「俺の生徒に手を出すな!!」
概要
童守小学校5年3組の担任教師で、同作の主人公。年齢は25歳。
『ぬ~べ~』は担当する生徒からの愛称。ほかの教師には「鵺野先生」と呼ばれている。
優しく生徒思いな熱血教師。黙っていれば良い男のはずだが、ドジな性格のせいか二枚目半か三枚目に落ち着いている。
しかしてその正体は、人の世に巣くう魑魅魍魎から子供たちを護る霊能力教師。生徒に危機が迫れば命をかけて守り抜く"正義の人"である。
左手には地獄の鬼が封印され、邪悪な霊や妖怪が現れると「鬼の手」を駆使して戦う。
外見
ボサボサの黒髪とゲジマユが特徴。左手には常に黒い手袋をはめている。
喪服のように真っ黒なスーツとネクタイ、ワイシャツを常に身にまとい(これしか持ってない)、ワイシャツは腕まくりしている。
性格
民俗学の幅広い知識を持ち、気さくで明るいがたまに冷静な顔を見せる。生徒だけではなく妖怪や幽霊にも優しく、どんな相手だろうとむやみな殺生はしない。
子供たちに慕われる人格者だが、欠点はスケベで優柔不断なこと。
常に金欠でパチスロも好き。今にも潰れそうなボロアパート「津武霊荘」に住んでいる。美女に弱いがモテない。ついでに機械オンチ。
本気で怒れば怖い(テストで0点とりまくりの広に対し「もっと真面目に叱って」と郷子に言われ、鬼の如き怒りの表情を見せかけている)。
能力
霊能力
並の霊能力者を超える量の霊力と知識を持ち、ピンチになると倍以上の霊力を発揮する。
霊感知や霊視はもちろん、経文や術具による多彩な攻撃を扱い、密教や修験道の様々な奥義も修得している。
少年期はあまりに強い霊能力をコントロールできず頻繁に霊障にかかり、学校でいじめられて孤立し、孤独な幼少期を送ってきた。
唯一の心の支えは同じく霊感を持つ恩師・美奈子先生であり、自分を守って命を落とした彼女の遺志を継いで「子供を守る霊能力教師」を志すようになった。
律子を好きなのは、美奈子先生に顔が似ていることも大きい。
ちなみに、連載初期は「普段の除霊は30%程度の実力だが、生徒の危機には常に100%の力を発揮する」という設定だった。
しかし比較的早期にその設定は消滅し、連載が進むにつれて生徒以外に守るべき対象が広がっったこともあって、頼れる霊能者というキャラクター像が確立していった。
『NEO』では嗅覚で妖気を感じ取る描写があり、風邪や毒などで鼻がやられていると気づかない。
鬼の手
ぬ~べ~の代名詞ともいうべき最終兵器。使用時は瞳のハイライトが消える。
過去の除霊で対峙した地獄の鬼を左手に封じており、霊能力だけで対処できない強敵が出現した場合にのみ、封印を解いて力の一部を解放する。
右手よりも一回り大きく、筋肉繊維に似た紋様と腱の筋が走っており、鋭い爪が生えている。
その力は凄まじく、ほぼ一撃で大抵の妖怪を跡形なく引き裂いてしまう。相手がよほど硬いか、神に近い相手以外は倒せる。使用する場合は警告を行い、相手が引き下がれば使わない。
霊体なので霊にも直接触れることができる。攻撃以外にも、触れた相手の記憶を読み取る、テレパシーで人同士の記憶や思いを伝え合う応用が可能。
傷ついた妖怪に霊力を分け与え、傷や体力を癒すこともできる。
封印状態でも鬼の手は存在するのだが、常人には手首から先だけが見えず、封印を解いて実体化させる事で誰でも視認できる状態になる。
ただし、鬼の手は悪しき鬼を押さえつけて偶然得た力に過ぎず、当人の霊力が落ちるなどで封印が緩んだ途端、鬼の力が強まり暴走し始める。
逆にそれを利用して、無限界時空が除霊に手こずった悪霊をわざと憑依させ、力の一部を解放させて吹き飛ばす荒業を見せたこともある。
他にも封印した鬼・覇鬼の弟、絶鬼に完全に追い詰められた時は、わざと肉体を完全に浸食させ、精神力の強さで鬼の意識を支配し、肉体を乗っ取って逆転勝利を掴むなど、まさに諸刃の刃とも最終奥義とも言える武器である。
玉藻によれば、鬼の手の本当の強さは妖力の強さではなく、鵺野鳴介の生徒達を守ろうとする強い精神力が鬼の力を霊能力へと変換し、無限の力を生むのだと言う。
(ただし、鬼の手を持たない頃も霊能力の上昇を起こす描写はあり、元々強い意志の力で瞬間的にパワーアップする性質と思われる。『火事場の馬鹿力』という奴である)。
その後、覇鬼が改心して二度と人を殺さないと誓ったため、原作終盤では封印の必要がなくなっている。
本来の左手は、除霊しようとした覇鬼の強烈な一撃にぶっ飛んで喪失している(アニメ版では健在)。
運動神経
前述の霊能力や鬼の手に比べると話題に挙がりづらいが、運動神経が抜群に良い。
鉄棒をやればトカチェフを決め、スキーの腕前はプロ級。水泳は中学の頃に全国5位となった事があるらしく、強い相手と戦いたいと願う水泳選手の霊と自分の生霊(能力は高校生レベルに落としている)を戦わせて勝利しているなど、スポーツは万能である。
ただ、絶叫マシーンはあまり得意ではないらしく、ゆきめと遊園地でデートした時には、何回もフリーフォールに付き合わされ、げっそりしていた。
その他
貧乏
ぬ~べ~といえば貧乏というイメージが強い。
金欠エピソードには事欠かず、主食は基本的に安くて腹にたまるということでカップラーメンがほとんど。宅配ピザでプレーン(具なし)を注文して半額にさせたこともある(テスト作成のため学校に居残っており、給食の残り物であるソーセージやジャム、マヨネーズ等を具にするつもりだった)。
常に仕事着のワイシャツと黒のスーツを着ているのも貧乏が原因(ただし、ブキミちゃんの回では大量の手袋とワイシャツを干している。怪我が絶えない職業柄、替えの服は必要なのだろう)。
貧乏の主な原因は、事件解決後に生徒や関係者にラーメンやちゃんぽんを奢るクセがあるため。
他にも、祠や鎮魂碑の修繕や建立を始めとする除霊のアフターケアに自腹を切っているため、貯金の残高が3000円なのも珍しくない。ついでにパチンコも好きなので、興遊費として浪費することも多い。
要するに、無計画にお金を使ってしまうのである。
なお、その気になれば霊能力を使ってギャンブルで大儲けすることが可能ではある。
死神から、死の宣告を受けて「やり残りしたことを、やった方が良い」と言われた時は、競馬を当てまくって1億円を手にした。
パチンコではたまに霊能力でズルをしている。ただし、基本的に必要最低限の生活物資を確保するためで、必要以上に儲ける事はしていない。
霊能力での人助けは完全なボランティアで、金銭を要求したことは一切ない(助けた相手にお礼として渡された場合は受け取ることもある)。これは同じ霊能力者である父との確執が大きく影響している。
ただ、金銭欲が皆無というわけではなく、人に迷惑をかけない範囲でならがめつくなる。試練をクリアすればお金が貰える金霊の話では、「鬼の手があれば、どんな相手でも勝てる」という誘惑に負けて五千万円の勝負をした(なお、試練には失敗している)。
ものすごい機械オンチ
自動車はハンドル握って1分持たずに事故る。
家庭用ゲームの格ゲーで開始1秒で自分から場外K.O.。
RPGでもフィールドでまともに前にも進めない。
描写は少ないものの、本人も嫌というほど自覚はしているようである。
原作三年後の九州赴任時には、何とか携帯電話を使えている模様(ただしヒビをテープで補修している)。
さすがに自転車は乗れるらしい。
モテない
外見は男前だが、全くモテない。
これについて当初は読者側の批判もあった(一貫して作品の読者人気をほぼ一身に受けていたため)が、作者曰く「幽霊の話ばかりするのでモテない」という解説がなされた。
事実、女性をデートに誘うシーンでは、大抵ろくな口説き方をしていない。ついでに、デリカシーもあまりない。
日常生活では律子のハートを射ようとしては、オカルトや怪談の話をして怖がらせるのがお決まりとなっている。加えて、スケベやドジで何度もだらしない振る舞いを見せ、決定的に嫌われていた。
しかし、妖怪に襲われた律子を守ってようやく見直され、遅まきながら恋心を寄せられるようになる。
オカルト話に動じない女子や妖怪には人気があり、ゆきめやまみなどそれなりの数の女性を虜にしている。速魚や座敷童子にも人間的に好かれていた。
なお、枕返しの回におけるパラレルワールドや『霊媒師いずな』の白虎事件で不随となった場合、介抱し続けているのは律子である。
後者で過去改変が行われた後、九州にて赴任している際には結婚しているらしいが、相手が誰かは不明。
家族への憧れ
ぬ~べ~を語る上でもう一つ重要になのが、家族愛への憧れであろう。
鵺野一家は貧乏ながら幸福な家庭で、父親・>無限界時空もぬ~べ~のように優しく有能な霊能力者であった。
しかし、母親が病気を患ってしまい、時空のお金を取らない姿勢が仇となって治療費に困窮してしまう。今まで助けた人々に「お金を少しでも貸して欲しい」と頭を下げたものの、手のひらを返すように冷たくあしらわれてしまった。
そのまま母親は亡くなってしまい、時空は家を出奔。ぬ~べ~は幼くして孤独な身の上となってしまった。
ただし、時空が出奔した時点では祖母が存命で、「前世の記憶」の回では郷子の父が「この辺で有名な霊能力一家」と発言し、大学時代のぬ~べ~が「家の者が出払っている」と発言している他、「おじの法事で九州に行く」と発言したこともあるため、天外孤独の身ではない模様。
結果、高額な除霊費を請求する金の亡者になってしまった父とは絶縁状態にあり、ゆきめをめぐる騒動の最中にようやく和解できたが、直後に死別してしまう。
こうした経験から、表には滅多に出さないものの、家族への憧れは人一倍強い傾向にある。
文庫版書き下ろしの後日談では、憧れていた家族愛に恵まれた生活を送っていることが明かされた(経済面はゆきめがアイスクリーム販売事業で成功したおかげで解決)。
その後
葉月いずなを主人公にしたスピンオフ作品『霊媒師いずな』で登場(物語上は原作終了から3年後)。最初は原作内エピソード「まくら返し」同様に重傷を負った姿でいたが、いずなが過去を変えることに成功した事で無事破滅の運命を回避し原作同様に九州に転任。未だに九州に居続けている。
玉藻と通話する際はヒビの入った携帯電話(ガラケー)を使っていた。
原作最終回から十数年後を描いた『地獄先生ぬ~べ~NEO』においては超常現象や怪異の活発化に伴って童守町に呼び戻され、新任教師となった稲葉郷子と悪霊・妖怪が起こす騒動に立ち向かっている。また、謎の組織「ヴィムク」の幹部である地獄人の陰謀に巻き込まれる。
外部出演
- ジャンプアルティメットスターズ
サポートのみの出演。
2コマでは白衣観音経による「白衣霊縛呪」で行動不能+必殺魂減少。
3コマでは「鬼の手」による攻撃でダメージ+必殺魂2減少。
作品の関係で掛け合いなどは無い。
恐山アンナと隣接させると補正がかかる。
「すごいな キミは霊に好かれているようだね」
- Jスターズビクトリーバーサス
プレイアブルキャラとして出演。
性能としては相手を拘束し、スタミナを奪う術に長けたサポートキャラ。鉄壁の防御技を持つためノーリスクで突撃する事が可能であり、一部キャラはこれだけで完封できてしまうほどに防御力が高い。
反面、リーチが短く火力も低い。超必殺技もさほど強くないため、中間距離からけん制しつつじっくり戦うことが求められる。
Jアドベンチャーモードでは中盤に現れ、主人公の船に強引に乗りつけて除霊をしようとする。
最初こそ誤解されて敵対するものの、後に主人公の仲間2人が悪霊に取り憑かれたため、ぬ~べ~と共に脱出。 イベントアイテムを回収した後は取り付かれた悪霊を除霊するため、操られた仲間を倒して鬼の手で悪霊を両断。 主人公に仲間になる事を薦められるが、「生徒達を放っておけない」とその場で別れる。
ちなみにぬ~べ~と同席している期間中にしか見られないマップ上の会話もある。中の人が同じトリコからは奢ってもらう約束をしたり。
戦闘前の掛け合いでは、事情は違えども同じ教師である殺せんせーに共感され、スケット団とはバトルに関する授業を始めようとしたり、桐崎千棘には内面の美しさが大事だと教授した。
他にも、アラレを座敷わらしと勘違いし、山田太郎を人の身でも欲深で妖怪になるのだろうなとしみじみしたり、両さんを「策を弄するヤロー」と断じている。
ネウロとは味方時と敵対時の二通りの掛け合いが用意されている。