幻獣ミノタウロス拳シユウ
げんじゅうみのたうろすけんしゆう
「人間共よ、愉しい悪夢を見せてやるでごじゃる」
CV:真殿光昭
概要
金と銀と白のカラーリングをした鎧を着込み、金色のターバンを頭に巻いた頭部には三日月状の刃の角が生えている。胸部にもミノタウロスと思しき金色の牛の顔があり、その角もまた三日月状に伸びて肩当てとなっているのが特徴。
牛のような幻獣ミノタウロスを手本とし、相手を鏡の迷宮の虜として翻弄する幻獣ミノタウロス拳の使い手である。
幻気で生み出した分身と人間を鏡の中で入れ替え、分身を入れ変えた相手に擬態させる技の持ち主であり、他にも鏡の世界への入り口を開く能力によって相手を封じ込めたり、自身の分身を増やす事も可能。
この様に鏡のゲンギを使用する手前、本人は他人にマネされるのが大嫌いで、色々な口調でしゃべっているうちに、いつの間にか「~でごじゃる」と変な話し方が身に付いてしまった。
ちなみに自身が倒される際の断末魔から、幻獣拳を最強と信じて疑わない姿勢が窺い知れる。
活躍
自身を信用せず、「血盟の儀式」に応じようとしない理央に幻獣拳の力を認めさせるべく、ロンから派遣される形で行動を開始。
街に現れてゲキレンジャーと交戦すると、幻獣フェニックス拳の使い手となったメレが乱入するも、その戦いぶりに感心すると同時に自身もゲンギ「転身反」をレツに使用。まるでダメージが無い事に違和感を覚えるレツに対し、「キサマの敵はキサマでごじゃる」と言い残して姿を消す。
その後、シャワールームでシャワーを浴びていたレツを偽レツが鏡の中に幽閉し、本人に成り代わろうとする。
偽レツは当初、レベルが低くて言葉も話せなかったが、時間の経過と共にやがて言葉が話せるようになり、徐々に本物と全く遜色の無い完全体へと近づいていった。(※鏡写し故か、利き腕が右腕から左腕に反転している)。
一方、再び街中に出現したシユウはいきなり巨大化して破壊活動を開始。これを止めるべく駆け付けたゲキレンジャーのサイダイオー、ゲキファイヤーと交戦する。
2体の獣拳巨人に一蹴されて敗色濃厚と思いきや、勝利を確信していたシユウは余裕を崩さない。そして次の瞬間、突然ゲキファイアーの動きが止まった。ゲキファイアーの内部では、偽レツがレッドとイエローの2人を襲っていたのである。
偽レツに制御を奪われたゲキファイアーはサイダイオーを襲い、ゲキレンジャーは絶体絶命のピンチに陥ってしまう。シユウの分身という自らの正体を現し、勝ち誇る偽のレツは、「本物が鏡の中に閉じ込められており、最初に鏡の中に入った場所にできた扉が、あと1分で閉じてしまう」事を告げる。
だが、ゴリーの元へ行ったかと思われていたゴウが、その言葉を聞いていた。既にシャワールームの鏡の前に立っていたゴウはそのまま鏡の中に突入し、シユウの分身と交戦。一撃で分身を破り、本物のレツを救い出す。ゴウは兄弟ならではの勘で、レツの異変に気付いていたのだ。
自身の策を破られ、怒ったシユウはサイダイオーに猛攻を加える。
そこへ深見兄弟がゲキバットージャウルフで駆け付けた為に形勢は逆転。大兄弟脚に怯んだ所へ、サイダイオーの大大砕大斬を喰らい敗北した。
「ウソだ…ウソでごじゃる…幻獣拳がやられるなんて……!?」
余談
モチーフはミノタウロス。そして中国神話や山海経に登場する邪神の蚩尤(しゆう)。「シユウ」だけに牛ともかかっているのだろう(シユウ→ユウシ→牛)。
容姿は諸説あるが、ミノタウロスのように牛の頭を持つ6本腕の獣人だとか、獣の体に鉄と銅でできた頭を持つおぞましい怪物だとか言われる。
また文献ごとの説明では石や鉄を食べ、超能力を持ち、性格は勇敢で忍耐強く、同じ姿をした兄弟が81人いたとか、全ての武器の開発者と伝えられている。
能力の元ネタはギリシャ神話のミノタウロスがラビュリントス(迷宮)の奥に潜む怪物だという伝承からだろう。
干支のモチーフは「丑」。
声を演じた真殿氏は昨年の『轟轟戦隊ボウケンジャー』にてプロメテウスの石の声を担当。翌年の『炎神戦隊ゴーオンジャー』ではキタネイダスという敵の幹部怪人としてレギュラー出演する事となる。こちらも「~ゾヨ」と特徴的な語尾で話すのが口癖。
幻獣拳士である以上、彼もまたロンから臨気と幻気を融合させる「血盟の儀式」を受けた元臨獣拳士だと思われるが、干支や幻獣から判断して臨獣オックス拳の使い手と見るのが妥当だろう。しかし牛仲間のバッファローを司る臨獣バッファロー拳ギュウヤと面識があったかは不明。
また、彼の好きな言葉である「人の振り見て我が振り直せ」は、左右反転していながらも対象と同じ動きをする鏡像を映す鏡に関する能力および、他人にマネされることを嫌う性格に掛かっていると思われる。
偽レツを演じた高木心平氏は、レツ役の高木万平氏の双子の弟。戦隊ヒーローとその偽者を兄弟で演じるのは『五星戦隊ダイレンジャー』第25話の知(キリンレンジャー)を演じた土屋大輔(偽者)・圭輔(本人)兄弟以来約14年ぶりとなる。
関連タグ
鏡関連
カガミジゲン:『鳥人戦隊ジェットマン』に登場する怪人で、同じく自身の鏡に相手を閉じ込める能力と持つ。
スペキオン星人ジェニオ:『特捜戦隊デカレンジャー』に登場する、同じく相手を鏡に閉じ込める能力を持った戦隊怪人。
コピー関連
コピー忍者クリソッツ坊:『忍風戦隊ハリケンジャー』に登場する怪人で、同じくターゲットの偽者を作り出して本物を幽閉する繋がり。
コピー女帝、コピーオルグ:『五星戦隊ダイレンジャー』・『百獣戦隊ガオレンジャー』に登場する怪人で、こちらもターゲットにそっくりな偽者を生み出す。この内、コピー女帝が生み出したコピー和は上述の通り本物の演者の双子が演じている。
その他
クモルギン、サソリナマズギン:『地球戦隊ファイブマン』の怪人で、同じく戦隊メンバーの兄弟の絆の強さに敗れた繋がり。
ドーラミノタウロス:『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の怪人で、こちらも同じくミノタウロスモチーフ。
ミラーモンスター:『仮面ライダー龍騎』における鏡の世界の怪人達。
ハクション大魔王:アラビア風の外見&語尾繋がり。