カタログスペック(X-1)
頭頂高 | 15.9m |
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本体重量 | 9.5t |
全備重量 | 24.8t |
ジェネレーター出力 | 5,280kw |
装甲材質 | ガンダリウム合金ハイセラミック複合材 |
スラスター総推力 | 100,000kg |
概要
木星帝国の陰謀を阻止するべく、ロナ家長女ベラ・ロナが再編した新生『クロスボーン・バンガード』が運用する主力モビルスーツ。
宇宙海賊という立場を示す為、海賊旗をモチーフとしたドクロのマークが模られたレリーフを頭部に有する。
サナリィの試作型MSで、『フォーミュラ・プロジェクト』に基づいて開発されたF91の後継機「F97」であり、実戦データ収集を目的にベラ率いる新生クロスボーン・バンガードへ譲渡された。
本機の武装は、高出力化したビームシールドの実用化により射撃戦に於ける効果が望めなくなった事と、ベラ・ロナの「敵パイロットを極力殺傷しない」という方針に基づき、近接格闘兵装を多数装備する。その一方で、運用される武装のほとんどは、サナリィで試作された実験用装備であり、機体と共に実戦データをサナリィに還元する代わりに譲渡されている。
なお、開発元を偽装する為の措置として、型式番号は元の「F97」ではなく、コスモバビロニア系列MSに用いられる「XM-X(所属不明)」の型式番号で登録されている。
木星圏での運用を当初から想定した設計が成されており、骨が交差したようなX字状のフレキシブル・スラスターを有する。
これは木星など高重力下での運用に於いて無くてはならない装備となっており、木星圏の高重力を振り切る程の高出力を発揮し、推力ベクトルを必要に応じて変更する事で機体サイズを保ったまま木星圏での運用を可能としている。
また、これは地球の重力下での運用の際に高い機動力を発揮するのみならず、スラスター推力のみでの飛翔を可能とするという副次効果を生み出している。
この可変スラスターはブッホ・コンツェルン系のMSに搭載していたフィンノズル(ビギナ・ギナに装備されていたものと思われる)を参考にした説やとあるMSの装備を参考にしたという説があるが、詳細は不明。
胸部にはホリゾンタル・イン・ザ・ボディ形式のコア・ファイターを内蔵する。
この際、フレキシブル・スラスターをメインスラスターとする事から、単なる脱出システムとしては破格の機動力を発揮している。このままでも大気圏内飛行が可能だが、航空力学を完全に無視した形状のため他の戦闘機と比べると運動性で大きく劣る(そのため、大気圏内対応のコア・ファイターへの換装も予定されていたという)。また機体下面にシザーアームがあり、コア・ファイター単体で簡単な作業ができる。
クロスボーン・ガンダムのコア・ファイターは、サナリィが開発したクラスターガンダムの発展型とされている。コア・ファイター本体(コックピット部分)が胴体に収納されるのは同じだが、スラスター部分がバックパックになる構造はネオガンダムと似通っている。機密保持のためのロック機能もクラスターから受け継いでいるが、X-2のパイロットが機体を手土産に木星帝国に投降するという事態が起きたため、木星側にデータを奪われるという結果を招いてしまった。
近接格闘戦闘を前提としていることから、その際にウィークポイントとなりやすい頭部と胸部のダクト類を極力少なくする設計が採用されており、また、装甲厚も相当のものが確保されているため、頑強な機体構造を有する。
反面、これらの特徴から内部に熱が溜まりやすいという欠点を招いており、特に頭部に搭載されたバイオ・コンピュータは熱に非常に弱いため、機体が過熱を起こすと強制排熱が必要となる。この際、排熱のためにマスクの上半分が口のように開く形で上にスライドし、金色のダクトフィンが露出する構造となっている。
サナリィでは合計4機が製造され、その内3機クロスボーン・バンガードへ譲渡されたが、その内1機は移送中の事故により欠番となった。また、後から建造されたX-3もまた、結果的にクロスボーン・バンガードの戦力として運用されている。
4機ともに補給パーツ形状が安定していなかったことから頭部などに差異はあるものの、その基本性能は共通である。
ザビーネと共に木星帝国に寝返ったX-2によってもたらされたデータを基にクロスボーン・ガンダムの装備を基としたMSが開発され(ただしコア・ファイターが失われているためデータ不足により断片的にしか採用されていない)、その後行方不明になっていた旧X-3ことX-0(のちのゴースト)を木星側が回収したことによりデータが出揃ったため、木星製クロスボーン・ガンダムの開発が行われることとなった(後述)。
パイロットはキンケドゥ・ナウ(X-1)、ザビーネ・シャル(X-2)、トビア・アロナクス(X-3、スカルハート、パッチワーク、フルクロス)、カーティス・ロスコ(ゴースト、X-11)、ニコル・ドゥガチ(X-13)。
XM-X(F97)一覧
XM-X1 クロスボーン・ガンダムX-1
黒白赤のトリコロールに塗られた1号機。
木星戦役(『クロスボーン・ガンダム』本編)を通してエースとして活躍し、キンケドゥからトビアに受け継がれた後も幾多の戦場を駆け抜けた。
詳細はクロスボーン・ガンダムX-1を参照。
XM-X2 クロスボーン・ガンダムX-2
黒の部隊(ブラック・バンガード)に準じたダークブルーに塗られた2号機。
V字アンテナに羽飾りのような意匠が施されており、顔もへの字の無い所謂「ゼータ顔」になっている。
コスモバビロニア系列MSの特殊装備であるショットランサーを装備している。
詳細はクロスボーン・ガンダムX-2を参照。
XM-X3 クロスボーン・ガンダムX-3
青白赤のトリコロールに塗られた3号機、特にスカイブルーが目を惹く。
マスクはへの字の開口ではなく窪みになっておりサイコガンダムに近い。またV字アンテナ基部には髑髏レリーフではなくアラビア数字の「3」をモチーフにしたデザインが刻まれている。
X-1、X-2と比べて実験機の側面が強く、Iフィールドハンドや胸部ガトリング砲を装備している。それもそのはずで、本来の3号機(後述)ではなく予備機扱いになっていたための仕様であった(そのため、開発当時は機体のナンバリングがなされていなかったらしく、露骨に主張している頭部の「3」も後から付け加えたものとされる)。
アクシデント的にトビアが搭乗したことでそのまま彼の機体となった。運用期間は4機の中で最も短いが、残った予備パーツはX-1の修復に使われ、形無き後もトビアと共に戦い続けた。
詳細はクロスボーン・ガンダムX-3を参照。
XM-X0 クロスボーン・ガンダムX-0(ゴースト)
銀色に塗られたクロスボーン・ガンダム。
木星戦役から20年後、宇宙世紀0150年代に現れた『存在しないはずの、銀色の幽霊』。マザー・バンガードへの補給物資として輸送中に行方不明になった物を、外宇宙で盲目の男「カーティス・ロスコ」によって発見され、彼の乗機となった。
「クロスボーン・ガンダム ゴースト」という名称は存在しないはずのX-0を見てフォントが名づけた愛称。
本来はベラ・ロナ専用機として「X-3」の名が与えられる筈だった機体で、銀色のカラーも彼女のかつての専用機を踏襲した物。
詳細はクロスボーン・ガンダム ゴーストを参照。
バリエーション
XM-10 フリント
クロスボーン・ガンダムを地球圏での運用に合わせ、木星圏で運用するための装備・機能を省略した、簡易生産型クロスボーン・ガンダム。開発元であるサナリィが想定した、真の意味で「F97」となるはずだった機体。
詳細はフリントを参照。
木星共和国製クロスボーン・ガンダム
カーティスの持ち帰ったX-0のデータを元に、ザンスカール戦争後木星で再生産されたクロスボーン・ガンダム。現在のところ全3機が製造。
一世代前の高性能機(そもそもがUC160年代末期は技術力の低下が著しく、新規にMSを開発する余力はどのコロニー国家にもなく、過去のMSのレストア機が主流となっている(酷い例では大昔である一年戦争時代のMSをそのまま修理して使うこともあった)ため、ザンスカール戦争時期には型落ち機に成り下がっていたクロスボーン・ガンダムも逆に高性能機に返り咲いている状況)であるクロスボーン・ガンダムは生産が比較的容易であることもあり、宇宙戦国時代下の現状において最高の技術力を持つ木星共和国が自らの戦力に組み込むために研究を進めている。
サナリィ製の機体4機とは生産元が異なるため番号が10番代から付け直されている他、元々は敵の機体であるためか(表向きでは)「クロスボーン・ガンダム」とは名付けられておらず「X-1○(○に1〜の数字が当てはまる)」が正式名称となっている。
また、型式番号も「JMS」に割り振られている。
JMSX-11 クロスボーン・ガンダムX-11
「機動戦士クロスボーン・ガンダムX-11」に登場。
木星産クロスボーン・ガンダムの1号機。正式名称は「X-11」
サナリィ製の機体(X-0)の完全再現を目指した機体で、文字通りクロスボーン・ガンダムの木星産コピーである。
そのため機体形状はドクロの装飾を含めて原型機と全く同じ。
赤いブレードアンテナと黒いラインの入ったフレキシブルスラスター以外はかつてのX-1とほぼ同様のカラーリングが施されている。
盲目のカーティスの為にX-0と同様に立体音響システムがコックピットに搭載されている他、フォント・ボー所有のサポートAIハロロのコピー「ハロロロ」が搭載され、戦闘時の支援を行う。
詳細は「クロスボーン・ガンダムX-11」を参照。
JMSX-12 X-12(トゥエルブ)
「機動戦士クロスボーン・ガンダムX-11」に登場。
木星産クロスボーン・ガンダムの2号機。
木星独自の技術との折衷案として設計された機体で、頭部は木星式のモノアイに加えデスフィズのようにつばが左右に広がっておりアンテナは左側頭部に1本、四肢も木製帝国のMSによく見られる曲面的な意匠になっている他、フレキシブルスラスターは多関節式で触手のようにしなり一節に2基ずつ、一本につき計10基のノズルを備えている異形の形状となっており、その容姿は過去のクロスボーン・ガンダムとは大きくかけ離れた物になっている。
一度は完成した物の、X-11と『同等』の性能では納得しなかった好戦派の主導で調整と改造が続けられていた。
しかし本家クロスボーン・ガンダムに見られたフレキシブルスラスターのX字の配置、フェイスオープン、コア・ファイターとの分離合体等の特徴は概ね受け継いでおり、装備の規格もX-11と共有している。
また現在のパイロットに合わせて装備とカラーリングも変更され、別名「薄紅姫(ペイル・ルージュ)」と呼ばれている。
詳細は「X-12」を参照。
JMSX-13 クロスボーン・ガンダムX-13
「機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST」に登場。
木星産クロスボーン・ガンダムの3号機。正式名称は「X-13」
X-11の形状に戻されているが、木星側の戦力として組み込むために各所にコストダウンが図られている。しかし未だ「特注品」レベルのコストがかかるため目標値には未だ到達出来ていない。
詳細はX-13を参照。
JMSX-14 X-14
現在予定されている木星製クロスボーン・ガンダムの完成形。
X-13のデータを元にX-12を再設計するプランだが、地球圏の混乱から受ける経済への影響により計画は凍結状態となっている。
装備
頭部バルカン砲
両側頭部に装備されている連邦系MSお馴染みの牽制武装。口径不明。
補給パーツが不安定だったことからX-2とそれ以外とで砲門付近の形状が異なる。
ビームガン/ビームサーベル
コア・ファイター側の固定装備で、ドッキング時には鎖骨部に開口された穴を通す形で収まる。
単発のビームガンと連射のビームマシンガンとで撃ち分けが可能で、マニピュレーターで引き抜けばビームサーベルとしても使用可能。
バスターガン
海賊のイメージに相応しく古式拳銃の形状を模したビーム・ピストル。
トリガーガードはなく、補助的な装備故にビームの威力もそれほど高くはないが取り回しに優れる。
ビームザンバー
海賊刀(カトラス)様のナックルガードを備えた大型のビームサーベル。名前の由来は「斬馬刀」。
使用時にはメガ粒子が縦方向に加速され、それによって幅広のビーム刃が形成される。この幅広のビーム刃は相手がビーム・シールドで防御していてもそのシールドごと対象を両断するという、接近戦に於けるアドバンテージを形成している。
なお、キンケドゥはビーム・ザンバーの幅広に形成された刀身をビームシールドのように使う「職人芸」を披露しており、攻防共に優れた装備である事が窺える。
ザンバスター
バスター・ガンが照準器・銃身・フォアグリップを、ビーム・ザンバーがグリップ・銃床を構成するビーム・ライフル。
ビーム・ザンバーとドッキングさせる事でバスター・ガンより威力を高めているものの、あくまでビーム・サーベルとしての運用が基本となる為、射撃用装備としては標準的なスペックにとどまっている。
また、オプション装備として先込め式のマルチプル・ランチャーを装備可能であり、核弾頭(小型化してグレネードに規格を合わせた非正規品)を含む各種弾頭を射出できる。
フリント及びレコードブレイカーに装備された改良型は、発射されたビームがペレット状と通常の描写があった他、ビームザンバーは砲身から直接引き抜いて使用するが、砲身部分がオリジナルと同じバスターガンのような射撃武器としての使用はできない模様。
なお、X-3は似た機能を持つムラマサブラスターがあるためか、基本的にザンバスターは装備していないが最終決戦時は核弾頭を使うためにザンバスターも装備していた(ビームザンバーやバスターガンは使用する前に破壊されたため未使用)。
A.B.C.マント
アンチ・ビーム・コーティング・マントの略。
布状の使い捨て耐ビーム装甲。ビームシールドの欠点をカバーするために考案された装備である。
何重にも堆積された特殊素材がビームを受けたとき蒸発することによって、ビームのエネルギーを相殺することが可能で、ビームライフルの直撃にも5発程度なら耐えるほどの高い性能を持つ。
またビームの通過時間が短い射程武器の防御に大きな効果を持つ装備だが、一方でビームサーベルのような長時間ビームが当たり続けるような兵器には弱く(一瞬で5発分に達する)、ヴェスバーの直撃から本体を守った一方で、クァバーゼのビームソーには簡単に切り裂かれてしまった。
後にABCマントの生地を重ねることで防御力の効果を高める結果を出した(フルクロスを参照)が、ビーム以外の防御力に疑問が湧いた上に使用している素材が比較的高価ということもあり(しかも使い捨てであることも拍車をかけた)、MS用としては使い物にならないという決断に至った。
メインスラスターを折り畳むことができるクロスボーン・ガンダムでなければ全身を覆うような装着方法をとれないため、それ以外の機体では下半身を覆うなど限定的な運用しか出来なかった。
メタ的には「MSは線が多いから描くのが大変」と言う作画上の都合で生まれたもの(実はMSが巨大な盾を持っているのも同じ理由)。
ちなみに、別のガンダム作品でもそれに近い装備がある(ガンダムサンドロックなど)。ガンダムエクシアもリペア時に左肩にマントを装備しているが破損した左腕を隠すためにつけたものであり、耐弾性はあるものの防御用のマントではない。
ブランド・マーカー
両前腕部に装備された特殊モデルのビームシールド。
従来のビームシールドとは違い、発生装置の表面にスリットを四問設けており、そこから発せられる4つのビーム刃を互いにぶつかり合わせ、発生装置を露出させる事なくビームの「面」を形成させる。
また、ビーム発生角度もしくは出力を調節するか等で展開方法を変えて四角錐状のビームスパイクとして形成する事も可能で、拳に移動させ、メリケンサックのように殴りつけたり、またはジャマダハルの様に斬りつけて使うこともできる(殴りつけた際に付くX型の傷痕が焼き印に見えた事から「焼き印押し=ブランドマーカー」の名がついた)。
元来、ビームシールドは中央のビーム発生装置から周囲に向けてビームを放出し盾状に形成しており、発生装置が破壊されれば当然使えなくなる。
つまり、ビームシールドはその多くが中央に発生装置という明確な弱点を晒しているともいえ、本機はその弱点を克服するというコンセプトがうかがえる。
ただし、シールドの面積はMS本体を守るには比較的小さい為か主流になる事は無かった様だ。(より大きな面を形成しようとすれば、より膨大なエネルギーを要し、エネルギー効率が悪化するため。後の時代では発生装置の小型化とビームコーティングの強化で破損の危険性は軽減されている)
更に本機は防御面では既に先述のA.B.C.マントがあるうえにエース級パイロットの乗機として用いられた(シールドを運用しない方針だったのではなく、運用するほどの相手がいなかった)ため、もっぱらメリケンサックとしての用法がメインとなった。
しかしながら本機の「ビームシールド」機能は、宇宙世紀0133年当時までは原理的に可能とされながら、実際には行われることのなかった「ビームシールドによる大気圏突入」を実行・成功させるという偉業を果たす事となった。
この大気圏突入実績は、後年代に於いてMSの大気圏降下戦術に大きな影響を与えるだけでなく、シールドを新造艦艇へ標準搭載させるのみならず、近代化改修、果ては民間用スペースシャトルに至るまで普及させるという、極めて大きな意義を有している。
キンケドゥ独自の運用として、F91のヴェスバー対策のためにシールドを展開した状態(メガコンデンサ依存)で両腕の発生装置を切り離して、二重のシールドを撃ち抜かせるという戦法で、ヴェスバーの威力を減衰させ、更にビームザンバーで受け止めたこともある。
なお、X-3のみ前腕へのIフィールド発生機内蔵という仕様上、オプション装備となっている。再生産型のX-10型はコスト削減のため標準装備されていない。
ヒートダガー
両脛部に内蔵された実体剣。
スラスターの余熱で刀身を熱する。
足裏から刀身を発射することも可能で、暗器としての側面も有する。
シザー・アンカー
腰部フロントスカートに装備されたチェーン(ワイヤー)式のマジックハンドのような装備。
フロントスカートが展開してアームとなり、チェーンはリアスカートに収納されている。
MSを1機つかんで振り回しても千切れない程の剛性を誇る為、敵を拘束して振り回す、手から離れた武器を回収して反撃に転じるなど、その運用の幅は広く第三・第四の手としての意味合いを持つ。
ショットランサー
X-2に装備された刺突用実体兵装。ランス根元に4連装ヘビーマシンガンを内蔵したベルガ・ギロスが所有していたタイプを改良して使用している。本来はコロニー制圧用として開発されたため、周囲への被害を抑える近接戦闘用武装はクロスボーン・ガンダム、ひいては宇宙海賊クロスボーン・バンガードの戦闘方針とも相性が良く、エネルギー消費も少ない。
なお、ゲームではランサーを射出している事も多いが、原作ではX-2がランサーの射出をしたことはない。
バスターランチャー
長距離精密射撃用の長砲身ビーム砲。
劇中ではX-2のみが使用し、一度だけ使った(外観はほぼF90Ⅱのロングレンジライフルと同一)ものと、X-2改が使用した木星帝国製の2つが登場している。遠距離からでも戦艦を沈めるだけの威力を持ち、本体と直結すれば更に強力なビームを放つことができる。木星製はバレルが若干短く、折りたたみ出来ない仕様となっている。
クロスボーン・ガンダムが参戦してるゲーム作品ではでX-2が射撃に明るい機体として扱われ、ファンにも「X-1は格闘戦向きでX-2は射撃戦向きの機体」といったイメージを持たれてる。
なお、X-2とX-2改の両方が登場するゲームでは大抵X-2改のバスターランチャーが、改造前に使ったものになっている。
スクリュー・ウェッブ
先端のドリルと共に全体が回転するムチ。物語中盤、シザー・アンカーを廃して装備された。
デスゲイルズ隊のクァバーゼに対抗すべく「相手がこちらより間合いの広い武器を持っているなら、こちらはもっと長い武器を持てばいい」という乱暴な発想で作られた急造品ながら効果は高い。
しかし多用されていたアンカーの排除は問題と判断されたのか、スカルハートでは、アンカー1基、ウェッブ1基という構成に直されている。
胸部ガトリング砲
X-3ならびに同じ設計の胸部を用いているスカルハートやX-0等に装備されている武装。
F91のマシンキャノンの流れを汲む装備で、髑髏のレリーフの眼窩部分に計2門装備している。
ムラマサブラスター
X-3にのみ、ザンバスターに替えて装備された特殊装備。14基のビームザンバーを並べた長大なビームサーベルと、先端に内蔵したブラスターガンで近接と射撃を両立したマルチウェポン。
サナリィが「最強の矛」を目指して作っただけあり、14基のビームサーベルをすべて発振した場合、X-3のIフィールド・ハンド以外で防ぐ事は不可能。ブラスターガンはザンバスターより威力が高い他、ハードポイントに接続すれば本体のエネルギーを上乗せして理論上は強力なビームを放てる。
更にその銃口からロングビームサーベルを形成することも可能だが、エネルギー消費も莫大で万が一のためにセーフティが設けてあるが、ビームを発振せずにそのまま敵に叩きつけても十分な攻撃力と耐性を持つ。
後に木星帝国も本武装を真似たモゾーブラスターを開発しているが、ブラスターと銘打っても射撃武器は内蔵しておらず、片側側面のみに7本のビームサーベルを並べただけである。
一部ゲームではX-3専用の武器として設定されているが、本武装はトビアがX-3を持ち出した際に近くにあったものを適当につかんできたもので、本当に専用装備であるかは不明だが、形状的にクロスボーン・ガンダム用といっても良い。現にX-1でも問題なく運用できた。
使うだけなら他の機体でも可能(当初はトビアがセーフティ解除できなかったため、ムラマサブラスターを奪ったエレゴレラによってそれが解除されて初の出力展開を行ったのをさらに奪い返した)。
Iフィールド・ハンド
X-3にのみ、ブランド・マーカーに替えて装備された特殊装備。
両前腕部にIフィールド発生機が内蔵され、手のひらから対ビームバリア・フィールドを展開する。
ビームを「防ぐ」のではなく「逸らす」この兵器は本来キンケドゥのようなエースパイロットが補助的な回避をするのに扱うことで真価を発揮する兵器だったが、何の因果か素人同然のトビアに渡ってしまい、ただの「強力なシールド」になってしまった(パッチワークやフルクロス搭乗時はコツをつかんだのか、上手く使いこなすどころか意外な使い方までしている)。
言うまでもなく実体弾には効果はないが、一方でビームシールドなら貫通するほどの艦砲やヴェスバーでさえもある程度逸らしてしまうため、直撃した場合でもダメージを散らすことが出来る。
また腕に装備したメリットとして、ビームサーベルのような、Iフィールドに対してもある程度の有効性を持つビーム兵器でも、放出孔を握りこんでしまえば無力化できる。これによりムラマサブラスターですら斬ることができない「最強の盾」となる(最終決戦ではディビニダドの大型メガ粒子砲を抑えこんでいる)。
一方で、ブランド・マーカーとは違い、基本的には攻撃に転用する事は出来ない。ただし似た装備を持つフルクロスで意外な運用方法をとることとなった。
使用時間105秒に対し冷却には120秒も要する。このため、左右交互に使用した場合で15秒間機体が完全に無防備になるという大きな弱点がある。
モニターにタイマーが表示されるなどUIも「きっちり作って」あったが、15秒間の隙が出来る点に関してパイロットであるトビアは「無責任」と評した。
120mmマシンガン
フリントが装備している実体弾式の武装。ドラムマガジンを上部に配置している(ザクマシンガンのそれはドラムマガジンの方が通りが良いが実際には「パンマガジン」と呼ばれるタイプの形状で別物なので注意)。
ピーコックスマッシャー
通常のライフルに8基のビーム砲を配置したことで広範囲の敵を攻撃できる武器。サナリィの純正装備ではなく、その場にあったジャンク品を使って制作した。弓部分のビーム砲は撃ち切りでエネルギーの再補充ができず、使用後はパーツごとの交換が必要。
名前の由来は、展開状態がピーコック(孔雀)が尾羽を広げたような形をとることから。
フルクロス
「鋼鉄の7人」における最終決戦仕様。
サナリィに保管されていたA.B.C.マントのハギレをかき集めて積層させたものに、自重を相殺するための補助スラスターとX-3のIフィールド発生機を四機組み込んだスカルヘッドユニットで構成されている。
A.B.C.マントを積層させIフィールドも併用した結果、ビームに対して高い防御力を誇り、これによって「回避・防御を捨てて攻撃に専念する」ことが可能となった。最終決戦における突破口を開いた重要な武装である。
しかしながら、急増装備であったため、クロスボーン・ガンダム本体の可動域には可能な限り配慮していたものの、トビアは格闘戦を行う際に邪魔なクロスを事前排除していたなど、随所に無理が見られた。
なお、この装備の原型は木星戦役時に既に完成しており(原型の基本データが研究所に残されていた模様)、クロスボーン・ガンダム3番機(X-0)と共にマザー・バンガードに配備されるはずであった(X-1に装備する予定だったらしい)が、後にX-0によって運用されている。その際に、上記の欠点を克服するために内側に可動フレームを追加している。
バタフライバスター
「クロスボーン・ゴースト」に登場。
X-0と共に漂流していた輸送船から発見された試作品。
出力はザンバスターと同程度だが、分離せずに砲身部分を折りたたむことでサーベルに変形させる(名称はこの機構がバタフライナイフに似ていたことに由来)。並列に配された発振器から伸びる2本のビーム刃を融合させているため、ビームザンバーより幅広のビーム刃を形成する。戦場での使い勝手を検証するための実験兵器で、発見時には6丁のストックが存在していた。
またX-0はこの武器を二丁拳銃/二刀流で運用するが、本来の運用方法ではない(出力を補うために2丁使用していると思われる)。
発見・運用された段階で既に型落ちの装備であり、ザンスカール帝国の量産機であるゾロアットのビームシールドに容易く受け止められるなど劣勢を強いられる場面も多い。
後にこの武装をブラックロー運送が解析、リニューアルしたのがバタフライバスターBとして運用されている。完全な新造武器なため元に比べて性能が12%UPしているもののビームシールドを切断するまでの出力には至っていない。
多目的攻撃兵装「クジャク」
「ゴースト」から登場。
宇宙世紀0153年には既に『型落ち』機となってしまっているクロスボーン・ガンダムでは、地球圏において戦力不足におちいる事を危惧したカーティスが、ブラックロー運送に1年前から開発を依頼していた新型兵器。
かつてクロスボーン・ガンダムX-3及びX-1改・改が装備していたムラマサブラスターと、ピーコックスマッシャーの機能を統合したマルチプルウエポンである。ムラマサブラスターの機能を継承した剣型の『バスターモード』とピーコックスマッシャーの機能を継承した『スマッシャーモード』の2形態に変形“させる”事が可能(この変形は手動(MSのマニピュレータ)で行う必要があり、システム面で未完成な部分も多い)。
側面に7対の計14基、先端には山形に3基のビーム発振部があり、『バスターモード』ではビームサーベル、『スマッシャーモード』ではビーム砲として機能する。
小型ジェネレーターを内蔵しており、宇宙世紀150年代では既に一般機並みとなってしまったクロスボーン・ガンダムであっても、本体の出力に上乗せすることで通常兵器を凌駕するビームを発射する事が可能となる。ただし、バスターモードをもってしてもザンスカール帝国の最新サブフライトシステム・アインラッドを正面から斬り割くには至らないなど、あくまでもクロスボーン・ガンダム(ハード性能)を「宇宙世紀0150年代機同等」まで引き上げる武装といえる。
ジェネレーターはあくまで補助的なもので単体の出力自体はそれほど高くなく、メガコンデンサーも併用されているため、破壊されても甚大な核爆発は抑止される。ジェネレーター内蔵のため使用するMSを選ばないという利点もある。コンセプト自体は宇宙世紀120年代に開発されたとされる兵器とほぼ同じであるが、そのデータを参照して開発されたものなのかは不明である。
クジャク1基でMS1機分の開発に相当するくらい非常に高額な製作費を用いており、その上生産性を度外視したワンオフに近い武装ということもあるため、本格的な量産はなされなかった。しかもこれを譲渡した事によりブラックロー運送が、単なる民間中立企業ではないのではないかと問題視される事となってしまったという、“いわく付き”の武装である。
なお、「クジャク」の名称は「ピーコック」を「ムラマサ」の語源である前世紀の日本で使われていた言葉に変換したもの。