宇宙刑事ギャバン
うちゅうけいじぎゃばん
宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない。
では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!
概要
メタルヒーローシリーズ第一弾。脈々と続いてきた仮面ライダーシリーズが『スーパー1』で一時終了し、それまでのヒーロー像に頼らない、新たなる特撮ヒーロー番組が求められた際に満を持して放送されたのが本作である。
元々は『勇者ライディーン』のデザイナーで知られる村上克司が描いた私的なイラストがプロデューサーの目にとまり、そこから派生したアイディアからこの希代のヒーローは構築された。スポンサーが長年暖めていた企画だったこともあって潤沢な予算で制作されている。そのため、今の目で見ても迫力満点な映像を楽しめる作品であり、革新的な技術もふんだんに取り入れられたので特撮番組の技術進歩にも大いに貢献した。
登場人物
銀河連邦警察
一条寺烈/ギャバン
本作の主人公。
失踪した父の後任として地球に派遣された宇宙刑事。
熱き魂と正義の心を持った好漢であり、演じる大葉健二の押し出しの強い容貌や華麗なアクションもあって非常に印象的なキャラクターである。
ちなみに宇宙刑事は薄給なのかしょっちゅう借金してる情けない一面も。
Pixivで度々見られる「一乗寺」は誤変換の表記。
ミミー
コム長官の娘。ギャバンに好意を寄せており、ドルギランに忍び込んで地球に来た。
映像転換装置・レーザービジョンでの変装を得意とし、主に偵察などでギャバンをサポートする。
元々戦闘要員ではないためやや臆病で、「バード星に帰りましょう!」とよく口にしていた。
コム長官
銀河連邦警察の最高責任者にして伝説の宇宙刑事。
ギャバンを地球に派遣する。
ボイサーが消息不明となった後のギャバンを引き取り、立派な宇宙刑事に育て上げた。
普段はバード星本部からギャバンに指令や助言を送るが、時として自ら地球に赴くこともある。
マリーン
コム長官の秘書。
ミミーが家族の看病で一時地球を離れた際、ギャバンのサポートを務めたこともある。
ボイサー
消息不明になっていたギャバンの父。
マクーに拉致され、拷問を受けていたが…
アラン
劇中ではコンバットスーツは装着せず、代わりに「フラッシュ・イン・ゴー」という技を使う。
民間人
大山小次郎
怪事件を追っているUFO専門のルポライター。
その為、頻繁にマクーと遭遇する。
宇宙刑事シャリバンや宇宙刑事シャイダーにも登場する、シリーズを代表するコメディリリーフである。
藤豪介
烈の勤めるアバロン乗馬クラブのオーナー。
2年前に亡くなった息子夫婦に代わり、孫たちの面倒を見ている。
が、代理人であることに限界を感じることもある。
藤わかば
藤陽一
豪介の孫たち。度々マクーの事件に巻き込まれる。
星野月子
ボイサーの親友であった星野博士の娘。
両親をハンターキラーに殺されている。
日本の森林パトロール隊員。森林荒らし事件を起こすマクーの襲撃に遭い、
バード星で治療を受ける。その後…
宇宙犯罪組織マクー
全銀河の征服を企むマクーの首領。
魔空城の広間の中央に巨体を鎮座させている。
地軸を操作することで、魔空空間を作り出すことができる。
ドン・ホラーの秘書。鳥のような頭をしており、独特の奇声を発する。
地軸転換装置の操作を担当する。
森野うさぎの準備稿には、演じる役者の顔を出したものもあった。
元宇宙刑事。
ボイサーの要請で赴任したが、銀河連邦警察を裏切り、マクーの指揮官となった。
サン・ドルバたちの登場で自らの立場を懸念し、キバの妖術をギャバンに警告する。
発覚後は、暗黒銀河に永久追放された。
ドン・ホラーの息子。
追放されたハンターキラーに代わってマクーの行動隊長となる。
が、自分の実力を過信しきっており、直情的な性格も相まって敗北することが多い。
39話での「べろべろばあ~(裏声)」は必見。
サン・ドルバの母親で、妖術を使う策略家。
息子に対してはやや過保護な面を持つ。
設定上は女性だが、演じている三谷昇氏は男性である。
マクーが制圧してきた星に生息していた異星人たち。
人間の姿で社会に潜伏し、作戦活動の実行・補佐を務める。
マクーが制圧してきた星に生息していた宇宙生物たち。
名前の最後に「~モンスター」と付く。
魔空空間では魔空エネルギーで、地上の3倍のパワーを持つことができる。
生体合体装置を用いて、ダブルマンとベム怪獣を合体させたモンスター。
ベム怪獣の3倍の戦闘力を持つ。
名前の最後に「~ダブラー」と付く。
兵士クラッシャー
15話~30話までは地球の気候に合わせコスチュームが夏用になっていた。
宇宙刑事ギャバン
宇宙刑事ギャバンがコンバットスーツを蒸着するタイムは、わずか0.05秒にすぎない!では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!!
一条寺列が超次元高速機ドルギランから転送されるコンバットスーツを”蒸着”することによって戦闘態勢に入った状態を指す。
武器は片手剣・レーザーブレードで、必殺技はレーザーブレードにエネルギーを与え光の剣とした上で大上段から叩き斬るギャバン・ダイナミックと、指先から放つレーザーZビーム。
他にもシルバービーム、スパイラルキック、ディメンションボンバーといった多彩な技を持っている。ただ後輩2人が持っているような(クライムバスター、ビデオビームガンのような)銃器を持たない。
電子星獣ドル
超次元高速機ドルギランから分離されたユニットが変形した電子星獣。ギャバンの支援メカであり、「ドルファイヤー」「ドルレーザー」といった強力な兵器を内蔵している。
サイバリアン
ドルギランに格納されている宇宙サイドカー。地上はもちろんのこと、あらゆる次元・空間への突入も可能。
ほぼ毎回ギャバンはこれで魔空空間に突入している。
サイド部分には「サイバリアンレーザー」、車体前部には「サイバリアンロケッター」を装備する。
主題歌
若さ、若さって何だ?振り向かないことさ!!
何かと見所の多い作品であるが、今でもネタにされるのが本作の主題歌である。
『キン肉マン』のアニメ主題歌や「富士サファリパーク」のCMソングで知られる串田アキラが熱唱しており、この歌も串田アキラの代表的な歌なのだが、特筆すべきは聴く者を問答無用でギャバンの世界に引きずり込むその歌詞である。特に「若さ、若さってなんだ?振り向かないことさ!愛ってなんだ?ためらわないことさ!」のフレーズは有名で、未だにネタとして使われ続けている。ちなみに2番では「若さはあきらめないこと」「愛は悔やまないこと」となっている。
サビ前のシャウトは「イー!イー!」と叫んでいるように聞こえるが、正確には「ビーム・ビーム!」である。
古参のネットユーザーには「ギャバソ」のFLASHでお馴染み。世代的にこれでギャバンを知った人も多い。
余談
アメリカ映画『ロボコップ』が本作からイメージを借りているのは有名な話である。これについては映画関係者がギャバンのデザイナーである村上克司に許可を求めており、村上は快諾している。
その後のメタルヒーローシリーズの『機動刑事ジバン』や『特捜ロボジャンパーソン』では、主人公の設定やデザインにロボコップからのイメージを貰っている。
2012年1月に『宇宙刑事』シリーズ誕生30周年とスーパー戦隊シリーズ35作を記念して、
映画『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』が公開されることになった。
スーパー戦隊とメタルヒーローのクロスオーバーは今作が初である(実際はメタルヒーローが放送されていた時代には、後楽園ゆうえんちの屋外ステージショーで年1回の頻度でスーパー戦隊とメタルヒーローの共演は行われていた。なので、正確には「映像作品としてスーパー戦隊とメタルヒーローのクロスオーバーは初」と言う事になる)。
また、単独作品として『宇宙刑事ギャバンTHEMOVIE』が同年10月に公開された。
富山県ではギャバン終了後、メタルヒーローシリーズは15年後の「ビーロボカブタック」まで地上波で放映されていなかった。カブタックからはコミカル路線のため、富山で流されたシリアスヒーロー路線の作品はギャバンが最初で最後である。
数年前に某県で行われた『特捜戦隊デカレンジャー』のステージショーにて、ギャバンがゲストとして登場。「宇宙警視総監」という立派な肩書きになっていた他に、ボスとは親友である事が判明した。
ゲーム作品では
『スーパーヒーロー作戦』『スーパーヒーロー作戦ダイダルの野望』『スーパー特撮大戦2001』『宇宙刑事魂』に後輩二人と共に登場したほか、姉妹作の超人機メタルダー、ウルトラシリーズとのクロスオーバーを果たした。因みに俳優ネタのみならず、宇宙刑事シリーズの主題歌を台詞で用いた場面がある。
『スーパーロボット大戦X-Ω』にも参戦。同作ではよく特撮作品が期間限定参戦しているが、ギャバンはなんと正規参戦作品扱いである。期間限定イベントではゴーカイジャーと再会したほか、救世主ワタルや武者ガンダムらと共に復活した闇の王と闘った。