「自己紹介が 遅れました わたしは タロ! 2年生です!」
「いっぱい 知ってもらえると 思うんですよ ……かわいいが 最強ってこと!」
概要
初登場は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のDLC『藍の円盤』。
ブルーベリー学園に通う生徒の1人で、ライモンシティ出身。学年は主人公(ハルト(ポケモン)、アオイ(ポケモンSV))より一つ上の2年生。父親はイッシュ地方のジムリーダーの一人であるヤーコン。
しっかり者で通っているらしく、母校へ訪れたばかりの主人公にテラリウムドームなどの施設を案内してくれる。シアノ校長の物忘れが激しいためか、説明のためにブルーベリー学園やシアノとクラベルの関係も把握している。
バトルの腕も相当のものと紹介されており、その実力は学園におけるブルベリーグの四天王の一人に選ばれるほどで、ランクはカキツバタに次ぐ3位。
両手で『×』印を作って「そういうのよくないと思います!」の台詞と共に相手を窘(たしな)める癖があるなど、表情・仕草共にとても情緒豊か。バトル中、こちらの技が急所に当たると、このポーズとともに、「変なとこ当たっちゃった!」というコメントをする。狙いすぎである。
実際に、その可愛らしさから学園内でもアイドル的な扱いを受けており、劇中でも、同じブルベリーグ四天王のアカマツから異性として意識されている。
その一方で、ポケモンを愛でている最中に自身が「かわいい」と言われた際には、いつものポーズで「ブブー! 私はいまポケモンの話をしています」とガードの固い様子を見せた。
そう言われることに慣れているのか、無粋な男の子を追い払うため地元では有名な父の名を出すなど、モテる自覚はあると思われる。
「かわいいが最強」が信条で、自分が可愛いと思うポケモンばかりを手持ちに据え、愛情を注いだ結果四天王まで登り詰めてしまった天性の努力家でもある。
バトルを純粋に楽しんだ末にチャンピオンになったパルデアの生徒会長のネモとは面識があり、仲が良い様子である。
なお、彼女の考える"可愛い"の範疇(はんちゅう)は相当に広いことが、ネリネとの会話で指摘されている。
ゴツかったり異形然としたポケモンでも、触れ合う内に可愛く見えてくるポケモンファンなら、その気持ちは理解できるだろう。
特にグランブルの進化前であるブルーは、女性トレーナーから人気があるポケモンであるため、可愛いと溺愛する理由にもなり得そうではある。
専門タイプはフェアリーで、手持ちはラブラブボール…ではなくネストボールに納めている。
ネストボールはレベルの低いポケモンを捕まえやすくする効果のあるボールであり、手持ちのポケモンを低レベルの段階から愛情を注いで育て続けた、努力家としての彼女の一面を覗い知ることができるものになっている。
なお「フェアリータイプを多用する」と自他ともに認める彼女であるが、言動や紹介文を見るにフェアリーに拘りがあるというよりかわいいポケモンに拘りがあり、結果的に手持ちにフェアリーが多くなった為それを専門にした形らしい。
実際彼女自身の”かわいい”の範疇の広さもあって、主力メンバー以外にはフェアリーでないポケモンも多くいる。
自由に育成を楽しんだ末に自然と進路が定まった学生らしい選択と言え、ドラゴン使いの一族生まれのカキツバタとはある意味対照的である。
基本的に他人に敬称(「さん」「くん」)をつけて呼ぶタロだが、なぜかカキツバタだけは呼び捨てにしており心なしか態度も雑。何か理由があるのか、単に彼の日頃の行いから敬う必要がない相手認定しているだけなのかは不明である。
いいかげんなカキツバタに代わり部の実質的なまとめ役を受け持っている部分もあり、部室では四天王の仕事をサボるカキツバタに小言を言っている様子を拝むことが出来る(当のカキツバタは馬耳東風だが)。
タロ「そういうのよくないと思います!」
カキツバタ「オイラはいいと思いまーす!!」
タロ「なっ……!?」
主人公に対しても、リーグ部の方針についての質問に「安全第一」と答えると、ふざけていると受け取られて冷めた態度を取られるので、単純に不真面目な人間が嫌いとも捉えられる。
一応、きちんと誠実に答えれば良好な反応をしてくれるし、不真面目なカキツバタのことについて「主人公からも何か言ってください」と愚痴を零しているため、それくらい頼りにはしている様子である。
内心彼女に好意を抱くアカマツに対しては、父親の名前で追い払おうともせず、話に付き合っている。会話の内容からしても普段から仲が良いことが示唆(しさ)されており、タロ自身のアカマツへの好意の有無は不明だが、少なくとも友好的な関係を築いていることは確かである。
ただし、番外編の特別講師会話にてスグリと会話した際、休学中で勉強が遅れている彼が「アカマツに聞いても全然だめだった…あいつもわかんねみたい」と言った際には
「あ それも しょうがないね」と答えている。
主人公やカキツバタを含めると、ある程度親しい相手には辛口になる性格であるかもしれない。それでもカキツバタへの対応に比べれば、かなり良好な部類ではある。
ちなみにスグリのことは豹変したことを気にかけつつも、元々はかわいいと思っていた。復学してきた彼が授業に着いて行けるようにノートを貸している(一方で、貸すとぐしゃぐしゃにされて返ってくるからカキツバタには絶対に貸さないようにしている。ネリネやゼイユも同様の理由でカキツバタにノートを貸さないようにしている)。
特別講師としてやってきたポピーのこともかわいいと気に入り、お菓子で餌付けしようとした。
イーブイ系の使い手であるボタンにも、彼女がニンフィアを使っていたことから興奮気味に詰め寄り、ボタンもいきなり迫られて最初は驚いたものの、自分のイーブイ達が褒められることに気を良くしている。
留学生である主人公のブルベリーグ挑戦に対して最初は規則にないことを理由にネリネと共に反対していたが、それ以外にも自分たちの問題に主人公を巻き込ませたくないという至極真っ当な理由があったことを四天王チャレンジ前に告げている。
主人公がブルベリーグに登録したあとは、主人公の意思を尊重して快く対応した。
四天王チャレンジ
彼女の出すお題は5問連続のポケモンクイズで、半分以上正解ならクリアとなる。
ちなみにクイズ内容は以下。答えはここには記載しないので考えてみよう。
- ピカチュウが電気を溜めてるのは体のどの部分?
- コンパンがレーダーとして使っているのは体のどの部分?
- 3匹のヤバチャのなかで「しんさくフォルム」はどれ?
- 最初に見ていたピンク色(あかいろのコア)のメテノはどれ(外殻を纏い位置がシャッフルされる)?
- タロがお昼寝するときにグランブルのどこを枕にしている?
1番目と2番目は図鑑説明がヒント。
3番目は事前に贋作(がんさく)と真作の違いを知らなくても、ヤバチャたちの動きをよく観察すれば1匹だけ違う部分があることがわかる。
5番目の正解については、エリア内にいるリーグ部員との戦いに勝つと教えてもらえる。ただし、強めのトレーナー(黒吹き出し)なので注意。とは言っても、枕になりそうな部位を推測できると戦う必要性は薄い。
なお、1回間違えるとタロがヒントをくれる。間違えたときのポケモンのリアクションが面白いので、わざと間違えるのも一興。
2回間違えるとトレーナーとの勝負になり、勝てばその問いはクリア扱いになる。
容姿
毛先を切りそろえた菖蒲色(落ち着いた紫)のミディアムヘアー。太眉に垂れ目の穏やかそうな印象を与える顔立ちをした女生徒。
眉毛・睫毛(まつげ)・瞳は茶系であり、頭髪は染色している可能性がある。
大小の菱形をあしらったヘアピンを頭の両側に着けて耳を出している。このヘアピンはバトル開始時にも大きくアップされるから印象に残るだろう。
上半身は白のブラウスに、赤色の太くて短いネクタイを緩めに締め(というか青色の留め具で留め)、その上からニット生地らしき藤色の長いカーディガンをゆったりと羽織っている。
下半身は膝辺りに右脚は青・左脚は白のラインが入った紺色のジャージで、足元は白いスニーカーと、全体的によくも悪くもラフなスタイル。
意外にも背は高めであり、肩のあたりに主人公のおでこが来る。一方で、体型自体はかなり華奢。
スマホロトムのカバーは、デリバードポーチで普通に売られているフェアリータイプスキンを使用している。
名前はサトイモの一種である「タロイモ」に由来するものと思われる。
「タロ」という言葉自体が、ポリネシア語で「芋」という意味になる。
手持ちポケモン
1戦目
『藍の円盤』の初となるトレーナー戦だが、いきなりのレベルの高さにブルーベリー学園が生半可では通えないと思い知らされるだろう。最低でもレベル60後半は欲しいところ。
また、プラスルとマイナンはダブルバトルだから通常特性…と見せかけてどちらも隠れ特性であり、互いのでんき技を受けて強化するダブルバトル前提の構築になっている。『藍の円盤』で初登場する新技「みわくのボイス」も使ってくる。
四天王戦
「テラスタルハートに 注目! もーっと かわいく なーれー!」
藍の円盤クリア後
「テラスタルハートを どーん! かわいいの おすそわけです!」
- エルフーン♀Lv.83
- グランブル♀Lv.83
- アシレーヌ♀Lv.84
- ガラルヤドラン♀Lv.84
- マホイップ♀Lv.84
- ドリュウズ♂Lv.85(テラスタル:フェアリー)
シリーズ初となるフェアリータイプの四天王。
ほかのブルベリーグ四天王と同じくダブルバトル特化の構築。
- 「いたずらごころ」ときあいのタスキの合わせ技で行動2回を確保しつつ「おいかぜ」「ひかりのかべ」などの支援で味方の場づくりを行う先発のエルフーン
- 「いかく」で打点を削ぎながら「じゃれつく」、はがね対策の「ほのおのパンチ」や「じだんだ」で堅実に攻めて来るグランブル
- 「うるおいボイス」で「ハイパーボイス」をみずタイプに変えつつのどスプレーで火力を確保したアシレーヌ
- 「クイックドロウ」で不安定ながら先手を取り、タイプ一致の「シェルアームズ」や「サイコキネシス」、これまたはがね対策の「かえんほうしゃ」で攻めるガラルヤドラン
- 「みわくのボイス」で積みアタッカーを妨害しつつ「デコレーション」で味方の火力を補強し、自身は耐久力とたべのこし、「じこさいせい」と「ギガドレイン」で粘るマホイップ
- フェアリーテラスタルで耐性を反転させ、毒や鋼も高いスピードとパワーから繰り出す自慢の地面技で返り討ちにする、切り札のドリュウズ
などなど、パーティ全体が考えられた構成になっている。
対処法としては、一貫してドドゲザンが通ること。
特性を「まけんき」にしておけばグランブルのいかくを逆に利用できる。ただしヤドラン、グランブル、ドリュウズは弱点をついて来るため、返り討ちに注意。
なお、得意とするタイプの相性ではタロのほうが有利だが、実際のバトルではカキツバタに勝ったことがないらしい。
もっとも、「苦手のタイプ使いよりランクが上」なのは、アカマツ以外のブルベリーグ四天王全員に言える(強いて言うなら、カキツバタはフェアリー対策にアイアンヘッドなどのはがね技を覚えさせているため、相性が有利だからと勝てるわけではないことを留意)。
クリア後は、リーグ部で何回か会話を交わすと再戦できる。戦術と道具等は変わっていないが、若干レベルが上がっている所だけ注意。
勝利するとスマホロトムのブルーベリーカバー(ホワイト)をくれる。
余談
父親
ユーザー間では太眉や下まつ毛、手持ちポケモンにドリュウズがおりテラスタルさせる切り札にもしていること、ヘアピンに付いている緑色の宝石から、「ヤーコンの娘では?」と考察されていた。
そして「番外編」の配信後追加されたネモとの特殊会話で、その事がハッキリ名言され確定となった。
同じく芋の品種を名前の由来とすること、クリア後にタロが「パパは見た目がすっごく怖い」と話し、イッシュジムリーダーの中では特徴と一致することも根拠となっていた。
また、彼女が担当するコーストエリアのBGMの中には、彼が勤務するホドモエシティのBGMが使用されている。
出身地はヤーコンの勤務地であるホドモエシティではなくライモンシティとなっているが、子持ちでありながら家族が住んでいる場所と別の場所で働くジムリーダーにはホウエン地方のセンリという前例がある。ホドモエは鉱山・港・倉庫からなる労働者の街であり、住み易い隣町であるライモンシティに家族を住まわせているとしてもあまり不思議はないかもしれない。
容姿や特徴だけでなくイッシュ地方が舞台のBW2ではバトル施設であるPWTが建設されていることもあり、彼女がブルベリーグ四天王にまで上り詰めた背景としても想像に難くない。
年頃の娘でありながら、台詞を見るに父親との仲は良好であることが覗える。カキツバタに辛く当たるのは、尊敬する父親とは真逆な性格であることが理由とも考えられる。
ポケモンの親子ネームド初の「親子の切り札が同じ」という状態になる。また、キクイの遠い子孫である可能性も出てくる。
またヤーコンは鉱山会社の社長でもあるため、彼女は社長令嬢ということになり、上記ネモともそれ関係のパーティで出会っている。
近年のポケモン界隈では定例になりつつある「発売前の黒幕予想」をされた人物の一人(同時に腹黒・男の娘説もあった)。
同じ目に遭ったクラベル校長と同様に実際は真っ当な善人で、それらは全て否定されたが、現在でもしぶとくネタとして使われている(もっとも、現在ではほとんどが大喜利ネタで、本気にしている者はほとんどいないのが現状である)。
「基本的には優しく面倒見のいい優等生だが(それゆえに)不真面目・不誠実な相手や言動に対してはシビアな態度をとる」描写は一貫しており、上記のある程度親しい相手への辛口発言も踏まえると、ある意味では腹黒とは真逆の(良くも悪くも)本音を隠さない・自分に正直な性格と言える。
父の教え「いつだって 自分と ポケモンには 正直に生きていたいよな」
彼女が愛用するネストボールだが、第三世代(ポケモンRSE、ポケモンFRLG)ではアニメーションのエフェクトが「開くと同時に赤く小さいハートが散りばめられる」という現在とは大きく異なるファンシーな演出だった。かわいさを重視するタロにぴったりではあるが、相当古い設定なので偶然の一致だろう。
使用タイプについて
彼女の使用するフェアリータイプは、第6世代より新規で追加されたタイプであり、イッシュ地方を舞台とした第5世代ではまだ登場していなかった。
彼女の手持ちのうち、エルフーンとドリュウズ以外のポケモンには、第5世代時点のイッシュ地方で手に入るポケモンは含まれていない。イッシュ地方の生態系がBWの時とは違う可能性も考えられるが、すべてテラリウムドーム内で入手できるポケモンばかりなので、ドーム内で捕まえたと考えるのが自然だろう。
当初は、ノーマルタイプかどくタイプの四天王という考察もあった。
プラスルとマイナンに関してはフェアリータイプではないが、タマゴグループが「妖精」というのがあるのかもしれない。
もっとも、『ORAS』や『LPLE』、『BDSP』のようにリメイクで当時はなかったフェアリータイプが追加されることはあり得る話なので、あまり深く考えない方がいいだろう。
「フェアリータイプ使い」、「メインカラーがピンク」、「クイズを出題する」ことからかのフェアリー使いのジムリーダーを思い浮かべるコメントがある。