生命を宿すポケモンゼルネアス。全てを破壊しつくしてしまうポケモンイベルタル。
カロス上空を飛び回る三鳥(の内の一匹)。メガシンカによりX・Yという二つの新たな可能性を手にしたミュウツー。
劇場版「破壊の繭とディアンシー」でメインを飾ったディアンシー、「光輪の超魔神フーパ」でメインを飾ったフーパ。
その力は天候を操り世界を滅ぼしかねないグラードンとカイオーガ、それらがゲンシカイキした姿、ゲンシグラードンとゲンシカイオーガ。
そしてそれらを支配する立場にあるレックウザ、そのメガシンカした姿でメガシンカの始祖とも言われるメガレックウザ。
エピソードデルタでレックウザと戦うデオキシスの存在も忘れてはならない。
三つの遺跡から挑戦者を待っているレジロック、レジアイス、レジスチル。
ラティアスとラティオスがメガシンカしたメガラティアス・メガラティオスに乗り大空を飛んでたどりつくマボロシのばしょでは過去の伝説達が総登場する。
第6世代はまさに伝説ポケモンのインフレの時代と言える。
あれ?ちょっと待って! もしかして、もう一匹忘れてない?
ゼドアーッ!!
概要
ポケモンXYに登場するジガルデ。伝説ポケモンで禁止級の一匹にもかかわらずそのあまりの影の薄さから名前や存在すら忘れられている事が多い哀しきポケモンである。
ポケモンORASでひかるおまもり目当てで全国図鑑コンプを目指し全部埋めたつもりが完成にならず本気でコイツの存在を忘れていたプレイヤーがかなりいるほど。一部ではミラクル交換で流れてきて勝手に図鑑のページを埋められた人もいるとか。
その影の薄さから人はいつしかこう呼んだ…
「Zなんとかさん」と…
影が薄い事に加え図鑑の説明が「洞窟の 奥深くで 暮らし 生態系を 破壊する者を 監視していると 言われている。」というこれまた地味なもので、ネットでは掲示板やtwitterで突然AAで現れてはポケモン関連の話題を監視するというネタにされている。
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.彡三ミミヽ ヽ_,'___ _ノ ;;;;;;;;| この記事は
彡' ヾ、 _ノ l.;;;;;0:::::::::::::::0::: | Zなんとかさんに
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,ィ彡.三ニミヽ __ノ } | 監視されて
.彡’ ` ̄ ! r|
_ __ ム o /| います
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ミ三彡' / i' `、|
影が薄い理由としては、まずジガルデが住む終の洞窟の存在自体が威厳を全く感じられない事が挙げられる。このダンジョン自体がレンリタウン前の18番道路の途中と非常に地味な場所にある上に最奥部を除いて殿堂入り前から入れるため、普通にトレーナーが住み着いていたり、生息するポケモンのレベルもそこまで大した事なかったりする。
過去の第三の禁止級ポジションにあったポケモンにはレックウザ、ギラティナ、キュレムの三種類がいるが、それぞれが生息する空の柱、戻りの洞窟、ジャイアントホールB1F~はいずれも人は誰もおらず、最奥部ではレベル50後半~60台の野生ポケモンが佇んでいる(ただしマイナーチェンジ版はストーリーに絡む都合上NPCがいたりレベルが下がったりする)。
このように殿堂入り後エリア特有の緊迫感が全く感じられない。ゆえに場所そのものが忘れ去られやすく、厳選したポケモンのレベル上げもバトルシャトーで済ませれば十分という有様である。せめて殿堂入り前に入口ごと閉ざしておけばクリア後ダンジョンとしての威厳は多少は保てたかもしれない。
次にジガルデのタイプと種族値である。ジガルデのタイプはドラゴン/地面タイプだが、この複合タイプと聞くとどうしても当時のレートで使用率トップでありその後も数々の実績を残し続けてきたガブリアスの影がちらつく。
伝説ポケモン、しかも禁止級ともなればガブリアスを超えた性能を期待したくなるがこいつの合計種族値はなんとガブリアスと同じ600。これまで禁止級ポケモンの合計種族値はいずれも650以上はあったが650を切ったのはこいつが初めてである。
ガブリアスの強さは130という高い攻撃にギリギリ100族を抜かせる102という数値、そして役割破壊にはギリギリ使える許容範囲である特攻80に残りを満遍なくHPと防御面に振り分けた耐久値にある。
しかしジガルデは特攻がちょっと低く防御が高い以外はほぼ横並びというあまりに無駄な配分になってしまっている。特にギリギリ100族を抜けない素早さ95があまりに痛い。
ドラゴンと地面の複合は攻撃タイプとしては非常に優秀だが、耐性面では水や草技を等倍で通してしまうため、種類の多いドラゴン/飛行の複合と比べると大いに劣ってしまう。そんな耐性面で攻撃が並、防御が高いという種族値配分はハッキリ言って禁止級では両方の良さを殺していると言っても過言ではない。
このような残念な仕様から禁止級にもかかわらず劣化ガブリアスの評価を受けていたのだ。
専用特性である「オーラブレイク」は一見アンチオーラ系の役割を担ってるように見えるが、ゼルネアスにはドラゴン技が、イベルタルには地面技が効かないとそもそもの相性が最悪。さらに専用技であるジオコントロールとデスウイングには全く効果がない。現在のステータスではオーラを逆転させたところで返り討ちに遭うのが関の山である。
専用技の「グランドフォース」もダブルバトルで味方を攻撃しない点を除いては完全に「じしん」の劣化でありパッとしない。さらにORASでグラードンが「だんがいのつるぎ」という命中率以外完全上位互換の超強力な専用技を使えるようになってしまったためますます立場がない。
辛うじて珍しい物好きの外国人の一部や子供からは使われているようだが、上述のガブリアスの存在もあってガチ勢からは全く相手にされていない空気同然の存在と化してしまった。
そして第6世代が舞台の劇場版ポケモンXY二作目でもゲームではこちらの方が先にもかかわらずカイオーガとグラードン、レックウザにメインポケモンの座を先に奪われてしまった。
同映画の本編終了後、XY三作目の告知映像でジガルデと思しきポケモンの予告映像が流れ、来年の映画ポケモンになる事が期待された。同年12月にはディアンシー、フーパに次ぐ新たな幻ボルケニオンも公開され、ジガルデとボルケニオンこそが来年の映画の主役ポケモンになると誰もが予想していた。
…が、翌年の2月、マギアナが公開。マギアナの公開とともに劇場版のページからジガルデの霊圧が消えた。Zなんとかさんェ…
それから…
と長らく空気扱いされていたが、とうとうアニメ本編「XY&Z」の情報解禁と共にフォルムチェンジが発表され、今までのジガルデは50%フォルムでしかなかったことが判明、100%状態となるのはパーフェクトフォルムの時だという事が露わになった。タイプはそのままなのだが、特性がまだ分からないのでまだ使えないかどうかははっきりとしていない。
特性がゼルネアス・イベルタルに対しもっと有効になる、それかガブリアスを種族値で越える、このどちらかで強さは判断されるだろう、というわけである。
しかし…
フォルムチェンジが判明してからしばらく、マイナーチェンジ版の「Z」の発売が望む人々が多かったが、なかなか新作ソフトの発売の話も無くニンテンドーダイレクトでも他のゲームのものばかりだった。
そして、ポケモンが20周年の節目を迎える2016年2月27日にポケモンダイレクトの配信が決定。ついにポケモン「Z」が発売される時が来たと思われた矢先、プロデューサーの石原氏の口から発表されたのは…
2016年冬に完全新作となるサン・ムーンの発売であった。
ごもっともです
なんとマイナーチェンジ版の発売が無くなり、フォルムチェンジの完全な謎が解き明かされる事も無く、完全新作へ移行するという3体目の禁止級ポジでは異例の事態が発生してしまったのだ。
マイナーチェンジ版で主役を飾りイメージを払拭出来ると思ったジガルデは泣いていい。
問題は完全新作に件のフォルムチェンジが出てくれるかどうかなのだが……
ついに…
『サン・ムーン』にて満を持して全フォルムのジガルデが実装と相成った。しかも専用技を3つも備えて。
ゲーム内では道中で10%フォルムを入手でき、更には念願の殿堂入り後のダンジョンの奥深くに50%が潜んでいる。
性能面での詳細はパーフェクトフォルムに譲るが、毀誉褒貶ありつつ何だかんだ強いポケモンに落ち着いている。
さらに次世代のポケモン剣盾では特性スワームチェンジの効果を活かしてダイマックスアドベンチャーの凶悪なボスとして君臨し、多くのプレイヤーを蹂躙した。
とりあえず伝説ポケモンとしての対面は漸く保てたと言えるだろう。
で、Zバージョンはまだですか?
そして…
都市再開発構想 ミアレシティ