はかいのいでんし
はかいのいでんし
初登場 | ポケットモンスター 金・銀(同シリーズにのみ登場) |
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効果 | 自分の攻撃を2倍にするが、こんらん状態になる |
「はかいのいでんし」とは、『ポケットモンスター 金・銀』及びマイナーチェンジ版に当たる『ポケットモンスター クリスタルバージョン』にのみ登場した幻のアイテム。『金・銀』当時では塞がっていたハナダの洞窟の入り口付近でダウジングすると見つけることができる。
初登場が『金・銀』なのもあって見た目は分かっていない。
このアイテムを持ったポケモンは攻撃が2倍になるが、常時こんらん状態になってしまう(簡単に言えば、場に出た瞬間「いばる」を食らった状態と全く同じになる)。こんらんにより自分がダメージを受ける可能性もあるギャンブル性能だが、それを補うほどの破格の性能であり、当時はケンタロスに持たせてはかいこうせんで一気に葬る「狂牛病型」と呼ばれる存在もいた程である。当時のオフ勢が週末に友人と対戦していた際、友人がドードリオにこのアイテムを使っていたのに着想を得たという話があるが、当時狂牛病の深刻なニュースが連日メディアに取り上げられていたのもあって、この「狂牛病型」の話は悪い尾鰭が付いて広まるのがとても早かったという。
因みに、通常プレイではこんらん状態が永続効果だが、『ポケモンスタジアム金銀』では通常のこんらんと同じ仕様になっているので、最悪2ターン目にこんらんがとけてしまう。
1個しか手に入らない上に消耗品だが、アイテムの説明からは消耗品と悟ることは不可能と言って良い。このため事前セーブせずに使ってしまった人もいることだろう。
なお、存在したのは後にも先にもこの『金・銀・クリスタルバージョン』のみ。リメイク版の『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』にも存在しない(その代わり、ミュウツーが再び出現するようになった)。
恐らく、『ポケットモンスター ルビー・サファイア』以降の作品でこんらんを無効化する特性「マイペース」が登場したため、うかつに出せないものと思われる。仮に今出たらベロベルト、ブニャットあたりが猛威を振るってしまうだろう。
さらに、『ポケットモンスター サン・ムーン』以降の対戦事情を加味すると、素早さと攻撃にさらに優れたポケモンが大幅に増加している中で、カプ・レヒレやダイフェアリーを放てるポケモンと組ませるだけで誰でも「ミストフィールド」でこんらんを無効化できてしまい、ゲームバランスが崩れてしまうことは避けられないだろう。
こういった事情もあり、恐らく今後再登場する可能性は極めて低いと考えられる。
「R」とは、ポケモンシリーズのスピンオフ作品『名探偵ピカチュウ』に登場する薬品で、同作の最大のキーアイテム。液体・気体・カプセル型の3種類が存在する。
ポケモン総合研究所(PCL)がミュウツーの細胞から作り出したもので、ポケモンに服用させると攻撃力が大幅に強化されるが、副作用として目が赤くなり凶暴化して敵味方の区別なしで暴れまわるようになってしまう(使用後は極度の疲労状態に陥り、暴走していた記憶も失ってしまう)という、「はかいのいでんし」を彷彿とさせる効力を持つ。
また、作品内ではこれらの作用は細胞に含まれる「破壊の遺伝子」が原因ではないかと推察されており、ミュウの遺伝子を攻撃特化に改造したことで生み出されたものであるとも言及されている。
『金・銀』に登場したアイテムとしての「はかいのいでんし」との関連性については判然としないが、前述した状況証拠や同一の名称が括弧で括られて態々使用されている点などから、この薬品も本質的に「はかいのいでんし」とほぼ同一の存在と考えてよいものと思われる。
試作段階ではあるものの改良型も作られており、そちらは敵と味方の区別ができる等、いくらか理性を保った状態で行動できるようになっている模様。
ミュウツーは「自分の細胞を何者かが勝手に利用してとんでもない薬物を作り出している」ことを当然ながら察知しており、これを止めるために独自に行動している。
また、主人公のティムの父親であるハリーはこの「R」に関する謎を追っている最中で消息不明になってしまったようで……。
実写版では…
ゲーム版と概ね同じだが、確認できているのはガス状のもののみで、狂暴化したポケモンの目の色が紫色になっている点、効果が切れた後も疲労に陥らない点が異なる(予告編の段階で多くの視聴者を戦慄させた強面のエイパムも、この「R」を吸って狂暴化した姿である)。
さらに、この「R」には、ゲーム版には見られなかったさらに隠された秘密があるようで……?
以下、映画のネタバレが含まれます! |
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「R」の特徴である「ポケモンを狂暴化させる」は実は目的のための過程に過ぎず、真の狙いは「ポケモンを狂暴化させることで自我を失わせ、そのポケモンと人間を融合させる」というもの。
それを行うに必要なのがミュウツーであり(本作では、ミュウツーには精神が錯乱状態に陥ったポケモンの魂を本体と分離させ、別の生物と融合させる特殊な力があるという設定になっている)、その力を使えば、自我を失ったポケモンと人間を融合させ、人間の精神を持ったポケモンにすることも可能(そのためこの能力を利用するためには最初にミュウツーと融合する必要があるのだが、これはアン・ローラン博士が「精神転移装置」を完成させたことで解決した)。
そして「R」を作った黒幕の真の目的とは「ポケモンと人間を融合させることで人類全体を進化させる」というシリーズ本編の悪役達に匹敵する程の狂気じみた計画だったのである。
ポケットモンスター ポケットモンスター 金・銀 どうぐ ミュウツー いばる
ポケットモンスター(穴久保幸作):コミカライズ作品の1つ。作中ではオリジナル設定で「ポケモンと人間を融合させる研究」を目論んだ科学者が登場しており、自身が実験台となって失敗作のキメラと化したが、最終的に元の人間に戻る事ができた。