概要
毎日放送やTBSなどにて土曜午後6時に放送された枠。最初はローカルセールス枠だった。
歴史
土6前期
夕方6時のアニメ枠は「土6」と呼ばれており、1993年7月の小改編での「新伍のワガママ大百科」(毎日放送制作のクイズ番組)の終了を受け、毎日放送がそのピンチヒッターにアニメ「3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?」を据え、さらにその後継に再びアニメ「ムカムカパラダイス」を据えたことで事実上誕生した。
土6中期
1996年からは特撮のウルトラマンシリーズも放送していた。長らく休止状態だったウルトラマンが、ついに平成ウルトラマンとして復活したことで大きなヒットを得た。しかし、予算枯渇やウルトラマンコスモスでの主演俳優逮捕騒動、チャイヨーとの著作権を巡る裁判もあり、その後の円谷プロダクションは苦境に陥る。
「ガイア」と「コスモス」の間にはアニメのゾイドシリーズが放送された。
土6後期
2002年10月放送開始の「機動戦士ガンダムSEED」以降、放送作品の対象年齢を高めに設定するようになる。その結果、子供から深夜アニメで放送されている作品とほぼ同等のファン層までを取り込んだ。また、ロボットアニメを中心にプロデューサーの竹田靑滋の思想が色濃く現れた作品となっており、「セカイ系」のアンチテーゼ的な「社会系」アニメとなっている。
「BLOOD+」までは4クール(1年間)までが中心だったが、「天保異聞 妖奇士」からは2クール放送に変更された。
多くの作品でスポンサーとして音楽ソフトメーカーのソニーミュージック日本法人(SMEJ)並びにアニプレックスが関わっているため、主題歌やエンディングテーマは、まずSMEJ(アニプレックスも含む)系のアーティストによるタイアップを起用することが不文律となっていた。
放送局について
元々はローカルセールス枠だったため、放送局の裁量によって放送時間や放送日時の差し替えが実施出来たため、半数近くが放送時間や放送日時の差し替えを行った、のならともかく、放送拒否を行った系列局も存在した(そもそも元々はほかのテレビ局の系列局として開局したのだから仕方のない話ではあるが)。その一方で、作品によってはTBS系列局ではないテレビ局でも放送されたことがある。
「ウルトラマンコスモス」の放送途中からようやく全ての系列局で放送されるようにはなったものの、ローカル番組の関係で放送日時差し替えを行っていた局がまだ残っていた。しかしそれらも結局は段階的に同時ネット局に移行していく。結局日曜5時へ枠移動するまで遅れネット体制を維持していたのは静岡放送のみだった。
放送番組
- 3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?(1993年7月-8月)
クイズバラエティ「新伍のワガママ大百科」が打ち切りにあったため、急遽この枠で放送。全9話中6話が4年前のOVAからの流用ということからもその急遽っぷりが窺える。とは言えこれが土6枠初のアニメ作品である。後に2期が制作され、日曜朝11時台にて放送された。この作品からしばらく日本アニメーション制作の作品が続いた。
- ムカムカパラダイス(1993年9月-1994年8月)
いがらしゆみこが漫画を担当したタイアップ作品。
- 愛と勇気のピッグガール とんでぶーりん(1994年9月-1995年8月)
ちゃおの連載と同時進行でアニメが放送された。従来魔法少女ものに対するアンチテーゼ的な作品。
- ママはぽよぽよザウルスがお好き(1995年9月-1996年8月)
郵政省の学資保険(現在はかんぽ生命が取り扱う)のCMにキャラが起用されたことから話題になった作品のアニメ化。原作はだいぶ毒が強いが、アニメ化にあたりだいぶ改変されて丸くなっている。日本アニメーション制作はここまで。
- ウルトラマンティガ(1996年9月-1997年8月)
- ウルトラマンダイナ(1997年9月-1998年8月)
平成ウルトラマン三部作第2作。前作の続編。
- ウルトラマンガイア(1998年9月-1999年8月)
平成ウルトラマン三部作最終作。前2作から登場人物・世界観を一新。
- ゾイド-ZOIDS-(1999年9月-2000年12月)
ゾイドのアニメ化作品。玩具の売れ行きばかりか視聴率も良かったため、4クール予定が5クールに延長された。土6・日5合わせて放送期間・放送話数ともに最長の作品。
- ゾイド新世紀スラッシュゼロ(2001年1月-2001年6月)
文字通り新世紀第1作。前作が戦争ものだったのに対し、一気にトーナメントものに様変わりし、大きな話題を呼んだ。
- ウルトラマンコスモス(2001年7月-2002年9月)
平成ウルトラマン第4作。特撮ドラマとしてはウルトラシリーズ歴代最長の作品。
途中主演が傷害・恐喝容疑で逮捕される騒動があり、誤認とわかり釈放されるまでの5話分は再編集版やビデオ作品「ウルトラマンネオス」の放送でつないだ。
- 機動戦士ガンダムSEED(2002年10月-2003年9月)
この作品以降完全なアニメ枠に。この作品の大ヒット以降「アニメの月9」「アニメのゴールデンタイム」と呼ばれるようになる。
- 鋼の錬金術師(2003年10月-2004年9月)
前作を超えるヒットとなった。原作とは多くの点が異なっており、2009年に原作準拠のアニメが日5作品として作り直されたため、旧鋼と呼ばれることがある。
- 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY(2004年10月-2005年9月)
ガンダムSEEDの続編。地上波でありえないシーンが放送されたりもした。
- BLOOD+(2005年10月-2006年9月)
これのベースとなった映画「BLOOD」と比べて、女性ファンがついた(これまでの3作で女性ファンを多く獲得したことも要因となった)ことで、商業的にはそこそこ成功を収めた。
この数年後に新シリーズ「BLOOD-C」が深夜枠に放送されている。
- 天保奇聞 妖奇士(2006年10月-2007年3月)
視聴率が振るわなかったせいか、「放送延長を認めてもらえなかった」らしい。 このためか、これ以降の作品は原則2クールとなる。
- 地球へ…(2007年4月-9月)
前作の「打ち切り」のため、別の時間帯で放送する予定が急遽この枠に来た。
- 機動戦士ガンダム00ファーストシーズン(2007年10月-2008年3月)
土6最後の作品。続編は日5で放送された。この作品以降ハイビジョン制作。
こぼれ話
「コードギアス反逆のルルーシュ」については元々はこの枠で放送する構想であり、2005年春頃に毎日放送に企画が持ち込まれたが、当時の本枠では次期作品が既に決定していたという事情により断念している。また、アニメの監督も後年「ギアスが土6の放送だったら、もっとモラルのある内容になっていたかも知れない」と述懐している。
企画倒れ
ここでは、本枠で放送される構想があったものの、企画自体がなくなった、とされる作品について述べる。
- キャンディ・キャンディ(日本アニメーション版)(1996年秋)
92年に製作を目指すも頓挫した東映リメイク版の代替でリメイクとして企画されるも、東映アニメーションと権利調整が上手く行かず、「ウルトラマンティガ」に掻っ攫われたらしい。その後、フジテレビで世界名作劇場の復活、及びお台場移転の目玉として企画され、リメイクでは権利費が掛かる事が判明した為、原作者の名木田恵子に続編執筆を依頼するも拒否された為、完全に頓挫した模様。そして、彼等の出来事が後々の著作権闘争を引き起こしてしまう。東映リメイク版が頓挫し、その「お詫び」として「ムカムカパラダイス」の仕事を絵師に提供した事が、絵師の増長を招いたと言うならば皮肉な巡り合わせと言えるが。
- 仮面ライダー(1999年度シリーズ)(1999年秋)
「ウルトラマンガイア」の次番組として導入し、当時お家騒動の影響でテレビ朝日特撮枠廃枠の事態となった時の代替枠にするつもりだった。しかし、他玩具スポンサーを導入したい毎日放送と、特撮番組を止めたいTBSとの利害が一致し頓挫した模様。
その後、同企画はテレビ東京に持ちこれるも「空き枠がない」との門前払いを受け、結局テレビ朝日が「仮面ライダークウガ」として引き取るも、東映特撮内規の影響で2000年開始に延期する羽目になった。
なお、番組名の候補の一つに「仮面ライダーガイア」と言うのがあった。
一説では、本件の代替措置としてガンダムシリーズと実写版セーラームーンをそれぞれ導入したと言う都市伝説がある。
辰巳出版刊「東映ヒーローMAX」2001年冬号「仮面ライダークウガさよなら特集」より抜粋で、その中に「ガイアが2回続くのは勘弁して欲しい」の旨のコメントと、テレ朝で99年秋に開始する予定が延期の記述が記載されていた。
これとは別に白倉伸一郎PDが毎日放送と何度か交渉するも不発に終わったとのコメントを残したらしい。
- ウルトラマンジャスティス(2002年)
コスモスの次番組として導入するつもりだったが、新番組コンペで「機動戦士ガンダムSEED」に敗れたのと、毎日放送の土6から特撮番組撤退が決まった為、敢えなくシリーズはお蔵入りとなったそうな。詰まる所、杉浦太陽の誤認逮捕騒動が無くても、土6から特撮は姿を消していたのかもしれない。
円谷プロとしては杉浦太陽の実弟を主役に起用したかったが、「兄がウルトラマンなら自分は仮面ライダーを演じる」と拒否された模様。
関連タグ
TBS系土曜日夕方5時台アニメ・特撮枠:同枠の前座として設置されていた枠
日5:言わずと知れた後継枠(ただし2代目)