「アッ一切承知ィ。次から次〜!アッ人に、人に、人に取り憑き、巷を、アッ混乱に〜、陥れるのだ〜!相手が人間では、ダイレンジャーも、手が出せネンジャー!」(第13話)
「見えないつもりで飛ぶ~! おんぶ☆」(同上)
「ロボットだとどーも上手くいかねぇ…あ゛っケツが重い…まいっか」(第14話)
データ
概要
歌舞伎役者を二頭身にデフォルメした容姿のゴーマ怪人。人間や無機物におんぶして憑依し、意のままに操る能力を持ち、この能力で社会を混乱に陥れる作戦を命じられた。本人がかなりの歌舞伎や京劇好きで、憑依された人間は歌舞伎役者のような容姿と口調になってしまうため判別は容易だが、無辜の人間に潜んでいる都合上(下記の通り、既に死亡している人間にも憑依して操れる)、迂闊に攻撃できない難敵である。
中国にてリンの祖父である虞翻(ぐほん)の婚約者・小喬に一目惚れして彼女を自らの体内に幽閉した上で来日したため、彼に追われる身となる。
活躍
<第13話>
警備員 に憑依して強盗を働き、街中で金をばらまいて当たりを狂乱に陥れている最中にその場に居合わせた亮と将児と戦うも、その警備員を殺させまいとする虞翻の横槍に乗じて逃亡。その後、とあるステージにて3幹部に作戦を説明するも、シャダムから虞翻がやって来たことを咎められ、小喬を飲み込んでいることを秘匿すべくその場から姿を消し、作業員、巡査、出前中の蕎麦屋、と次々に憑依して暴走を開始。さらには警官と撃ち合う最中の強盗犯に取り憑き、ビルの屋上にて拍子木ヌンチャクや拳銃を駆使し、決定打を叩き込みかねるダイレンジャーを攻撃するも追い詰められ、「ここから飛び降りれば強盗犯は死ぬぞ」と脅迫するも、構わず虞翻に突き落とされ、すんでの所で憑依を解除して脱出(実は強盗犯は警官との撃ち合いで既に死亡していた)。
<第14話>
ついに3幹部に小喬を呑み込んでいたことがバレてしまいザイドスからお仕置きを受けるも、シャダムから「虞翻を殺せば小喬はお前のものだ」と言われ、彼の抹殺に乗り出す。その後廃工場にてあらかじめ拉致していたボクサーや剣士に次々と憑依したうえで虞翻を攻撃するも一切歯が立たず、ついには軍事用と思しき戦闘ロボットに憑依。
この状態は歌舞伎ロボットと呼称される。
目からのビームや右肩からのグレネードで虞翻を圧倒するも、そこに大輪剣を習得したダイレンジャーが登場。小喬を解放された怒りで戦うものの、ホウオウレンジャーの大輪剣の剣さばきの前についにロボを撃破され、元の姿に戻ったところを大輪剣気力シュートを受け敗北。
その際に起爆させた巨大化爆弾によって巨大化。口から黒い触手を出して大連王を攻撃するも、最期は大連王・一文字竜巻からの大王剣・疾風怒濤の前に爆散した(その際「一巻の終わりなのね~…」と遺している)。
しかし、虞翻が来日した理由はもう1つあり・・・。
余談
第13話のナレーションまで歌舞伎口調と化したが、ナレーターを担当した宮田浩徳氏は『星獣戦隊ギンガマン』第十五章にて同じく歌舞伎口調の怪人・煙ヱ門の声を担当することとなる。
歌舞伎小僧を演じた千葉氏によるアドリブなのか、人や物に取り憑く時は「お~んぶ」、その逆に憑依した人や物から抜け出す時は「ぶ~んお」という台詞を発することもあった。
顔が白塗りのため分かりにくいが、歌舞伎ボクサーを演じたのは多くのヒーローのスーツアクターを担当した高岩成二氏。
歌舞伎ロボは戦隊シリーズに登場したロボのパーツの流用・改造から成り、胴体と両肩は『超獣戦隊ライブマン』のガードノイド・ガッシュ、両腕は『超電子バイオマン』のバイオロボ、両手は『高速戦隊ターボレンジャー』のターボロボ、両足は『巨獣特捜ジャスピオン』のダイレオンのパーツが用いられている。
演じる千葉氏の怪演やアドリブの数々に加え、蕎麦屋の自転車に股間を強打して悶絶、そのまま股間を抑えながら憑依を解除して逃亡といった、多くのコミカルな描写が見られた。
後年発行された怪人デザイン画録『百化繚乱』では、デザイン担当の篠原保氏の口から、歌舞伎役者というモチーフを依頼され悩んだが、『ターボレンジャー』のスモウボーマのような、顔に手足がついたようなデザインとのオーダーを受け描き上げたものの、本人にとっては消化不良なデザインである旨が語られている。
また、合体四天王のイラストと共に当時の原画が見つからなかったため、書面には篠原氏の描き下ろしが掲載されている。ちなみに当時の原画は後に篠原氏により自宅の「靴」と大書きされた箱から発見された。
デザイン画は実際の造形と異なり、デフォルメが抑え気味、袴が白でなく黒といった違いがみられる。
マイティ・モーフィン・パワーレンジャー
第96話にて、なんと善玉の宇宙人ブッカラ(Bookala)として登場。スーツは新造された物であり、現地で撮影されたパワーレンジャーとのオリジナルシーンがある。
ブッカラ星の出身の宇宙人であり、知能が高く温厚な性格。本来は人形サイズだが、宇宙船のエネルギーであるダイヤモンドの力で人間と同じサイズになることができる。
巨大兵器セルペンテラのエネルギー不足に悩むロード・ゼッドが、そのエネルギー源として宇宙船のダイヤモンドに目をつけ襲撃したため、地球に不時着。パワーレンジャーに助けられ、ブルーレンジャー・ビリーと友情を深めていく。
最後はパワーレンジャーが囮の人形と偽の宇宙船を使い、ロード・ゼッドの目を引き付けた隙に地球から去った。その際にビリーの好きな雪を降らせ、またいつか会おうと約束している。
その後、囮の人形がロード・ゼッドの魔法によりモンスター、悪のブッカラ(Evil Bookala)として登場。一目で偽物と見抜かれたため巨大化してサンダーメガゾードと戦う。
ブッカラと同じ姿であることを利用し「俺を倒したら後味の悪い思いをするぞ」と凄むも、パワーレンジャーからは「お前は友達なんかじゃない」と一蹴され、たやすく倒されてしまった。
歌舞伎ロボットはブッカラを狙い現れたモンスター、ウエルド(Weldo)として登場。宇宙船を修理するビリーの研究室に現れ襲い掛かるも、ブルーレンジャーのブレードブラスターで倒された。
関連タグ
関連・類似する他作品の項目
キョウリュウバイオレット/ドクター・ウルシェード:中の人が19年後に演じた戦隊ヒーロー。
カブキノイド(機動刑事ジバン)/オヤクシャボーマ(ターボレンジャー):同じく歌舞伎モチーフの怪人
北斗の拳:担当者の暴走でアニメの次回予告が歌舞伎調になっている。
ケフカ・パラッツォ/ジャコウ(北斗の拳):中の人が同じで印象的なデザインやぶっ飛んだ言動を見せるという共通点がある悪役。