スパンダム
すぱんだむ
「憶えてねェか!!? 8年前“CP5”で襲撃現行犯『T・ワーカーズ』を逮捕した男さ!!」
「全世界を敵に回して 生きてられると思うなよォ!!!!」
「ワハハハ…!! 逃がすかァ…ブァーカ女め…おれをナメんじゃねェよ…!!!」
「さァ 一緒にくぐろうぜ…!!! 夢の扉を!!!」
概要
かつて世界政府付属機関である諜報機関サイファーポールの1つCP9の司令長官を務め、政府の司法機関エニエス・ロビーのトップでもあった人物。
しかし見た目・言動・行動全てが有能とは見えず、性格もかなり下劣な小悪党
(故によくアイスバーグの有能ぶりと比較されており、スパンダムも褒めていた)。
ちなみにスパンダムの実父であるスパンダインもかつてCP9長官を務めており、さらに親子揃ってバスターコールを発動させた事がある(スパンダインは22年前ニコ・ロビンの故郷「オハラ」にバスターコールを発令した他、唯一の生存者であった彼女を見逃さずそれをしっかり報告するなど仕事はしていた方)。
プロフィール
容姿
ウェーブの掛かった薄紫色の長髪に色白肌、スパンダムという名の通りパンダのように黒い目元と鼻が特徴。
その風貌からよくパンダを連想されるのか(あるいは流れ弾が直撃しながら自己紹介をした結果、自身の名前を言い切れなかったせいなのか)フランキーからは「スパンダ」と渾名された。本人は気にしているようで、呼ばれるたびに「…“ム”だ!!!」とツッコミを入れている。
10年前の船大工トムの裁判の際、激昂したフランキーに猟銃で顔面を全力で殴られたことで完治不可能な外傷を負わされ顔がひん曲がってしまってしまい、以降は革製の保護マスクを被った不気味な出で立ちに変貌している。
性格
政府の重要機関の長とは思えない程小物でマヌケ、卑怯な手段も厭わない、卑劣漢。
悪い意味で非常に潔い人物であり、本来ならば大義名分やオブラートで包んで遠回しに表現するべき自分らの非道ぶりも、堂々と口にして憚らない。
劇中では幾度もロビンの顔を血塗れるほど殴り蹴る、階段から叩き落とす、髪の毛を引っ張り地面に引きずり回すなど、彼女に対してリョナといえる暴力を容赦なく振るうことを全く躊躇わず実行する姿が何度も描写されている(アニメでは特に)。
地位と権力を傘に職権を乱用してやりたい放題というその姿はまさに「虎の威を借る狐」という言葉がよく似合う。
バレたらクビどころか軍法会議で処刑されかねないレベルであり、世界政府の権力の大きさと腐敗ぶりを体現した人物。
父親のスパンダインもそんな感じで、この親にしてこの子ありとはよく言ったもの。
あまりの風格の無さに、(ガレーラ時代の)ルッチの知り合いであるチムニーからは「ルッチのお供のヤツ」呼ばわりされていた。
(そして2年後には現実となった)
こんな彼であるが…いやだからこそであるのかCP9のメンバーからの敬意はほとんど無くでルッチからはバカと見下される、カリファからは存在がセクハラ呼ばわりされるわ挙げ句の果てにはフランキーがスパンダムに噛みついた際には命令されるまで助けに入らない(実際助けろと言った後にクマドリのみ動いた)等、度々威厳の無さが見て取れる描写もまあ多いの何の。
ただスパンダム自身、そのことに対しては憤ったり悩んだりといった描写はなくむしろ革命軍に関しての重大なミス(もっぱらコイツのせい)を正面から叱責したりカリファのセクハラ指摘発言に対してはノリツッコミを入れたり、貴重な悪魔の実2つをCP-9強化のためにコネで手に入れたりといった上司としてやるべき事は行っている。
そのためかは知らないが、CP-9は(麦わらの一味によるエニエス・ロビー襲撃までは)組織崩壊等は起こしておらずなんやかんや上手くやっていた。なかでも上記のこともあるがルッチは彼をそんなに嫌っていない様子
(ルフィが近くまで来ているにもかかわらずわざと報告を遅らせ、そのことをスパンダムが指摘すると「聞かれなかったもので…」と口に笑みを浮かべて言っている他2年後では…)。
能力
ルッチを筆頭に部下たちが当たり前のように使いこなす六式はいずれも体得していないため、戦闘能力を表す「道力」はたったの9と常人と大差ないレベル(ちなみに道力はライフルを装備したエニエス・ロビーの一般兵一人分を10とするが、武器や悪魔の実の能力は含まれない)。
しかし武器として動物系ゾウゾウの実を食べた剣、象剣ファンクフリードを所持。このファンクフリードの扱いには慣れているので、総合的な戦闘能力はそれなり程度。
これに対しては部下たちも、「アレは強ェぞ」と評している。
一応、コネ頼りで成り上がってきた経緯からか、歴史や世界情勢に関する知識量はけっこう豊富。
また上記の性格により的確に相手の邪魔をする策を成功させたり、大胆な計画を立てたりすることもあるなど指揮官としては一応頑張っていた。
そもそもカリファから『長官の弱さは昔から存じております』と言われていたのだが、ぶっちゃけ指揮官は弱くていいのだ。(モンスター娘に常時囲まれているショタや人理復元を目指す彼/彼女何かが良い例)
極めつきはウs…そげキング、街一つ吹き飛ばす爆弾にも耐えたペルを筆頭とした者にも劣らぬ耐久力の持ち主であり、実際、そげキングの火炎星にフランキーのパンチ、ロビンの能力行使での往復ビンタといった攻撃を連続して喰らうといった一般人なら即死レベルな所業も顔が腫れあがる等しつつ耐えきって且つファンクリードに指示し反撃に出るといった場面もあった。
事実、麦わらの一味の活躍によって次々とCP-9の構成員がやられていき、ついには激戦の末“最強の男”ルッチがルフィに敗れるといった中最後までコイツはしぶとく悪あがきしていたのである。
活躍
過去編
CP5主官を務めていた10年前には古代兵器プルトンは我々政府が持つべきだと五老星に説得し、その設計図があるウォーターセブンに自らも乗り込んでいた。
フランキーが祝砲で放った砲撃に命中する、頭からペンキを被ったうえに海に転落したりとドジな一面も露出しつつ諜報員を使った裏工作(ラフィ・ラカムが今まで造ってきたバトルフランキー号の数々を使った司法船の襲撃)によって麦わらの一味の1人フランキーの師匠であるトムさんを死刑に追いやった。
現在の顔の歪みはこのときトムとフランキーによるもの。
ウォーターセブン&エニエス・ロビー編
初登場時は全体の敵陣営のトップとして暗躍し、ニコ・ロビンやウォーターセブン市長アイスバーグから古代兵器の情報を聞き出すべく、CP9を駆使して彼らとそれを防ごうとする麦わらの一味を苦しめたが、予想以上にしぶとく司法の塔に入り込んでくる麦わらの一味に業を煮やし、ルッチを呼ぼうと電伝虫を取り出す。
が、何とそれはバスターコール発令専用の"ゴールデン電伝虫"。おまけに子電伝虫の方も通話状態になっていたせいで、ロビンとのやり取りの中で「うっかり」エニエス・ロビーにバスターコールをかけてしまった事や
「ああ結構、お前を連行する為にたとえ兵士が何千人死のうとも栄えある未来の為の犠牲と言える!!!何よりおれの出世もかかってるしなァ!!!」
「そもそも侵入した海賊共を止められねェ能無しの兵士共など死んだ方がマシだバカ野郎!!!」
などという「失言」とか「暴言」というレベルすら越えた事を口走ったのもぜ~んぶ島の中に筒抜けに。
そしてロビンがバスターコールがかかったことを知らせたため彼女を殴り倒すも、海兵・役人は我先にと脱走し始めた。
その後は抵抗するロビンに執拗なまでに暴行を加え続け、最終的に立つことすらままならないほどの状態にまで陥れる。満身創痍のロビンを容赦なく引きずりながら脱走を図るも、そげキングの火薬パチンコによる爆撃を受けて足止めされ、更にロビンの手錠をフランキーに外されてしまう。
その後、バスターコールの恐怖で萎縮したロビンに致命傷を与えようとするもフランキーに阻止され、立て続けにファンクフリードを背負い投げた彼によって下敷きとなり潰される。
ルッチら全てのCP9のメンバーが麦わらの一味に倒され、迎えに来たゴーイングメリー号で麦わらの一味が逃げようとした際には「逃がすくらいならニコ・ロビンごと吹き飛ばせ!!!! ……と!! ”大将”青キジより託かっている!!」と偽って海軍に命令した(なおこの時中将オニグモは何かを察していたが特に行動は起こしてはない)が、ルフィたちの奮闘で阻まれ、最後はロビンの能力で意趣返しと言わんばかりに背骨を折られた。
全てが終わった後、あまりにもボコられすぎた彼はベットの上での集中治療状態に。それでも懲りずに一連の責任を部下になすりつけ、始末の人員を送り込むが、軽く返り討ちにしたルッチに「今までの『お礼』にいつか必ず向かいます」と言われてしまい、戦々恐々するハメになった。
自業自得とは言え、哀れな男である。
新世界編
それ以降はまったく音沙汰のない状態が続いていたが、2年後編のドレスローザにてカク(台詞のみ登場)、ルッチ、スパンダムらしき人物が政府最強の諜報機関CP‐0の一員として登場しており、今後の再登場が期待されている。
番外編劇場版ONEPIECE FILMGOLD
ほぼコネだろうがCP‐0の一員になり、2年間の間に自身の後ろ盾であったスパンダインが病気になり権力が弱まったため、本当にルッチのお伴のヤツ(腰巾着)になったことも確定した。
今は父親の回復を待ち、いつかはまた上司へ復帰するために日々ゴマすりを頑張っている。
そんななかギルド・テゾーロからは無能とみなされ、ルッチが派遣される原因を作ってしまいやっぱりいいとこなし……と思いきや、海楼石を使った棘チェーンでルフィを拘束するなど地味に活躍しており、リッカ(ゲストキャラの少年)に邪魔されなければルフィを倒していたといった快挙を成し遂げていた。
余談
- 人気
こうした揺るぎないゲスっぷりと、うっかりコーヒーをこぼしたりうっかりバスターコールをかけてしまうドジっぷりのせいかネタキャラ的な人気はあるようで、最新の人気投票でのCP9内の順位ではカク、ルッチに次いで3位であった。
実際、上記の悪行により嫌う読者もいるが、「悪役としてはNO,1だった」「何故か嫌いになれない」「どうかゲスな性格のままでいて」「生き続けて何かしらの報いを受けてほしい」といったコメントもある。
- 中の人
スパンダムの声を担当する小野坂昌也氏は、ロビンの回想編で登場する彼の父スパンダインの他、東の海で敵として登場したクロネコ海賊団のシャム、アーロン一味のチュウなども担当している。
このように出演歴が長く感じるが、実際のところはブランク期間にかなり開きがあり、本人も主人公のルフィ以外のキャラの名前を把握しきれていないことを自身の冠番組内で語っている。共演者の神谷浩史氏(同じく作中でトラファルガー・ロー役として第2部以降準レギュラーとして出演が継続している)からロロノア・ゾロについて聞かれても「三刀流の…中井くん?」と答えるほどであった。その後、番組内では麦わらの一味の名前をどこまで認識しているかに挑戦する企画が展開された。
(小野坂氏の最終結果や珍回答については動画を購入してチェックしてみよう!)
また、小野坂氏は同じジャンプ出身作品では『ボボボーボ・ボーボボ』の首領パッチ、『ジョジョの奇妙な冒険(第3部)』のアレッシーとしても有名で、いずれも本作でスパンダムにバスターコールの権限を与えた青雉役の子安武人の演じるキャラクターたちと関連深い人物となっている。
それを受けてなのか、ゲーム『アンリミテッド』ではスパンダムと青雉が同時に登場し、麦わらの一味と戦うという展開も描かれた。先に登場したスパンダムが、青雉の放つ冷気のトバッチリを受けて「ええええええええええ!?」と絶叫したり、青雉の方も自分のせいで凍結したスパンダムを見て「あぁ、いたの?」と軽い反応をするという、前者の作品を意識したようなコミカルなやりとりもあった。
その他、本作のとあるモブキャラもゲームでゲスト参戦した『キン肉マンⅡ世』の主人公・キン肉万太郎としても有名(余談だが、両作品は小野坂氏に限らず主要キャラたちのキャストが被っている例が多かったりする。最近は中の人だけでなく役名まで同じキャラまで登場した。)
- モデル