、27話でのゆうこの解釈では「誠司は大好きなめぐみの幸せを望むからこそ、めぐみが自分以外を好きになったならそれを温かく見守るだろう」と推測しており、二人の関係がこのままの状態を持続させるなら、明確な恋愛として進展するかどうかは何とも言えないと考えているようだ。
実際、同話において、誠司はめぐみの幸せのためならめぐみとブルーが恋愛関係になっても構わない程に彼女の気持ちを深く考えているのが描写されている。だが当のブルーは「神である自分は万人を等しく愛するという使命があるため、"他の誰よりも大切なパートナー"を選ぶことは決してしない」という強い意志を持っていることが同話で明らかになる。ブルーは自分の恋敵になる気もないことに対して、「それじゃ、めぐみがかわいそうだ」と嘆いている。
この時誠司はブルーを責めるような強い口調で話しているが、めぐみのためにブルーは恋愛対象でないめぐみと付き合えというのも無茶振りである。普段の相手の気持ちになって考え、周囲に気配りのできる誠司からすると意外に思える。プリキュアラジオ36回で誠司役の金本がゲストに呼ばれたが、番組中印象に残っている回の質問で金本は誠司がブルーのめぐみへの気持ちを一生懸命確認したこの27話を挙げ、普段人に気を使ってばかりの大人の誠司が自分の気持ちを思いっきりぶつけた珍しいシーンなので印象に残っていると感想を述べた。
またこの時誠司はブルーに「俺は、めぐみの事を家族と同じくらい大切に思っている」と発言し、わざわざ「家族」と別個にして「めぐみ」と誠司は分けている。序盤ではめぐみの「きょうだいみたいなもの」発言に同意していた誠司ではあるが、27話時点でついにめぐみは家族とは違う大切な存在だと誠司は自覚したのである。
同話で自分に「恋をするのは面倒だ」「恋などするべきではない」と言ってきたナマケルダに対し、誠司は「恋愛するかは自分で決める」と返答し、恋の苦労を承知の上で恋愛を否定しない考えを見せた。彼はめぐみが自分以外の誰かを好きになれば自分は身を退く覚悟を持つが、自分がめぐみを好きだという気持ちを捨てないというのを最後の意地として持ち続けていることがはっきりと描かれた。
誠司がめぐみへの恋心を露にしてから、めぐみに頬を染めたり(36話、44話、45話、劇場版)誠司視点のめぐみの背景がキラキラするようになる。
上述のように誠司は自分の気持ちをめぐみに気付かれることを徹底して避けている。めぐみは常々「誠司は恋人なんかじゃないよ」と言っているんだから、これで自分の気持ちが気付かれたら今の「気兼ねなく一緒に入れる関係」が壊れてしまうわけで、それをとても恐れている側面が強い。
- 「心の動き」
だが、それでは「めぐみが自分に恋してくれる」ような奇跡が起きない限りは、誠司は絶対にめぐみと恋人にはなれない。ならば、いっそめぐみが別の男性と幸せなカップルになってくれたなら諦めもつくと無理して気取って恋に無関心なそぶりをしているというのが現状なわけだ。ただ、めぐみが惹かれているブルーはめぐみを恋愛対象にはできないわけで、ならば自分はめぐみの幸せのためにどう動けばいいのかと苦悩を続ける事になる。
なお、めぐみ以外の仲間たちには誠司の本心はわりとバレバレである。しかし、仲間たちは誠司の気持ちを汲んで、「誠司はめぐみを好きかも知れない」ということをめぐみにバラすことをタブーとして避けている。ただ、めぐみでなくて誠司に対して指摘することには躊躇はしていない。
26話で足をくじいたひめを誠司が負ぶった際、ひめに「あんたの大好きなめぐみには黙っといてあげる」とからかわれた時は「俺がめぐみを!?なんで!?バカ言ってんなよ!」と赤面しながら否定していたが、いつもの誠司らしからぬ動揺の表情も見せている。冒頭でも誠司が寝ているめぐみを盗み見している所をひめがからかっていた。37話ではハロウィン祭りでまたブルーとめぐみが二人でいるのを誠司が見てしまい、誠司は再び心を曇らせることに。
その時にひめから「いいの??このままじゃめぐみ、神様に取られちゃうよ」と直球な質問をし、それに対し誠司は「よくねえよ」と返答し、めぐみに好意があるのを初めて他人の前で素直に認めた。だが同時に、「めぐみの気持ちは取るとか取られるとかじゃないからな」として、自分の気持ちよりもめぐみの気持ちの方が大切だという確固とした覚悟を告げた。誠司は自分の恋の行方を心配してくれたひめにお礼を言う。お礼を言われた後、ひめはゆうこといおなの元へ行き、三人で誠司とめぐみとブルーの複雑な恋模様について話した。
(ただしこの時にひめは「実際はブルーがめぐみを”取ってくれる”事は決してない」という事までは理解の範疇が及んでないようで、誠司の「めぐみの気持ちは取るとか取られるとかじゃない」の言葉の真意を掴み損ねているようでもあった)
恋愛カップリングとしての誠めぐ
上述のように、誠司は自分の恋心がめぐみにバレるのを絶対の秘密にしている。このため、めぐみが誠司の気持ちに気づくきっかけがないと二人の恋愛関係はまず発展はできないと見られている。(これは去年の生徒会長とジコチュー娘が誠司に強引になるように囁くネタのイラスト。)
しかし、ひめがたびたび指摘しているように、何も知らない人が誠司とめぐみの二人を見ていると仲の良いカップルにしか見えないようなシーンもたびたび出てきている。32話ではいおなと裕哉の動物園デートにめぐみとひめとゆうこと誠司もついていくが、動物園でめぐみが「お~いたいた~! 触りた~い! 誠司、早く早く!」と真っ先に誠司を呼んではしゃぎ誠司は「ったくめぐみのやつ! いつもこれだ!」とめぐみの事を熟知しめぐみの行動に慣れている台詞を言うなど仲良さげな様子を見せ、まるで誠めぐもデートしているような雰囲気であった。
36話ではめぐみがブルーに抱きつく場面を誠司が目撃して切ない想いをする終わり方になった。しかしそれ以外のシーンをフィルターを掛けて見ると誕生日パーティーで普通にかおりの隣りに誠司がいるというまるで義理の息子扱い、屋敷に大勢の人が集まる中で正装した誠司とドレス姿のめぐみ、人によっては誠めぐの結婚式の披露宴に見えたかもしれない(もっとも実際の結婚に辿りつくためには、まだまだ解決しないといけない問題があるのでこれからの誠めぐの動向に目が離せない。)ちなみに同話でドレス姿のめぐみに頬を染めて見とれている誠司のシーンが壁紙として配信されているので誠めぐファンは手に入れるといいかもしれない。
37話ではまたブルーとめぐみが親密な雰囲気になり、誠司は辛い思いをしていたがそれを出さずに普通に恋敵のブルーに話しかけたりしていた。また、ゆうこがめぐみに誠司がどこにいるのか聞いた際、誠司はハロウィン祭りで「ちびっこ仮装パレード」の隊長をしているから別行動していると説明するなどめぐみは誠司のスケジュールを熟知していた。半分にして分け合うと幸せになれるカップケーキを誠司が「ケーキ食べたか?」とめぐみに差し出しめぐみはそのケーキを食べながら「昔は半分でも多かったのに今はペロリだよね~」と話し二人で仲睦まじく笑いながらごく普通にカップケーキを半分こしていた。長い間当たり前のようにごく自然に誠司とめぐみはカップケーキを分け合って食べ続けたのが分かった話であった。
ちなみに毎年めぐみとカボチャのカップケーキを半分分けて食べていると言った誠司にブルーが「二人でずっと幸せを2倍にも3倍にもしてほしいと願っているよ」と誠めぐ二人の幸せを願うなど誠司を応援しているスタンスを取った。
40話は何気ない毎日の日常を尊ぶ話だったが、教室内で誠司がめぐみと向かい合ってめぐみに勉強を教えている誠めぐの仲良さげな日常のシーンが放送された。久しぶりに誠司が幸せそうであった。
41話ではついに世界中の人々がサイアークにされる異常状態になりプリキュア達とブルーが幻影帝国へ乗り込み戦う事に。その際に誠司がめぐみにのみキュアラインをかけ「気を付けろよめぐみ、無茶すんなよな」とこれから戦いに挑むめぐみの身を案じた。自分の事を心配してくれた彼にめぐみは「うん大丈夫私にはみんながいるから」と凛々しく答え平気であると主張し、ひめ達もめぐみの言動に同意した。周りに囲まれているめぐみの姿に誠司が安堵し微笑んだ。誠司はめぐみ達を送り出し、彼女達の無事を信じて帰りを待つ事になった。
34話のOPが2014年10月11日公開の人形の国のバレリーナの映画バージョンになったが、その回で誠めぐのダンスシーンが流れた。髪をアップし肩まる出しのドレスを来ていつもより華やかになっためぐみがキラキラした瞳で誠司を見つめて誠司の腕を両腕で挟んで彼をダンスに誘い、踊っている最中も楽しそうな笑顔でめぐみが誠司を見つめそれに対し誠司は赤面しながらめぐみから視線をそらし続けてたじたじになるという、完全に誠司がめぐみを異性として意識しているシーンが放送された。
35話の映画予告では、台詞付きの誠めぐのダンスシーンが流れた。「誠司踊ろっ!」「あっ、えっとその…」「ほらっ」「うわああっ!」と無自覚なめぐみが誠司を振り回すという可愛いやりとりを聞く事が出来た。
映画は予告のダンス以外でも誠司のめぐみへの好意が現れているシーンが所々にあるので、誠めぐファンはぜひ劇場で。また映画のつむぎとめぐみの友情のテーマは44話以降の誠めぐのテーマに通じるので合わせてみるといいかもしれない。またプリキュアのLINEで映画の映像が一部配信されているが、そこで誠めぐシーンも見る事が出来る。
本作ではめぐみの内的思考をモノローグなどでわかりやすく描くことを意図的に排除していることもあり、めぐみが誠司の気持ちにどこまで気づけているかは視聴者にもどこか不明瞭なま話が続いていく。本作は多角関係で恋愛模様が複雑で、家族のような間柄の誠めぐが幼馴染以上の関係になれるかは、視聴者にも分かりづらい状況であった。
誠めぐのカップリングは「外野から見ればお似合いの恋人同士なのに、当人同士がそれを認めようとしない」という、ある種のもどかしさを感じさせるものではあるのだが、それゆえに応援したくなるという性質のものだと言える。
なお44話以降の誠めぐの描写のネタバレは物語のクライマックスに関わるため、関連タグ以降にある。
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プリキュアのlineの公式アカウントのタイムラインに、誠めぐのような内容の文章(めぐみ視点)が載る事がある。いおなの姉まりあが帰還した39話の後のもの
『聞いて~
ずっと幻影的国に捕まっていたいおなちゃんのお姉さんのまりあさんが戻ってきたの~!!
いおちゃんはずっと顔がニヤけまくり
大好きなお姉さんとまた一緒に過ごせて、本当に本当に幸せそう!
いおなちゃんを見ていたら、私まで幸せチャージだと♪
私は愛を信じてるし、みんなにたくさんの愛を届けたいと思ってる!
でもね、ひめは「一番肝心な愛に気付いてないよね~、めぐみは!」って言うの。
もう、ひめったら、何なの~!?』
ひめの『一番肝心な愛』は言及されてはないが、この頃はめぐみは誠司の彼女への「本当の気持ち」に気付いてないのでそれだと思われる。今後めぐみが誠司の「本当の気持ち」に気づくがどうかは後の展開で明かされる。
その他
- 『ハピネスチャージプリキュア!かわルン☆コレクション』
- オープニングムービーの「日常生活」に誠めぐツーショットのイラストが使われていた。誠司とめぐみは2人でいるのが自然なぐらい長い時を過ごしているので、「日常生活」に誠めぐが選ばれたのだろう。なお今後の誠めぐの展開で「日常生活」が大切なキーワードになる。
- 『セイカのぬりえ ハピネスチャージプリキュア!』
- ラブリープリンセスハニーが表紙のぬりえにのP7に、制服姿の誠めぐがペアになっているぬりえがある。「あたしたち おさななじみなの!」というコメント付き。
- ラブリープリンセスハニーフォーチュンが表紙のぬりえのP16に私服の誠めぐがペアになっているぬりえがある。めぐみが誠司の肩を抱きながらピースをし誠司が戸惑っている図であり、「せいじはいえが おとなりでおさななじみ なんだ!」というコメントがある。
- ぬりえからフォーチュン加入前と加入後の、誠めぐの関係の変化が感じれるので気になる人は買ってみるといいかもしれない。
- 『ハピネスチャージプリキュアカードガム』
- ラブリープリンセスハニーフォーチュンが包装のカードガムに、誠めぐツーショットのカードがあり。
- 『ハピネスチャージプリキュア サウンドトラック2』
- サウンドトラック2の解説本に「ひめゆうこいおな」のトリオのカットと、「誠司とめぐみ」のツーショットのカットがある。
関係者の見解とそれに関する考察
長峯達也(シリーズディレクター)
『アニメージュハピネスチャージプリキュア増刊号』
- めぐみはなぜ誠司ではなくブルーに惹かれたかについて
- 「たとえばブルーと誠司だったら、普通に考えたら、恋人としては誠司のほうがいいでしょう? でも、めぐみがブルーになんとなく惹かれているのは、きっと彼がいろいろなものを見せてくれるからだと思うのですよ。誠司は堅実なタイプだから、良くも悪くも安定した将来みたいなものが見えちゃうんじゃないかなって。でもブルーってミステリアスな部分があるし、いろんな力もあるし。そこで自分が知らないものをたくさん見せてくれそうな感じがするから惹かれるんじゃないかなって。スタッフとかともそういう話をしているんですよ。」
- めぐみがブルーに惹かれているのは「違った世界」を見せてくれるからだと考察している。(実際36話のブルーとの会話で「もうっ!ブルーといると自分の知らない自分が出てきちゃうよぉ!」と涙ぐんでいる」)
- 「誠司が優しすぎるから、そこの部分が物足りないというか、うまくかみ合わない理由なんじゃないかなあ。引っ張っていく力、新しい世界を見せる力をまだ持ってないんでしょね。……って、中学2年生だからあたり前なんですけど(笑)」
誠司は一般の中学生に比べて高スペックではあるが、神として長く生きていて恋愛経験もあり包容力のある大人の男性のブルーが出来る女性が魅了するような適確な行動するにはまだまだ中学生の誠司には難しいようである(後述の誠司役の金本もインタビューで語っているが、誠司はめぐみの前のみ少年らしい不器用さを見せる。)誠司の気遣いが出来る所はあまり同年代の男子との交流が少ないひめやりんに恋心を抱かせたぐらいモテる理由であるが、めぐみは幼い頃からいつも誠司の優しい所を見てきたためそれを当然だと受け止めてしまうのがめぐみが誠司にあまりときめかない要因なのかもしれない。
更に長峯SDは
- 「いずれ誠司が重要な役回りを果たす形になります。そうやってめぐみの話に持っていこうかなと」
とコメントしており、二人の関係がクライマックスに大きく関係することを示唆していた。なので今後の誠めぐの進展のためには、今までの誠司の違った一面をめぐみに見せる事が鍵かもしれない。実際にブルーによってお姫様抱っこされているめぐみの様子を見て誠司が心乱れたり、映画や誕生日パーティーのドレス姿のめぐみを見つめて誠司が頬を染めたりして誠司がめぐみへの恋心を露にするようになったのはめぐみの今までとは違う一面を見たからである。
柴田宏明(プロデューサー)
- 「この年頃の幼なじみは、一緒にいるだけで恋愛的な雰囲気に見えますよね。めぐみと誠司のやりとりを観ていると、甘酸っぱい気分になります(笑)」
柴田Pは誠めぐの関係をこうコメントしており、実際にひめに二人の関係は恋人じゃないかと疑われていた。
金本涼輔(誠司役)
『アニメージュハピネスチャージプリキュア増刊号』
- 「誠司は、オマエどんな経験してきたんだっていうぐらい、しっかりした大人なモノの見方ができる子です。彼が少年らしく戸惑ったり悩んだりするのは、めぐみのことだけ。めぐみのことについて話す時は、いつもと違う気持ちで臨んでいます。」
- Q2:「TVシリーズの印象的なシーンやセリフを教えてください」
- 「プリキュア合宿でブルーとめぐみが親しくしているのを目撃してしまったシーン。この瞬間までは、誠司にとってめぐみは「幼なじみ」だったんだと思います。これをきっかけに、誠司はたぶん生まれて初めて、めぐみに対する自分の気持ちと向き合わなければならなくなった。彼の人生にとって、とても大事なシーンです。」
- Q3:「映画での印象的なシーンやセリフを教えてください」では、
- 「ラブリーというかめぐみは、全編通してとても魅力的です。あと、舞踏会のシーンの誠司は、TVシリーズではあまり見られない、普通の男の子らしい一面が見えて、とてもかわいかったです。」
- ファンへのメッセージ
- 「幻影帝国と決着ももちろんですが、めぐみと誠司、そしてブルー、クイーンミラージュの関係がどうなっていくのかも、楽しみに観てください!」
誠司役の金本の増刊号のレギュラーキャストへの共通質問の回答のほとんどが、めぐみの事ばかりであるので誠司はめぐみに対してのみ特別な感情を持っているのを意識して演じているを金本は明かしている。プリキュア合宿の出来事が誠司のめぐみへの気持ちのターニングポイントであると感じており映画の誠めぐ二人の魅力を語っていた。
『プリキュアラジオ』
- 「やっぱりこうまあめぐみにそういう想いがあるわけですけど、やっぱりあれだけ純粋な想いを一人に対して注いでいると成就してほしいなあと思います」
誠司君の役を演じていてどう思われますかの質問では上記の回答をしており、誠司のめぐみへの恋が実るのを願っているとコメントした。そして金本がゲストに呼ばれたプリキュアラジオ36、37回で、金本は印象に残っている回の質問に対し誠司がブルーにめぐみ関連で自分の思いの丈をおもっきりぶつけた27話が印象に残っていると答えたり、「友達という魔法」の曲をリクエストして僕だけだと思いますが聴くと少しセンチメンタルになると述べたりするなど、めぐみ関連の話題が多めであった。
山本匠馬(ブルー役)井上和彦(レッド役)
『アニメージュ1月号』
- 「「ブルーとめぐみのやりとりを端から見て、ぐっと耐えている中2男子」って女子からすると「ああ、応援してあげたい!」っていうのがあるんでしょうけど、僕らからすると「そこは勇気出していけよ!」って」(山本)
- 「好きな子が気になってモヤモヤしちゃう年代なんだよね。きっとみんな通る道なんだけど、今思うといろいろバカだったなって思うなあ。誠司も、結局「自分が言えない」ってことだよね。「相手のことを思いやって、あえて言わない」というより、自分のエゴなんだもん。「言いたいけど、やっぱ言えない」と悩んでいる」(井上)
- (上のコメントに対し)「すごく純粋だなって思います」(井上)
- 「(気持ちを)言おうと思えば言えるんだろうけど、彼としてはジレンマもあるんでしょう」(山本)
- (44話の収録時)「誠司のセリフを何テイクが重ね、OKが出た瞬間に「ありがとうございましたぁ」って女子が声をそろえたんです(笑)。「いいもの見せてもらいました!」みたいな感じで」(山本)
- (44話の収録時)「よかったァ~!と大歓声が上がった」(井上)
ブルー役の山本とレッド役の井上の対談で、彼らは女の子には誠司の手堅い所が魅力的に見えるかもしれないが男性視点だと出来すぎてギャップがない、ブルーとめぐみが二人でいても誠司は強気で行くべきだと井上も誠司はじれったく感じると山本に同意した。
特定のプリキュアに積極的に接せられるココはプリキュア男女カプの中で一番充実した関係を築いているので、山本の言う通りめぐみと進展するには誠司はある程度積極的に接する必要があるかもしれない(但し44話以降、誠司はめぐみに外出に誘ったり、テントウムシのブローチをクリスマスプレゼントのお礼にめぐみに贈ったりして、前より積極的な行動しているので少しずつめぐみは前とは違う態度を誠司に取るようになっている。)ちなみに山本と井上の誠司の見解は長峯SDの誠司の解釈と似ており、誠司と反対に直球な行動を出来る裕哉を生み出したと増刊号のインタビューで語っている。
井上は誠司がめぐみに自分の気持ちを伝えられずにいる事について誠司の年相応の不器用さを指摘し、しかしながらと微笑ましくも思ってるとコメントした。山本も自身が中学生頃は、誠司のめぐみに対する接し方のように、好きな女の子を気を引こうとしたり自分の想いを伝えるためにかなり気合を入れてた覚えがあると誠司の気持ちには共感すると語る。
また山本は女性キャスト陣の中で一番人気がある男性キャラクターは誠司であるのを明かし44話の誠司がめぐみにいい事を言う誠めぐの素敵なシーンで大歓声が上がったと語った。
女性キャストの間では、めぐみを一途に想う誠司の姿が好評であると両氏は答えた(実際に『人形の国のバレリーナ』の舞台挨拶で、ゆうこ役の北川は「誠司、がんばれ!」って気持ちになると述べ映画の誠めぐに関連するシーンが魅力的であるとコメントしている。)
アニメージュ1月号の、山本は
國府田マリ子(クイーンミラージュ役)
『プリキュアラジオ』
- 「めぐみの幼馴染で、良き理解者で相談者」(36回目)
- 「恋心に振り回されているお二人」(37回目)
- 「優しいから言い方も優しいんだよねもっと言っちゃえばいいのに」(國府田)
- 「誠司は常に自分の一言が相手にどう思われるか他人に影響与えるか考えてしゃっべっている」(國府田)
- 「めぐみちゃんにも振り回され」(吉田)
- 「皆がやきもきしながら誠司の事応援していた」(吉田)
- (めぐみと誠司の恋愛成就について)「してほしいよねえ」「皆そう思っている」(國府田)
- (上記のコメントに対して)「皆が応援しています」(吉田)
- 「ちょっと誠司君の恋が甘すぎてヤバイんですよ」(國府田)
吉田仁美がパーソナリティーを務めるプリキュアラジオの36回、37回のゲストに誠司役の金本とミラージュ役の國府田が呼ばれ36回目で吉田は上記のように誠司の紹介をし、37回目では金本と國府田、二人の役柄のポジションについて言及していた。國府田も吉田も誠司に好意的であり金本がブルー様に自分の思いの丈をぶつけたシーンが印象に残っていると言った時も、國府田は「頑張ったね」と誠司を買い目褒めていた。但し國府田が普段気を使ってばかりの大人の誠司が自分の気持ちを思いっきりぶつけたシーンについては誠司はブルーにもっと強気になるべきだとコメントした。
また國府田は誠司の性格を「必要以上に物事を考えすぎてしまう」と解釈しておりこれは長峯SDの「誠司はめぐみにかなり気を遣っている」とコメントとしており両者の誠司像とよく似ている。
37回目では吉田は金本に誠めぐの今の関係を端的に指摘しかたが、そのコメントに金本も同意していた。また吉田は皆が誠司の味方である事も告げた。金本が誠司とめぐみの恋愛が成就してほしいかと述べた時も応援のコメントを言い結ばれるのを期待している。
金本が「友達という魔法」の曲もリクエストした時に、國府田はアフレコ現場で「友達という魔法」の曲がかけられたのも公表した。
中島愛(めぐみ役)北川里奈(ゆうこ役)
『合同会見「Go!プリンセスプリキュア」&「映画プリキュア」』
- 「ハピネスチャージプリキュアにいたある青年を頭に思い浮かべてしまうんけれど、相楽誠司君というあのキュアラブリーの愛乃めぐみちゃんの幼馴染。相手の事をすごく思いやって自分の気持ちをグッと押し付けるだけじゃなくて相手がどう思うのかなとかそういう事を一番に考えてなんかあの出すぎない感じが凄く」(北川)
- 「押すだけじゃなくてたまに相手の事を気遣って引いてくれる感じがあるキャラクターがハピネスチャージにいたんです。誠司君という男の子がいてもう皆ひゃあ」(中島)
「Go!プリンセスプリキュア」がスタートし「映画プリキュアオールスターズ春のカーニバル♪」が公開されるためTV・映画合同会見が行われ中島愛と北川里奈が登場し「理想のプリンス像は?」という質問で中島らは自分達にとってのプリンスは誠司であるという誠司ハーレムな発言をした。
北川は二人を見守ってきたゆうこ視点で見ているせいか、めぐみがどう思うのか気にしてめぐみの気持ちを一番に考えている誠司の姿が北川は魅力的に写るようである。
中島は誠司に支えれているめぐみを演じているだけあって、押すのと同時にめぐみの気持ちを優先して引いて気遣う事が出来るキャラとして誠司を解釈している。
めぐゆう誠司幼馴染トリオのキャラソン
「ハピネスチャージプリキュア!」ボーカルアルバム第2弾で、愛乃めぐみ(CV:中島愛)、大森ゆうこ(CV:北川里奈)、相楽誠司(CV:金本涼輔)の幼馴染トリオによる『友達という魔法』というキャラソンが収録される事になった。
誠司パートは「子供の頃からずっと いっしょに歩いてきたね 喧嘩しても次の日は 笑顔で挨拶」「気付いた時には ホント 大切な存在だよ違う方向いたときは ちょっと切なくて」と、誠司のめぐみへの想いを表したかのような歌詞である。
プリキュアラジオ37回で誠司役の金本がこの曲の2番の誠司の歌詞が切なげでちょっとセンチメンタルな気持ちになるという感想を述べている。ちょうど金本がその事に触れている時に例の誠司の歌っているパートが流れた。
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上述のように、恋愛カップリングとしての誠めぐは、ある種の膠着状態から抜け出せない部分こそが特徴であったが、物語の最終盤にはショッキングなイベントが連続して発生し、二人の関係は激変することになる。
以下『ハピネスチャージプリキュア!』に関する重大なネタバレを含みます。 |
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終盤の展開
- 失恋に泣くめぐみ(44話)
41話~43話に幻影帝国との決戦が行われプリキュア達の活躍によりブルースカイ王国は元の姿に戻り、ひめは両親と感動の再会をし、ゆうこは国民にハニーキャンディを渡し、幸せが満ち溢れていた。誠司も戦いから無事に帰還しためぐみと喜びの再開を果たす。そしてこの戦いの結果、ブルーは自分が「一番大切な人」を持つという神としてのタブーをあえて侵す覚悟で、ずっと封印し続けていた自らの思いをミラージュと通じ合わせ、そして二人はかつてのような恋人関係に戻った。
そしてブルーの背中を押したのはめぐみ本人。この時点でめぐみはブルーとミラージュが誰よりも愛し合っていたからこそ、憎しみあいの関係に反転したことを知るところとなっており、ブルーが幸せになるには自分ではなくミラージュが必要だという結論に達しており、その上でめぐみはブルーに壮絶な告白をしたが、やはりブルーは最後は何の迷いもなくミラージュを選んだ。もちろん、それこそがめぐみがブルーに望んでいた正解の行動でもあった。(この件の詳細はブルめぐ、ブルミラの項目にて)
ラブリーの奮闘のおかげで復縁したブルーとミラージュは彼女にお礼を言い、めぐみもそんな二人のことをにこやかに祝福する。その姿に誠司が真剣な表情を浮かべていた。
そして、44話では日常に戻っためぐみの様子が描かれひめ達がめぐみの失恋を知ってか知らずかパジャマパーティーを開くが、めぐみはひめ達の前でも平気そうに振舞っていた。そして翌日、皆より早く起きためぐみがベランダに出ると誠司もベランダから出てきて声をかけ「ちょっと、外出ようぜ。下で待ってる。あったかくしてこいよ」めぐみの身体を気遣いながら外出に誘った。
誠司はめぐみに「プリキュアの戦いは終わったんだ。久しぶりに遊んだっていいんじゃないのか?」と言いひめ達とはまた違った励まし方をしようと務め、二人で大きなクリスマスツリーを眺めたり、スケート場でめぐみがプリカードでフィギュアスケーターに変身して楽しんだり、街中を仲良く肩を並べて歩いたり、クレーンゲームに挑戦したり、公園のベンチで焼き芋を食べたり、花屋の花を眺めたり、と実質的にはデート状態である。
特にクリスマスツリーの前で話している時に周りが、カップルらしき男女二人組ばかりなので、2人も恋人同士に見えるニクイ演出もある。誠司がガニ股だったり、めぐみが後ろ手を組んだり、どことなく男らしさと女性らしいしぐさをしていたりもする。落ち着いた性格の誠司であるが、デート(?)中は割と表情豊かでありめぐみの前だと素の自分を出せるようだ。ちなみに44話からの壁紙にデート光景が選ばれており振り返る事が出来る。
一通り遊んで来た誠めぐは川辺のベンチに座り一休みした時にめぐみは「ひめ達も連れてくればよかった」と残念そうに言ったため、誠司は「人のことばっかだな」と指摘したがめぐみは誰かかが嬉しそうにしてるのって心が温かくなるといつも通りの答えを笑顔で返す。それはめぐみの心からの願いでありイノセントな気持ち。そんなめぐみに、誠司はあえて残酷な一言
「無理して笑うなよ」
「せめて俺の前くらいは本当のことを言ってくれ」
めぐみはしばらく黙り、ゆっくりと喋りだす。
「世界が元にもどって、街中明るくなって、皆が幸せになって…それは本当に嬉しくて…ミラージュさんも幸せになって ブルーも幸せになってそれは本当に嬉しくて…だけど…なんだかすごく胸が苦しくて」
「とても嬉しいはずなのになんだかとっても悲しくて…だけどすっごく嬉しくて…でも、苦しくて…」
「私……う……失恋……しちゃった……うう……うわぁぁぁぁ!!!」
ここで初めて失恋で傷ついているのを認め、悲しみの気持ちを爆発させて大粒の涙を流し号泣し誠司の前では本心を吐露させてしまっためぐみ。そして誠司は何も喋らず手も出さずに、ただ傍で寄り添ってめぐみの悲しみを受け止めた。十分に泣きはらして落ち着いためぐみに対して誠司は
「こんな時、なんて言ったらいいのか…俺、思うよ。お前が皆のため頑張ったから世界に平和が戻った。本当に凄いことだと思う。だからお前も幸せになれる…絶対になれる!!お前には俺が……」
「…………俺とか…皆がついてる」
と思いのたけを不器用に語った。「俺」を「皆」の中に組み込んでしまい。やはりどうしても自分の気持ちを伝える最後の一歩に踏み出せない。しかし、自分だけでなく皆がめぐみの味方であるという思いは誠司の偽らざる本音でもある。誠司は恥ずかしくなったのか一旦場を離れる。
めぐみが一人になった時にディープミラーの本体である赤い男「レッド」が突如現れ、赤いサイアークを仕掛けてめぐみを襲う。めぐみはキュアラブリーに変身して立ち向かうが、レッドはラブリーの胸に謎のクリスタルを打ち込む。するとラブリーの心に直接レッドの声が響いた。レッドはめぐみさえも自覚していなかった彼女の深層心理を暴く。
「世界中の人々が幸せになったのにお前だけが愛を失った。それを理不尽とお前は感じているのではないか?」
「お前が救った世界だ、お前の望むようにすればいい、お前にはその権利がある……」
無数の言葉責めで、ラブリーが心の奥底に封じ込めている負の感情を引き出そうとするレッド。ラブリーがその言葉に心を傾きかけたその瞬間戻ってきた誠司の必死の呼びかけに、ラブリーは我に返り誠司とひめ達を思い浮かべ、自分でクリスタルを胸から引き抜き砕き、ふらふらで倒れそうなラブリーを誠司が間一髪で受け止める。
レッドはラブリーに幸せになりたくないのかと問い、ラブリーは「幸せになりたいよ。でも世界を壊さなきゃなれない幸せなんてそんなのきっと、本当の幸せじゃない。わたしは届かない思いも全部全部受け入れてみんなと一緒に幸せを探していきたい」と答え、誠司は1話の真央の帽子を拾うところの時点でめぐみの自分の幸せを軽んじて周りの幸せの事ばかり考えている姿勢にいつかめぐみが不幸になるのではと懸念しめぐみが幸せになるのを願ってきたが、ようやくめぐみは自分の幸せも探していきたいという決意を見せ始めた瞬間であった。
ラブリーは誠司に「誠司離れてて、わたしは負けないから」と言い誠司はそれに対し「分かった」と答え、誠司は彼女を信じて離れて彼女を戦いに送り出しラブリーの戦いの最中に誠司は何回もめぐみの名を連呼し、必死に身を案じてた。
ラブリーではなくめぐみと呼んでいる所から、彼のめぐみへの強い想いが垣間見れる。ボロボロになりながらも必死になって這い上がり、ラブリーは戦う。悲壮感漂う中でも逃げずに厳しい現実自分の弱さに立ち向かうラブリー、力強く戦う成長した熱い姿がそこにあった。ラブリーがピンチの時にプリンセス達がラブリーを助ける。皆に助けられたラブリーは(誠司の言った通りだ、皆がいる…)と誠司のおかげで仲間のありがたみを知りラブリー達はサイアークを浄化した。
戦いが終わり立ち直っためぐみ「私…まだ大丈夫じゃないけど…大丈夫!」お礼を言いめぐみはやっと本当の気持ちをひめ達にも伝え、そしてめぐみは誠司にいつもとは違う表情を……ほんのり頬を赤く染めたはにかむような笑みを見せた。
誠司がいつも自分の傍にいてくれる事をごく自然なことと考えていためぐみは、「誠司は自分と違って優秀だから」「自分のことを気にかけてくれるくらいの余裕もあるのだろう」と思っていた節があったがしかし実際には、誠司は必死の努力のうえで全力でめぐみのために頑張っていた。めぐみにとっての誠司は「傍にいるのが当たり前の存在だから、失いたくない」というものだが、誠司にとってのめぐみは「失いたくない存在だから、手を離さずにずっと傍にいる」というものなのだ。
今回の騒動で、めぐみは誠司の本当の気持ちに気づきはじめたのかもしれない。そして一方レッドも今回の一件で、誠司がキュアラブリーの強さを支えている大きな存在であると見抜いていた。
この回では映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナの挿入歌の「勇気が生まれる場所」が流れたが、今のめぐみの状況及びめぐみとひめ達の絆とめぐみと誠司の絆にとても合った曲であった。
- クリスマスイブのひと時(45話)
45話はクリスマスイブが開催されており大使館にめぐみといおなが寄った時、めぐみは前回のレッドによる邪悪な出来事について振り返る。その際に「誠司が駆けつけてくれたおかげで助かったんだ」と、めぐみが誠司に助けられていると認識している旨を初めて口にした。そしてプリキュア4人と誠司でささやかなクリスマアスパーティーを過ごす。
プレゼントの取り換えっこをしているのを誠司が微笑ましそうに見ていると、めぐみが誠司にもプレゼントがあると手編みのマフラーを渡してくる。ただ、サイズがやけに長く「なんか誠司との懐かしい思い出とか色々考えながら編んでたら楽しくなってきちゃって…… 気が付けばこんな長さになってたよ」と誠司と幸せな日常を長く一緒にいたのがよく表れている台詞である。
めぐみがマフラーを編んでいる間は、めぐみの頭の中は誠司の事でいっぱいだったのが判明した。誠司もただ「あったかくていいぜ、ありがとな」とだけ微笑んでつぶやき、めぐみと見つめあうだけ。マフラーが暖かいように、誠司にとってもめぐみは暖かい存在で少しずつ誠司の恋が報われた瞬間でありこのマフラーは二人の絆を象徴するものである。
だが、この時点でさえこの二人は付き合ってな状態なので、手作りマフラーという中学生らしい贈り物をして二人が優しい雰囲気になるという微笑ましい光景であった。この時は誠司がある種の歪みに陥られるとは幸せハピネスな二人に思ってもいなかった。
余談だが「お前らもっと年相応に初々しくバカップルやっとけよ!」という視聴者のもどかしさがどうしてこうならなかった系の妄想イラストをいくつも生んでいたりする。
女子たちがショッピングでにぎわう中、誠司はめぐみを一人呼び出し、そしてクリスマスツリーの前で近くの店で買ったテントウムシのブローチを、おもむろにさっきのマフラーのお礼だと言って渡すがめぐみは「いつも誠司に助けられてばかりだからそのお礼のつもりのプレゼントだったのに」と…さらにお礼をされたら申し訳ないとちょっと困り顔。前回失恋の痛手の誠司が受け止めてくれた事と自分が変わるために一生懸命戦おうとする姿勢に誠司が背中を押してくれたのでめぐみもだんだん誠司に支えれているのに気付き始めていた。
そして誠司は多少呆れながらも笑顔で「俺だってめぐみに助けられてる」「テントウムシは幸せを運ぶ虫なんだ。めぐみはいつも他人の幸せばかり考えているけど、めぐみだって幸せにならないとな」とめぐみの誰かのために頑張ろうとする姿を見て空手で頑張ろうとし、めぐみに応援される事で力になり、サイアークにされた時もめぐみが真っ先に駆けつけた事で思わず笑みを浮かべるぐらい幸せになったので、誠司はいつも彼女が支えてくれた事のお礼を形にし常にめぐみの幸せを願っている彼らしい贈り物であった。
誠司が笑うと、今度はめぐみが微笑む。
誠司はそのブローチをめぐみのマフラーにつけてる時に、めぐみが頬を染めて少しずつめぐみも誠司を異性として意識してるかもしれない(ちなみに公式サイトの45話のあらすじにこの時の誠司の行動で明確に照れているめぐみのカットが載っている。)
めぐみは素直に感謝し喜び、「どう、似合う?」と得意気にポーズ。その様子に誠司もホッとしたようで、幸せそうな笑顔を見せた。
しかし二人は決して恋人同士にはなろうとはしない。恋人ということを自覚した時点でこの関係は崩れてしまうから。これは呪いのようなものだがそれでも今の二人は幸福を確かめていた…だが、二人の幸せな時間はここで終わりを迎える。
- 闇に堕ちる誠司(45〜46話)
誠司がめぐみに何かを言おうとした直後、広場に突如サイアークが出現しめぐみはみんなの幸せを守るため、再び戦場へと向かう。誠司はそんなめぐみに、いつものように応援することしか出来ずに「気を付けろよ」と彼女の背中をただ見守るだけだったがそこに突然レッドが現れ、さっきの二人の微笑ましい光景を見ていたらしくそしてそれを無意味だと蔑む。
「信頼、絆、愛。全くもって素晴らしい。人間よ、お前たちが大切にしている愛情とやら、俺の憎しみの前には絶望するのみ」
それに対し誠司は必死に反論する。
「愛は憎しみに勝つに決まっている!」
愛を信じる姿勢を貫こうとする誠司に対しレッドは心底馬鹿にするように嘲笑し…
「ならば、証明してみせろ」
一方、プリキュアたちはサイアークを無事浄化し、かけつけてきたブルーや妖精たちもほっと一安心だが、めぐみは誠司がどこにもいないことに気づき彼を探していると、地面に落とされた誠司のマフラーが……そこにレッドが現れ、地球の神ブルーとその守護戦士であるプリキュアたちに、愛がいかに無力かを教えてやると宣戦布告を行う。レッドが手をかざすと闇から人の姿が現れそこにはレッドの守護戦士として生まれ変わった誠司がいた。
46話にてレッドが「お前達には今から愛する者と戦い傷つけ合ってもらう。ありがたく思う事だ、この神が真理を教えてやるのだからな」憎しみの結晶を与えられた誠司とプリキュア達と戦わせようとする。困惑しためぐみは「誠司、私よ!お願いしっかりして!」と誠司に説得するが、しかし誠司は聞く耳を持たず、真っ先に彼は「お前の愛を消す!」とめぐみだけに攻撃した。
レッドはプリキュアやブルーの愛を消すために、誠司に憎しみを与えたと言う。しかし、めぐみは「私達は憎まれる事なんてしてないよ」と反論する。レッドはめぐみの言動に「果たして、そうかな?」と意味深に返す。ブルーが誠司の憎しみの結晶を壊せば誠司が元に戻るとアドバイスし、プリキュア達は彼の結晶を破壊しようとする。めぐみは誠司の結晶を右ストレートを加えるが、しかしダメージはなくレッドの「もっと憎しみの力を呼び覚ませ」の声で誠司はめぐみを反撃、憎しみの結晶の破壊に失敗する。
めぐみは誠司に対し必死に説得するが余裕のない状態の彼女に
「そもそも、憎しみの結晶に取り込まれたのはお前たちと一緒にいたからだ。お前たちの心を常に支えてきた存在……。しかし、彼の本当の気持ちをお前たちはきちんとすくい取って来たのか? 誰にも言えない気持ち…憎しみの結晶は、そんな彼の心の影に反応したのだ。たった一人を救えないとは、お前たちのいう愛など、所詮その程度。大切な者の手によって倒されるとは、哀れだなプリキュア!」
とレッドはまるで誠司の気持ちを代弁しているような言葉を言った。
「お前たちの心を、常に支えてきた存在」の時は44話で失恋しためぐみを誠司が慰めた時の場面、「しかし、彼の本当の気持ちを、お前たちはきちんとすくい取って来たのか? 誰にも言えない気持ち…憎しみの結晶は、そんな彼の心の影に反応したのだ。」は36話でめぐみがブルーに抱きついている所を誠司が目撃した場面、意中の女の子が他の男の事で泣いているのが辛いのに必死に耐えて受け止めている誠司、めぐみが他の方を向いていて自分を見てくれなくて苦しい思いをしている誠司の回想シーンが流れた。
全てめぐみ絡みの事なので、正しく誠司が堕ちた原因はめぐみへの思慕なのである。めぐみへの愛が深いので、それだけ憎しみも深くなるのだ。レッドの言う事は正論だった。
更に誠司はめぐみ達を追撃し、プリキュア4人は変身解除に追い込まれた。
レッドは赤い星に誠司を連れて行き大量の赤いサイアークを世界中に召喚。めぐみは力なく項垂れ「全部、私のせい……。私がもっと、誠司のことを考えてあげていれば、きっと、こんな事にはならなかった……!ごめんね、誠司……!」 と誠司を知らず知らずに傷つけいていた事、誠司の心情についてよく気にしなかった事に激しく後悔し、大粒の涙を流す。今までめぐみは自分自身を見つめておらず、そして2人の距離が近すぎた為、その分誠司に支えられている事に無頓着になり彼に気を配れなかったのだ。
皮肉にも敵であるレッドによってめぐみに核心をつけられ、誠司がいなくなった事で誠司の重要性に気付いたのだ。今までずっと傍にいてくれて無自覚に守られてきた者の損失、これがレッドがめぐみに贈った絶望であった。
肉体的にも、精神的にも傷つかれてサイアークから逃げる事が出来ないめぐみ、その時にキュアテンダーが駆けつけめぐみ達を助ける。テンダーはめぐみ達に誰かを想う力の強さを教えてくれたのはあなた達だ奇跡は自分で起こせと喝を入れる。
「そうだよね。やっぱり私は元の誠司に会いたい。たくさん言わなくちゃいけないこともある。だから…このままあきらめる事なんて出来ない、誠司もこの世界も」
とめぐみは立ち上がり、ひめ達も続く。すると世界中のプリキュア達も駆けつけ、世界を救ってくれたお礼に助けにきてくれた。ハピネスチャージプリキュアと各国プリキュアが共にサイアークと対峙し、浄化した。
そのままの勢いで、ハピネスチャージプリキュアは赤い星へ向かう。道中にめぐみは
(誠司…今ならあなたに言える。誠司がいたからここまで頑張ってこられた。誰よりも私が守らなければならない存在だって気付かされた。私の一番大切な人はあなただって…だから必ず助け出すから待ていてね……誠司!)
と心の中で誠司を助け出す事を決意する。その時に1話の池に落ちた真央の帽子を拾おうとして倒れそうになるめぐみを誠司が助けるシーン、3話でキュアラインを手にした誠司に隣りで座っているめぐみがひじで突っつくシーン、レッドによって洗脳されかけためぐみを誠司が駆けつけてめぐみを呼ぶシーン、とめぐみは今までの誠司に支えられて来た出来事を振り返っている。
めぐみはこの時点では、なぜ誠司に憎しみをぶつけられているかは分かってない。しかし、誠司の憎しみに向き合う決意をし、誠司がめぐみにとって他には代わりがないかけがえのない存在であるのを自覚したのは確かでめぐみは誠司を必要としている。ブルーに失恋した時に誠司が悲しみを受け止めてくれた事、誠司とひめ達が味方である事、誠司がめぐみの幸せを願ってテントウムシのブローチを贈ってくれた経緯を経て、めぐみは誠司が大きな存在であるのを確信したのである。今までは人の願いのために動いていためぐみであるが、今は(私が守らなければならない存在)と自分の願いとして誠司を守りたいと思うようになっている。
更に昔はブルーに恋してた時でも皆の幸せを願うと博愛的に考えていためぐみであるが、今では誠司を「一番大切な人」と彼女が好感が持てる人々の中で順位が出来つつある。
誠司を一番「好き」ではなく、一番「大切」だと想うめぐみ。めぐみの今の誠司への感情は、家族愛でも恋愛でも友情でも一つに絞る事が出来ない、もしくはそれらを超越したものかもしれない。憎しみの渦に飲まれているいつも支えてくれた誠司を今度はめぐみが助けようとしているのだ。
まさにOPのハピネスチャージプリキュア!WOW!の歌詞の「大事な人を守りたい」の歌詞に今のめぐみはリンクしていた。
- めぐみVS誠司(47〜48話)
赤い星に向かったハピネスチャージプリキュア達だがその前に結晶により操られた誠司が立ちふさがる。めぐみに誠司を取り戻させるためにひめ達3人はめぐみを励まして別の役割を与える。3人共、めぐみが元気になるには誠司しかないと思っているのである。
ひめ達は誠司をかく乱する。いおなは誠司が始めて道場に来た日を思い返し「相楽君が氷川道場に始めて来た日「強くなりたい!」あなたはそう言ったわ。とても真剣な目で。それはめぐみを守れる人になりたかったからなんでしょ?」と誠司に彼の真意について問いただす。
しかし、レッドが「だがプリキュアとなった彼女を君は守るどころか守るための力があってなんになる。力は破壊を成すためだけにある。全てを憎み全てを壊してしまえ」という言葉をかけ誠司を洗脳する。やはり誠司は男子であるためプリキュアになってめぐみを守る事が出来ず、サイアークになって足手まといになってしまった事に負い目を感じていたのだ。
ひめとゆうこは「誠司あんたは凄いよ。めぐみが神様の事好きになっても自分の想いが届かなくてもめぐみに笑顔でいてほしいっていう気持ちは絶対に変えなかった」「自分が苦しくても相手の幸せを願えるとても強い心をあなたは持っているわ」と語りかけ報われなくてもめぐみの幸せを願う誠司のめぐみを強く想う姿勢をひめとゆうこが肯定する。
3人それぞれがめぐみ絡みの事を言ってる事から、彼女らが誠司が堕ちた理由がめぐみ絡みで悩んでいたからなのを理解し、だからこそめぐみに一途な誠司を認めているのである。なおひめ達はめぐみがいない所で誠司にこれらの言葉を語りかけ、めぐみの前では誠司の本当の気持ちをばらさないように気遣っていた。
3人が時間を稼いでいる間に、力を溜めていためぐみがラブリーパンチングパンチでバリアを割る。めぐみは誠司の結晶目がけて拳を打ち込み「誠司ー!!」と叫びながら、そのままの勢いで赤い星で落下する。
めぐみが意識を取り戻すと、イノセントフォームが解除されていた。レッドがめぐみに倒すか倒されるか、行き着く先は絶望それが愛の結末だと声をかける。誠司と向き合っためぐみはレッドに、「あなたの言う通りだよ、レッド。ずっと考えてたの。地球であなたが私に言った言葉の意味。あの時、結晶を通して誠司の心の叫びが伝わって来た気がした。そして今もう一度触れてはっきり分かった。激しい炎みたいな感情。私の知らない誠司。だけどそれだって誠司の大切な心の一部なんだよね。うん、だからやっぱり壊す事なんて出来ないよ」と結晶を壊さず、憎しみすらも誠司の一部として受け入れると答える。
めぐみは今まで無意識に誠司と同じ関係でいようとしていたが、今では情熱的な感情を持った誠司の変化を受け入れようとするぐらい彼女も変わっているのである。めぐみは誠司の憎しみを否定せず愛と表裏一体なのを認めたのである。
「どうすれば誠司を助けられるのかまだ分からない。だけど、私がやるべき事は決めて来たんだ。」「(仲間を連れてこずに)二人だけでここまで来たのは私の我儘。誰にも邪魔されずに二人っきりで誠司を話しをしたかったから!」と、めぐみは誠司の自分への憎悪をあえて受け止める覚悟を言う。
誠司が隠し続けていた「自分への思い」をあえて暴きたい。それが今のめぐみの偽りない思いでそれは、正気の時の誠司は決して望みはしないことだが、いつも他の人の願いばかり考えて来ためぐみがついに彼女自身の欲求を行動に移すようになり、めぐみは誠司を必要としている、誠司がきっかけでめぐみは他人の事も自分の事も考えるようになったのである。
めぐみは誠司に「私が悩んでいたり、辛かったりした時、誠司がいつだって話を聞いてくれて励ましてくれた。頑張る力をくれた。だから、今度は私が誠司の気持ちを受け止める番。言葉じゃなくていい。思いっきりぶつけ合おう。私も誠司に伝えたい大切な事があるから。遠慮はいらないよ誠司!」と拳と拳で気持ちをぶつけ、気持ちを受け止めると宣言するめぐみ。その時の言葉でめぐみがブルーに失恋した悲しい気持ちを誠司が受け入れてめぐみの内面を大事にする回想シーンが流れたが、ついにめぐみが誠司の気持ちを心身共に受け入れる意志を持ったのである。
全力で殴り合い、遠慮せずに全力でぶつけ合うぐらいの信頼関係を築いているのが伝わってくる場面である。
「だけど今の私があるのは誠司のおかげ。私がプリキュアになるずっとずっと前から誠司が私の事を守って来てくれたから」とめぐみは誠司に言い、始めて結晶が反応して誠司が片手で顔を抑えぐらつく。めぐみが誠司が守られている事に気付いて来た事を伝えた事で、少しずつめぐみの想いが誠司に届き始めている。
その光景にレッドは戸惑いが生まれる。2人が戦っているのは思惑通りなのに、共に絶望せず互いの攻撃を受け止めて仲良さそうに戦っている光景に苛立っているのだ。そしてブルーが「憎しみを打ち砕くのではなく憎しみを愛をもって正面から受け止める。ラブリー、それが君が見つけ出した答え。君の愛のあり方なんだね」と彼女の愛の形を見出す。
かつては2人を恋人同士なのか真剣な顔で問いプリキュア恋愛禁止令を出したブルーであるが、今はめぐみと誠司の関係を築いていく様子に理解を示している。
レッドの洗脳により誠司はめぐみに目掛けて火球を投げるがそれを受け止め耐えるめぐみ。めぐみは攻撃を吸収し、プリキュア・ピンキーラブシュートで気持ちを込めて誠司に投げ返す。これは物理的な全力をぶつけ合う愛のキャッチボールである。
その流れでめぐみは誠司を抱きしめ大きな愛で包み込む。宇宙規模な壮大なハグである。
めぐみは誠司を抱きしめながら彼に優しく語りかける。
「私ね、プリキュアになってからいろんな事があっていろんな人に出会って分かったんだ。愛って好きになったりとか助け合ったりとかそういう特別な事だけじゃないんだって」
「いっしょに学校へ行く事、いっしょにご飯を食べる事、いっしょに星を眺めたり、おしゃべりしたりする事そんな何気ない事も皆愛なんだって。」
「いっしょに学校へ行く事」は4話で2人とひめが学校へ行く所、「いっしょにご飯を食べる事」は3話でめぐみと誠司と真央とかおりで夕御飯食べた所、「いっしょに星を眺めたり」は33話で星空の下でベランダでめぐみが誠司に人助けについて相談している所、「おしゃべりしたりする事」は33話と44話でベランダ越しで2人が会話する所と全部誠司絡みである。
何気ない日常こそ愛に溢れていた事にめぐみは気付き、自己肯定が低いめぐみでも幸せでいられたのは誠司と愛を分かち合っていたからである。まさに誠司はめぐみにとって幸せな日常の象徴。無表情だった誠司がめぐみの言葉で少しずつ表情が出る。
「ブルーに失恋した時ね、これ以上悲しい事なんてないって思ってた。でも、誠司が目の前からいなくなった時まるで自分の心も身体も半分に引き裂かれたみたいな気持ちになって目の前が真っ暗になったの」と誠司の背中に回している手を震えながらめぐみは誠司のいなくなった時の気持ちを告白する。ブルーに失恋した時はひめ達の前では平気な振りを出来ためぐみではあるが、誠司がレッドに連れられた時はめぐみは気持ちを隠す余裕がない程立ち直れずに打ちのめされていた。めぐみにとって誠司が失った事の方がダメージが大きくそれだけ彼の存在が彼女の中で占めていたのである。
「生まれた時からずっと今まできょうだいみたいにいるのが当たり前だったから気がづかなかったよ。誠司がたくさん愛をくれていた事」誠司がいなくなっで暗闇に落とされた事により、初めて身近にいた存在の尊さに気付いた事をめぐみは誠司に言う。
「誠司、ありがとう。いっぱい…いっぱい…愛をありがとう」誠司が愛情をたくさん与えてくれたおかげで温かみのある日常を送れた事にめぐみは誠司に感謝の気持ちを伝える。
めぐみが誠司に感謝の気持ちを伝えた瞬間まばゆい光が広がり「私…自分の願いを見つけたよ。私の願いはぴかりヶ丘でみんなと幸せに暮らすこと。友達と家族と、誠司と一緒に生きていくこと」とめぐみは自身の夢を誠司に語る。以前はめぐみは自分の幸せを省みなかったが、今では何が幸せで願いなのか答えを見つけている。
そして「友達」「家族」とは別に、「誠司」とめぐみは分けている。3話時点は「きょうだいみたいなもの」と誠司を家族のような存在として見ていためぐみであるが、今や「家族」でも「友達」でもない「一番大切な存在」として誠司を受け止めている(きょうだい発言した3話も47話もシリーズ構成の成田が担当している。)まためぐみが一緒に幸せに暮らしたい人は誠司だけであり、48話でもその考えが貫かれている。
するとめぐみの言葉に誠司が「もうその願いは叶ってるじゃないか」と応えめぐみは自分の想いが届いた事と生身の誠司の声が聞けた事で嬉しくて涙を流す。また誠司が悪堕ちした原因の一つはめぐみを守るために空手を始めたように「何かをしなければ」めぐみを守れないと思うあまりプリキュア活動に直接参加出来ない事で負い目を感じ(24話でブルーが熱で倒れためぐみをお姫様抱っこした時や36話でめぐみがブルーに抱きついた時も、ブルー個人への嫉妬よりも誠司が自分でめぐみを介抱出来なかったのとめぐみを上手く励ませなかったのが最も誠司が苦しい思いをした原因かもしれない)それをレッドに利用されてしまったが、めぐみが「誠司と一緒にいる事で」救われてたのを知り誠司の心が救われ満ち足りた笑顔を見せたのである。
「俺だってめぐみにたくさん助けれてたんだぜ。めぐみといると元気になれるんだ。お前がいると何があっても大丈夫だって思えるんだ」と誠司もめぐみといると心から幸せになれ生きる活力になると伝える。更に「俺も…お前とずっと一緒にいたい」と誠司はめぐみに正直な気持ちを告白する。今まで誠司はめぐみに気を遣うばかりに彼自身の本当の気持ちを伝えずぐみが幸せになるならブルーと結ばれていいと自分を犠牲にしていたが、今では素直に自分の願いを伝えるぐらい成長しているのである。
「私、ずーっと幸せだったの。だからこの幸せがこれからも続いたらいいなって思う。ううん。続けさせてみせる! それが私の夢なんだ」とめぐみは自身の夢も伝える。今まで他の人ばかり気にして自分を疎かにしていためぐみだが、今では友達と家族と誠司と幸せに暮らしたいという意志を持ちそれを具現化するための努力をする決意をする程にめぐみは成長しているのである。
「お前らしい夢だな。俺の夢も同じだ」と誠司もめぐみとずっと幸せに生きていきたいと同じ夢を抱いていると言う。誠司もめぐみの幸せを願うあまり自分の幸せを疎かにしていたが、今ではめぐみといっしょに幸せになりたいと自身の幸せも考えているのだ。誠めぐ二人共、お互いの愛によって幸せがなんなのか気付き、相手に自分の幸せを願わせるぐらい影響し合っているのである。めぐみも誠司もプロポーズのような言葉を贈りあう。「幸せは一瞬、愛は幻」と幻影帝国の女王時代のミラージュが言ったが、中学生にしてめぐみは誠司と誠司はめぐみと離れずに幸せに生きていきたいという一生分の愛の答えを見つけたのである。
「皆で一緒に学校に行って」「友達とおしゃべりして」と誠めぐが語り合っている時にひめが、「おいしいご飯を食べて」の誠司が言った時にゆうこが、「そんな毎日を続けたい」とめぐみが言っている時にいおなが降りていく。ひめゆうこいおな3人のサポートなしでは、誠めぐが思いっきり気持ちをぶつけ合う事と心を通わせる事が出来なかったのである。
「皆が一緒なら何があっても楽しい。最高に幸せハピネスだよ」と満面の笑みをめぐみは浮かべ、彼女の笑顔を見て誠司は微笑む。すると誠司の結晶が反応し、レッドが驚愕する。
誠司は「さぁ、こい!めぐみ、皆!」と両手を広げ、めぐみ達の想いを乗せたイノセントプリフィケーションの浄化を正面から受け入れる姿勢を取った。36話でめぐみがブルーに抱きついている所を傍観していた時とは違い、誠司はアグレッシブな態度を取れるぐらい変わってきたのである。誠司はめぐみが自分を大切な存在だと思っていると分かった事で少しずつ大胆になっているのである。そして「めぐみ」「皆」と、誠司はめぐみを別格な存在として扱っている。
イノセントプリフィケーションで誠司が浄化され彼が目覚めるとそこには「おかえり、誠司」と慈愛に満ちためぐみの顔があった。めぐみの膝の上で、誠司は「ただいま、めぐみ」と返した。27話と同じく誠司の帰る場所はめぐみであり、誠めぐはお互い唯一無二な存在であるのを確認し合った。
レッドは「憎しみが消えた…」と呆然とする。かつてブルーは「恋愛はうまくいっているときはいい。でも仲がこじれると取り返しのつかない事になる」と恋愛禁止令を出したが、おそらくレッドも同じ事を思っていたのである。
しかし悪堕ちしてしまう事になったとしても、お互いの気持ちをぶつけ合い幸せを伝え合う事で憎しみを乗り越え気持ちを通わせて前に進む事が出来る事を誠めぐは証明したのである。誠めぐは一緒に幸せになりたいと同じ想いを抱く尊い関係なのである。ブルーは「愛は憎しみをも包み込み奇跡を起こしたんです」とめぐみが憎しみも誠司の一部として受け入れたとレッドに説明する。
ひめ達はどららかというと誠司はめぐみが好きという恋の観点でいるが、ブルーとめぐみと誠司(44話)は誠めぐの関係を愛と表現している。そしてミラージュは「愛故に傷つく事がある。絶望する事もある。でもそれだけじゃない、私は愛に救われた。愛があるから、幸せな未来を信じられる」と続けて言う。ミラージュは誠司と同じく意中の人絡みで苦しみ悪堕ちしてしまったが、それでも昔ブルーと幸せな日常を過ごした時のイノセントな想いを思い出して自分を取り戻したのである。ミラージュは自分のブルーへの想いと、誠司のめぐみへの想いと重ねたかもしれない。
レッドはブルーとの問答で愛は無力だと必死に否定していると、ひめ、ゆうこ、いおな、そして手を繋いでいる誠司とめぐみが現れる。やはり2人は一心同体なのである(公式サイトの47話のあらすじでも手を繋いでいるめぐみと誠司のカットが乗っている。)
ラブリーの愛は無敵の発言に怒りを隠せないレッドに対し、めぐみは自分一人では何もできないいろんな人に支えれれてきたから頑張れたと答える。めぐみは他人のありがたみを感じる程に愛を分かってきたのである。めぐみのレッドが誰かを愛してきたのではないかという発言でレッドが激怒する。レッドは愛を否定し、今度は自分が相手になると最後の戦いが突入する事になった。
憎しみの結晶を失った誠司は元の普通人の力に戻り、プリキュアたちの戦いを見守ることしかできない。たった一人で4人のプリキュアと拮抗するレッドの力はすさまじく、なんとファントムと同じくプリキュア封印の技まで繰り出したプリキュアたちは予想もしなかった状況で一瞬で封印される。ただ、キュアラブリーを除いて。
レッドの攻撃の挙動を最初に見切ったのは誠司だった。そして彼は言葉を発する間も惜しみ、ラブリーを突き飛ばして自分が盾になり、ラブリーの代わりに封印された。それを愚かと嘲笑するレッドだが、めぐみは怒りや憎しみにとらわれることなく、むしろ誠司のその行動に強い信頼の絆を感じた。誠司は必ずキュアラブリーが自分を助けてくれると信じているからこそ、このような行為に出たのだから。それを感じ取れないレッドを憐れに思いつつ、だからこそレッドも助けなくてはいけないと決意を新たにした。
なお、47話からの壁紙に、「宇宙空間での誠めぐのハグ」と「手を繋いでいる誠司とめぐみ」と嬉しいシーンが選ばれた。
- 日常への帰還(49話)
最終決戦では、めぐみがフォーエバーラブリーに変身してレッドと一対一で相対し誠司はその戦いを見守ることしかできなかったが、めぐみが『プリキュア・フォーエバーハピネスシャワー』を放つと、誠司達がいる場所にも届く。誠司はハピネスシャワーの光をめぐみが出した物であるのを見抜いていた。
ハピネスシャワーにより、地球が救われ、レッドの心も救われた。48話で誠司がめぐみを庇わなければ、めぐみがフォーエバーラブリーになって地球も救う事もレッドの心も救う事も出来なかったのである。ずっと一緒にいた誠司からめぐみが愛は身近な物だと学んだからこそ、誠司やひめやゆうこやいおなやブルーやミラージュやテンダーや世界のプリキュアの愛を繋げて永遠になっていくというのをレッドに伝えた事でレッドを愛に包む事に成功したのである。
レッドの傍にいるめぐみにひめ達が駆け付け、ひめに抱きつかれためぐみに誠司は「めぐみ」と声をかける。フォーエバーラブリーに変身していても、誠司はあくまでもめぐみとして接する。レッドの惑星レッドを蘇らせる手伝いをするためにブルーとミラージュは地球を去る事になる。ブルーは皆が幸せハピネスになるためにプリキュア達と誠司に愛の結晶を贈る。ピンク色がめぐみの、青色がひめ、黄色がゆうこ、紫色がいおななので、残りの青緑色の結晶は誠司のものである(なぜイメージカラーが赤の誠司が赤色ではなく青緑色なのかは劇中では明言されてないが、おそらく赤色だとレッドと彷彿させるため誠司だと分かるために青緑色にしたのだと思われる。)
そして平和なぴかりが丘。めぐみ達が歌を歌いながら登校。
めぐみとひめが初めて出会った場所でめぐみが皆に出会えて幸せと言い、ひめも幸せと言う。
誠司とめぐみは同じ階段の上に立つ。人と人との出会いは偶然から生まれるかもしれないとリボンが言った時に、誠司が「家がたまたま隣りだったからそれで幼馴染になったりな」と明らかにめぐみの事に触れ、めぐみは彼の台詞に反応する。やはり誠司はめぐみの事でかなり頭に占めているのである。
愛の結晶を投げて新しい友達を作るために走り出すひめをいおなが追いかけ、ゆうこは当たった人とごはんを食べようと言い振り返りながらあえて誠めぐを二人っきりにするような行動を取り階段で二人っきりになった誠司とめぐみ。
誠司はめぐみに結晶の使い道について尋ねるが、その時にめぐみはハッとしたような表情を浮かべる。めぐみが誠司に今までとは違う感情を抱いているのが伝わる。めぐみが誠司の方を向きながら答える。
「大切な人が出来たら、渡そうかな。誠司は?」
「俺も同じだ」
「そっか同じだね」
「同じだな」
すでに27話でブルーやナマケルダに誠めぐはお互い大切な存在であるのを告げ(この話の誠司のブルーへの「女の中で一番か?」という問い詰め方から誠司がめぐみを女で一番だと思っているのが透けて見える)46話でめぐみは誠司を一番大切な人だと自覚し何が大切なのかお互い答えを出している誠司とめぐみ、おそらく相手が何を思っているか分かっているが深入りせずに言葉を交わし同じ想いを抱いているのを確認し合う。誠司はめぐみに微笑む。
誠司が「行こうぜ」と言った後にめぐみが「うん!」と答え、誠司は先に行く。めぐみ絡みで悩み不安になっていた誠司ではあるが、47話でずっとめぐみの幸せを願ってきた誠司にめぐみが誠司と過ごした日常が幸せだったと答え更に誠めぐがお互いにこれからもずっと一緒に幸せに暮らしていきたいという素直な気持ちを伝え合ったので彼の不安が解消し自信が付き、前よりもめぐみに対する信頼が増しているので誠司は安心して前を進めるのである。
めぐみは誠司の後ろ姿を見つめながら、頬を染めて顔をほころばせる。誠司に何らかの感情が芽生え初めているめぐみ、その感情を大きく育ててから大切な人が出来たら愛の結晶を渡すという答えを出すのかもしれない。
ラストは青緑色の誠司の結晶とピンク色のめぐみの結晶が仲睦まじそうに並んでいるカットになる。先程の階段のめぐみと誠司の立っている位置と、結晶の位置が逆になっているという面白い演出になっている。
一つ一つの愛は小さいけれど小さな愛が繋がる事で大きな愛になって永遠になる事を証明しためぐみ。いつも誠司とめぐみの心が繋がっているのを表しているのか、もしくは将来の幸せそうに寄り添う誠めぐの姿を匂わしているのか意味深な二人の愛の結晶のカットでハピネスチャージプリキュアの物語は幕を閉じた。
関係者の見解とそれに関する考察(最終回後)
柴田宏明(プロデューサー)
『アニメディア2月号』
- 「誠司とめぐみは、お互いを大切な相手と思っています。彼らがお互いの思いをぶつけ合うことなしには、この作品は完結できないと考えました」
誠司が敵に回った件について、柴田Pはこう答えており、事実、幻影帝国との戦いが終わった44話時点では
- 白雪ひめ/キュアプリンセス 祖国と両親を取り戻した。
- 大森ゆうこ/キュアハニー ファントムを救う事ができ、王国の人々にハニーキャンディに渡す。
- 氷川いおな/キュアフォーチュン 封印・洗脳された姉まりあを取り戻した。
- ブルー ミラージュを取り戻し、彼女と寄りを取り戻した。
- ファントム/ファンファン 元の姿とミラージュの笑顔を取り戻した。
- クイーンミラージュ/キュアミラージュ 元の姿に戻り、ブルーと寄りを取り戻した。
このように彼女の周りは、敵味方問わず幸せに満ち溢れていたがしかしそれに対を成すように
この二人だけが問題が解決せず不幸な状態となっていた。柴田Pの見解通り誠めぐお互いが何を幸せに感じているかお互いを必要としているのを心身共に伝えないと誠めぐは救われなかったのである。
同誌で誠司の救うための打開策はあるのかという質問で柴田Pは「レッドが誠司に植え付けた「憎しみの結晶を」破壊するしかありませんが、それにはめぐみが彼の本心に語りかけることが重要です」と答えており柴田Pのコメント通りめぐみと誠司が互いの存在で日常が愛に包まれていたというイノセントな気持ちを語り合った事で、めぐみは誠司を救いめぐみも誠司に救われたのである。
手を繋ぎながら同じ幸せになる道の方向を見つめる誠司とめぐみは、愛で結ばれた対等なパートナーになった。
『アニメージュ3月号』
- 「『ハピネスチャージプリキュア!』はいろんな新しいことにチャレンジした作品でした。そのチャレンジは、自分の当初の予想を大きく超えたところまで到達できたという思いがあります。特に第44話から第47話あたりまでのキュアラブリーと誠司のやりとり。プリキュアは世界を守るという大きな使命を持つ一方で、ごく普通な女の子としての感情もある。その愛乃めぐみ個人の気持ちがとても鮮烈に描かれたかなと。誠司というキャラクターがいてくれたおかげで、本当にいい形にすることができました。」
- 「実は、誠司とラブリーが戦う展開にするかどうかは、かなり議論になったんです。でもシリーズ構成の成田良美さんが、「やっぱりやりたい!」とおっしゃって。僕も「めぐみと誠司が気持ちをぶつけ合う展開がないと、この物語は終わらない」と素直に思いました。2人が戦いを乗り越えたうえで、最後はちゃんと仲良くなって終わらせたいという長峯達也さん(シリーズディレクター)の考えから、とてもストレートな幕切れになりました。」
- 「最終回のラストシーン、めぐみたちはこれまでを振り返り、「人と人との出会いって偶然から生まれる」と語り合いました。愛の結晶を、ひめやゆうこは新たな出会いのために投げると言い、めぐみと誠司はいつか大切な人にあげるために取っておくと言いました。どっちも考え方としてはアリですよね。投げるのは、観てくれた子ども達に託すということです。そして、めぐみと誠司は「同じだね」「同じだな」と2人だけで笑顔で交わしました。彼らの気持ちを具体的に言葉には出さず、観ている人に感じさせる終わり方で、長峯さん憎いなって(笑)。そんなふうに、手応えを感じて終わることができました。」
柴田Pのハピネスチャージプリキュアの終盤についてのインタビュータイトルが『めぐみと誠司の「愛の結晶」の行方は』であり、わざわざ他の登場人物もいる中でめぐみと誠司の名前だけに絞り彼らを意識しているかのようなタイトルになっている。
柴田Pは序盤のめぐみは他人にばかり気を取られていたので自分の感情に関心を持つ事がなかったために彼女自身のモノローグや心理描写があまりなかったが47話からめぐみは誠司と向き合う事で誠司の前でブルーに失恋して悲しみに打ちひしがれてる素の自分の曝け出したり誠司とひめ達が味方にいる事に喜びを感じたりレッドにより大切な存在の誠司の損失に絶望したり誠司と二人っきりで話したいという素直な欲求を持ったり誠司から愛は何気ない日常を一緒に送る事で幸せを感じる事であるというのに気付き暖かい気持ちになったりめぐみ自身の願いや夢を見つけ自分の意志を持ったりと自分の感情を素直に出すようになって彼女の女の子らしい喜怒哀楽の感情の機微が細やかに描かれていると語る。
また悪堕ち誠司の件について誠司とめぐみが戦う展開にするかどうかは制作者の間で議論になったが、中盤以降精神的にすれ違っていた誠司とめぐみの気持ちを通わせたいというシリーズ構成の成田と長峯SDと柴田プロデューサーの熱意により誠めぐの心が通じ合う47話が誕生したと語った。
やはり柴田Pはめぐみの内面を描くには誠司が必要不可欠な存在であったと感じているようである。
最終回のラストシーンは長峯SDが考えたものだと明かし愛の結晶の件でひめとゆうこの考え方とめぐみと誠司の考え方の二組の選んだ道について触れ、「同じだね」「同じだな」と言葉を交わしている時に二人が笑顔でいる理由については具体的な台詞で表現せずに彼らの気持ちがどういうものなのかは視聴者に委ねられているとコメントした。
『ハピネスチャージプリキュア オフィシャルコンプリートブック』
- 「等身大の中学生の恋はあるのが普通だと思っていたのですが、やるからには中途半端な描き方は嫌だなと思っていて。『映画 Yes!プリキュア5 GoGo!お菓子の国のハッピーバースディ♪』(2008年)で主人公の夢原のぞみと妖精のココをいい雰囲気にした長峯さんと成田さんなら思いきってやってくれるのではないかと考えてたんです。当初は「ほんのり恋愛模様」くらいにみんな考えてたんですよ。実際、本編でも13話のファントムが登場する話でちょっとにおわせて始めて、それ以降もめぐみの中でブルーへの想いが大きくなっていく雰囲気が描いていますが、恋愛を全面に押し出した話はほとんどない。ただ、やはりほんのりとでもめぐみからブルーへの恋心を描いた以上、その決着はきちんと描かないといけないと思っていましたから、43話と44話を作ったんです。43話のミラージュとブルーのキスシーン、そして44話の誠司の前でめぐみが「失恋した」と言って泣く終盤のエピソードが強くて今回のテーマは「恋愛」だと強く心に残ったのではないでしょうか。」
- 「プリキュアは強大な敵から世界を救うという目的になることが多いので、個人的な想いはなかなか出しづらくなりますからね。本作に関して言うと、ブルー、誠司とのやりとりを通じて、世界を救うこととは別の、中学生であるめぐみの女の子としての想いを描ききれたと思ってます。」
- 「長峯さんの最初のメモには、誠司の存在はなかったんですが、成田さんが幼なじみを出したいとおっしゃって。彼に関しては、成田さんと女性プロデューサー陣のこだわりがすごくて、17話では脚本の小山真くんが、誠司の言動にだけ、たくさんの注文を出されて苦労していました(笑)。」
- 「ダーク誠司にしてもいいのかどうか、議論はありました。それまでめぐみがさまざまな経験をしてきても、誠司はそれをグッと堪えながら見守っているだけだったので、このまま終わるわけにはいかないだろうという議論があって。結局ふたりは本気で語り合うところまでいっていませんでしたから、本気で向かい合って想いを昇華しないといけないだろうと話し合った結果ダーク誠司が生まれたんです。最終話の言葉を交わすのがめぐみと誠司というのも、本作がめぐみと誠司の物語でもあることを象徴しているのではないでしょうか。」
柴田Pはインタビューでハピネスチャージプリキュアはめぐみのブルーへの恋の末路を描きブルミラがキスで仲直りし他の人の前では堪えてた失恋の悲しみをめぐみは誠司の前では号泣して曝け出すという終盤の話が出来たので恋愛がテーマであるという印象になったのではと答えた。
ブルーや誠司と接する事でめぐみの年相応な少女らしい心情を描ききったのではないか、最初は誠司の設定はなかったがシリーズ構成の成田の提案でめぐみの幼なじみである誠司が誕生し、誠司が空手を始めたきっかけはめぐみなのと誠司がめぐみに惹かれているのは人のために一生懸命頑張っているからだと判明する17話を担当した小山真に成田や女性プロデューサー陣が誠司の言動にたくさんに注文していたと明かし、成田が誠司にかなりこだわりがあるとコメントした。
誠司が本当の気持ちを隠してグッと堪えながら見守るままで終わるわけにはいかないという思いがスタッフの間にあり、誠めぐは本気で本音を語り合った事がないので気持ちを伝え合ってお互いへの想いを一段上の状態にしないといけないと話し合った結果ダーク誠司が生まれたと述べた。最終話のラストシーンで愛の結晶について言葉を交わすのがめぐみと誠司なぐらいハピネスチャージプリキュアはめぐみと誠司の関係を主軸とした物語ではないかとコメントした。
長峯達也(シリーズディレクター)
『ハピネスチャージプリキュア オフィシャルコンプリートブック』
- 「アニメ作品の中には、極端に女の子を持ち上げたり、女の子に対して過敏な反応をしたりする男の子が登場する作品も多いのですが、本作ではそういう男の子を出したくなかったんです。かといって、少女マンガのように男の子が女の子の上に立つような感じにもしたくなくて、対等な関係を作らせたかった。男に余裕を持たせようとすると、どうしても王子様とか年上になっちゃうんですよね。でも、女の子を特別視せず、困ったら助けてあげるし、自分が困ったら助けてもらう。身近にいる男の子が誠司なんです。かまえてないだけで、特別イケメンにしようと思ったわけではないんですよ。そのせいか、誠司は無償で助けてくれるお父さんみたいな存在になりましたね。」
長峯SDは誠司は年齢の割に大人びているのではないと質問したのに対しめぐみの最終的な相手役の誠司を身近な同い年な男の子にしたのはお互い助け合える対等な関係にしたかったからだと明かした。
実際に誠司はめぐみの人助けのフォローやめぐみの悩みの相談に乗ったりめぐみの失恋の悲しみを受け止めて心を支え、めぐみは誠司がサイアークに襲われたり誠司がサイアークになったりレッドが誠司を洗脳した時も誠司を助けに行くなど、誠めぐを助け合える関係にしたいという長峯SDの意図は本編に反映されている。
成田良美(シリーズ構成)
『ハピネスチャージプリキュア オフィシャルコンプリートブック』
- 「恋愛ってうまくいってるときはいいのですが、うまくいってないと落ち込んだり疑心暗鬼になったりと、キャラクターが暗くなってしまうんです。それが今作では一番悩んだところですね。めぐみがブルーに結果的に失恋することになったあと、44話に女子会を入れたのは、失恋した暗さを引きずりたくなかったからです。めぐみを支えてきてくれた誠司の存在をフォローする意味もありましたが、失恋した暗さを長い話数をかけて引っ張りたくなかったので、早めに決着がつくようにしました。」
- 「誠司は、私の憧れというか、こんな幼なじみが欲しいというか、そんな思いを込めて書きました(笑)。協力者として男の子を出したいといいう案は、誰の発案だったかは覚えていませんが当初からありましたね。その段階からプリキュアチームの中に入れたいという話もあったと思います。誠司の名前は、最初からめぐみとの恋愛をやっていこうということで、「愛と誠」から取っているんですよ。それに、彼女と恋をするなら、めぐみの置かれている状況を知ってほしいなというのもありました。それ以前に、めぐみの性格では絶対にごまかしきれなかったでしょうが(笑)。」
成田は恋愛をテーマに書いてみて難しさはありましたかという質問に対し44話はひめ達とのパジャマパーティーを描いたのはめぐみの失恋した暗さを引きずらないために出来た話だと語り、更にめぐみをいつも支えてくれた誠司をフォロー(おそらくフォロー内容は「辛い時でも誠司とひめ達が味方でいる事に気付かせてくれた誠司に感謝する」「失恋の悲しみを直視する勇気を与えてくれて幸せになりたいと願うきっかけになった誠司をめぐみがだんだん見つめるようになり彼に以前とは違う感情を抱くようになった」だと思われる)するのも目的であったと打ち明けた。
誠司の存在は欠かせませんという質問には最初から誠司とめぐみの関係を恋愛にするのが決定していたと明かし、名前を純愛ものの漫画である「愛と誠」から取ったと公表した。
わざわざ恋愛を扱う漫画から名前を取るぐらいま誠めぐの繋がりを意識していたのである。
プリキュアチームの協力者として男の子を出したいという案は当初からあったため成田の理想像の幼なじみである誠司が誕生し、誠司がめぐみと恋するならめぐみがプリキュアとして戦っているのをしってほしいという事で誠司がプリキュアの協力者になったとコメントした。
中島愛(めぐみ役)
『ハピネスチャージプリキュア オフィシャルコンプリートブック』
- 「誠司の想いに関しては、無視していたのではなくて、距離が近すぎて本当に気づかなかったんだと思います。48話で「友達と家族と誠司と生きていく」と言ったときに、始めて誠司を特別な存在として認めることができたのかなと感じています。」
- 「大切だと思っているけど、恋とか愛とかの域にははいっていないんじゃないかな。でも、ふたりの将来が想像できるような、幸せに満ちた語りだったので、ずっと特別な関係にいてくれたらうれしいですね。」
- 「そうですよね!めぐみはとにかく、ずっといい子であろう、いい子でありたいと思ってきた子でもあるでしょうから、誠司はその張り詰めた危うさに気付いていたのかもしれませんね。でも、無理やり変えようとするのではなくて、ずっと見守ってくれていた。だから、めぐみには早く誠司の気持ちに気づいてほしいなとも思います。」
- 「なりましたね~(笑)。誠司も含めて、男性キャラクターそれぞれによさがあるので、誰が一番かと問われると、選べないですよね。ブルーは地球とミラージュ、誠司はめぐみを、そしてレッドは惑星レッドのことをずっと思い続ける一途な人たちですから。めぐみを演じた立場としては、やはり「誠司が一番」と言いたいです。」
- 「44話かな。ブルー様に失恋する形になっためぐみが落ち込んでいることに気づいて、誠司が街に連れ出してくれたエピソードです。誠司が「本当のめぐみでいていいんだよ」って言ってくれて、やっと泣くことができたという、感情の流れが印象的で。めぐみとしては、ブルー様とミラージュ様が幸せなのはすごくうれしい。でも悲しさもあるのに、それを見つめることができずにいた。そこをちゃんと見させてくれたことに、すごく感動しました。」
中島は誠司のめぐみへの恋心について、めぐみが誠司の彼女への想いを気付かなかったのは傍にいるのが当たり前になりすぎてたからではないと考察し、めぐみが48話で「友達」「家族」と別個にして「誠司」と生きていくと言ってたのでその時点でやっとめぐみは誠司を特別な存在だと認める事が出来たのではという見解を出した。
それは恋愛感情なのかという質問に対しめぐみは誠司を大切だと思ってもまだ恋愛の域にははいっていないのではないかと言い、しかしながら誠めぐの幸せな将来を思い浮かべられる(金本も似た見解である)語りなので誠めぐふたりにはずっと特別な関係でいてほしいと述べた。
誠司ほどのいい男はそうそう現れませんよねという質問には辛くてもいい子でいようとして自分を犠牲になるめぐみの危うさに誠司は気付いていて(1話の時点で誠司がめぐみに彼女自身を大事にするように忠告している)でもめぐみのその部分を無理やり変えようとせずに見守っている誠司はいい子であると言い、中島も誠司役の金本同様めぐみに恋する誠司は申し分のないいい男なので早くめぐみに彼の気持ちに気付いてほしいと願っているとコメントした。
アフレコ現場ではレッドとブルーどちらがいい男かという話になったそうですねという問いに中島は46話で誠司が一番大切だと自覚しためぐみを演じているので「誠司が一番」と発言するというめぐみに一途な誠司を肯定するとても嬉しい解答をしてくれた。
シリーズと通して印象的なエピソードの質問では誠司がめぐみを励ますために街に連れ出した44話を上げ、彼が自分の前では本当の事を言っていいと言ってからやっとめぐみが泣く事が出来たという彼女が誠司の言葉で悲しみを見るめるまでの感情の流れが印象的ですごく感動したと述べた。
誠司役の金本はめぐみの話題が多かったが、コンプリートブックの中島のインタビューは誠司の話題が多かった。
『プリキュアラジオ』
- 「誠司との絆だったりお友達との絆が描かれてた回だったんですけど、まあそのブルー様に失恋してちょっと傷ついためぐみがなかなかこう元気になれなくてそれを察した誠司が街に連れ出してくれるという回だったんですけれども、なんかめぐみって凄くいい子でありたいいい子でいなくちゃっていう気持ちが凄い強い子なのかなっていう印象が私にあって、そこを認めつつでも泣いてもいいんだよって言ってくれた誠司のなんていうんでしょうもう大人さんというか少年なんですけど本当に洞察力というかめぐみの事を本当に長い間見てくれていた人なんだなというのをじわっと感じて、でそう言われてめぐみがやっと泣けるっていうその一連が凄く丁寧な表情とかも絵とかも全部丁寧な描写でなんかめぐみとして嬉しかった回でしたね」
ゲストに呼ばれたプリキュアラジオ51回で、ハピネスチャージプリキュア全49話の中から特に印象に残っている3つのお話を選んでもらうという質問に対し、中島は1つめに44話を上げ誠司とめぐみの絆と友達とめぐみの絆が描かれた回であると言い、長い間めぐみを見ていたのでめぐみのいつもいい子でいなければいれないと思っている部分を理解していた誠司が「せめて俺の前くらいは本当のことを言ってくれ」と言ってくれたおかげでめぐみが泣けるという一連の流れが凄く丁寧で表情とかも絵とかも細やかでじわっとくる話でめぐみとして嬉しい回であったとコメントした。
吉田仁美も「これ本当にドキドキした」「凄く素敵な回でしたね」と中島に同意した。
吉田は誠めぐを応援していたプリキュアラジオのリスナーから「神様にメロメロなめぐみちゃんを見ていると気が気ではなく頑張れ誠司、と手に汗を握って応援していました。無事に二人の幸せな未来を予感させる終わり方をしてくれてほっと胸を撫で下ろした」というメールが来たと紹介し、中島はそのメールに対し「ありがとうございます」と感謝した。
エンディングについて
中島「はっきりは言ってないんですよね。そのめぐみと誠司がこれからどう過ごしていくのかなっていうのは。早く気付いてほしいですよね。私としては」
吉田「分かります!その気持ち」
中島「誠司、もうちょっとだ!!みたいな」
吉田 中島「頑張れ、誠司!」
中島「めぐみはもう気付く。大丈夫気付いているけど、後一歩みたいな」
と中島と吉田は本編では誠めぐは今後どんな名前が付けられる関係になるかはっきりしてないが、誠司の後一歩の努力でもっと踏み込んだ間柄になれるのではと主張し、二人とも誠司のめぐみへの恋を応援した。
吉田「だからこそあのハピネスチャージプリキュアの放送自体は終わっても彼女達の物語は続いているんだなっていうのは凄くあったかい気持ちになりますよね。」
中島「先週言った通り寂しい気持ちもありつつなんか嬉しいほっこりした気持ちってそこから来ているのかなって。あったかい終わり方がそういう気持ちにさせているのかなって思いますね。」
と中島と吉田はこれからがはっきりしないラストはこれからも2人の物語は続いていくといのを感じられ(おそらく最終回が新たなスタート時点)寂しいのにほっこりした気持ちになるとコメントした。
プリキュアラジオで中島が誠司の事にかなり触れているという嬉しい回であった。
金本涼輔(誠司役)
『ハピネスチャージプリキュア オフィシャルコンプリートブック』
- 「まだ駆け出し声優といっていい僕に、主役であるピンクの子の幼なじみキャラが決まったと聞いて、めちゃくちゃ驚きました。「そんなに出番はないかもしれないけど、こんなすごい作品に出られるんだ、頑張ろう!」なんて、のんきなことを考えていました。」
- 「誠司くんは、とてもしっかりした自分の価値観を持っている子で、最後までブレませんでした。唯一変化があったのは、やはり恋心でしょう。いろいろ言われるブルー様ですが、彼のおかげで、誠司は自分のめぐみに対する気持ちと向き合うことができたと思っています。」
- 「めぐみがブルーに失恋して、落ち込んでいるところを慰める誠司はもう見ていて、演じていてつらかったです。こんなにもめぐみのことを理解して、気にかけているのに……。「めぐみも振り向いてやれよ!」なんて思ってました。」
- 「あのラストシーンはジーンときてしまいますね。めぐみと誠司のこれからについてはいろいろな意見があるでしょうが……。あのふたりは、これからもずっと幸せにぴかりが丘で暮らしていると信じています。」
金本はプリキュアに出演すると決定したときの感想の質問でピンク主人公の幼なじみのキャラを演じる事ができるのに驚き、後にめぐみの成長に誠司がかなり関わる事に事になるとは知らずそんなに出番はないかもしれないけど頑張ろうと思っていたとコメントした。
キャラクターの印象についての質問ではブルーが登場してくれたおかげで誠司はめぐみが大切な存在だと気付いたのではないかと述べた。
印象的だったセリフやエピソードの質問ではめぐみはブルーや人助けする遠くの人ばかり見て誠司をあまり気にかけないので誠司の事を気にかけず苦しい気持ちの状態でブルーに失恋しためぐみを慰める誠司を見ると辛く感じたので、めぐみに誠司に振り向いてほしいと願ったと明かした(コンプリートブックでめぐみ役の中島も金本同様めぐみは誠司の気持ちに気付いてほしいと思っているとコメントしている。)
そして最終話まで終わっての感想についてはラストシーン(おそろく「大切な人が出来たら愛の結晶を渡したい」と微笑み合いながら同じ想いを抱いているのを確認し合うシーンと誠司の結晶とめぐみの結晶が寄り添っているカット)に胸一杯になったと語り、めぐみと誠司はこれからもずっとぴかりが丘で幸せに生きてきいくのではないかと誠めぐ的に希望のある見解(中島も同じ見解である)で金本へのインタビューは幕を閉じた。
金本の発言は一貫して誠とめぐみ、2人の話題が多かった。
戸松遥(いおな役)
『ハピネスチャージプリキュア オフィシャルコンプリートブック』
- 「リアルな中学生だと、女の子とふたりきりで話すのが照れくさい年齢になっていて、話さないことが増えているのかもしれませんよね。誠司もなんだかんだ言っても、「好き」ということは伝えられずにいましたし。」
戸松が誠司の事について誠司もめぐみに「好き」ということを伝えるのが照れくさくてできない年相応な面があるのではと述べた。
総括
雑誌などの各種インタビューから見る限りは制作スタッフたちの中でも誠めぐの関係は様々な解釈があるようだ。最終回後の誠めぐはどんな道を歩むかは具体的に語られてないが(最終回ラストの誠司とめぐみの愛の結晶が並んでいる意図についても特に説明されてない)、二人の未来は視聴者の想像に任せるという意図が大きいのだと思われる。
誠司のスパークル缶バッジ
プリキュアオールスターズ男子キャラのスパークル缶バッジの一つに「誠司とダーク誠司が対になっている缶バッジ」が発売された。制服姿の誠司の背景は誠司の愛の結晶の色である青緑色とめぐみの愛の結晶の色であるピンク色で描かれており、誠司とめぐみを連想させる。
line(45話以降)
プリキュアのlineの公式アカウントのタイムラインに投稿された誠めぐのような内容の文章(めぐみ視点)
- 誠司が悪堕ちした45話の後のもの
誠司は、生まれた時から、ずっとそばにいてくれたね。
隣りの家に住んでいて、気づけばいつも一緒だったよね。
楽しいことも、うれしいことも、悲しいことも、辛いことも、ぜんぶぜんぶ、共有してきたんだもん。
そばにいることが当たり前で、いつも笑顔が当たり前で、いつも頼りになるお兄さんのような存在が当たり前で…
私はいつも誠司に支えられてきたんだ。
誠司、今までありがとう…
だから、絶対に、誠司だけは絶対に、私がこの手で守るよ…
lineのめぐみの文章で『私はいつも誠司に支えられてきたんだ』と書いてあるが46話でめぐみは今までの誠司に支えられて来た出来事を振り返っているので本編に反映されていると思われる。『誠司だけは絶対に、私がこの手で守るよ・・・』の文章も、46話で赤い星で向かうめぐみの心の中の(私が守らなければならない存在だって気付かされた。)も「私が」と自分の願いとして描かれている。
- 誠司が元に戻った47話の後のもの
誠司に私たちの思いが届いて本当の誠司を取り戻すことでできたよ!!!
あぁ。。本当に本当によかった……。
誠司は、すごく優しくて、本当に優しすぎて色々ガマンしちゃうんだよね……
私は今までそんな誠司に頼りすぎだったのかもなぁ……
私、誠司からもらったたくさんの愛を胸にみんなに幸せを届けるよ
そしていつか、誠司の思いに応えられるように……
私自身がも~っと成長しないといけないよね
このlineのめぐみの文章は、まるで旦那(誠司)を惚気けている嫁(めぐみ)のようである。
『誠司は、すごく優しくて、本当に優しすぎて色々ガマンしちゃうんだよね・・・』『私は今までそんな誠司に頼りすぎだったのかもなぁ・・・』は46話で誠司が辛い思いをしていると思わずあまり誠司の心情に気にしなかった事を後悔しているめぐみのシーンと47話で今まで誠司をガマンさせてしまった分思いっきり彼の感情を拳で吐き出させて誠司の憎しみをめぐみが受け入れたシーンの内容が反映されていると思われる。
『私、誠司からもらったたくさんの愛を胸にみんなに幸せを届けるよ』はいつもそばにいてくれた誠司から愛の意味を知ったのを47話でめぐみが誠司に伝えているので、lineのめぐみは誠司から愛とはどんなものか知ったのでそれを糧に皆を幸せにしようとしていると推測される。
『そしていつか、誠司の思いに応えられるように・・・私自身がも~っと成長しないといけないよね』の47話でめぐみが誠司の気持ちを受け入れているので、もしかしたらlineのめぐみは誠司の肝心な思いを知ろうとして向き合おうとしてるのかもしれない。いずれにせよlineのめぐみはいつもそばにいる誠司をもっと大切にしようとしているのが伝わる。
- 最終回の前日のもの
みんな!
みんなの愛、ちゃんと受け取ったよ!!
ありがとう!
私は一人じゃない
ひめ、ゆうゆう、いおなちゃん、リボン、ぐらさん、ブルー、ミラージュ
大切な家族や友達
そして、誠司がいる。
応援してくれるみんなもいる!!
私は絶対に無駄にしない!
私は、もっともっと強くなれる!
「ひめ達プリキュアの仲間」と『大切な家族や友達』とわざわざ分けて、『そして、誠司がいる』とlineのめぐみは誠司を最後に上げている事から、重要な特別な存在として受け取っていると思われる。47話でもめぐみは誠司を友達でもない家族でもない「一番大切な人」として扱っている。
イメージソング『愛を抱いて』
「ハピネスチャージプリキュア!」ボーカルアルバム第2弾に収録されたイメージソング『愛を抱いて』はどことなく最終決戦時のめぐみの心境を彷彿させ、この曲の歌詞に出てくる「あなた」は「誠司」に当てはまると思われる。
この曲の歌詞の「頬を伝う涙が一筋 目を閉じれば 浮かぶ悲しみ 鏡がうつしだす運命を 嘆きそうになる時もあるの でもね絶対くじけない ともに手を取り立ち向かっていくのよ それがプリキュア」は44話と46話と47話、「いつも夢に出てくる思い出 目を閉じれば浮かぶあなたが」は45話、「信じて私に手を伸ばしてくれたね 一人じゃないって あなたのその想いに応え」は44話、「響かそう ずっと 想いを力に変え 封印されてた 宝箱のカギを開く 手を手をとって」は47話、「世界に広がる愛 抱いて あなたのもと 届けたい」は47話の誠めぐシーンを連想させる。
一年間を振り返って
2人の特徴
歴代のプリキュアシリーズは鷲尾天プロデューサ-時代は「プリキュアが想いを寄せる年上男性キャラクターと一から関係を深めていくCP」梅澤淳稔プロデューサ-時代は「同級生以下の男子キャラクターが片想いしている特定のプリキュアを気にかけるCP」が多かったが、誠司とめぐみはプリキュアでは珍しい少女マンガではよくある最初はヒロインが年上男性に初恋を抱くが失恋した事で身近な男子キャラクターの尊さに気付くというCPであった。
またプリキュア同士の幼馴染の絆は描かれる事は多いが男女の幼馴染はいてもメインにされる事はあまりなく、初めて幼馴染のプリキュア男女CPで本格的に描写されたCPでありOPのカットから始まり、ハピネスチャージプリキュアの物語の最後も誠司の愛の結晶とめぐみの愛の結晶が並んでいるカットで終わっている。
誠司とめぐみの名前の漢字の意味
- 『相楽誠司』
- 苗字の『相楽』の「相」はgoo辞書によると「たがいに」と「そばに付き添う」という意味であり(誠司とめぐみがそばにいると互いに楽しくなる)と連想出来、名前の『誠司』の「誠」は「誠実」の「誠」なので(めぐみに誠実に接する誠司)、と本名からも誠めぐの関係を連想させる。
- 『愛乃めぐみ』
- 苗字の『愛乃』の「乃」は名前辞典によると「ずばりと割り切らずに、間のおいてつなげる気持ちをあらわすことば」で(めぐみが誠司や他の人々の愛を繋げる)と連想出来、「めぐみ」の名前は(めぐみが誠司や他の人々に恵みを与える)とめぐみの本名も誠めぐの間柄を思い浮かべる事が出来る。
またシリーズ構成の成田は当初から誠司とめぐみの恋愛をやるために誠司の名前は純愛ものの漫画である「愛と誠」から取ったと明らかにしている。
4話~41話の誠司とめぐみ
2人は3話以降はクローズアップする事が少なかったが、仲良さそうなシーンや誠司がめぐみを想うシーンがさりげなく小出しに描かれる事が多く、それらが44話から47話の4話掛けて大々的に取り上げられたクリマックスの話に繋がる事になる。
2人の関係がクローズアップされた44話~47話
誠司とめぐみの問題を残した事でブルースカイ王国を復興した後、44話以降の残りの尺を2人に重点的に当てている。
- 誠司が今までとは違う積極的な行動を取るぐらい努力したので(めぐみを元気付けるために外出に誘う、めぐみの幸せを願ってテントウムシのブローチを贈る)めぐみが少しずつ今までとは違う態度を取るようになって誠司の恋が少しずつ報われた所。
- 失恋して悲しい時に誠司が寄り添ってくれた事でめぐみが徐々に誠司に支えられている事に気付いた所。
- 誠司が一番大切な存在だとはっきり自覚してどうして大切に感じるか誠司に伝える。
①~③までの経緯をとても自然な流れで丁寧に描写している。41話までは誠司のめぐみへの気持ちばかり描写されていたが、44話よりめぐみが誠司をどんな風に想っているかを自覚するまでの心情描写をしっかりしている。
44話~47話は「辛い時でも誠司とひめ達が味方でいる事を誠司が気づかせてくれたおかげでめぐみがいつも傍にいる誠司に感謝し始め彼を見つめるようになる」→「誠司を見つめる事で誠司との思い出が楽しいものであったとめぐみが気付く」→「誠司との思い出が楽しいのは身近にいた誠司が日常で愛を与えてくれていたからだとめぐみは自分がどう感じていたのかよく考える事で理由が分かり、それにより友達と家族と誠司と幸せに暮らしていきたいという彼女自身の夢の答えを出す」という流れである。
EDのパーティハズカムの歌詞で「がんばったんだもんみんなでごほうび」とあるが誠司はいつもめぐみを支え尽くしめぐみは世界の平和のために「がんばった」ので、45話で誠司はめぐみから「ごほうび」として「彼を想いながら編んだマフラー」を貰いめぐみは誠司から「ごほうび」として「彼女の幸せになるための願いを込めたテントウムシのブローチ」を貰い、47話では誠司はめぐみに抱きしめて貰った事と浄化後に「おかえり、誠司」とめぐみから慈愛に満ちた顔で迎えられるという「ごほうび」を受けめぐみは自分の想いを伝えた事で生身の誠司の声が聞けた事と誠司が彼女の元に戻ってくるという「ごほうび」を受けた事になる。
子供時代から大人の入口へ
現実の幼馴染は恋愛感情を持ちにくいと言われるが、誠司も自身のめぐみへの恋心に長い間気づかずめぐみも誠司に恋心を抱かなかったがしかしながら楽しい日常を共に過ごしハロワインのカップケーキを半分こして食べ続けるなど幸せな「きょうだい」時代を過ごしておりずっと誠司はめぐみの他人の事ばかり頑張り自分を大切にしない姿勢に心配し、反面めぐみの明るさに救われ続け誠司はめぐみを支え続けていた。
中学二年という子供から大人に変わる時期に、誠司が熱で倒れためぐみをブルーが彼女にときめかせる程の神としての経験が感じさせる大人な男の余裕のあるお姫様抱っこという助け方をしている所を目撃しまった事で今まではずっと自分が助けてたのにめぐみを助けられなかった事に落ち込み、誠司が自分の知らないブルーに恋に落ちつつあるめぐみの新しい姿を見た事で誠司は自分の元からめぐみが遠くにいったように感じて不安になる。
めぐみもアンラブリーの精神攻撃で幼い頃の人助けのノリでは通用しなくなりつつある事の図星を付かれ絶望しが深大寺まみのロケットの実験の手伝いが上手くいかなかった事でそれが露呈され、更にブルーがミラージュと復縁した事で失恋してしまうという大人のミラージュとナマケルダがした苦い恋の苦しさを知り現実の厳しさを思い知らされる。どちらも子供時代には通用できた事が、中学生ではそれを通すのが難しいのを理解し始めたのである。
誠司はブルーがめぐみをお姫様抱っこした事でめぐみが大切な存在だと気付きめぐみは誠司が悪堕ちし失った事で重要な大切な存在だと気付き誠めぐどちらともお互いを大切だと自覚した時期が遅く、めぐみは他人の幸せのために自分を犠牲にし、誠司はめぐみの幸せのために自分を犠牲にしようとするなど二人とも不器用な性格で視聴者をハラハラさせた。
しかし誠司の支えによりめぐみは自身の幸せを願うようになり、誠司がいなくなった事で誠司と共に過ごした「きょうだい」時代こそ愛に溢れていた事に気付きその事を誠司に伝え彼も同じ想いを抱いていることが分かった事でお互いを救い合いこれからも二人で幸せに生きていこうと願うようになったのである。
化粧をしたイノセントフォーム姿のめぐみが誠司と手を取って同じ方向を見つめていたのは子供時代誠司と共有したイノセントな想いを胸に「きょうだい」から「対等なパートナー」として厳しい大人社会の中で幸せのために彼と一緒に歩いていこうと決意したからであり、まさにOPのハピネスチャージプリキュア!WOW!の歌詞のように「前を向いて明日に向かって1歩踏み出そう!」としているのである。
互いが互いの鏡
『ハピネスチャージプリキュア!』は鏡をモチーフにしている。
- めぐみが他人の幸せのために彼女自身の幸せを犠牲にしようとすると誠司がめぐみの幸せのために彼自身の幸せを犠牲にする。
- おしゃれして女らしくなっためぐみに誠司が見とれる。
- 誠司が自分の意見を押し付けたようなアドバイスするとめぐみが無理をしてしまう。
- 誠司がめぐみの悲しみを寄り添って受け止めるとめぐみが誠司にずっと支えられたいた事に気付く。
- めぐみが微笑むと誠司が微笑み、誠司が微笑むとめぐみが微笑む。
- 誠司がめぐみのマフラーにブローチを付ける積極的な行動をするとめぐみが誠司に照れる。
- めぐみが悪堕ち誠司をよく見つめる事で誠司の心情をあまり考えてなかった事に気付き、同時に彼から激しい炎みたいな感情を自分に向けられているのに気付く。
というように「めぐみの写し鏡は誠司」であり、「誠司の写し鏡はめぐみ」であり相手の状態によって自分の行動がどうなっているか写っているのである。
青緑色の愛の結晶とピンク色の愛の結晶
めぐみの初恋はブルーであるが、めぐみにとって誠司は恋の対象ではなくずっと「愛を感じる存在」であり愛を感じる存在は代替するのが不可能だからこそブルーに失恋した時よりも誠司がレッドに連れ去られてしまった時の方がダメージが大きかったのである。
ハピネスチャージプリキュア!WOW!のOPで「キモチ1つで世界は変わるから」の歌詞があるが誠めぐもその通り「キモチ1つ(めぐみは今まで人助けのために遠くの人々ばかり見ていたが視点を傍にいる誠司に移した事で彼女自身の幸せを見つめ直し日常が尊いという答えを出した、誠司はめぐみの幸せのためなら自分が苦しくても構わないと思ってたがめぐみと一緒に生きていきたいと思う事で満ち足りた気持ちになった)」で「世界は変わるから(二人とも愛に包まれた世界にいる)」が実現したのである。
最終回時点では正式に男女交際してない。
しかしめぐみが44話から誠司に頬を染めるなど今までになりリアクションを取るようになった事と、お互い友達でも家族でもない「他に代わりがないかけがえのない存在」として認め合い誠司はめぐみとめぐみは誠司これからもずっと幸せに暮らしていきたいと願っているので、その手段のために「恋愛」その先の「結婚」を選ぶのは十分可能性があると思われる。
少なくとも3話時点の「きょうだい」時代でも27話時点の「家族」でも47話時点の「一番大切な存在」でもこの先の誠めぐが作る新しい間柄の名前でも、物語最後のカットの青緑色の愛の結晶とピンク色の愛の結晶が寄り添うように誠めぐの関係はフォーエバーな愛の関係でい続けるのは間違いないであろう。
大切な人
周りのゆうこ達は誠司はめぐみが好きと扱っていたが、誠司とめぐみはお互いの事を本編でも『友達という魔法』というキャラソンでも「大切」と表現している。「大切」はgoo辞書 によると「もっとも必要であり、重んじられるさま。重要であるさま。」という意味であり、語源由来辞典によると「かけがえのないもの」「心から愛する」という意味で使われていたと記されている。『ハピネスチャージプリキュア!』は一年掛けて誠司とめぐみがお互いをもっとも必要であり重要で心から愛せるかけがえのない存在であるのを描き愛を伝え合い気持ちを通わせる物語であった。
pixivでの二次創作
pixivでも原作と同じ展開となっている二次創作は多いが、中には、ブルめぐの描写が全て誠めぐになっており、誠司とめぐみが恋仲になり、且つ誠司も戦士そのもの(主に仮面ライダー)となってめぐみと共闘するという、相楽誠司本人や、誠めぐ派のファンにとっては理想そのものとなっている作品が多い。
また、誠司が悪堕ち誠司になったのが原因で、原作の展開の歴史を、ブルめぐや誠ひめの部分を誠めぐに書き換え、且つ誠司も戦士そのものとなって戦うという歴史に改変するという展開の物語も、少なからず存在している。