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ライオン丸G

らいおんまるじー

テレビ東京系列において2006年10月1日から同年12月24日まで毎週日曜日の深夜に放送されていた特撮番組。全13話。

概要

この番組はピープロダクションが製作した『快傑ライオン丸』のリメイクである。オリジナルが戦国時代を舞台にしたアクション時代劇だったのに対し、本作は2011年新宿歌舞伎町(作品ではネオ歌舞伎町)を舞台にした現代劇となっている。深夜での放送であるため、ホストキャバクラといった水商売関連、パチモン闇金融人身売買といったヤクザ的な要素、そしてインキンとかキ〇タマ等といった下ネタと、一般放送では見せることのない箇所が多々見受けられている。そもそもタイトルの“G”は「グレート」とか「ギガ」とかのかっこいい単語でなく「Ghetto(貧民街)」の頭文字である。一部を除いて怪人が登場せず生身の人間が悪役であることが多いのも本作の特徴である。

物語は売れないホストがライオン丸に変身して戦うことになり最初は逃げてばかりいたものの最終的にはその宿命を受け入れて悪に立ち向かうという筋立てだが、上記のような風俗的な要素に加え従来の特撮ヒーロー番組とは違う作風だったために昔から『快傑ライオン丸』もしくはピープロダクションについて知っているファンからは批判され飽きれられていたが、その独特の作風に惹かれたファンも少なくなく一部ではカルト的な人気を誇っている。

基本的には『快傑ライオン丸』関連ネタや下ネタ等を中心におちゃらけたギャグが展開されるが、終盤では従来のピープロ作品に見られたシリアスな展開がなされている。

製作したのは『スレイヤーズ』や『新世紀エヴァンゲリオン』、『蒼穹のファフナー』や『魔法先生ネギま!』、『さよなら絶望先生』等、数多の名作アニメを世に送り出したスターチャイルドで、実写特撮番組の本格的なプロデュースは本作が初である。監督及びシリーズ構成は『アキハバラ@DEEP』等を手掛け熱狂的な支持を受けている大根仁氏が務めた。OPでオリジナルの主題歌である『風よ光よ』は数々のアニメソングや特撮主題歌を歌ってきた串田アキラ氏がカバーしている。また、『牙狼』等を手掛けた雨宮慶太氏が企画に協力しているほか題字を担当している。

役者に関しては、主役である売れないホストの獅子丸を「幻星神ジャスティライザー」の悪役デモンナイト/リゲルを演じた波岡一喜氏が担当し、デモンナイトとは一味違うコミカルな演技を見せている。ライバルである錠之介役を本作が初出演となる大田恭臣氏、一連の騒動に巻き込まれるヒロインのサオリとコスKをグラビアアイドル小林恵美氏と小田あさ美氏、コスプレが趣味のヤクザである豪山ジュニアに『忍者戦隊カクレンジャー』の貴公子ジュニア役や『特捜戦隊デカレンジャー』等で悪役を務めた遠藤憲一氏が演じている。その他、バナナマンハリセンボン等のお笑い芸能人が出演している。

2012年3月28日にDVD/BD-BOXが発売されたので興味を持ったならばこれを機会に視聴することを推奨する。

あらすじ

時は西暦2011年10月。新宿のネオ歌舞伎町では、それを付けた者を発狂させる謎のコンタクトレンズであるスカルアイが町中で売買されていて問題となっていた。スカルアイを付けた者、“カブキモノ”達が徒党を組み暴れ回り騒動を起こしているが中々対処しようがなかった。

そんな中、ホストクラブDreamin'に努めており万年最下位に甘んじている売れないホストの獅子丸はヤクザである豪山興業から多額の借金返済を求められていたが、当然返済できる金はなかった。そこで若頭である豪山ジュニアから借金の帳消しとして、ホスト狩りをしているスカルアイを付けた暴徒集団スワンキーズの囮になるため、同じく借金を抱えているキャバ嬢のサオリと用心棒の錠之介と共にスワンキーズのアジトに向かう。

アジトに辿り着いたのは良いが、スワンキーズの暴行に遭った獅子丸達は錠之介に助けを求めるも何故か彼は現れてこなかった。次第に追い詰められていく獅子丸だが、そこに謎の老人である果心居士が現れ、獅子丸にキンサチを与える。彼は怯えながらも果心居士の言うとおりにキンサチを抜くと、獅子の仮面を被った異形の戦士“ライオン丸”に変身した。

自分が変身してしまったことに戸惑いキンサチを投げ捨てて逃げ回る獅子丸だが、果心居士に“選ばれしもの”と見られて追い回される羽目になる。そんな獅子丸に執着する錠之介、スワンキーズの件を発端にスカルアイ関連の騒動に巻き込まれるサオリ、彼女の妹で獅子丸が変身するライオン丸をネタとして追い続けるコスK。彼ら4人にはやがて数奇な運命に巻き込まれることを最初は知る由もなかった。

登場人物

主要登場人物

獅子丸

本作の主人公でホストクラブDreamin'で務めているも、その接待の悪さとホスト向けではない容姿からネオ歌舞伎町一のワーストホストという汚名を受けてしまっている。おかげでさっぱり売れず借金苦に悩まされている。普段はカプセルホテルで住居を構えている。性格はいわばヘタレで、臆病でいい加減、美女好き(だが相手にされない)、そしてインキン持ちでいつも股間を掻いているというヒーローには似つかわしくない出で立ちである。果心居士からキンサチを与えれるも、当初はその情けない性格からライオン丸に変身して戦うことに消極的だったが、スカルアイに関連した事件に関わっていくうちに自ら進んで戦うようになる。同時に当初は敵対同士だった錠之介とも絆を深めていく。

最終回では一連の事件の黒幕である豪山によってDreamin'のホスト達をはじめとする仲間達が惨殺されたことに怒りを爆発させ錠之介と手を組んで立ち向かい、深手を負いながら豪山を倒したものの固い絆を築いた錠之介を失ってしまう。その後は彼の形見であるギンサチを携えてネオ歌舞伎町のどこかに消えていった。

終盤ではシリアスな一面も見せたが、基本的には昨今の特撮には見られないおバカなヒーローである。第2話から10話までの前回までの説明は彼が務めているが、第10話において視聴率の低迷を理由(?)に突然「もう説明しない!」「(こんな番組だけど)2ちゃんの実況盛り上がってっかー!?」と放り投げた挙句OPの主題歌まで歌ってしまうという暴走ぶりは爆笑もの。

ゴツボ☆マサルのコミカライズ版では本名が潮獅子丸とされ、ホスト

錠之介

本作のもう一人の主人公。豪山興業では用心棒を務めており、キンサチとは対を成すギンサチを抜いてタイガージョーに変身する。当初は彼と同じ“選ばれしもの”である獅子丸の情けない性格が気に入らず度々暴力を奮い敵対していたが、やがて彼と絆を深めるようになる。幼い頃両親を何者かによって殺されており孤児となっていたが、豪山に拾われ彼に忠誠を誓っていた。だが、そんな彼が獅子丸と関わることで豪山に対して疑問を抱き人間性が芽生えたため用済みとされ命を狙われることになる。

最終回では両親を殺した張本人が豪山だったという事実を瀕死の果心居士から告げられ復讐を誓い、獅子丸と力を合わせて豪山に立ち向かう。その凶悪な力によって重傷を負うものの、最期は獅子丸に笑顔を見せてダイナマイトを片手に豪山を道連れに自爆した。残されたのは爆発し炎上する炎とギンサチを手にした片腕だけだった。

獅子丸と出会うまでは戦うこと一筋で恋愛とは無縁だったが、第10話においてサオリにキスされてからは獅子丸に童貞であることを指摘されて最初は憤るも戦いの後に獅子丸を強くさせることと筆おろしとしてソープに行くことを約束し友情を築いていった。残念ながら約束は果たされることはなかったものの最終回の最後でサオリに強要される形で童貞を卒業する。その際のキャラ崩壊ぶりは正に腹筋崩壊である。

サオリ

本作のメインヒロインであるキャバクラ嬢。性格は明るくて楽天家だがヘタレな男には厳しく獅子丸にはきつい態度で接してくる。口は悪くいつも下ネタを垂れているとヒロインには似合わない要素を持っている。獅子丸と同じく豪山興業から借金をしており帳消しとしてスワンキーズのアジトに赴くことになってからは度々スカルアイ関連の事件に巻き込まれていく羽目になる。ナイスバディの持ち主で乳首の色はどピンク。好きな食べ物はカレー。酒癖は悪い。

事件に関わっていく内に錠之介に恋心を抱くようになる。最終的には彼と“アーッ!”したが悲恋に終わってしまった。最終回ではキャバ嬢を辞めシスターとなるも下ネタは健在だった。また終盤ではお腹をさすっている描写があるが、音声解説によればそれは便秘だったそうな…(ある意味ライオン丸Gらしい)。

コスK

サオリの妹であり定時制高校に通う女子高生で、ネオ歌舞伎町の情報誌の記事を作成している。ダメダメでポンコツなサオリとは違い、しっかりとした性格の持ち主。当初は情けない獅子丸を馬鹿にしていて、片やライオン丸をネタとしか見ていなかったが、次第にあの手この手で獅子丸/ライオン丸に対して協力的になる。ちなみにバリバリのバージンである。

最終回では一連の事件を後世に伝えるためノンフィクション本『ライオン丸G』を出版した。

コミカライズ版ではボクっ娘で眼鏡をかけており、髪もショートのクセ毛になっている。

豪山ジュニア

豪山の息子で獅子丸とサオリが借金している豪山興業の元締めを務めており、スカルアイの専売特許を持ち流通させていた。彼らをことごとく扱き使い、獅子丸に至っては亡き者にしてキンサチを奪い取ろうとしていた。

趣味はコスプレで、華道の先生からSM女王様、旧日本軍兵やメイドブルース・リーハートマン軍曹、果ては鉄人ゴーサンセブンと多彩なコスプレを披露しているが、これは“選ばれしもの”ではないことから豪山から冷たくされ錠之介が寵愛されていることに苛立ちを感じていたために父親に認められたいという一心から始めたものである。

終盤ではサオリにキンサチを奪うように命じるも豪山の部下である真影/シシトラに奪われたことを彼女から知らされ、父である豪山から必要とされていないことに怒り嘆き部下2人を銃殺するとサオリと共に豪山の下へ向かい彼の目前でこれまでの思いを打ち明かし銃口を向けるも軽くかわされ、最後は父である豪山に刺殺されるという悲しい結末を迎えた。

当初は華道をたしなむヤクザなつもりだったが、演じる遠藤憲一氏のアドリブによりコスプレ好きのヤクザとなった。上記のような様々なコスプレ、最後の登場回である第12話における鬼気迫る演技、そして“鮮血の結末”は見応えがある。

果心居士

ネオ歌舞伎町の所々でゴミをあさっている不思議なホームレスの老人。獅子丸にキンサチを託したのもこの人。神出鬼没で何時も逃げてばかりである獅子丸を追いかけていて、最初は彼から鬱陶しく思われていたが次第に“選ばれしもの”の宿命を自覚するようになってからは強く見守るようになり親交を築くことになる。外見にそぐわず動きは俊敏な上に戦闘能力は高く錠之介とは互角に戦い、豪山の部下である真影/シシトラの攻撃に怯むことはなかった。嘗ては豪山とは何らかの関係があったようだが今は袂を分かっている。

終盤ではシシトラによって奪われたキンサチとギンサチをサオリとコスKに託し、単身で豪山に挑むがその強大な力には如何ともし難く敗れ瀕死の重傷を負う。最後は獅子丸と錠之介に対し力を合わせて豪山を倒すようにと言い残し、彼らに看取られて亡くなった。

豪山

本作においてスカルアイを作り出しネオ歌舞伎町内で販売させ流通させていたスカルアイ関連の事件の黒幕で錠之介の両親の命を奪った、いわばだいたいこいつのせいかつ全ての元凶。錠之介やジュニアを駒として扱い用済みになると亡き者にしようとする等、性格は冷酷無比で極悪非道であり、悪そのもの。

その真の目的はスカルアイに代わる新たなコンタクトレンズ“アカアオ”を日本中にばら撒き破壊と混沌をもたらすことだった。終盤ではジュニアと果心居士を始末し、Dreamin'のホスト達等の獅子丸の仲間達を惨殺し、激怒した獅子丸と錠之介を相手に死闘を繰り広げ圧倒的な力で追い詰めるも、錠之介の捨て身の行動によって差し違え爆死した。

コミカライズ版ではハイテンションな性格でアニオタであるかのような言動が見られる。

余談

本作の主題歌を務めた串田アキラ氏だが、第2話において獅子丸がパ二くる場面で同氏が担当した『富士サファリパーク』のテーマがホントにホントにホントに流れている。

本作に出演していた俳優の中で後に平成仮面ライダーシリーズに出演した役者がいる。例えば、主人公の獅子丸を演じた波岡一喜氏は翌年2007年の『仮面ライダー電王』の第3、4話で売れないミュージシャンとしてゲスト出演し、またしても借金取りに追いかけられている。また、本作の黒幕である豪山を担当した石橋蓮司氏は2009年の『仮面ライダーディケイド』でメインキャストとして出演し、果ては劇場版で死神博士を演じることになる。第11話と12話で真影/シシトラ役で出ていた唐橋充氏は以前『仮面ライダー555』で海堂直也/スネークオルフェノクとして出演していた。

本作が放映されていた時間帯は『ぱにぽにだっしゅ!』や『蒼穹のファフナー』等スターチャイルド製作のアニメが放映されていたが、『ライオン丸G』はその中では初めて、そして唯一の特撮番組である。本作以降は『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』、『ヒロイック・エイジ』、『みなみけ』シリーズ、『夏のあらし!』、『はなまる幼稚園』、そして『荒川アンダーザブリッジ』までと、一部を除いてスターチャイルドのアニメが放映され続けていたのである。

ゴツボ☆マサルのコミカライズ版では獅子丸がホストではないなど、設定に数多くの改変がなされている。

参考文献

『ライオン丸G 公式パーフェクトガイドブック』(洋泉社、2007年)

同人誌『ピー・プロマガジン Vol.2』(空想特撮愛好会、2010年)

関連項目

特撮 ヒーロー

テレビ東京 ピープロダクション スターチャイルド

ヤクザ 下ネタ

リメイク

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