「じゃあ花火を作れ。百連発の打ち上げ花火だ!」
「こんな話はどうだ? 花火は凍てつく冬の大空にこそふさわしい。わかるかな?」
CV:辻村真人
概要
第47話「人間花火百連発」に登場する妖怪軍団に与する妖怪の1体。人間態として、黒い帽子とコートをまとったどう見ても怪しい男(演:関根大学)の姿を取る。
劇中では具体的な説明はされていないが、史実における「火車」は死体を盗みそれを貪る妖怪として知られている。
火を見ると頭に血が上り、所構わず火をつけて回るため「放火魔」と呼ばれており、先代カクレンジャーによって北極の氷の中に封印されていた。
妖怪軍団の中では珍しく、封印の扉ではない場所に封じられていた個体。
「火炎車」という車輪型の武器を持っており、肩の大砲から砲撃したり、炎を放って攻撃する。指からの光線で対象を縮小したり、自身を縮小して火の中に潜むことも可能。
また、花火を上げるために空を暗くする能力も持つ。
活躍
氷の中に封印されていたカシャは、その時北極のオーロラを目撃し、その美しさに心を奪われていた。
現代になって封印の扉の解放に伴い復活を遂げたカシャは、オーロラを見た時の感動を再現するために、子供達を詰めた百連発の人間花火を打ち上げようと計画。
エピソードの半年前、花火職人である唐津一家の工場に放火して職人の夫婦を殺害。
それからしばらくして先代・銀次郎を連れ去り、次いで娘ののぞみを子供達を連れ去る囮になるよう脅迫。双方をお互いにとっての人質にするという手の込んだ方法を使ったが、銀次郎がのぞみを連れて逃げようとしたため、「孫娘の命が惜しければ言うことを聞け」と人間花火の製造を強要した。
その後、何のこだわりなのか、のぞみをマッチ売りの少女に扮装させ、そのマッチから出現しては子供達の誘拐を繰り返していたが、当然の如くカクレンジャーに察知され、駆けつけた5人と対峙。この時、カクレンジャーはあらかじめカシャについて知っていたのか、対面するなり臨戦態勢に入っていた。
この時は砲撃を目くらましに撤退するも、その後大魔王に謁見して人間花火の計画を語り、カクレンジャーを一緒に打ち上げるということで許可が下りる(阿諛追従が長過ぎて大魔王に「手短に!」と催促される一幕もあった)。
のぞみの案内でサスケが銀次郎の連れていかれた道に現れると、人間態で先回りし交戦、ノックアウトしてそのまま拉致した。
情報を持つのぞみを野放しにしていたのは、彼女を自由にさせれば必ずカクレンジャーに接触し助けを求めると読んだ上でのことで、最初に見つかったところから既に作戦だったのである。
その後、小さくされたサスケと誘拐された子供達を入れた花火玉を銀次郎に作らせると、「もう用済みだ」と2人を放り出して計画を実行。
打ち上がった花火に快哉を上げるが、
カシャ「やったー! とうとう人間花火を打ち上げたぞー!」
サスケ「そいつはどうかなぁ? 喜ぶのはちと早いんじゃないのかい。妖怪カシャさんよ」
背後からサスケの声。合わせて打ち上がった花火が「マヌケ」の文字を描く。
実は、サスケがあっさりと捕まったのはカシャのアジトを突き止めるためであり、カクレンジャーはとっくにカシャの目論見を見抜いていたのである。
確かに人間花火は完成こそしたが、サスケのドロンチェンジャーの信号を拾って残りのメンバーがアジトを発見。
運搬役のドロドロがサスケと子供達が入った花火玉を運び出す前に鶴姫達に襲撃され、普通の花火玉とすり替えられていたのだった。
鶴姫「どーだ、恐れ入ったかー!」
引っ掛けられたことにキレたカシャは火炎車を振り回して暴れるが、抜け身の術でかわされ、サイゾウ・セイカイ・ジライヤのカクレマルによる斬撃、鶴姫とサスケの「白鶴の舞」と「ヒカリマル・雷鳴斬」の連続攻撃を受けて追い詰められる。
直後に妖怪エネルギーの落雷を受けて巨大化し、今度は隠大将軍とニンジャマンとの対決になるも、うっかり「うるさーい!青二才は黙ってろ!」と口走ったのが運の尽き。
サムライ激怒ボンバーで怯んだところに鉄拳・フライングフィニッシュでぶっ飛ばされ、元のサイズに戻った上に花火の筒に突っ込んでしまい、残っていた花火玉と一緒に打ち上げられて爆発四散していった。
やられる際の断末魔の台詞はなく、代わりに晴れ渡った空からパラシュート花火の如く落ちて来た花火玉の中にこんな紙が入っていた。
【⠀冬の花火はサイコウだぜ!! 火車 】
余談
声を演じる辻村氏はそれまで昭和の仮面ライダーシリーズで多くの怪人を演じて来たが、今回満を持してスーパー戦隊シリーズ初出演となった。次の出演は『電磁戦隊メガレンジャー』のフクロウネジレ役である。
関連タグ
カシャ(魔化魍)、アベコンベ(シンケンジャー)、妖怪カシャ:後の東映作品に登場する火車繋がりの後輩達。