概要
特撮番組『仮面ライダー龍騎』における仮面ライダーは、ミラーモンスターの力を借りることでベントカードを始めとした特殊能力を有する。そのライダーたちと契約したミラーモンスターの事を便宜上契約モンスターと呼ぶ。
契約モンスターはライダーに使役される存在ではあるが、契約者がカードデッキ(より正確には契約のカード)を破壊されたり、契約モンスターに人間やミラーモンスターの魂を餌として与えなかったりすると契約者自身を「ただの餌」と見なし食い殺してしまう。第32話での浅倉威の発言によれば契約違反しかけている状態でも戦いに望むとなると素直に協力する模様。
通常はライダーがミラーモンスターを倒してモンスターに魂を与えるが、この魂は横取りが可能であり、第6話では龍騎が倒したボルキャンサーの魂をドラグレッダーにやる事を渋り、ナイトのダークウィングが搔っ攫ったり、第32話では王蛇らが倒したバズスティンガー3体の魂をダークウイングが食べようとした所をドラグレッダーによって妨害され、ベノスネーカー・メタルゲラス・エビルダイバーが食べるといったシーンが描かれた。
契約中でも食人願望は健在であり、ダークウイングのように隙あらば過去に捕食対象に定めた人間を食べようとする、都合良く戦いを降りようとしたインペラーの契約モンスター(と思われる個体)のギガゼールがインペラーこと佐野満の恋人である百合絵を「はよ餌よこせ」と言わんばかりに襲うシーンが見られた。
殺人に躊躇いがないライダーの場合、能動的に人間を襲わせる事も(シザース、王蛇、ライア(『RIDER TIME 龍騎』)が該当)。
リメイク作の『小説 仮面ライダー龍騎』では120時間おきに他のミラーモンスターや仮面ライダーを殺害して餌として与えなければ契約を破棄し契約者を食い殺すという設定に変更された。
また、他のモンスターの例に漏れず、神崎優衣は襲えない(第14話より。ただし、第42話にてガゼール軍団はインペラーに指示されて優衣を襲っている辺り、個体差はある模様。なお、彼らは優衣が手をかざす事で指揮権を一時的に奪われている)。
仮面ライダーたちは、身体の各所にあるデバイスポイント「ジペット・スレッド」(肩などにある銀色の丸いパーツ)によって、契約したモンスターを己が手足のように使役する。
基本的に契約は1ライダーにつき、1体のようであるが、コントラクトカードを複数枚持っている場合はその限りではない(ただし、仮面ライダーの外見に反映されるのは王蛇の例を見るに、最初に契約したモンスターの要素だけの模様。デッキの内容は追加契約したモンスターに応じて増えていくようだ)。
この他にも契約モンスターの同族がセットで付いてくるパターンもある。これに該当するのはアビスラッシャーと契約した仮面ライダーアビス、ギガゼールと契約した仮面ライダーインペラーの2人。ただし、同族モンスターとはあくまでも契約は交わしていない為、デッキの内容は変動しない(なお、アビスの場合は契約モンスターと同族モンスターが合体するという芸当を行っている)。
これらの事例は一見すると手数が増えてお得に思えるかもしれないが、複数体分の餌を用意する必要があり、王蛇やインペラーはこのデメリットに苦しめられた。
なお、ライダー側が死ぬと契約モンスターが野良モンスターと化して人を襲う危険性がある。
作中でこれに該当するのはボルキャンサー、メタルゲラス、エビルダイバー、サイコローグ、デストワイルダーの5体。
主人が死んで野良モンスターになったと思われる個体のうち、ドラグレッダー(第49話以降)、ギガゼール、ジェノサイダー(第50話での浅倉退場以降)は人を明確に襲う描写はない。『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』ではブランウイングが、『仮面ライダー龍騎スペシャル 13RIDERS』ではバイオグリーザが同じ状況に置かれているが本編以外の作品でもこの設定が共通なのかどうかは不明である。
一方で、契約中にモンスターが死ねば仮面ライダーは契約モンスターから与えられた力を失い、ブランク体に戻ってしまう。この弱点はライダーを退場させる上でのテクニックとしても活用でき、仮面ライダーリュウガはジェノサイダーにドラゴンライダーキックでダイレクトアタックをかまし、王蛇を弱体化させている(契約モンスターを三体融合させていたのが仇となった)。
『ディケイド』版のリュウガや『RIDER TIME 龍騎』のオーディンのようにライダーとモンスターが纏めて倒されるというパターンもあるが、これらは特殊事例である。
ライダーとはギブアンドテイクの関係にあるが、完全にそうとは言い切れない描写もある。
ドラグレッダーの場合は契約違反になりかけて真司を襲おうとしたことがあるが、ガイにアドベントのカードを奪われて契約が事実上、果たせなくなった際には真司を襲うことがなかったり、劇場版ではアドベントカードもなしに龍騎のピンチに現れたりするシーンが見られた。
メタルゲラスやエビルダイバーの場合は主人が倒されて以降は浅倉を付け狙っており、契約後も浅倉の支配に抵抗するような描写が見られた。これに対して第32話で蓮は「元は別のライダーの契約モンスターだったのだから、契約違反を望んでいる可能性があるのでは?」と推測していた。このことから契約して以降も主人にある程度の反抗はできるのかもしれない。
海外リメイク版の『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』ではアドベントビーストという総称に変更されている。