概要
デデデ大王が自分が主役のアニメを作りたいという願望の元、ププビレッジの住民達に作らせたTVアニメ。
スタッフ
原案 | デデデ大王 |
---|---|
製作 | チャンネルDDD、DEN-2、デデデ・プロダクション |
スポンサー | ホーリーナイトメア社、デデデ商事、ナイトメア・アパレルなど |
プロデューサー | デデデ大王 |
監督 | エスカルゴン |
脚本 | フーム、パーム |
脚本協力 | エスカルゴン |
キャラクターデザイン、作画監督 | フーム |
原画など | ププビレッジのみなさん |
制作進行 | トッコリ |
ストーリー
正義のヒーロー「デデデ」が、ピンクの悪魔カービィを倒す…という話。
全2話まで確認できている。
- 第1話『ふとった訪問者』
- 遠い宇宙をさまよう宇宙船にはすっげぇキモイペンギンが眠っていた。しかし、不思議なワープホールの光で目覚め、そのワープホールを使ってププビレッジへ行くのであった…。そこでデデデは陛下の座を得た頃、魔獣カービィが羊を盗み食いしていた。
- 第2話 タイトル不明
- デデデが「わしが正義のデデデぞい!」と高笑いをしながら縄跳び(試作品として作ったもの)をして打倒カービィに励む。因みに1話共に再放送されている。
登場人物
デデデ
「ワシは常に正義のために戦うのだゾイ!」
エスカルゴン
本作のヒロイン(?)。こちらも基本的に棒読みで、放送中に起きたアクシデント(後述)に対して「アドリブでごまかす」と言い放った。
「正義の味方はあくまで陛下でゲスよ!」
「危ないデデデ、吸い込みよ~!」
「ひどい!私の役をエスカルゴンが…」
カービィ
魔獣。体格が巨大になっており、火を吐いてくる。他の魔獣はどうする気だったのだろうか?
ちなみに、他のキャラクターのような棒読みがない為、一部ファンからは後述のカワサキと並んで「声優が一番上手い」と評価されている他、空耳ネタも存在。
「パルキアー!」
「WHO ARE YOU?」
フーム、ブン
脇役。ほとんど何もしない。
何かセリフを与えられていたが、その場面ではこのアニメに対するツッコミを入れていた(デデデ、エスカルゴンとのやりとりが妙にシンクロしている)。
「ひどいわ、魔獣がカービィになってる!」
「デデデの奴、全部作り直したんだ!」
パーム、メーム
脇役。カービィから逃げる。
「見なさい!私達だぁ!」
「しぃー…お芝居するのよ…」
レン村長、ボルン署長
脇役。カービィから逃げるが、帽子だけを残し行方不明になる。
「わしらは何処へ…」
メタナイト卿
脇役。声だけ出演。
「やった!あれぞファイアデデデ…」⇨「(舌打ちしながら)…しまらないな、これでは…」
カブー
脇役。エスカルゴンの呼びかけに応じワープスターを召喚。
演じるのは、コックカワサキ。(曰く『カブーを演じるよう、頼まれた』)
その熱演ぶりにフームからは「レストランやめて声優になったら?」と感嘆され、本人も「そうしようかな~」と返した。
「ワープスタァ~~~!!!」
羊たち
脇役。声はフーム、ブン及び大臣夫妻。登場して間も無く唐突に巨大カービィに吸い込まれる。何の説明も無くこんな展開で、このアニメ内でも扱いは相変わらずである。
コピー能力
本作の最大の特徴とも言える要素。
主人公のデデデが扱う事のできる能力。吸い込んだ物や相手の技等をコピーして、そのコピーした能力でデデデは戦うのだ。(とある名前が似てるゲームのピンク色のぽよぽよした主人公も似たような力を扱う)
作中に登場したコピー能力
- ファイアデデデ
- 魔獣カービィが吐き出した炎を吸い込んでコピーした能力。頭には炎を模した帽子を被っており、名前の通り口から炎を出して戦う。
確認できたのはこれだけ。
特徴(問題点)
- 低予算かつ短期製作、もちろん手順も知らないような素人製作(求人を見たコックカワサキが「アニメってヒラメやワカメやサメと違うの?」とかました)なので、出来が酷過ぎる。もっとも、求人の時点で「参加したら格別に安いギャラでこき使ってやる」と言っていた程なので、悲惨な結果になる事はある程度予想が付いたかもしれないが…。
- 当初デデデは放送を延期することも視野に入れてたが、膨大な違約金がかかる為に断念。スタッフ達には放送2日前に教えたため、厳しい重労働と化した。
- しかもアニメーターは素人なため、全体的に作画が酷い(ただし、差し替えられたオープニングとごく一部の作画はハイクオリティ)。これを見たデデデは「絵が下手なのはキャラデザイナーのせいだゾイ」とこき下ろし、エスカルゴンも「作画監督も酷かったでゲス」と言い放った(なお、いずれの役職もフームが担当している)。
- アフレコがぶっつけ本番な上に生放送のリアルタイム。声優として参加したメタナイトもこの状況に対して「正気の沙汰ではない」と愚痴をこぼしていた。
- フームや大臣夫妻(パームとメーム)も「さっきから全然動かないで突っ立って喋ってばかり」「動かすのが大変だからお喋りしてごまかしてるんだ」「しかも動いてるのは口だけ」とこのアニメの作画を皮肉った台詞を言い、最後はパームが「こういうアニメは安く作れるね」と締めた(一応エスカルゴンが「時間も予算もないから仕方ない」とフォローしているが、そもそもデデデが無計画なのが悪い)。
- 戦闘の最中にデデデとエスカルゴンの会話があるが、この時のやりとりは有名で、1シーンだけデデデとエスカルゴンのデザインが見違えるほど美形になっている(メタナイトが担当したという説があるが実際には誰が描いたかは謎。メタナイトはこの話ではアフレコの時しか登場しない)。
- 後半の方に至っては色も動きも無くなり、最終的には絵コンテになってしまう。(カワサキ曰く、「時間がなかったんだよ~!」とのこと)。
- そして最後にはカービィが書いた落書き同然の絵(通称・おたよりコーナー)になり、悲しそうなデデデの顔を最後に、映写機が壊れてしまい、フィルムが焼き切れる放送事故が発生。
- もはや物理的にオンエア不可能となり、ここで放送は中止となった。
- 後日統計したカスタマーサービスによると、視聴率は0.001%という現実では有り得ない(全宇宙に放送されたため、母集団が大きく異なるというのもあるのだろうが)、余りにも酷すぎる結果だった。真偽は不明だが、この第1話だけでホーリーナイトメア社は900億デデンの損害賠償を被った模様。
- その請求を金銭の代わりとして2話以降を無償で作る事(3話目以降も作られたかどうかは謎)になったが、第2話は放送中にワドルディとエスカルゴンがリアルタイムで作画しながら色を塗るという暴挙すら通り越した技法が取り入れられたため、途中で映像が途切れてしまい、作業担当のエスカルゴンも発狂寸前。
- 内容も酷く、開始数秒でカービィを倒す(第1話では倒す直前で放送事故が起こったため、その直後からの可能性もあるが)ため、ストーリー自体がない。相変わらず本番でのアフレコを行ったのでその場でデデデが口パクしながら棒読みの演技を見せるだけ。
- その結果、第1話よりも更に低クオリティになり、バカバカしすぎて住民からは呆れられるのを通り越して逆に大絶賛。そしてそれを皮肉ったフームの「酷さを極めると芸術ね…」という言葉で〆られるのであった。
小話
- 初回放送時、村人が『放送は7時半だ』『こんな朝早くで見る人居るんですかな?』という会話をするが、この「星のカービィ」のアニメ自体、朝の7時半に放送されている。朝7時半という時間帯は、早朝に加えニュース番組など強力なライバルが存在する為アニメは視聴率が取りにくい時間帯であり、実際カービィの番組視聴率は朝アニメとしては高い方であれど、朝枠の番組としてはそこまで視聴率が高いわけではなかったので所謂自虐ネタである。
- ちなみに超絶低視聴率だった星のデデデとは異なり、第49話自体の視聴率は5.0%と放送回では平均的な数字だった。
- 作画崩壊・殺人的スケジュール等、現代アニメーション制作現場における闇の部分を表現した回・内部告発回…と言われているとかいないとか。
- 前述のカービィが書いた絵は本作の作画監督の一人「はしもとかつみ」氏の息子(放送当時6歳)が描いた絵をそのまま使用している(※参考リンク)。
- 英語版(Right Back at Ya!)ではデデデが歌う「カービィ☆マーチ」が、現地オリジナルの主題歌(こちらもデデデ仕様)を歌うものに差し替えられている。また、スポンサー表示画面が第6話のとあるシーンのようなデデデの顔のアップ絵・ナイトメアのシルエットに変更されている(第37話の「明日まで語ろう」のスポンサー表示画面も同じ)。
- デデデの「自らを格好良くしたい」という希望や、デデデとカービィの普段の立場を逆転させたようなアニメ内容から、「デデデはカービィに対して少なからず憧れを抱いているのではないか」とも考えられる。
- 懲りずにアニメ制作ネタ第二弾もやった。
- 第61話でもデデデとカービィがこのアニメを視聴している。
- オープニング後の提供クレジットでのナレーションは、アニメ本編の提供場面やプププつうしんでのナレーションと同様、カービィを演じる大本眞基子氏が担当。
- このアニメのあるシーンのデデデの顔はロボボプラネットにて「らくがき デデデ大王」としてステッカー化。上画面での組み合わせからこちらではエリーヌが描いたことになっているようだ。
- 「スターアライズ」のサブコンテンツ『星の○○○○ スターフレンズでGO!』で主人公にデデデ大王を選択する事ができるが、その際のタイトルが「星のデデデ大王」となっている。このタイトルは「星の○○○○」の"○○○○"の部分に主人公に選んだキャラクターの名前が入るため、多数のプレイヤーがアニメの当該エピソードを思い出していた。
- 時は2019年1月23日。YouTubeにて海外のアニメカービィファンたちがリメイクしたバージョンの動画が公開され、話題となった。音声は英語版。たくさんのファンが手分けして制作したゆえに作画がころころと変わり、別のアニメの画風になったりするなど、小ネタが豊富に盛り込まれているのが特徴。2019年7月23日現在、再生回数は200万回を突破しており、9万件近い数の高評価も得ている。
関連タグ
ロボ刑事番長:本作並みに絵が雑で本作同様作画崩壊の典型的な例として挙げられる。
秘密結社鷹の爪:パーム達が指摘した「安く作れる」アニメの代表例。監督や登場キャラクターも、その「安さ」をウリや自虐にする発言をしている。
???:この回の放送から数年後、星のデデデ並みの滅茶苦茶な最終回を迎えてしまったアニメ作品。なお、「星のデデデ」に対する皮肉が制作会社に対する皮肉に聞こえなくもない。
ケロロぐんそう:同じくアニメを作ることが本職ではない素人達が制作したある意味後輩ともいえるアニメ作品。ちなみに現実世界でこのアニメを制作した人たちは彼らの中の人たちである。
ガルパ☆ピコ:この回の放送から数年後に登場した『BanG_Dream!』のミニアニメで、『ガルパ☆ピコ ふぃーばー!』第5話『ジェニファーちゃんを捜せ!』では、本作同様、白鷺千聖(絵を描くことが苦手であるキャラ)が描いた、画伯(落書き……?)レベルの絵なのに、何故か動くジェニファーが登場した。